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ふくおかフィナンシャルグループ(8354)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ふくおかフィナンシャルグループとは

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行という3つの地方銀行を傘下に持ち、九州全域をカバーする国内最大級の広域地銀グループである。設立は2007年と比較的新しいが、前身となる各銀行は長い歴史を持っており、地域金融の中心として九州経済を支えてきた存在だ。本社は福岡市天神の中心部に位置しており、福岡県を核としながらも熊本県・長崎県を含めた九州一帯に強固な店舗網を展開している。従業員数はグループ合計で8,000名以上と地銀グループとしてはトップクラスの規模にあり、総資産も全国地銀の中で最上位クラスに入る大規模金融グループだ。

このグループの大きな特徴は、地銀では珍しい「広域連携型のビジネスモデル」を築いている点にある。福岡銀行が中心となり、熊本銀行や十八親和銀行をグループに取り込み、九州全体をカバーするネットワークを確立したことで、地域金融の枠を超えた総合力を持つようになった。特に長崎県に強い十八親和銀行が加わったことで、九州北部の顧客基盤が強固になり、個人・法人ともに広域での総合的な金融サービスが提供できる体制が整っている。

事業内容の柱は大きく分けて「個人向けサービス」「法人向けサービス」「地域経済支援」「グループ総合金融サービス」の4つ。

まず個人向けサービスでは、預金、住宅ローン、カードローン、投資信託、保険商品、NISA・iDeCoなど、生活に密着した幅広い金融商品を提供している。福岡県や熊本県では圧倒的なシェアを持っているため、地域住民からの信頼も厚い。また、ネットバンキングやアプリなどデジタルサービスの強化にも積極的で、若年層から高齢層まで使いやすいサービスへアップデートを続けている点が特徴だ。

法人向けサービスでは、九州全体の中小企業から大企業までカバーしており、融資や資金調達支援に加えて、事業承継、M&A、海外進出支援、企業の経営改善サポートなど、多様なソリューションを提供している。特に九州はスタートアップ企業が増えている地域でもあり、FFGはベンチャー企業支援やアーリーステージ投資にも積極的。FFG傘下の「ベンチャービジネスパートナーズ」は、地域の新産業育成に大きく貢献している。

また、地域密着型の取り組みも非常に強く、県や市町村とも連携しながら、観光、農業、医療、福祉など多様な産業を支えるプロジェクトを展開。災害が多い九州では復旧・復興支援も重要で、緊急融資や相談窓口の設置など、地域金融機関としての役割を積極的に果たしている。

さらにグループ会社では証券、カード、リース、投資運用、保証業務などを展開しており、「銀行だけではカバーできない領域」をワンストップで提供できる総合金融体制が整っている。ふくおか証券による投資サービス、福銀カードによるキャッシュレス支援、リース会社による設備導入支援など、中小企業から個人まで幅広い顧客ニーズをグループで完結できる点は大きな強みだ。

総合すると、FFGは「九州最大にして全国屈指の広域地銀グループ」であり、地域の枠を超えた成長力と金融総合力を備えている銀行。福岡市という人口増加エリアを中心に事業を展開しているため、他の地銀にはない成長余地があるのが最大の魅力。地方銀行でありながら都市銀行に近い動き方をするユニークな存在で、今後も地域経済とともに成長する期待が高い。

ふくおかフィナンシャルグループ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 経常収益(百万円) 業務純益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当
連25.3 455,711 99,587 103,594 72,136 381.5 135
連26.3予 500,000 120,000 117,000 80,000 423.1 170

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023 -111,261 3,082 -23,732
2024 1,480,879 -790,090 -20,726
2025 -503,904 -762,826 -23,129

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 3.4% 0.1%
2024 5.9% 0.1%
2025 7.7% 0.2% 高値平均 15.9倍
安値平均 10.8倍
0.86倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、直近の業績データを見ると、地方銀行として非常に強い収益基盤を持っていることがはっきりわかる。最新実績である連25.3の純利益は721.3億円と高水準で、続く連26.3では800.0億円が示されており、ここ数年で利益が確実に積み上がっていることが読み取れる。これはあなたが提示したデータそのままの数値に基づくもの。

経常利益も1,035.9億円から1,170.0億円へ増加し、業務純益も995.9億円から1,200.0億円へと伸びている。地銀でここまで安定して利益が増えるケースは少なく、九州全域をカバーする広域モデルを採用しているFFGの規模と営業力の強さが、素直に数字へ反映された形になっている。

収益性の改善も顕著で、ROEは3.4%から5.9%、そして7.7%へと着実に改善してきている。地方銀行はROEが4〜5%あたりにとどまることが多いため、7%台は業界内でも上位に入る水準で、効率性と収益力の高さが明確に見て取れる。ROAも0.1%から0.2%へ改善しており、資産規模の大きな地銀グループとしては十分に健全な動きだといえる。

株価指標を見ると、FFGはこの利益成長に対してまだ割安感が残っており、PBR0.86倍という水準は、地銀の中では比較的評価されている側ではあるものの、ROEが7%台に達していることを考えれば、まだ本来の価値に到達していない印象も強い。また、PERの高値平均15.9倍、安値平均10.8倍という数値を踏まえると、今後利益がさらに伸びる局面では株価が素直に評価されやすくなる可能性が大きい。

ここ数年の利益成長は、福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行という三行体制のシナジー効果が大きく、九州という広い経済圏を確実に押さえている点が背景にある。福岡市は国内でも珍しい人口増加エリアで、企業活動も活発であり、観光需要やIT関連産業の伸びなど、地域経済そのものが強い。こうした地域特性がFFGの収益安定性を強く支えている。

営業利益率の具体的な数値は出ていないものの、業務純益や経常利益の伸びから判断すると、銀行本業、手数料収入、運用収益のバランスが良く、地銀の中でも収益性のブレが小さく安定しているタイプだとわかる。この点は長期投資において非常に重要だ。

総合すると、FFGは地方銀行の中でも特に成長力と安定性を兼ね備えた地銀グループの一つであり、ROEや利益の改善テンポ、PBR0.86倍という割安感、そして九州経済の強さなどを踏まえると、中長期で評価されやすい銀行株として非常に魅力的な存在である。短期で大きく動くタイプではないが、数字の裏付けがしっかりとある“堅実に利益を積み上げる強い地銀”という評価で間違いない。

配当目的とかどうなの?

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、配当目的の長期投資という観点で見ると、地方銀行の中でもかなり魅力のある銘柄の一つといえる。予想配当利回りは連26.3で3.63%、連27.3では3.95%と、ほぼ4%近い利回りが確保されており、これは地銀の中では比較的高い水準にあたる。しかも単に利回りが高いだけでなく、利益がしっかり伸びているからこそ増配できている点が大きい。

実際、純利益は連25.3で721億円、連26.3で800億円と増加しており、業務純益や経常利益も右肩上がり。利益の裏付けがあるから配当も自然に引き上げられている。配当性向も無理に引き上げているわけではなく、利益成長に沿った増配ができているので、減配リスクも比較的低いタイプの銀行と言える。

また、FFGは九州全域をカバーする広域地銀で、福岡銀行を中心に熊本銀行、十八親和銀行が一体となって強固な収益基盤を築いている。福岡市が人口増加エリアで企業活動も活発なため、他の地方銀行のように“地域縮小リスク”が小さい点は、配当の安定性という意味でもかなり重要。地域経済が強い=銀行の収益も安定しやすい=配当も維持・増配しやすい、という好循環が成立している。

さらに、配当利回りが4%近い水準まで上昇しているのに、PBRが0.86倍と割安に放置されている点も魅力的。市場からの評価がもっと上がれば、利回りを享受しながら株価の上昇も狙える可能性がある。ROEが7%台まで改善しており、本来であればPBR1倍を超えてもおかしくない収益構造を持っているので、配当+株価上昇の両方を狙える位置にあるとも言える。

総合すると、FFGは配当目的の投資家にとって「利回りが高く、増配基調で、業績も伸びていて、地域経済の強さも持つ」という非常にバランスの良い銘柄。典型的な“高利回りだけど業績不安”タイプとは違い、地銀の中でも成長余地と安定性の両方があり、長期保有と相性の良い配当銘柄と言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

ふくおかフィナンシャルグループの現在値は4,675円だが、ここから5年間の値動きを考えると、九州全域を商圏とする広域地銀としての強みや、福岡市の人口増加・企業増加による安定した経済環境を背景に、比較的堅調な道筋が期待できる。特に純利益は721億円から800億円へ伸びており、ROEも7%台に改善していることから、本業の収益力が強まっていることが株価の下支えになる。これらを踏まえた上で、良い場合、中間、悪い場合の3パターンで将来の株価を整理しておく。

まず良い場合のシナリオでは、福岡銀行を中核とする三行体制がさらに強化され、地域経済の活発化や企業投資の増加が続き、銀行本業と手数料ビジネスが順調に伸びるケースだ。ROEは8%台に乗り、市場からの評価も徐々に高まってPBR1倍を超えてくるような水準感になる。その場合、株価は5年間で5,800円から6,400円程度に入る可能性がある。配当利回りも高く維持されるため、値上がり益と配当の両方を享受できる理想的な展開になる。

次に中間のシナリオでは、現在の増収増益ペースを維持し、福岡や九州の経済が大きく悪化しないケースだ。利益は着実に積み上がるものの、金融株全体に強い追い風が吹くわけではなく、市場からの評価も劇的に変わらない。しかし業績は安定しているため、株価も堅調に推移する形になり、5年間で5,000円から5,300円あたりまで上向いていくと考えられる。派手な値動きではないが、配当を受け取りながら緩やかな株価上昇を期待できる、“いかにもFFGらしい堅実な展開”になりやすい。

一方、悪い場合のシナリオでは、景気後退や金利低下、貸倒引当の増加などで銀行株が全体的に売られるケースだ。特に全国的なリスクオフ局面が続くと、広域地銀であるFFGであってもPBRが0.7倍付近まで下がる可能性がある。その場合の株価は4,000円から4,300円あたりまで調整する可能性がある。ただしFFGは福岡という強い市場を持っているため、極端な悪化は起きにくく、下がった局面は長期投資家にとって買い場になることが多い。

総合的に見ると、FFGは九州経済の強さと増益傾向が続いている点から、5年間の予測としては中間から良いシナリオに入りやすい銘柄といえる。短期で激しく動くタイプではないものの、業績安定・地域経済の強さ・高い配当利回りを持つことから、長期で保有するメリットが大きい銀行株で、将来にわたって堅実なリターンが期待できる。

この記事の最終更新日:2025年11月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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