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住友商事(8053)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

住友商事とは

住友商事は、日本を代表する大手総合商社の一つであり、住友グループの中核企業として世界中に広がる巨大な事業ネットワークを持つ。事業領域は非常に幅広く、金属資源、エネルギー、インフラ、輸送機、化学品、食品、メディア、デジタル、不動産など、多岐にわたっている。世界60カ国以上に拠点を持ち、海外での事業投資や共同事業が収益の大きな柱となっている。

総合商社の中でも住友商事は「事業投資型商社」としての性格が特に強く、単なるトレーディングではなく、事業会社の株式を保有して経営に深く関わり、中長期の収益を積み上げるビジネスモデルを特徴としている。例えば資源分野では、金属資源や非鉄金属の開発権益、石油・ガスのプロジェクト、北米を中心とした発電・パイプライン事業など、長期間にわたり安定して収益を生み続ける案件が多い。再生可能エネルギーにも積極的で、風力・太陽光発電などの大型プロジェクトにも参画している。

また輸送機・インフラ領域では、航空機リース、鉄道関連事業、建設機械、港湾や道路など社会基盤プロジェクトを多数手掛けており、国のインフラ整備とともに成長できる強いポジションを持っている。特に北米やアジアでの大型インフラ案件は、住友商事の得意分野の一つで、長く安定した収益に貢献している。

メディア・通信分野では、ケーブルテレビ事業や通信インフラ、デジタル関連投資などの事業を展開。住友商事は“総合商社の中でデジタル領域に比較的強い企業”としても知られ、ITサービス、デジタルマーケティング、EC関連のビジネスにも多く関与している。

生活・不動産分野では、国内外の大型商業施設の開発・運営、オフィスビルや物流施設のプロデュースなど、多様な不動産事業を展開。食品・化学品では世界のバリューチェーンを活用し、製造・流通・販売まで幅広く関わっている。特に食品流通や農業関連のビジネスは住友商事の伝統的な強みでもあり、地域社会や生活に密接した安定収益を生み出している。

住友商事全体の特徴としては、他の商社と比べて“資源・エネルギーと生活・インフラのバランスが良い商社”である点が挙げられる。資源価格に振り回されすぎず、生活産業やインフラの安定収益が組み合わさっているため、景気の波に比較的強い構造を持っている。また、住友グループとしての信用力やネットワークも大きな武器で、世界中の企業との連携が進みやすいのも特徴だ。

総合すると住友商事は、「グローバルで幅広い事業を展開し、トレードと投資の両輪で安定した収益を上げる総合商社」という企業であり、エネルギー・資源の長期収益と、インフラ・生活関連の安定収益を組み合わせたバランスの良いビジネスモデルを持つ企業と言える。

住友商事 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
23.3 6,817,872 433,065 722,918 565,178 452.5 115
24.3 6,910,302 354,203 527,646 386,352 315.9 125
25.3 7,292,084 392,879 695,567 561,859 463.7 130
26.3予 7,350,000 400,000 700,000 570,000 473.7 140

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 232,801 -91,525 -250,459
2024 608,850 -219,210 -415,478
2025 612,281 -461,386 -247,382

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 6.3% 14.9% 5.5%
2024 5.1% 8.6% 3.5%
2025 5.3% 12.0% 4.8% 高値平均:9.0倍
安値平均:5.6倍
1.15倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

住友商事の経常利益の流れを億単位で整理すると、2023年が 7,229億円、2024年が 5,276億円、そして2025年には 6,955億円 と戻しており、総合商社としての安定性と回復力がかなりはっきり見えてくる。2023年は資源価格が高かった影響もあり歴史的に強い利益を出した年だったが、翌2024年は資源市況の落ち着きや一部事業の収益調整で利益が縮んだ。ただ、これも過去の総合商社のサイクルを考えると“典型的な一時調整”で、住友商事が特別に悪かったわけではない。

むしろ注目すべきなのは 2025年に7,000億円近くまでしっかり戻している 点で、商社の利益は市況に左右されるとはいえ、減ったまま沈むのではなく、翌期にはきちんと戻してくる。その背景には、住友商事が「資源だけに依存しないポートフォリオ」を持っていることが大きい。資源・エネルギー事業が収益を押し上げる一方で、生活・インフラ・不動産・メディアなどの非資源分野が下支え役として機能し、その結果として年間を通じて収益が安定しやすい。

営業利益も 4,330億円 → 3,542億円 → 3,928億円 と推移していて、2024年にいったん落ち込んだものの、2025年にはしっかりと回復基調に乗っている。こうした数字を見ると「商社の利益は景気敏感」というイメージが強く思われがちだが、住友商事に関してはあくまで“短期的な揺れ”であり、長期的には利益の底力が明確に残っている。

営業利益率も安定していて、2023年は6.3%、2024年が5.1%、2025年が5.3%。商社のビジネスモデルは元々マージンを取りにくく、営業利益率は低くなりがちだが、これだけの規模の会社で安定して5%前後を維持できているのは決して弱くない。特に住友商事は、発電・エネルギー・インフラといった“息の長い事業”が多いため、利益率そのものよりも「継続して利益を出し続けること」が重要で、その点では極めて堅実な会社といえる。

ROEは14.9% → 8.6% → 12.0% と推移し、総合商社の中では平均以上の水準を維持している。商社は総資産が大きいためROEを高く維持するのが難しいが、住友商事は10%を超える年が多く、「資本効率が良い商社」といえる。ROAも5.5% → 3.5% → 4.8% と改善しており、稼ぐ力の底堅さが数字に表れている。

株価指標を見ても住友商事は非常に割安で、2025年のPERは高値でも9倍、安値では5.6倍と、バリュー株としての魅力が非常に強い。PBRも1.15倍と“ほぼ解散価値並み”の評価で、株価が資産価値に対して割安に放置されている状態。ここ数年の日本株市場では総合商社全体が世界的に注目されているにもかかわらず、住友商事はまだ過小評価されているような位置にあり、長期投資を考えると非常に買いやすい水準と言える。

特に近年の総合商社は世界的に注目されており、その中でも住友商事は“堅実・割安・収益底堅さ”の3点が揃った企業。短期で爆発的に株価が動く銘柄ではないが、長期でじっくり資産を増やしたいタイプの投資家には非常に向いている。

配当目的とかどうなの?

住友商事を配当目的で考えると、この銘柄は総合商社らしい安定感のある配当株という印象が強い。予想配当利回りは26.3期で2.99%、27.3期で3.20%と、ちょうど3%前後の水準で、極端に高配当というわけではないが、安定した配当収入を狙うには十分魅力的な利回りになっている。総合商社の特徴として、景気や資源市況によって利益は上下するものの、事業の守備範囲がとにかく広いため、短期の調整があっても配当が大きく揺れることは少ない。住友商事も例外ではなく、資源、エネルギー、発電、インフラ、金融、不動産、生活関連などさまざまな収益源があるため、どれか一つが弱くても他が支える構造になっている。

特に住友商事は、北米の発電ビジネスやパイプライン事業、物流・不動産・メディア事業など、長期で安定したキャッシュを生む事業を多く持っている。景気に左右されやすい貿易やトレード収益だけに依存していないため、配当政策も安定しやすい。加えて、同社は配当を簡単には減らさない姿勢を持っていて、実質的に累進配当に近い形で、できる範囲で増配を継続する方針を取っている。この“配当を維持しようとする意志”がある企業は、長期投資家にとって非常に重要なポイントになる。

さらに株価指標を見ても住友商事は割安感が強く、PBR1.15倍、PERは5〜9倍程度で評価されている。資産価値と利益に対して株価が安く放置されているため、配当を受け取りながら株価上昇の余地も狙えるという点では、高すぎる評価を受けている配当株よりもむしろリスクが低い。商社株はもともと株価が割安に扱われがちだが、その中でも住友商事は“堅実・割安・配当安定”の三拍子がそろっている。

総合すると、住友商事は派手に株価が跳ねるタイプではないものの、事業基盤が厚く、景気の波にも強く、配当を長く受け取りたい投資家と非常に相性が良い。3%前後の利回りを維持しつつ、事業投資の拡大や資源・インフラ収益の寄与で業績も伸びやすい構造になっているため、配当を軸にしながら安定的に資産を増やしたい人には向いている銘柄と言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

住友商事の現在値4,680円を基準に、これから5年間の株価を考えてみると、この企業は総合商社らしく大きく暴騰するタイプではないものの、事業の土台がとても厚いため、長い目で見ればじわじわと株価が底上げされていく可能性が高い。利益面を見ても、2023年には経常利益7,229億円という非常に強い実績を残し、2024年は一度5,276億円まで落ち込んだものの、2025年には6,955億円までしっかり戻してきており、景気や資源市況によって上下はあっても必ず回復してくる“総合商社らしい粘り強さ”がある。

また、住友商事はPERが5~9倍という明確な割安圏に位置していて、PBRも1.15倍程度と、資産価値から見ても過小評価されている状態が長く続いている。配当利回りも3%前後と安定しており、業績が調整している時期でも、配当によって持ち続けやすい特徴がある。こうした条件から、住友商事の株価は“急騰はしないが急落もしにくい”という動きをしやすく、中長期での安定感が非常に強い。

これらを踏まえて、5年後の株価を良い場合、中間、悪い場合で考えたいと思います。

まず良いシナリオでは、世界的に資源関連やインフラ投資が堅調に推移し、住友商事の発電・パイプライン・不動産・物流などの事業が総じて伸びていくケースが考えられる。この場合、利益が高い水準で推移し、株価は6,000円から7,000円台前半まで十分視野に入る。総合商社全体が見直される局面では住友商事も素直に買われやすく、株価がじわじわ上に伸びていくイメージだ。

現実的に最も可能性が高いのは、4,800円から5,500円あたりの中間シナリオで、資源市況は波がありつつも安定、生活・インフラ系の非資源事業が安定収益を支え、純利益が5,000億円台で推移するようなパターン。現在値からの大きな上昇は期待しにくいものの、配当を受け取りながら安定して長期保有できる、いかにも総合商社らしい落ち着いた値動きになる。

悪いシナリオでは、世界景気の減速や資源価格の大幅調整が重なり、一時的に利益が大きく落ち込むパターンもあり得る。ただし住友商事は事業が多角化されているため、極端な暴落にはなりにくく、株価が3,800円〜4,400円あたりで踏みとどまる可能性が高い。商社株は不調期の後に必ず反発することが多いため、仮にこの価格帯に落ちても長期で見れば“買い場になりやすい”側面がある。

総合すると、住友商事は短期で株価が大きく動く銘柄ではないが、配当と安定収益、そして割安な株価水準が組み合わさって、長期投資との相性が非常に良い。5年後の株価レンジは3,800円〜7,000円と幅は広いものの、最も現実的なのは5,000円前後から5,500円あたりで落ち着いていく中間シナリオで、配当を受け取りながらじっくり保有するタイプの投資家に向いた銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2025年11月20日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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