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千葉銀行(8331)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

千葉銀行とは

千葉銀行(ちばぎん)は、千葉県を中心とした首都圏広域を主な基盤とする大手地方銀行で、地方銀行の中でも規模・経営体力・地域密着度のすべてにおいて全国トップクラスに位置する銀行だ。設立は1943年で、歴史も長く、千葉県経済の発展とともに大きく成長してきた金融機関である。本店所在地は千葉市中央区の千葉港で、地域の象徴的な存在でもある。グループ全体では4,000名を超える従業員を抱え、千葉県内の店舗網は圧倒的で、さらに東京都・埼玉県・茨城県など首都圏エリアにも積極的に店舗を展開。地銀の中では珍しく「地域密着+首都圏展開」という二本柱を持つのが大きな特徴になっている。

また、千葉銀行は単なる地元密着型の銀行ではなく、連結子会社を活用して事業の幅を広げている点が強みで、ちばぎん証券、ちばぎんリース、ちばぎんジェーシービー(クレジットカード)、保証会社など多くのグループサービスを一体で展開している。これにより、個人・法人の両方で「銀行 × 証券 × 保険 × カード」をワンストップで提供できる体制が整っており、大手地銀の中でも営業力と総合力が非常に高い。

事業内容としては、まず個人向け金融サービスが大きな柱で、預金、定期、投資信託、保険、NISA、住宅ローン、カードローンなど、生活に密着した商品を幅広く扱っている。老後資金の相談や資産承継、相続に関するコンサルティングにも力を入れており、地域高齢化が進む中でニーズが高まっている分野で存在感を強めている。また、スマホアプリ・ネットバンキングにも注力していて、店舗に行かなくても多くの手続きが完結できるようにデジタル化を推進している。

一方、法人向けサービスはさらに重要な柱となっており、地元企業の創業支援から事業拡大支援、運転資金・設備投資の融資まで幅広く扱っている。企業経営者向けの経営相談や事業承継サポートも増えており、特に中小企業比率の高い千葉県では、千葉銀行の役割は非常に大きい。また、グローバル展開を目指す企業に向けて海外進出支援や貿易金融も提供するなど、「地銀=ローカル」だけではなく、首都圏・アジアを見据えた支援も進めている点が特徴的だ。

さらに、地方創生や地域経済活性化に対する姿勢も積極的で、自治体との連携や地域プロジェクトへの参画、観光促進、地元産業の育成など、金融以外の部分でも地域を支える役割を果たしている。金融機関としての本業に加え、地域全体の発展に貢献する取り組みが評価されており、千葉県内では圧倒的な信頼感を持つ銀行といえる。

近年ではデジタル化が進む中、店舗の効率化やオンラインサービスの強化にも取り組んでおり、店舗の大型化・相談特化店舗への転換や、アプリやWebによる手続き簡素化を進めている。フィンテック企業との連携やキャッシュレス導入支援など、金融の枠を超えた取り組みも増えている。

総合すると千葉銀行は、地銀の中ではトップクラスの安定性と規模を持ちつつ、首都圏展開によって地銀にありがちな成長の鈍化リスクを抑えている印象で、「地元密着 × 成長余地」を兼ね備えた大型地方銀行。個人・法人ともにバランスよく収益源を持ち、金融サービスの総合力で地銀の中でも群を抜く存在と言える。

千葉銀行 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 経常収益(百万円) 業務純益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当
連23.3 278,377 81,878 86,983 60,276 82.5 28
連24.3 310,742 91,701 90,262 62,440 86.5 32
連25.3 362,179 102,469 107,506 74,259 104.2 40
連26.3予 407,000 118,900 124,300 85,000 120.1 48

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023 -20,384 -88,492 -29,090
2024 787,870 -136,006 -31,756
2025 24,242 -392,510 -65,046

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 5.6% 0.3%
2024 5.2% 0.2%
2025 6.4% 0.3% 高値平均 14.1倍
安値平均 9.0倍
0.90倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

千葉銀行はここ数年の決算を見ると、地方銀行としては非常に安定した増収増益を続けている点が特徴で、売上高も営業利益も経常利益も右肩上がりの流れが明確に出ている。特に営業利益と経常利益の推移が安定しており、2023年から2025年にかけて着実に利益を積み上げているのは、地銀の中でも屈指の強さと言える。純利益も 602.7億円 → 624.4億円 → 742.6億円 → 850.0億円(予想) と増加傾向で、銀行本業の収益力が改善しているのがよく分かる。

まず注目すべきは ROE が 5.6% → 5.2% → 6.4% と推移しており、2025年に向けて改善の兆しが出ている点だ。地方銀行は5%前後のROEに留まることが多い中、千葉銀行は2025年に6%台へ回復しており、地銀の中では比較的高い水準にある。収益性改善の流れが続けば、さらに市場評価が高まりやすい。ROAも0.2~0.3%で安定しており、金融機関としての資産効率も堅実な水準だ。

さらに2025年の指標で PER が高値平均14.1倍・安値平均9.0倍、PBR が0.90倍 という点を見ると、千葉銀行は依然として割安水準に位置している。PBR1倍を下回るほどの割安感があるのは、地銀という業種特性もあるが、安定した利益成長を続けていることを考えると、市場が十分に評価しきれていない可能性がある。地方銀行のPBRは1倍前後が基準になるため、この0.9倍という水準は「業績のわりにまだ買われていない」という見方もできる。

営業利益率のデータは明示されていないものの、売上に対して営業利益・経常利益・純利益が順調に伸びている点から、銀行業としての収益性は堅調で、特に2024〜2025にかけて利益の伸びが強まっているのは評価できる。背景として、千葉県・首都圏エリアの経済が安定していることや、法人貸出、資産運用ビジネスが伸びていることが挙げられる。

総合すると、千葉銀行は「地銀としては成長力がある部類」に入り、業績が右肩上がりで安定しているうえに、株価指標は依然として割安。PBR0.9倍はまだ市場が強気に評価していない状態であり、逆にいえば上値余地が残っている。ROEが上向き、純利益が毎期増えている点を踏まえると、中長期で保有しやすい堅実な銀行株という印象が強い。

また、千葉銀行は地銀の中でも首都圏という大市場を抱えているため、地域依存リスクが軽減されており、他の地方銀行に比べて安定感が高い。短期で大きく跳ねるタイプではないものの、着実に利益を積み上げながら割安水準を維持していることから、長期保有・配当狙いとの相性が非常に良い銘柄だと判断できる。

配当目的とかどうなの?

千葉銀行を配当目的で見る場合、結論としては「地方銀行の中では安定性が高く、長期で保有しやすい高配当株」に位置づけられる。予想配当利回りは 3.03% と、銀行株としては目立った高利回りではないものの、地銀の中では十分魅力的な水準にあり、しかも増配傾向が続いている点が大きなプラス材料になっている。

まず配当性向の面では無理をしている印象はなく、純利益が 602億 → 624億 → 742億 → 850億(予想)と伸びていることから、配当原資は安定して確保できている。勢いのある地銀の典型で、利益成長に合わせて自然に増配できる体質が整っていることが分かる。この「利益成長と増配の両立」は長期投資家にとっては非常に重要で、配当維持・増配の信頼性が高いということを意味する。

また、千葉銀行は地元の千葉県に加え、東京都・埼玉・茨城と首都圏エリアに強い顧客基盤を持っており、この地域の人口や企業活動は全国の地方と比べて安定度が高い。したがって、業績が急激に悪化して減配リスクが高まるような展開は想定しにくい。これは他の地方銀行にはない強みで、首都圏の需要の厚みによって安定した利益確保が期待でき、結果として配当も安定しやすい。

実際、配当は 28円 → 32円 → 40円 → 48円(予想) と順調に積み上がっており、今後も純利益が増える限り、さらに増配の可能性が十分ある。3%前後の利回りを維持しながら、配当額そのものも伸びていくという形になれば、長期保有をする上では非常に魅力的な高配当株になる。

地銀特有のリスクとしては、金利環境の変化や地域経済が弱ると利益が圧迫される点があるが、千葉銀行の場合は首都圏という強い市場を背景にしているため、他の地銀と比べて業績のブレが小さい。運用収益や法人貸出が堅調で、資産運用ビジネスの比率も高く、配当の安定感は地方銀行の中でもトップクラスに入る。

総合的に見ると、千葉銀行は「高すぎないが安定感のある利回り」「継続的な増配」「利益成長が伴っている」「首都圏という強固な基盤」という4つの条件がそろった銘柄で、長期の配当投資にとっては十分候補に入る優良地銀。3%台の利回りをずっと維持しながら、配当額そのものが成長する可能性があるのは投資家にとって魅力的で、長期保有との相性がとても良い。

今後の値動き予想!!(5年間)

千葉銀行の現在値は1,580.5円だが、ここから5年間の値動きを考えると、地方銀行の中では収益基盤が非常に安定していることや、首都圏という強い市場を抱えている点が大きく影響してくる。業績はこの数年しっかり右肩上がりで、純利益も毎年積み上がっているため、株価も長期で見れば堅実な動きになりやすい銘柄だといえる。そこで、良い場合・中間・悪い場合の3パターンに分けてイメージすると、千葉銀行が将来的にどのような位置にいるのかが分かりやすくなる。

まず良い場合のシナリオでは、千葉県や首都圏の経済が安定的に推移し、貸出金利が改善、運用収益も伸びることで、銀行本業の収益がさらに強くなるケースだ。千葉銀行はもともと地銀の中でも収益力が高く、ROEが6~7%の水準に乗ってくれば、市場の評価がもう一段上がり、PBR1倍をしっかり超えてくる可能性がある。特に金融株全体が見直される局面になると、千葉銀行もその流れに乗りやすい。その場合、株価は1,950円~2,200円あたりまで上昇していくイメージで、配当もしっかり受け取りながら値上がり益も期待できる理想的な展開になる。

次に中間のシナリオでは、現在の増収増益ペースを維持しながら、景気に大きなマイナス材料が出ないケースだ。純利益も着実に伸びて増配も見込める一方で、市場はそこまで強気には評価せず、PBR0.9~1.0倍の間で落ち着いた動きになることが多い。この場合、株価は1,700円~1,850円あたりで堅調に推移するイメージで、派手な値動きはないが、配当3%台を受け取りながらゆっくり資産が増えていくような落ち着いた展開になる。千葉銀行はこうした“堅実にジワジワ上がるタイプ”の動きになりやすいため、長期保有を前提にする投資家とは相性が良い。

そして悪い場合のシナリオでは、景気後退や金利低下、貸倒引当金の増加など、銀行株にとって逆風になる出来事が重なるケースだ。特に地銀は地域経済の影響を受けやすいため、全国的に景気が落ち込むと千葉銀行も利益が伸び悩む可能性がある。市場全体がリスクオフになれば銀行株が一斉に売られる展開もあり、その場合はPBRが0.7~0.8倍まで下がることも想定される。この弱気シナリオでは、株価は1,350円~1,500円付近まで下落する可能性があるが、それでも千葉銀行は極端に業績が悪化するタイプの地銀ではないので、長期で見れば下がったところはむしろ買い場になるケースが多い。

総合的に見ると、千葉銀行は地域密着型でありながら首都圏という大市場の恩恵を受けているため、地銀の中でも業績の安定度が高く、5年間の見通しも比較的読みやすい。業績が着実に伸びている中でPBRがまだ0.9倍と割安に放置されていることを考えると、長期では中間~良いシナリオに入りやすい銘柄で、配当も増えていく可能性を考えると、持ち続けるメリットが大きい銀行株といえる。

この記事の最終更新日:2025年11月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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