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広済堂ホールディングスとは

株式会社広済堂ホールディングスは東京都港区に本社を置く企業で、祖業は印刷事業である。現在は持株会社体制のもと、エンディング関連事業、人材サービス事業、情報ソリューション事業などを展開する企業グループへと事業構造を転換している。印刷やフリーペーパー事業を基盤として成長してきたが、社会環境の変化に対応しサービス分野の比重を高めている点が特徴となっている。
創業は1949年で、櫻井義晃が「櫻井謄写堂」を設立したことに始まる。1954年に有限会社桜井廣済堂として法人化され、その後1962年に株式会社桜井廣済堂へ改組した。1972年には廣済堂印刷株式会社へ社名変更し、印刷事業を中心に事業拡大を進めた。
1978年には関東クラウン工業と合併し廣済堂クラウン株式会社となり、1981年に株式会社廣済堂へ再度社名変更している。関西でも大阪支店を母体として事業が広がり、関西廣済堂との統合を経て1999年に東西合併が実現し、現在のグループの基盤が形成された。
1985年には東京都内で葬祭場を運営する東京博善への経営支援を開始し、1994年には同社株式を取得して子会社化した。この葬祭関連事業は現在の広済堂ホールディングスの中核収益源の一つとなっている。
東京博善は東京23区内で火葬場併設の総合斎場を6カ所運営しており、都市部における葬儀需要を背景に安定した収益基盤を持つ。さらに葬儀施行や関連サービスを担う広済堂ライフウェル、グランセレモ東京、東京博善あんしんサポートなどのグループ企業を通じ、エンディング関連事業の強化を進めている。
印刷関連事業では商業印刷や出版印刷に加え、フリーペーパー事業としてWorkin仙台版などを展開してきた。また新聞印刷事業の分社化や再統合、出版事業の分社化など、事業再編を繰り返しながら成長してきた経緯がある。紙媒体市場の縮小を背景に近年は構造改革を進め、印刷以外のサービス分野への転換を積極的に推進している。
人材サービス事業では、求人広告の企画制作や採用支援、人材派遣・紹介などを行っており、企業の人手不足を背景に需要が高まっている分野である。広済堂ビジネスサポートやキャリアステーション、ファインズなどの子会社を通じてサービスを提供しているほか、ベトナム法人を設立し海外人材分野にも取り組んでいる。また資産コンサルティングや金融関連サービスとして広済堂ファイナンスなども展開し、事業の多角化を図っている。
情報ソリューション事業では、システム開発やデータ処理、BPOサービスなどを手掛ける広済堂ネクストを中心に、企業や自治体向けの業務支援サービスを提供している。デジタル化や業務効率化のニーズを取り込みながら、新たな収益基盤の構築を進めている。
2021年10月には会社分割により持株会社体制へ移行し、株式会社廣済堂から株式会社広済堂ホールディングスへ商号変更した。これにより各事業会社の独立性を高め、グループ全体の成長戦略を推進する体制を整えている。
現在の広済堂ホールディングスは、印刷を出発点としながらエンディング関連、人材、ITサービスなど多角的な事業ポートフォリオを持つ企業グループとして、安定収益の確保と中長期的な成長を目指している。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3* | 36,668 | 4,280 | 4,185 | 4,042 | 28.3 | 4.25 |
| 連24.3* | 35,457 | 5,323 | 5,312 | 4,336 | 31.7 | 12.5 |
| 連25.3 | 38,302 | 8,302 | 8,032 | 4,462 | 31.2 | 12.74 |
| 連26.3予 | 38,500 | 7,900 | 7,600 | 5,100 | 39.9 | 13.34 |
| 連27.3予 | 41,500 | 8,700 | 8,400 | 5,600 | 43.8 | 14.6〜15.33 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 6,293 | -3,936 | -5,400 |
| 2024 | 10,000 | -9,018 | -712 |
| 2025 | -8,453 | 4,086 | -2,945 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.6% | 5.6% | 9.7% | – | – |
| 2024 | 15.0% | 5.6% | 9.4% | – | – |
| 2025 | 21.6% | 5.7% | 9.4% | 10.3〜22.8 | 1.44 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準の推移を見ると、営業利益は53億円から83億円と大きく増益しており、26年予想79億円、27年予想87億円と高水準を維持する見込みとなっている。経常利益も53億円から80億円から76億円予想から84億円予想と同様に拡大基調にあり、本業の収益力が強化されている状況が読み取れる。純利益は43億円から44億円と横ばいに近いが、26年予想51億円、27年予想56億円と今後は増益が見込まれており、利益成長はやや遅れて表れる構造となっている。
収益性の面では営業利益率が11.6%から15.0%から21.6%と急速に上昇しており、これは非常に評価できるポイントである。20%台の営業利益率はサービス系企業としても高水準であり、事業構造の改善や高採算事業の比率上昇が進んでいる可能性が高い。一方でROEは9.7%から9.4%から9.4%、ROAも5.6%から5.6%から5.7%とほぼ横ばいで推移しており、資本効率は改善しているとは言い難く中位水準に留まっている。
バリュエーション面では2025年の実績PERは安値平均10.3倍から高値平均22.8倍まで大きく振れており、市場評価が安定していない銘柄と言える。利益成長に対して期待が入る局面では割高水準まで買われるが、評価が剥落すると割安圏まで下落しやすい値動きの特徴がある。PBRは1.4倍と資産価値に対してややプレミアムが付いた水準であり、成長期待込みの評価と考えられる。
総合的に見ると、利益成長力と営業利益率の上昇は非常に強く、業績面だけで見れば成長株寄りの性格が強まっている。一方でROE・ROAが伸びていない点やPERの振れ幅の大きさから、株価は業績以上に期待やテーマ性で動きやすい側面がある。したがって投資判断としては、中長期では利益成長を背景に上昇余地はあるが、短期的な値動きは大きくなりやすく、押し目を待って分散して投資するタイプの銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26年予想2.8%、27年予想3.0%と、日本株全体で見れば中位やや上の水準に位置しており、極端に低いわけではないものの、高配当株として積極的に評価される水準でもない。配当額は12円台から13円台、さらに14円台へと増配傾向が続いており、利益成長に応じて株主還元姿勢も徐々に強まっている点はプラス材料と言える。
業績面では営業利益率が20%台まで上昇しており、収益力の改善が明確に見えることから、将来的に配当余力は拡大していく可能性がある。純利益も今後は50億円台まで増益予想となっているため、配当性向を大きく引き上げなくても自然増配が可能な構造に入りつつある点は評価できる。一方でROEは9%台で横ばいに近く、資本効率が急激に改善しているわけではないため、積極的な株主還元政策を打ち出す企業タイプとも言い切れない。
またPERが10倍台前半から20倍台まで大きく変動する特徴があることから、株価は配当利回りだけで支えられるというより、業績期待や市場テーマによって上下しやすい銘柄と言える。このためインカム重視の長期安定投資よりも、業績成長によるキャピタルゲインと配当を同時に狙う中期投資向きの性格が強い。
総合的に見ると、配当目的単独での投資対象としてはやや物足りないが、利回り3%前後は下値のクッションとして機能する可能性がある。株価が調整し利回りが3%台後半に近づくような局面では配当妙味が高まり、投資魅力が増すタイプの銘柄と考えられる。したがって投資スタンスとしては、高配当株として長期保有するよりも、業績トレンドを見ながら押し目で分散して仕込む戦略が適している。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価476円で見ると、売上は354億円から383億円、さらに385億円、415億円予想と緩やかな増収基調が続いており、葬祭関連事業を中心とした安定収益を背景に事業規模は着実に拡大している。営業利益も53億円から83億円と大きく増益した後、79億円予想、87億円予想と高水準を維持する見込みであり、収益力は明確に改善している企業である。
営業利益率は11.6%から15.0%、21.6%と大きく上昇しており、事業構造の変化や高採算事業の比率上昇が進んでいる点は評価できる。一方でROEは9%台、ROAも5%台で安定しており、急成長企業というより収益力改善型の成長企業といえる。
良い場合は、葬祭事業の安定収益に加えて人材サービスや情報ソリューション事業の成長が評価され、売上が450億円以上まで拡大し、営業利益が100億円近い水準まで成長するケースである。営業利益率が20%台前半から中盤で安定し、ROEも10%台に乗るようであれば企業の収益力に対する市場評価が高まり、PERが18倍から20倍程度まで見直される可能性がある。その場合株価は650円から850円程度まで上昇するシナリオが考えられる。テーマ性が強く評価される局面では一時的に900円近辺まで上振れる可能性もある。
中間の場合は、売上が420億円前後で安定し、営業利益も80億円から90億円程度のレンジで推移するケースである。葬祭という安定需要を背景に業績は大きく崩れにくく、PERも12倍から15倍程度で推移する可能性が高い。この場合株価は大きな上昇も下落もなく、450円から650円程度のレンジでの値動きになりやすい。配当利回り3%前後が下値の支えとなり、比較的緩やかな上昇または横ばいの展開になる可能性がある。
悪い場合は、事業再編の影響や人材事業の成長鈍化、葬祭需要の変動などにより利益が伸び悩み、営業利益が60億円台まで低下するケースである。営業利益率も15%前後まで低下し、ROEも8%台まで下がる可能性がある。この場合市場評価も低下し、PERが10倍前後まで低下する展開が考えられる。その場合株価は350円から450円程度まで下落する可能性があり、短期資金の売りが強まると300円台前半まで下振れるリスクも想定される。
まとめると、広済堂ホールディングスは葬祭関連を中心とした安定収益基盤を持ちながら収益力改善が進んでいる企業であり、急成長株ではないが利益率上昇による株価見直し余地はある銘柄といえる。5年間の株価イメージとしては、良い場合650円から850円、中間の場合450円から650円、悪い場合350円から450円程度のレンジで推移する可能性が考えられ、配当を受け取りながら中期的な成長も期待できるタイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月22日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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