株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


大和証券グループ本社(8601)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

大和証券グループ本社とは

大和証券グループ本社は、日本の大手証券会社の中でも特に長い歴史とブランド力を持つ総合金融グループです。国内では「野村」「SMBC日興」と並ぶ大手証券として知られ、個人・法人・機関投資家向けに幅広い金融サービスを提供しています。本社は東京都千代田区に置かれ、全国に数百の営業店舗を展開しているほか、アジア・欧米などにも拠点を持つグローバルな体制を構築しています。

大和証券グループの大きな特徴は、「個人向けの強さ」「投資銀行業務の実績」「運用ビジネスの存在感」「安定した財務基盤」という複数の強みを持っている点です。特に個人投資家の分野では、長年蓄積してきたコンサルティング型営業のノウハウが大きな武器となっており、株式・債券・投資信託の販売や資産運用アドバイスにおいて高い評価を得ています。

主力事業の一つである証券業務では、株式や債券の売買、投資信託の販売、NISA・iDeCoといった資産形成サービスの提供が中核で、大和証券は個人向け店舗網を活かして“対面営業に強い証券会社”として確固たる地位を築いています。また、近年はスマートフォンアプリやオンライン専用サービスにも力を入れており、デジタルと対面のハイブリッド型サービスを加速させています。

投資銀行(IB)部門においても、大和は国内で有力なポジションを持ちます。IPOの主幹事、企業の資金調達、M&Aアドバイザリー、債券の引受業務など、企業の成長戦略を金融面からサポートする役割を担っています。上場企業の資金調達に長く関わってきた実績があり、安定した手数料収入を獲得しています。

さらに大和証券グループは、アセットマネジメント(資産運用)事業にも強みがあります。傘下の「大和アセットマネジメント」は国内有数の運用会社であり、投資信託や年金資産の運用を通じて国内外の投資家にサービスを提供しています。運用残高は国内屈指の規模であり、この部門は生活者の長期資産形成ニーズの高まりによって今後も安定した成長が見込まれています。

海外事業にも力を入れており、特にアジア市場を中心に証券業務や投資事業を展開。日本国内市場が成熟しつつある中で、海外部門の成長は大和の中長期的な収益安定に貢献しています。また大和は ESG・サステナブル投資にも積極的で、グリーンボンドやサステナビリティ関連商品の取り扱いでも存在感を高めています。

財務面では、証券会社の中でも比較的安定性が高く、手数料収入、投資収益、運用ビジネスからのストック型収益がバランスよく構成されています。市場環境に左右される部分もありますが、リスク管理を徹底しており、金融危機などの荒波にも一定の耐久力を持つ企業といえます。

総合すると、大和証券グループ本社は「個人・法人・機関向けの総合証券サービス」「国内屈指の運用ビジネス」「投資銀行業務の実績」「安定した財務基盤」など多くの強みを持つ、国内有数の総合金融グループです。証券会社ならではの市場関連収益と、アセットマネジメントによるストック収益のバランスがうまく取れた企業であり、日本の金融市場において重要な役割を果たしています。

大和証券グループ本社 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(EPS) 一株配当
連22.3 619,471 115,534 135,821 94,891 63.1 33
連23.3 866,090 66,273 86,930 63,875 43.5 23
連24.3 1,277,482 153,705 174,587 121,557 84.9 44
連25.3 1,372,014 166,742 224,716 154,368 109.5 56
連26.3(予) 1,375,000 170,000 200,000 137,000 98.7 49

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 -183,745 7,457 -565,878
2024 705,124 -223,986 -2,847
2025 -454,066 -353,443 199,019

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値/安値) PBR
2023 7.6% 4.5% 0.2%
2024 12.0% 7.9% 0.3%
2025 12.1% 9.4% 0.4% 14.3倍/9.2倍 1.03倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

大和証券グループの直近の業績推移を見ると、非常に明確な回復基調に入っていることが数字から読み取れます。まず営業利益は、連22.3の 1,155億円 から、一度連23.3で 662億円 と大きく落ち込んだものの、その後急回復し、連24.3には 1,537億円、連25.3では 1,667億円 まで改善しています。この“完全なV字回復”は、株式市場の活況、投信販売の回復、トレーディング収益の改善など、複数要因が重なった結果であり、大和証券グループの収益力の高さがあらためて示された形です。

経常利益も同様に回復力が際立っています。連22.3の 1,358億円 → 連23.3の 869億円 と一度調整しているものの、その後連24.3で 1,745億円、連25.3では 2,247億円 と、むしろ以前よりも高い水準へ戻っています。証券会社はどうしても市況に左右されやすい業種ですが、大和証券グループは投資銀行(IB)やアセットマネジメントといったストック収益が安定化しているため、下落耐性が強くなっている点が評価できます。

純利益も綺麗に右肩上がりで、連22.3の 949億円 → 連23.3の 639億円 → 連24.3の 1,216億円 → 連25.3の 1,543億円 と大幅に伸びています。EPSも63.1円から43.5円に一度落ちたものの、そこから84.9円 → 109.5円と急改善しており、株主価値の積み上がりが非常に安定的に進んでいます。

効率性の指標を見ると、大和証券グループの収益体質が明確に改善していることが分かります。営業利益率は 7.6% → 12.0% → 12.1% と高水準で推移しており、特に証券会社で営業利益率12%超えは優良な水準です。商品構成の見直しや手数料収入の増加、コスト管理が機能している証拠といえます。

ROEも 4.5% → 7.9% → 9.4% と大きく改善し、証券会社としては非常に高い水準に到達しています。ROE9%台は、株主資本を効率よく利益へ変換できている状態であり、企業価値の底上げが進んでいる証しでもあります。ROAも0.2% → 0.3% → 0.4%と、資産規模を鑑みると確実に改善しており、利益の質が高まっている点がうかがえます。

株価指標を見ると、大和証券グループの株価にはまだ割安感が残されています。2025年の実績PERは高値平均 14.3倍、安値平均 9.2倍 と、証券会社として標準〜やや割安の位置づけです。特にPBR 1.03倍 は、ほぼ純資産と同じ水準であり、過度な割高感もなく、業績回復とROE上昇を考えると“割安に放置されている可能性が高い銘柄”と言えます。

総合的に見ると、大和証券グループは「利益回復が綺麗なV字」「収益率の改善が顕著」「ROEが高い」「株価は割安」という非常に良い条件が揃っています。特に投資銀行部門やアセットマネジメント部門が安定収益を生む体制になってきており、従来の“市況頼みの証券会社”という性格から、より“安定性のある金融グループ”へ変化している点が投資先として魅力的です。

加えて、株主還元姿勢も強く、配当と自社株買いを継続して行っているため、株主リターンの質も高まっています。

結論として、大和証券グループ(8601)は、中期〜長期で保有しながら業績回復と配当の両取りを狙える、バリュー寄りの優良金融株 です。市況次第で短期の変動はあるものの、回復した収益力と効率性向上、割安な株価を考えると、長期投資家にとって魅力のある銘柄と言えます。

配当目的とかどうなの?

大和証券グループは、配当目的での投資先としてかなり魅力のある銘柄です。特に、直近の利益回復と今後の配当方針を踏まえると、安定配当と高利回りの両面が期待できる典型的な“高配当金融株”と言えます。

まず配当利回りに注目すると、連26.3期の予想配当利回りは 3.52% と、国内株の中でも十分な水準にあります。それだけでも配当投資として成立しますが、さらに次の連27.3期にかけて 4.72% へと大幅な上昇が見込まれている点が大和証券グループの最大の魅力です。利回り4%を超える企業は高配当株として評価されますが、4.7%台というのは国内の大型金融株の中でもトップクラスの高さです。

この高利回りが「無理に支払っている配当」かというと、そうではありません。利益推移を見ると、純利益は連22.3の 949億円 から連23.3で一度 639億円 に落ちたものの、そこから大きく回復し、連24.3に 1,216億円、連25.3では 1,543億円 と力強い伸びを見せています。EPSも63.1円 → 43.5円 → 84.9円 → 109.5円と綺麗な右肩上がりです。この利益成長を背景にした配当なので、減配リスクは比較的低く、むしろ増配を続ける余地さえあります。

さらに、効率性指標も配当の安定性を後押ししています。営業利益率は 7.6% → 12.0% → 12.1% と改善し、ROEは 4.5% → 7.9% → 9.4% と大幅に上昇。企業の稼ぐ力が確実に強くなっているため、配当余力は十分に高まっています。ストック型収益(運用・手数料)の比率が増えていることも、長期的に安定した配当を出せる裏付けになっています。

証券会社は景気や株式市場の動向で業績が上下しやすい業種ですが、大和証券グループは投資銀行(IB)、資産運用、リテール営業など複数の柱を持っているため、以前よりも業績のブレが少なくなっています。市況環境に依存しすぎない構造に変わりつつあるため、配当を安定して出しやすい体質になってきています。

加えて、PBRが 1.03倍 とほぼ純資産と同水準で“割安”に位置している点も魅力です。割安株で高配当という組み合わせは、長期の配当投資家にとって理想的な条件といえます。

総合すると、大和証券グループは「安定配当」+「利回り4%超の高配当化」+「業績回復」+「割安バリュー株」という好条件が揃った、配当目的で非常に相性の良い銘柄です。

短期値動きは市場環境の影響を受けやすいですが、長期保有で配当をしっかり受け取りたい投資家にとっては、魅力度の高い金融株と言えます。

今後の値動き予想!!(5年間)

大和証券グループの現在値1,247.5円という価格は、直近の業績の回復力や財務指標の改善、さらに配当利回りの高さを踏まえると、まだ十分に上昇の余地を持っている水準だと感じられます。証券会社はどうしても市況の影響を受けやすく、日々の株価も変動しやすい分野ですが、大和はここ数年で利益構造がかなり強化され、投資銀行業務や資産運用、リテール営業の3つがバランスよく機能する体制に変化してきています。実際に営業利益は22.3期の1,155億円から23.3期には662億円まで下がったものの、その後24.3期には1,537億円、25.3期には1,667億円と完全に立ち直っており、経常利益も純利益も綺麗な回復軌道を描いています。EPSも109.5円まで戻してきているため、企業価値の積み上がりは非常に安定していると言えます。

こうした収益回復に加え、ROEが9%台まで改善している点も市場評価を押し上げる要因になり得ます。証券会社でROE9%というのは優秀な水準で、投資家が安心して保有しやすい企業に変わりつつあることを示しています。さらにPBRが1.03倍とほぼ純資産と同じ水準で推移しており、割高感がほぼない状態で放置されているため、業績が安定してくると株価の見直し買いが入りやすい環境が整っています。特に大和は配当利回りが高く、長期保有での利回りの高さも相まって、株価の下値を支えやすい特徴を持っています。

これらの要素を考え合わせると、大和証券グループの株価は今後5年間で良い場合、中間、悪い場合の3つの展開が見えてきます。

まず良い場合は、株式市場が堅調でIPOや投信販売が活発になり、投資銀行と資産運用が収益をさらに押し上げる展開です。この場合、ROEが10〜11%に近づき、PBRも1.3倍から1.5倍へと見直され、株価は1,800円から2,300円付近まで上昇していく可能性があります。現在値から見れば最大で80%以上の上昇も視野に入るため、強気相場に乗れたときのリターンは非常に大きくなります。

次に中間のケースですが、これが最も現実的なシナリオで、大和が安定した利益成長を保ちながら大きくは崩れずに推移していく展開です。投信販売やリテール営業、IB業務などが堅調に推移し、純利益が1,300億円から1,500億円あたりで安定し、ROEも8〜10%で維持されると、株価は1,350円から1,600円あたりが中心ラインになります。現在値から15〜30%程度の上昇が見込まれるため、派手ではないものの堅実に利益を伸ばしていく銘柄として扱えます。このパターンは上下のブレが比較的小さく、長期で着実に利益と配当を取りにいく投資家には最も相性が良い展開です。

最後の悪い場合ですが、これは世界的な株安や投信の資金流出、IPOの停滞など、市況の悪化が重なるケースです。証券会社は外部環境の影響を受けやすいものの、大和はストック収益が強く、完全に業績が崩れるような体質ではありません。それでも利益が鈍化する場面では株価が1,050円から1,200円あたりまで調整する可能性があります。ただ、このような局面では配当利回りが高まることで逆に“買われやすい銘柄”にもなるため、長期で見ると悪い局面もチャンスに変わりやすい特徴があります。

全体として、大和証券グループは下値の固さと上値の伸びしろの両方を持つ、バリュー金融株として非常に扱いやすい銘柄です。短期で大きく跳ねるタイプではありませんが、利益の安定化と配当の高さ、そして割安な株価を考えると、長期保有との相性は抜群で、5年間を通じてじわじわと総合リターンが積み上がっていくタイプの堅実な投資先と言えます。

この記事の最終更新日:2025年11月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP