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オリックス(8591)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

オリックスとは

オリックス株式会社は、日本を代表する総合金融サービス企業であり、かつ金融にとどまらず「金融 × 投資 × 事業運営」を融合させた独自のビジネスモデルを持つ企業として知られています。1964年にリース会社としてスタートした同社は、時代の変化に合わせて事業を大胆に拡大し、今では世界約30以上の国と地域で事業を展開するグローバル企業へと成長しています。本社は東京都港区の浜松町にあり、従業員数はグループ全体で3万人規模に達しています。

オリックスの最大の特徴は、単なる金融会社ではなく、実際の事業や資産を自社で保有・運営しながら、投資・金融の知見を生かして収益を生み出している点です。リース事業から始まった会社ですが、現在では国内トップクラスの事業ポートフォリオを築き上げており、不動産、エネルギー、保険、農業、観光、航空機リース、メンテナンスサービス、カーシェアリングなど、多岐にわたるビジネスを展開しています。

リース事業では、企業向けの設備投資を支援する機器リースやファイナンスが中心で、長年の顧客基盤と高い信用力を背景に安定した収益を確保しています。金融・投資分野では、不動産ファイナンス、M&A支援、企業再生投資、PEファンド運営など、より高度な金融サービスも手掛けています。特に事業投資分野では、国内外の企業に出資し、経営改善・バリューアップを通じてリターンを得るスタイルが強みとなっています。

不動産事業もオリックスの収益の柱で、オフィスビルや物流施設、商業施設、ホテルなど多様なアセットを保有・運用しています。さらに環境エネルギー分野では、太陽光発電や風力発電、地熱発電など再生可能エネルギー事業に力を入れており、日本国内でも最大級の再エネ投資企業のひとつです。発電所を開発から運営まで一貫で行う体制を持ち、ESGや脱炭素の流れに乗る形で収益拡大が続いています。

そのほか、個人向けには「オリックス生命」による生命保険事業を展開しており、手堅い保険収入がグループ全体の安定感を支えています。また、自動車関連ではレンタカーやカーシェア、車両管理サービスを提供し、法人・個人双方のニーズに応えています。航空機・船舶などのアセットを保有するアセットマネジメント事業も強く、世界的な金融機関からの信頼も厚い分野です。

さらに、プロ野球球団「オリックス・バファローズ」を保有し、スポーツビジネスとしても存在感を持っています。球団経営はブランド認知向上や地域貢献の面でも企業価値向上につながっています。

オリックスの魅力は、景気変動や金利動向に左右されすぎない多角化ポートフォリオにあり、一つの事業が不調でも別の事業でカバーできる“強靭な企業構造”を持っている点です。金融、保険、エネルギー、不動産、アセット投資といった安定収益源をバランスよく組み合わせることで、長期的に安定した成長を続けています。海外事業の比率も高まっており、トータルで見ると「日本企業の中でも特に安定性と成長性を両立した企業」と評価されています。

オリックス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当
23.3 2,666,373 313,988 367,168 273,075 231.4 85.6
24.3 2,814,361 360,713 469,975 346,132 298.6 98.6
25.3 2,874,821 331,826 480,463 351,630 307.7 120.01
26.3(予) 3,100,000 400,000 550,000 400,000 355.0 138.5

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 913,088 -1,098,478 438,308
2024 1,243,402 -1,372,803 -85,477
2025 1,300,193 -1,309,695 149,322

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値/安値) PBR(実績)
2023 11.7% 8.1% 1.7%
2024 12.8% 8.7% 2.1%
2025 11.5% 8.5% 2.0% 11.6倍/8.2倍 1.02倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

オリックスの業績を見ると、この企業がどれほど安定した収益構造を持っているかが、数字から非常にはっきりと読み取れます。まず売上高ですが、23.3期は 2兆6,663億円、24.3期には 2兆8,143億円 まで増加し、25.3期は 2兆8,748億円 と、3年連続で着実な増収が続いています。景気に左右されやすい事業も含んでいながら、このように安定した増収を維持できているのは、オリックスが多角化企業として極めて強固な事業基盤を持っている証拠です。

営業利益を見ても同じ傾向が見られ、23.3期の 3,140億円 から24.3期の 3,607億円 へ順調に伸び、25.3期も 3,318億円 とわずかな調整こそあるものの依然として高水準をキープしています。この「増収基調を維持しつつ、営業利益が大きく落ちない」という点は、多角化企業としての安定感を物語っています。金融、不動産、再エネ、事業投資、保険など複数の収益源がバランスよく機能しており、どれかが不調でも別の事業が補う形で全体の利益が安定している構造がそのまま数字に反映されています。

純利益も安定成長が続いており、23.3期 2,731億円 → 24.3期 3,461億円 → 25.3期 3,516億円 と堅実に推移しています。EPSも231.4円 → 298.6円 → 307.7円と成長が続いており、オリックスが株主価値を継続的に高めている企業であることが分かります。このEPSの安定上昇は、株価上昇の源泉となるだけでなく、配当余力の増加にも直結する重要な要素です。

配当面でも非常に魅力的で、23.3期 85.6円 → 24.3期 98.6円 → 25.3期 120.01円 と明確な増配基調を保っています。事業の多角化によって利益のブレが小さい企業だからこそ、安心して継続的な増配を実行できると言えます。長期の配当目的投資家にとっては、高い安定性と増配トレンドの両方が揃っている理想的な銘柄です。

財務効率も高く、営業利益率は 11.7% → 12.8% → 11.5%、ROEは 8.1% → 8.7% → 8.5%、ROAも 1.7% → 2.1% → 2.0% と、いずれも日本企業として非常に高水準です。特にROEが長期で8%以上を維持している点は、資本効率の高さを示しており、多角化企業として異例の安定性と言えます。

さらに株価指標を見ると、2025年の実績PERが 11.6倍(高値平均)/8.2倍(安値平均)、PBRが 1.02倍 と、明らかに割安水準にあります。利益成長が続いているにもかかわらずPBR1倍前後というのは、典型的な“優良株の割安放置”であり、投資妙味が大きい状態です。

総合的に見ると、オリックスは 売上・営業利益・経常利益・純利益、EPS、配当のすべてが安定成長 を続け、同時に ROE・ROAが高水準、かつPER・PBRが割安 という理想的な投資条件を満たしています。短期で急騰するタイプではありませんが、景気変動に強い事業ポートフォリオと、増配基調、世界展開を背景に、長期的に株主価値が積み上がる構造が整っています。

結論として、オリックスは 「長期安定」「増配期待」「割安」 の三拍子が揃った、ポートフォリオの中心に置くべき優良銘柄です。特に長期保有の投資家にとっては、安心して持ち続けられる強さがあります。

配当目的とかどうなの?

オリックスは、配当目的の投資先として非常に相性が良く、国内株の中でも“安定配当+増配+割安”という三拍子が揃った優秀な銘柄です。予想配当利回りは26.3期で 3.39%、27.3期も 3.39% とほぼ同水準を維持しており、メガバンクや高配当ETFと並ぶ利回りを安定的に提供しています。

しかも、この利回りは「無理に出している配当」ではなく、EPSの着実な増加(231.4円 → 298.6円 → 307.7円)を背景にした“余裕のある配当”です。財務的に無理をしていないため、減配リスクが非常に低く、長期投資に適した安定性があります。

実際に配当を見てみると、23.3期 85.6円 → 24.3期 98.6円 → 25.3期 120.01円 と、連続的に増配しており、そのペースは国内企業の中でも優秀な部類に入ります。事業の多角化による安定収益がバックにあるため、業績が多少変動しても配当が大きく毀損されにくいのがオリックスの強みです。

また、ROEが 8%台後半、ROAが 2%前後 と財務効率が高いため、利益を効率よく生み出すことができ、その結果として配当余力も大きくなっています。複数事業によるバランスの取れた収益モデルは、景気の悪化時にも落ち込みにくく、配当の安定性に直結しています。

さらに、株価自体もPBR 1.02倍、PER 8〜11倍台 と割安圏にあり、配当狙いで買いやすい価格帯が続いています。割安の状態で入れるため、配当利回りの実質メリットもより大きくなり、長期保有による総合リターンは高くなる傾向があります。

総合すると、オリックスは「安定配当」「増配傾向」「稼ぐ力が強い」「割安」という投資家にとって理想的な配当株の特徴をすべて備えています。

短期で大きく伸びる銘柄ではありませんが、長期で見れば “配当を受け取りながら着実に株価も育つ” タイプの守りに強い銘柄であり、配当目的で保有するには非常に良い選択肢と言えます。

今後の値動き予想!!(5年間)

オリックスの株価は長期視点で見たとき、非常に読みやすい特徴を持っています。現在値の 4,077円 という株価は、業績の伸びや財務内容、割安感を考えると、まだ十分に上昇余地を残しています。そもそもオリックスは、金融・不動産・再エネ・保険・事業投資・レンタカーなど、複数の収益源を持つ希少な多角化企業であり、景気変動の波を受けにくい“防御力の高いビジネスモデル”が特徴です。

収益面でも、ここ数年は非常に安定的で、売上・営業利益・経常利益・純利益が全て伸びています。EPSも231.4円 → 298.6円 → 307.7円と着実に成長し、配当も85.6円 → 98.6円 → 120.01円と増加。この「利益が伸びる → 配当も増える → 株価も上がりやすい」という理想的な循環が成立している企業は、国内ではそれほど多くありません。だからこそ、長期で見たときに株価がどのように動きやすいかの予想がしやすい銘柄でもあります。

まず、良い場合のシナリオとしては、再エネ事業の拡大、不動産の安定収益、オリックス生命の堅調な伸び、海外の投資案件の成長がうまく重なって、全体として利益がさらに積み上がるケースが考えられます。こうした場合、企業の評価自体が一段高まり、PBRが現在の1.02倍から1.3倍〜1.5倍に見直され、株価は 6,000〜7,500円 に到達する可能性があります。現在値から見れば 約1.5倍 も狙えるため、長期の資産形成としては大きなリターンが期待できます。加えて配当も年々増えていくため、株価の上昇と配当収入が同時に得られる“長期投資の理想形”が見えてきます。

中間のシナリオでは、利益成長は続くものの、外部環境が急激に良くも悪くもならず、堅実な伸びが続く場合です。このケースでは、株価は 4,800〜5,300円 くらいまでの上昇が最も現実的です。現在の4,077円という水準を考えると、緩やかにプラス成長するイメージです。オリックスの強みは“崩れないこと”であり、派手な上昇よりも安定した値動きを求める投資家には非常に向いています。この中間ケースでも配当は増えていくため、5年後には配当収入と株価上昇の両方が効いて、トータルで見れば十分満足できるリターンになるでしょう。

悪い場合のシナリオも一応考えておくと、景気の後退、不動産価格の下落、世界的な投資環境の悪化などが重なって利益が伸び悩むパターンです。ただし、オリックスは単一事業ではなく多角化企業なので、景気が悪い時でも“どれかの事業が踏ん張る構造”になっており、大幅な悪化は起きにくいと言えます。それでも外部環境が重くのしかかると、株価は 3,500〜4,000円 程度まで調整する可能性があります。現在値からするとやや下落しますが、減配可能性が低いため、配当利回りが逆に上昇し、長期的には買い増しを検討しやすい局面となるでしょう。

総合的に見て、オリックスは長期の資産形成で特に信頼できる銘柄の一つです。景気の波に左右されにくい安定性があり、配当も伸び、株価もジワジワと育っていくタイプなので“長期投資で負けにくい銘柄”として非常に優れています。短期で爆発的に値上がりする銘柄ではありませんが、5年、10年と保有するほど価値が積み重なりやすい特性を持っています。

この記事の最終更新日:2025年11月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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