株価
ホーブとは

ホーブは、北海道上川郡東神楽町に本社を置く農業系企業で、主にいちごの生産・販売や種苗事業を行っている会社です。
1987年に設立され、2005年に東証スタンダード市場へ上場しました。資本金は約4億2千万円、従業員はおよそ40名ほどの中堅規模の企業です。
ホーブの事業の柱は「いちご果実・青果事業」です。自社ブランドの四季成りいちごを中心に、通年で安定供給できる体制を持っています。自社で苗の研究開発から生産、販売までを一貫して行い、品質の高い国産いちごを市場に提供しています。特にクリスマスシーズンやスイーツ用の高級いちご需要が高く、北海道の冷涼な気候を活かした栽培が強みです。
また、いちごの苗を研究・開発・培養して販売する種苗事業も展開しています。ウイルスフリー苗の開発や新品種の育種を進め、農家向けの苗販売も行っています。
さらに、北海道ならではの馬鈴薯(じゃがいも)事業も行っており、種用じゃがいもの生産・販売、青果用じゃがいもの流通も取り扱っています。
そのほか、自社製品の運送や低温物流を担う運送事業もあり、グループ内での物流コスト削減と品質保持を両立しています。
全体の売上構成としては、いちご関連が約8割を占め、馬鈴薯と運送事業が残りを支えています。
まとめると、ホーブは「いちごに特化した農業総合企業」であり、研究・栽培・流通をすべて自社で手がけることで、安定した品質と供給体制を確立している会社です。
直近3年間の業績・指標
決算期(6月期) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) |
---|---|---|---|---|
2023年6月期 | 2,489 | 135 | 138 | 110 |
2024年6月期 | 2,519 | 32 | 38 | 20 |
2025年6月期 | 2,412 | 38 | 39 | 24 |
バリュエーション
指標 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 備考・出典 |
---|---|---|---|---|
PER(株価収益率) | 46.2倍 | 53.8倍 | 57.7倍 | 株探・Yahooファイナンス |
PBR(株価純資産倍率) | 1.52倍 | 1.68倍 | 1.83倍 | IRBANK・Yahooファイナンス |
営業利益率 | 5.4% | 1.3% | 1.6% | 決算短信(営業利益÷売上高で算出) |
ROE(自己資本利益率) | 3.0% | 2.7% | 3.1% | Yahooファイナンス・有価証券報告書 |
ROA(総資産利益率) | 2.4% | 2.1% | 2.2% | Yahooファイナンス |
投資判断
ホーブは数字から見て、全体的に安定しているが成長が鈍い企業といえます。
まず、PERが40倍台後半から50倍台後半とやや高めです。これは、現在の利益水準に対して株価が割高であることを意味します。株価が高いというより、利益がまだ少なく、市場が将来の成長をある程度織り込んでいる状態です。投資家の期待先行の側面が強いでしょう。
PBRは1.5〜1.8倍と、自己資本に対してそこまで高すぎる水準ではありません。企業の財務基盤は比較的安定しており、倒産リスクのような心配はほとんどないと考えられます。
営業利益率は2023年の5.4%から2024年には1.3%まで落ち込み、2025年でも1.6%と低迷しています。利益率がここまで下がっているのは、原材料費や物流コストの上昇を販売価格に十分転嫁できていないためです。事業の安定性は高いものの、採算面での課題が残っています。
ROEは3%前後、ROAも2%程度と非常に低く、資本を効率的に活用できているとは言いにくいです。株主資本に対して生み出している利益が少ないため、投資効率は高くありません。
総合的に見ると、ホーブは財務的に安全で経営も堅実ですが、成長性と収益性が弱く、短期での株価上昇は期待しにくい企業です。
農業関連の安定銘柄として中長期的に保有するには悪くないですが、積極的に買うタイミングではありません。
したがって、投資判断としては 「中立〜やや弱気」。
株価が割安になった局面で長期保有を狙うか、今後利益率が改善し始めたタイミングを待つのが賢明です。
今後の値動き予想!!
ホーブ株式会社は現在値 2,091円において、今後5年間の値動きを平文で予想します。
あくまで仮説ベースの見通しです。
この会社は、いちご苗・果実・野菜・種芋・輸送などを手掛ける農業関連企業です。
農業・園芸分野という比較的ニッチな領域にあって、成長余地はある一方でコスト(飼育・育苗・物流・輸送)や市場環境(気候変動・需要変化・輸入品との競争)などのリスクも抱えています。
以下、5年間(2030年頃)を想定して、3つのシナリオで株価のレンジを見ます。
楽観的シナリオ
もし農業・園芸市場が国内外で拡大し、ホーブが苗・果実の生産・販売を効率化、物流や販路の拡大に成功したとします。コスト削減や高付加価値品の展開も進むなら、株価は 4,000円〜6,000円 程度まで上昇する可能性があります。年平均で+15〜25%程度の成長が見込めるでしょう。
中立的シナリオ
市場は緩やかに拡大するものの、コスト上昇(燃料・物流・人件費)や競争激化が重しとなり、成長ペースは抑えられるとします。この場合、株価は 2,800円〜3,800円 程度で推移する可能性があります。年平均で+5〜10%程度の成長です。
悲観的シナリオ
一方で、気候変動の影響や輸入品との競争激化、あるいは物流・エネルギーコストの大幅上昇で収益が圧迫される場合、株価は 1,200円〜2,100円 程度に下落する可能性があります。
総じて見ると、ホーブは成長ポテンシャルとともにリスクも抱えており、「どこまで効率化と販路拡大を実現できるか」が株価上昇の鍵になります。現在の2,091円という値は、成長期待を一定程度織り込んでいながらも、まだ大きな上振れを予想してはいない水準と考えられます。
この記事の最終更新日:2025年10月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。
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