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ZACROSとは

ZACROS株式会社は1914年創業の化学品メーカーで、本社は東京都文京区にある。旧社名は藤森工業株式会社であり、2024年に創業110周年を迎えるとともに現在の社名へ変更した。プラスチックフィルム加工技術を基盤とした機能性材料メーカーであり、樹脂包装材分野では国内大手の一社として知られている。医薬品や食品向けの包装材料を主力としながら、電子材料やライフサイエンス分野などへ事業領域を広げてきた企業である。
同社の事業は大きく包装材料分野、電子材料分野、ライフサイエンス分野、産業インフラ分野などに分かれている。包装材料分野では食品や医薬品、日用品向けのラミネートフィルムや詰め替え用パウチなどの製品を展開している。
これらの製品は生活必需分野に関わるため需要が比較的安定しており、同社の収益基盤となっている。また環境配慮型包装や軽量化パッケージなどの開発にも注力しており、持続可能性を意識した製品戦略を進めている。
電子材料分野では偏光板用保護フィルムで世界首位級のシェアを持つとされており、ディスプレイや電子機器関連産業において重要な役割を担っている。半導体製造工程向けの機能性フィルムや精密加工材料なども手掛けており、電子機器の高機能化や微細化の流れの中で需要が拡大している分野である。景気変動の影響を受けやすい側面はあるものの、高付加価値製品による収益確保を目指している。
ライフサイエンス分野では細胞培養容器や医療関連部材、医薬品包装などを展開している。医療分野は長期的な需要拡大が期待される市場であり、同社は品質管理や無菌製造技術などの強みを活かして事業拡大を進めている。研究開発投資を通じて新素材や新用途の開拓にも取り組み、成長領域として位置付けている。
沿革を見ると、1914年に東京府荏原郡大崎町で藤森彌彦が合資会社藤森工業所を創立したのが始まりである。1936年に株式会社藤森工業へ改組し、1944年に藤森工業株式会社へ商号変更した。1993年に日本証券業協会へ店頭登録し、2002年には東京証券取引所第二部へ上場、2004年には第一部へ指定替えとなった。2020年には本社を東京都文京区へ移転し、2022年の市場再編ではプライム市場へ移行している。
国内には横浜研究所・横浜事業所、静岡事業所、掛川事業所、名張事業所、三重事業所、沼田事業所、昭和事業所など複数の生産・研究拠点を持ち、機能性フィルムの開発と量産体制を整えている。
海外でもタイ、台湾、米国などに拠点を展開し、グローバル市場での供給体制を強化している。連結子会社にはフジモリ産業やまつやセロファンなどがあり、包装資材や産業資材分野でグループシナジーを発揮している。
現在は樹脂包装材という安定需要分野を基盤にしながら、電子材料やライフサイエンスといった成長領域を組み合わせた事業構造を構築している。機能性フィルムや複合材料の技術力を強みに、高付加価値製品の開発とグローバル展開を進めることで、中長期的な成長を目指している企業である。
ZACROS 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3* | 129,364 | 5,882 | 6,828 | 4,854 | 63.9 | 21 |
| 連24.3* | 136,155 | 8,344 | 8,910 | 4,532 | 60.4 | 21 |
| 連25.3* | 150,735 | 10,116 | 10,366 | 6,530 | 87.8 | 32.5記 |
| 連26.3*予 | 158,000 | 10,800 | 12,100 | 7,500 | 104.7 | 36 |
| 連27.3予 | 165,000 | 11,500 | 11,800 | 9,400 | 131.3 | 36〜44 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,365 | -3,966 | -2,445 |
| 2024 | 10,083 | -6,109 | -3,507 |
| 2025 | 6,588 | -17,462 | 269 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.5% | 3.7% | 5.9% | ― | ― |
| 2024 | 6.1% | 3.1% | 5.2% | ― | ― |
| 2025 | 6.7% | 4.2% | 7.1% | 11.5〜15.7 | 0.97 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず売上規模は1361億円から1507億円、さらに1580億円予想から1650億円予想と着実な増収が続いており、事業規模は安定して拡大している。機能性フィルムや包装材といった安定需要分野を持つ企業らしく、売上の伸びは大きくはないものの継続的な成長軌道にあるといえる。
営業利益は83億円から101億円、108億円予想から115億円予想と増益基調が続いており、利益成長は比較的素直なトレンドとなっている。経常利益も89億円から103億円、121億円予想から118億円予想と高水準で推移しており、本業の収益力は安定していると判断できる。純利益も45億円から65億円、75億円予想から94億円予想と着実に拡大しており、株主利益の成長も確認できる。
収益性の面では営業利益率が4.5%から6.1%、6.7%と改善傾向にあり、機能性材料メーカーとしては中位からやや良好な水準といえる。ROEは5.9%から5.2%、7.1%とやや波はあるものの最終的には改善しており、資本効率は徐々に向上している。ROAも3.7%から3.1%、4.2%と安定推移しており、資産規模に対して一定の収益力を維持している企業と判断できる。
評価面を見ると2025年の実績PERは11.5倍から15.7倍と過度な割高感はなく、利益成長を考慮すると適正水準からやや割安寄りとも考えられる。PBRは0.9倍とほぼ解散価値に近い評価であり、資産面から見ても株価の下値は比較的限定されやすい状態にある。
総合的に見ると、この会社は売上・利益ともに安定成長しており、収益性と資本効率も緩やかに改善しているバランス型企業といえる。急成長株ではないが着実な利益拡大が続くことで評価修正余地はある。投資判断としては割安感を持った安定成長株として中長期投資対象になりやすく、景気敏感株ほどのリスクは取りたくないが、配当と値上がりの両方を狙いたい投資家に適した銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26,27年度ともに予想で2.8%前後と中位水準であり、高配当株と呼べるほどの利回りではないものの、インカム目的としては十分検討対象になる水準といえる。利回りだけを見ると突出した魅力はないが、利益成長と配当の安定性を合わせて考えるとバランス型の配当株として評価しやすい銘柄である。
業績面では売上が1361億円から1507億円、さらに1580億円予想から1650億円予想と着実に拡大しており、営業利益も83億円から101億円、108億円予想から115億円予想と増益基調が続いている。純利益も45億円から65億円、75億円予想から94億円予想と伸びており、配当の裏付けとなる利益水準は安定して改善している。利益成長が続く企業は配当維持力が高く、長期的には増配余地も期待できる点が強みとなる。
収益性の面でも営業利益率は4.5%から6.1%、6.7%と改善傾向にあり、事業の効率性は徐々に高まっている。ROEも5.9%から5.2%、7.1%と最終的には上昇しており、資本効率の改善は株主還元強化の余地につながりやすい。ROAも3%台から4%台で安定しているため、資産規模に対する利益創出力は一定水準を維持している企業といえる。こうした安定した収益基盤は配当投資において重要な安心材料となる。
またPBRは0.9倍前後と純資産に近い評価水準にあるため、株価の下値は比較的限定されやすい特徴もある。評価が大きく割高ではないことから、配当利回りを得ながら株価上昇も同時に狙える可能性がある点は魅力といえる。PERも11.5倍から15.7倍と適正圏内で推移しており、利益成長が続けば評価修正余地も残されている。
一方で利回りが3%未満という水準は、純粋な高配当投資を目的とする場合にはやや物足りない可能性がある。さらに電子材料など一部事業は景気の影響を受けやすく、景気後退局面では利益成長が鈍化し増配ペースが止まる可能性もある。ただし包装材という安定需要分野を持つため、急激な業績悪化や大幅減配のリスクは比較的低い企業と考えられる。
総合的に見ると、この会社は高配当株というより利益成長を伴った安定配当株という位置付けになる。配当利回り2.8%台は平均的な水準だが、業績の安定性と増益基調を背景に中長期で配当と値上がり益の両方を狙いやすい銘柄といえる。インカム重視の投資家にとっては主力銘柄というより、ポートフォリオの安定枠として組み入れやすいタイプの配当株と判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,260円でZACROSは売上が1361億円から1507億円、さらに1580億円予想から1650億円予想と安定した増収が続いており、機能性フィルムや包装材などの需要を背景に事業規模は着実に拡大している。営業利益も83億円から101億円、108億円予想から115億円予想と増益基調が続いており、収益成長は比較的素直なトレンドにある。
収益性も営業利益率が4.5%から6.1%、6.7%と改善していることから、構造的に収益力が高まりつつある企業といえる。評価面ではPERはおおむね12倍前後、PBRは1倍前後と過度な割高感はなく、理論株価や目標株価が1600円付近とされる見方もあることから、一定の上昇余地は残されていると考えられる。
良い場合は、売上が1800億円近くまで拡大し、営業利益が130億円前後まで成長するケースである。電子材料や医薬向け包装材の需要拡大、設備投資の効果による利益率改善が進めば、営業利益率が7%台後半まで上昇する可能性もある。ROEも9%前後まで改善し、企業の収益性に対する市場評価が高まればPERが14倍から16倍程度まで見直される可能性がある。その場合、5年後の株価は1,700円から2,000円前後まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が1700億円前後で安定し、営業利益も120億円前後の水準で推移するケースである。包装材や電子部材という分野は安定需要と景気影響の両面を持つため、業績は緩やかな成長にとどまりやすい。この場合PERも現在と近い11倍から13倍程度で推移する可能性が高く、株価は大きく上昇も下落もしにくく、1,150円から1,500円程度のレンジで比較的穏やかな値動きになる可能性がある。
悪い場合は、電子材料需要の減速や原材料価格の上昇などで利益が伸び悩み、営業利益が90億円前後まで低下するケースである。営業利益率も5%前後まで低下し、ROEも5%台まで下がる可能性がある。その場合は市場評価も低下し、PERが9倍から10倍程度まで下がる可能性がある。こうした状況では株価は900円から1,100円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、この会社は安定成長型の素材メーカーであり、急成長株ではないが売上と利益が着実に拡大している点が特徴である。5年間の株価イメージとしては、良い場合1,700円から2,000円、中間の場合1,150円から1,500円、悪い場合900円から1,100円程度のレンジで推移する可能性がある。配当を受け取りながら緩やかな値上がりを狙う中長期投資向きの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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