株価
みずほフィナンシャルグループとは

みずほフィナンシャルグループは、日本の三大メガバンクの一角を担う大手金融グループで、「みずほ銀行」「みずほ信託銀行」「みずほ証券」を中核とした総合金融持株会社です。本社は東京都千代田区大手町にあり、国内はもちろん、ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポールなど世界主要都市に拠点を持つグローバル金融グループとして広いネットワークを展開しています。
同グループは、個人から中小企業、大企業、そして海外企業まで多様な顧客層を対象に金融サービスを提供しています。特に法人向け金融に強く、国内大企業との取引基盤はトップクラスです。また、国際金融業務、M&A、資本市場での引受業務などでも大手として存在感を持っています。
主要事業として、銀行業務では預金、融資、為替、決済といった基本的な金融サービスに加え、企業向けの大型融資、プロジェクトファイナンス、ストラクチャードファイナンスなど高度なサービスも展開しています。信託銀行では、受託資産の管理、年金信託、不動産関連サービスなど、資産管理・資産運用分野で長年の実績があります。証券業務では、株式や債券の引受、IPO、企業の資金調達支援、M&Aアドバイザリー、マーケット関連取引などの投資銀行業務を幅広く手掛けています。
ここ数年は、デジタル化への取り組みも加速させています。みずほは過去にシステム障害が続いたことで厳しい評価を受けましたが、近年は基幹システムの刷新後、デジタル領域に積極投資。法人向けのDX支援サービス、キャッシュレス決済、デジタル口座、データ活用サービスなど、新しい金融サービスの開発を強化しています。またESG・サステナビリティ領域でも、脱炭素に向けたファイナンスやグリーンボンド引受など、社会課題に対応した金融支援にも注力しています。
顧客基盤は国内トップクラスで、特に日本の大企業や自治体との関係が強固な点が大きな特徴です。個人向けでは住宅ローン、資産形成商品、ネットバンキングなどの幅広いサービスを提供し、証券との連携による「銀行+証券」の総合提案力が強みです。
金融環境としては、金利上昇局面で利ざやが改善しやすく、メガバンク全体が追い風を受ける状況にあります。みずほも例外ではなく、足元の収益構造は改善傾向が続いています。一方で、海外市場や為替変動、地政学リスクなど外部環境の影響を受けやすい面も特徴です。
総合的に見ると、みずほフィナンシャルグループは「国内大手企業との強いネットワーク」「銀行・信託・証券の総合力」「海外展開」「デジタル・サステナビリティへの取り組み」を軸に、日本の金融システムを支える基幹的なメガバンクとして、安定した金融サービスを提供し続けています。
みずほフィナンシャルグループ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(EPS) | 一株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連25.3 | 9,030,374 | 1,098,973 | 1,168,141 | 885,433 | 350.2 | 140 |
| 連26.3(予) | 9,500,000 | 1,330,000 | 1,410,000 | 1,020,000 | 410.3 | 145 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,867,246 | 6,605,667 | -611,143 |
| 2024 | 1,884,978 | 1,982,207 | -230,990 |
| 2025 | -3,820,800 | 3,793,092 | -299,030 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値/安値) | PBR(実績) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | ― | 6.0% | 0.2% | ― | ― |
| 2024 | ― | 6.6% | 0.2% | ― | ― |
| 2025 | ― | 8.4% | 0.3% | 11.6倍/6.9倍 | 1.16倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
みずほフィナンシャルグループは、直近数年の数字を見る限り、メガバンクの中でも業績が明確に改善トレンドに入っている企業です。まず利益面では、営業利益・経常利益・純利益が毎年しっかりと伸びており、とくに連26.3の予想では純利益が1兆円を超える見通しとなっています。これは収益構造の安定性がかなり強まっている証拠で、国内金利上昇による利ザヤ改善、企業向け金融の強さ、手数料ビジネスの拡大が順調に寄与していると読み取れます。
ROEは2023年の6.0%から2025年には8.4%まで伸びており、メガバンクとしては水準が高めです。ROAも0.2%から0.3%まで改善していて、銀行という業態を考えれば十分良好な数字といえます。金融セクターはROAが1%超えれば超優秀なので、みずほの数値でも問題はなく、むしろ効率性は上向きで評価できます。
一方でPERについては、2025年の実績ベースで高値平均11.6倍、安値平均6.9倍という数字になっており、絶対的に見ても割安~適正水準。PBRも1.16倍なので、国内金融の中では“そこまで割高感のない”価格帯です。メガバンクは基本的に1倍前後を推移しやすく、過去水準や同業比較を踏まえると「割安圏の上側」にいるイメージです。ただし、利益成長が続くなら1.2〜1.3倍を目指す余地もあります。
営業利益率は銀行業の仕組み上、そもそも開示の意味が薄いため「—」で問題ありません。銀行は業種的に売上=利息収入・有価証券収益などが混在するので、営業利益率は投資評価に使われません。
総合すると、みずほFGは「業績改善が続いている」「ROEが上昇」「PER/PBRが割安圏」「配当も安定」という点から、かなり保守的な投資テーマとして魅力があります。メガバンクは景気変動の影響は受けるものの、金利環境の追い風を受けやすく、今の局面では追い風が強い。さらに金融規制緩和や国内利上げ局面が続くと、収益がさらに伸びる可能性があります。
リスクとしては、海外景気の悪化、為替の急変動、地政学リスク、債券の評価損などが挙げられます。ただし「メガバンクのなかでの安定感」「配当の高さ」「利益の底堅さ」を考えると、長期保有向きのディフェンシブ銘柄に近い評価ができます。
結論としては、みずほFGは業績・指標のバランスが良く、割安感もあるため“安定高配当・長期保有向けの優良株”として評価できる。短期で爆発的に上がる銘柄ではありませんが、安定性と配当を重視する投資家に向いた銘柄といえます。
配当目的とかどうなの?
みずほフィナンシャルグループは、配当目的の投資として「そこそこ優秀で、比較的安心して持てるタイプの銘柄」です。まず配当利回りは、連26.3で2.80%、連27.3で2.90%と3%目前で、メガバンクとしては平均的〜やや高めの水準です。特別高配当とまでは言えませんが、安定した利益基盤を持つ企業であることを考えると、無理のない範囲での配当を継続してくれるタイプといえます。
銀行は景気動向や金利に左右されやすいものの、メガバンクの中でもみずほは業績のブレが比較的小さく、収益構造が安定している点が強みです。そのため配当を急激に減らすリスクは低く、長期保有と相性の良い銘柄になっています。また、ROEが2025年に8.4%まで改善していることから、経営効率が良くなっている点もプラスで、利益成長が続けば将来的に配当増加の余地もあります。
ただし、利回りだけで見ると3%未満なので、高配当株として“ガッツリ配当が欲しい人”には若干物足りない可能性はあります。JT、三菱HCキャピタル、三菱商事、三井住友FG のような3.5〜5%帯の配当株と比べると物足りなさはありますが、代わりに株価の安定性や下値の強さが期待できるタイプです。
総合的に見ると、みずほFGは「安定配当・無理ない増配・安心して長期保有できる」タイプの配当株。利回りの高さよりも安定性を求める投資家向け。
短期で大きな値上がりを狙う銘柄ではありませんが、利回りがじわじわ上昇し、業績改善とともに長期的に株主還元も増えていく可能性があり、ポートフォリオの“安定枠”としては十分魅力があります。
今後の値動き予想!!(5年間)
みずほフィナンシャルグループの今後5年間の株価は、金利動向・国内外の景気・不良債権の動き・株主還元政策など、多くの要因によって上下しますが、現在値5,163円を起点にした場合、全体としては「大きく崩れにくいが、上がるときは着実に上がる」という銀行株らしい動きになりやすいと考えられます。日本が徐々に金利正常化のフェーズに入っていることを踏まえると、基調はプラス方向に傾きやすい構造になっています。
まず良い場合のシナリオでは、足元で回復している利ざや改善がさらに進み、企業向け融資や海外部門の収益が順調に伸びる展開が続きます。ROEが10%に近づき、PBRが1.5倍台に上昇するような展開になれば、株価は7,800円から10,000円程度までの上昇も十分視野に入ります。メガバンク全体での再評価が起きるときには、割安解消と増配期待が重なり、株価が段階的に切り上がる可能性があります。
中間のシナリオでは、利益は伸びるものの想定以上のブレイクはなく、国内金利の上昇も緩やかで、株主還元も堅実な範囲に留まります。この場合は株価は6,500円から7,000円付近までの上昇にとどまりますが、配当利回りも2.8〜3.2%程度を維持し、安定したリターンを期待できる堅実な展開になります。銀行株にありがちな大幅な下落リスクが少なく、着実な株価上昇と配当が組み合わさる「バランス型」の動きを取りやすいパターンです。
悪い場合のシナリオでは、海外景気の悪化や不良債権の増加、為替の急変動、債券評価損の拡大など、銀行セクターに特有のリスクが顕在化します。また、想定していた金利上昇が止まり、日銀の政策が再び緩和方向に戻るような事態が起きれば、収益が伸び悩むことも考えられます。このような場合、株価は4,000円から5,000円付近まで下がる可能性があり、現状維持から軽い下落圏のシナリオになります。ただしメガバンクの性質上、配当は大きく減配されにくく、最悪のケースでも2%台後半の利回りは維持される可能性が高いと見られます。
総合して見ると、みずほFGは「大きく下がりづらく、業績が伸びれば順当に株価が上がる」という特徴を持った銘柄で、5年間という長めのスパンではプラス方向に動きやすい資質があります。高い成長性を狙う銘柄ではありませんが、安定した配当収入と中長期的な株価上昇の両方が見込めるため、守りと攻めのバランスを取りたい投資家には適した銘柄だと言えます。
この記事の最終更新日:2025年11月21日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す