株ウォッチングスコア
株価
マルマエとは

株式会社マルマエは、鹿児島県出水市に本社を置く精密加工メーカーであり、半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)、太陽電池製造装置向け部品の設計・製造・販売を主力事業としています。
特に真空環境下で使用される装置内部の重要部品加工を得意としており、大型かつ高精度な部品加工に強みを持つ企業です。切削加工技術を中心に高度な加工ノウハウを蓄積しており、半導体装置の中枢を担う真空パーツや高精度パーツを一貫して製造できる体制を構築しています。
同社は1965年に創業者の前田務氏が製缶・配管を行う鉄工所として創業したことに始まります。その後、1990年代に切削加工の研究開発事業が合流し、発電用蒸気タービンブレードやロボットアーム、オートバイ部品などの加工を手掛けることで現在につながる技術基盤が形成されました。
2000年代に入るとパソコンや携帯電話、液晶テレビの普及を背景にFPD分野へ参入し、真空パーツの本格生産を開始。大型製品の製造に注力しながら太陽電池分野にも進出し、2006年には東京証券取引所マザーズへ上場するなど事業規模を拡大しました。
しかし2009年のリーマンショックではFPDや太陽電池分野の需要が急減し、同社は事業再生ADR手続きによる再建を経験します。その後は半導体分野へ事業の軸足を移し、世界的なスマートフォン普及やクラウドサーバー需要の拡大に伴う半導体投資の増加を追い風に再成長を遂げました。設備投資を積極的に行い供給能力を強化した結果、東証一部指定を経て現在はプライム市場に上場しています。
事業面では、真空パーツや各種高精度部品の一貫生産体制を特徴としています。従来は工程ごとに分散発注されることが多かった装置部品の製造を、切削加工、小径深穴加工、溶接、ユニット組立、表面処理までワンストップで対応することで、顧客の調達負担軽減、短納期対応、安定供給、コスト最適化を実現しています。試作から量産まで幅広く対応できる柔軟性も強みとなっており、半導体製造装置メーカーからの信頼獲得につながっています。
技術面では創業以来、レース用オートバイ部品、産業用タービン、金型など多様な分野の加工を経験してきたことで高度な加工技術を蓄積しています。これらの技術を半導体分野へ応用することで、高品質かつ再現性の高いモノづくりを実現しており、他社が対応しにくい大型・高精度部品の製造で競争優位性を確立しています。さらに社内にR&D部門を設け、生産技術の継続的な改善や効率化を進めることで品質向上とコスト競争力強化を図っています。
グループ体制としては、鹿児島県出水市の出水事業所(本社)および高尾野事業所、埼玉県朝霞市の関東事業所を主要拠点とし、生産能力の分散とBCP対策を意識した体制を整えています。2025年には特別目的会社として株式会社KMXを設立し、KMアルミニウム株式会社を子会社化。高純度アルミニウム地金やインゴット、ビレット、スラブなど機能材料の製造販売を取り込むことで、材料から加工までのサプライチェーン強化を進めています。
このようにマルマエは、半導体・FPD製造装置向けの真空部品加工を中心に、大型高精度品加工技術と一貫生産体制を武器に成長してきた精密加工メーカーです。半導体設備投資の動向に業績が左右されやすい景気敏感な側面を持ちながらも、技術力と供給力の強化により中長期的な成長余地を持つ企業といえます。
マルマエ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単23.8 | 6,868 | 859 | 789 | 706 | 55.9 | 36 |
| 単24.8 | 4,749 | 156 | 42 | 19 | 1.6 | 30 |
| 連25.8 | 11,403 | 2,103 | 1,936 | 1,355 | 107.1 | 40 |
| 連26.8予 | 17,700 | 3,200 | 3,000 | 2,700 | 213.0 | 76 |
| 連27.8予 | 19,000 | 3,400 | 3,200 | 2,100 | 165.7 | 56 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,252 | -1,489 | -286 |
| 2024 | 431 | -504 | -395 |
| 2025 | 3,058 | -9,708 | 7,875 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.5 | 6.0 | 9.4 | – | – |
| 2024 | 3.2 | 0.1 | 0.2 | – | – |
| 2025 | 18.4 | 5.3 | 16.6 | 16.7~26.9 | 4.90 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準の推移を見ると、営業利益は1.5億から21.0億、さらに32.0億予想と急拡大しており、経常利益も0.4億から19.3億、30.0億予想、純利益は0.1億から13.5億、27.0億予想と大幅な増益見込みとなっている。2024年はほぼ利益が出ていない状態から、2025年に一気に収益が回復し、その後も成長が続く予想となっているため、業績は明確な回復局面から成長局面へ入っていると判断できる。
収益性の面では営業利益率が12.5%から3.2%、18.4%と大きく変動しており、景気や設備投資の影響を強く受ける事業構造が表れている。ただし直近は18.4%と非常に高水準まで改善しており、利益体質は強い企業といえる。ROEも9.4%から0.2%、16.6%と急回復しており、資本効率は成長企業水準まで上昇している。一方でROAは6.0%から0.1%、5.3%と中位水準に留まっており、資産効率はまだ改善余地がある状態と考えられる。
バリュエーション面では2025年の実績PERは16.7倍から26.9倍のレンジで推移しており、業績期待によって評価が大きく変動する銘柄といえる。成長期待が強い局面では20倍台後半まで買われる一方、業績不安時には15倍台後半まで評価が低下する可能性がある水準である。PBRは4.9倍とかなり高く、資産価値ではなく将来の利益成長を織り込んだグロース株としての評価を受けているといえる。
総合的に見ると、この会社は業績回復から急成長に向かう途中にある銘柄であり、利益モメンタムは非常に強い。ただし収益性の振れ幅が大きく、バリュエーションも高めであるため、安定株や割安株というよりは成長期待を取りに行く投資対象と判断できる。業績が予想通り拡大すれば株価上昇余地はあるが、設備投資サイクルの影響で業績が鈍化した場合は評価調整も起こりやすく、ハイリスク・ハイリターン型の銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.8で2.3%、連27.8で1.7%予想となっており、水準としては高配当株とは言えず中位やや低めの利回りになります。インカム狙いで積極的に買われる3〜4%台の銘柄と比べると魅力は弱く、配当だけを目的に長期保有するにはやや物足りない水準といえます。
業績面を見ると利益は1.5億から21.0億、さらに32.0億予想と急拡大しており、明らかに成長投資フェーズにある企業です。この段階では設備投資や生産能力増強、研究開発などに資金が優先的に回りやすく、配当は業績の伸びに対して必ずしも比例して増えない可能性があります。半導体設備関連は需要サイクルの影響も強いため、利益が大きく伸びる年もあれば反動減となる年もあり、配当の安定性という観点ではやや波が出やすいタイプの銘柄といえます。
また株価評価の面ではPBR4.9倍と高水準であり、市場は配当利回りよりも将来の成長性を織り込んで評価している状態です。このようなグロース株は業績が好調な局面では株価上昇によるキャピタルゲインが期待できる一方、設備投資減速や半導体市況悪化が起きた場合には株価調整とともに配当利回りも魅力が低下する可能性があります。
総合的に見ると、配当目的としては「補助的に受け取るなら問題ないが、主目的にする水準ではない」という評価になります。安定的なインカムを重視する投資にはやや向きにくく、どちらかといえば業績成長による株価上昇を狙いながら、その間に配当も受け取るというスタンスが適した銘柄といえます。半導体投資サイクルに強気なら保有価値はありますが、純粋な高配当投資とは性格の異なる銘柄と判断できます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価3,215円で、マルマエは売上が47億円から114億円、さらに177億円予想と急拡大しており、半導体製造装置向け部品メーカーとして事業規模は大きく成長局面に入っている。営業利益も1.5億円から21億円、32億円予想と急増しており、半導体設備投資の回復と能力増強投資の成果が業績に反映されている形になっている。
営業利益率は12.5%から3.2%、18.4%と変動が大きく、景気や設備投資サイクルの影響を強く受ける企業であることが分かるが、直近は高水準の収益力まで回復している。ROEも9.4%から0.2%、16.6%と急改善しており、資本効率は成長企業水準に到達している。
良い場合は、半導体設備投資の拡大が続き、売上が200億円規模まで成長し、営業利益も40億円前後まで伸びるケースである。大型高精度部品の受注増加や生産能力増強による稼働率上昇で利益率も20%前後まで改善する可能性がある。ROEも18%前後まで上昇し、市場からの成長期待がさらに強まればPERが25倍前後で評価される展開も考えられる。その場合、株価は4,800円から6,500円程度まで上昇するシナリオが想定できる。
中間の場合は、半導体市況の波を受けながらも売上が170億円から190億円前後で推移し、営業利益も30億円前後の水準で安定するケースである。利益率は15%前後、ROEも12%から15%程度で推移し、成長は続くものの期待値は落ち着く可能性がある。この場合PERも18倍から22倍程度のレンジに収まりやすく、株価は大きく上昇することも大きく下落することもなく、3,000円から4,200円程度の範囲で上下する展開が考えられる。半導体成長株としては比較的標準的な値動きパターンといえる。
悪い場合は、半導体設備投資が減速し受注が減少、売上が150億円前後まで縮小し営業利益も15億円から20億円程度まで低下するケースである。利益率も10%台前半まで低下し、ROEも8%前後まで落ち込む可能性がある。その場合は市場の成長期待も低下し、PERが15倍前後まで切り下がる展開も考えられる。このような状況では株価は2,000円から2,800円程度まで下落するシナリオも想定できる。
まとめると、この会社は半導体設備投資の拡大局面では大きく成長する可能性を持つ一方、景気敏感性が高く値動きの振れ幅も大きい銘柄である。5年間の株価イメージとしては、良い場合4,800円から6,500円、中間の場合3,000円から4,200円、悪い場合2,000円から2,800円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当よりも業績成長による値上がり益狙いの性格が強く、半導体サイクルに強気かどうかで投資判断が分かれるタイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月21日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す