株価
アクシーズとは

アクシーズは、鹿児島県に本社を置く食品メーカーで、主に鶏肉と鶏肉加工食品の製造・販売を行っている会社です。
会社は1962年に設立され、東証スタンダード市場に上場しています。従業員は約1300名ほどで、資本金は約4億5千万円です。
アクシーズの最大の特徴は、生産から販売までを自社で一貫して行う「垂直統合型の体制」です。つまり、種鶏の飼育や孵化、ブロイラーの飼育、食肉処理、加工、パッケージ、そして販売まで、すべて自社グループで完結させています。これにより、衛生管理や品質を安定させ、安全で新鮮な製品を提供できる体制を築いています。
事業の中心は「食肉・加工食品事業」で、全体の売上の8割以上を占めています。自社ブランド製品として鶏肉、唐揚げ、焼き鳥、チキンナゲットなどを製造し、スーパーや外食産業向けに出荷しています。さらに、自社の外食店舗をフランチャイズ展開しており、直営店や提携店舗で自社製品を提供しています。
最近では、鶏の飼育過程で発生する副産物を活用したエネルギー事業にも取り組んでおり、バイオマス発電など環境対応にも力を入れています。
まとめると、アクシーズは「安全で高品質な国産鶏肉を、生産から販売まで責任を持って届ける企業」であり、鹿児島を拠点に全国の食品メーカーや外食産業と取引を行う安定した会社です。
直近(2025年)の業績・指標
指標 | 最新期(通期) | 備考・出典 |
---|---|---|
売上高 | 264億2,600万円 | Yahoo!ファイナンス 通期業績欄より |
営業利益 | 21億2,100万円 | Yahoo!ファイナンス 通期業績欄より |
経常利益 | 21億7,100万円 | Yahoo!ファイナンス 通期業績欄より |
純利益(親会社株主帰属) | 17億2000万円 | 会社四季報 |
バリュエーション
指標 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 備考・出典 |
---|---|---|---|---|
営業利益率 | 7.2% | 7.9% | 8.0% | Yahoo!ファイナンス・IR資料より(営業利益÷売上高) |
ROE(自己資本利益率) | 7.5% | 7.9% | 8.1% | Yahoo!ファイナンス「Return on Equity」実績値 |
ROA(総資産利益率) | 5.0% | 5.3% | 5.4% | Yahoo!ファイナンス「Return on Assets」実績値 |
PBR(株価純資産倍率) | 1.20倍 | 1.45倍 | 1.65倍 | IRBANK株式情報ページより |
PER(株価収益率) | 12.4倍 | 13.8倍 | 14.5倍 | Yahoo!ファイナンス「株価指標」欄より |
投資判断
アクシーズは、数字から見ると堅実で安定感のある食品企業ですが、株価的にはすでに一定の評価を受けており、割安感はやや薄れている状態です。
直近3年の営業利益率は7〜8%台で推移しており、食品メーカーとしては高めの水準を維持しています。これは原材料費が上がる中でも、生産効率の改善やブランド力によって収益を確保していることを示しています。特に、アクシーズは自社で鶏の生産から加工・販売まで一貫して行う体制を持っているため、コストコントロール力が強い点が評価できます。
ROEは7.5%から8.1%と安定しており、資本を効率的に使えている会社です。ROAも5%前後と堅調で、経営の健全性は非常に高いです。財務面も自己資本比率が8割を超えており、借入に依存しない強固な財務体質を持っています。
PBRは1.6倍前後、PERはおよそ14倍程度と、いずれも食品業界の平均に近い水準です。つまり「割安でも割高でもない」、業績に見合った適正な株価水準にあると言えます。投資家の期待も過度ではなく、堅実な利益成長を前提とした安定株として評価されています。
総合的に見ると、アクシーズは急成長はしないが安定した収益を継続できる企業です。株価が大きく上昇する材料は少ない一方で、景気悪化時にも下げにくい「ディフェンシブ銘柄」として安心感があります。
したがって投資判断としては、短期での値上がりを狙うより、中長期で配当と安定成長を期待して保有する銘柄です。リスクを抑えたい投資家には向いており、投資判断は「中立からやや強気」と言えます。
今後の値動き予想!!
アクシーズの現在株価は約 3,125円 です。
この会社は鶏肉の製造・販売を主力とし、飼料から加工・外食まで一貫した体制を有しています。
以下、今後5年間(おおよそ2030年頃まで)を想定して、3つのシナリオに分けて株価の値動きを予想します。
楽観的シナリオ
もし鶏肉需要が国内で引き続き堅調に推移し、アクシーズが飼料・加工・販売・外食チェーンという垂直統合体制をさらに強化し、収益性を改善できたとします。原材料価格の上昇を抑制しつつ、効率化や付加価値商品の展開が成功すれば、株価は 6,000円~9,000円 程度まで上昇する可能性があります。
中立的シナリオ
鶏肉市場自体は安定しているが、原料・飼料・人件費・物流コストなどが上昇し、成長が抑えられるとします。アクシーズも堅実に運営を継続するが、抜本的な飛躍はなし。そうした場合、株価は 4,000円~5,500円 程度で推移すると考えられます。
悲観的シナリオ
一方で、鶏肉需要の鈍化、飼料価格や燃料・物流コストの急上昇、外食部門の低迷などが重なった場合、収益が圧迫されます。アクシーズが垂直統合体制の利を十分に活かせず、成長機会を逸したとすると、株価は 1,800円~3,000円 程度に下落する可能性があります。
総括
アクシーズは「飼料→加工→販売/外食」という一貫体制を持つ点で強みがありますが、同時に原材料・物流・人件費など外部コストの影響を受けやすい構造でもあります。
現在の3,125円という株価は、ある程度の成長期待を反映していると考えられますが、飛躍的な上昇を実現するためには、効率化と収益改善という“複数の条件”が揃う必要があります。中長期で投資を考えるなら、今後5年間でこの会社が「コストコントロール」「付加価値強化」「販売チャネル拡大」のいずれをどれだけ実現できるかを注視することが重要です。
この記事の最終更新日:2025年10月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。
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