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SOMPOホールディングス(8630)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

SOMPOホールディングスとは

SOMPOホールディングス株式会社は、日本を代表する総合保険グループであり、損害保険・生命保険・介護・ヘルスケア・デジタルサービスなど、多角的な事業を展開している持株会社です。本社は東京都新宿区西新宿一丁目26番1号にあり、日本の大手金融グループの中でも特に「保険×介護×デジタル」を軸に独自の成長戦略を進めている企業として知られています。もともと損害保険ジャパンを中心としたグループとして発展し、現在は国内外の保険事業に加えて、介護サービス大手のSOMPOケアやデジタル技術を活かしたヘルスケア・リスクマネジメント領域への進出など、事業のすそ野が大きく広がっています。

SOMPOの主軸である損害保険事業では、自動車保険、火災保険、地震保険、傷害保険、企業向け保険など幅広い商品を扱い、国内損保市場では常にトップグループの一角を占めています。事故対応サービスの品質向上やAIを活用した査定モデルの開発など、顧客体験の改善にも注力しています。また、法人向け保険、企業リスク管理、再保険の分野にも強みがあり、日本企業の海外展開に合わせてグローバルな保険提供体制を整えている点も特徴です。

生命保険事業では、医療保険、がん保険、死亡保険、外貨建保険、年金保険などを幅広く展開し、近年は健康増進型の保険商品や、DXを活かした顧客管理・販売体制の改革にも取り組んでいます。保険の契約や保全業務を大幅にデジタル化し、収益の効率性向上を図っているのがSOMPOの生命保険事業の特徴です。

さらにSOMPOを語る上で欠かせないのが介護・ヘルスケア事業です。介護大手のSOMPOケアを中心として、全国で有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、訪問介護など幅広いサービスを展開しています。高齢化が進む日本において、介護事業はSOMPOグループの重要な成長分野となっており、「保険×介護×ヘルスケア」を融合させたビジネスモデルは、国内保険会社の中でも特に特徴的です。

海外保険事業も年々規模を拡大しており、アジア、欧州、北米などの地域で損害保険・生命保険の提供を行っています。特にアジア市場では成長余地が大きく、企業向け保険や個人向け医療保険などで高い存在感を示しています。グローバル市場でのリスク分散が進んでいることで、国内市場の景気に左右されにくい収益構造が形成されつつあります。

また、SOMPOホールディングスはデジタル戦略にも積極的で、AI・データ分析・IoTを活用したサービス開発を進めています。自動車のテレマティクスデータを保険に活用する仕組みや、健康増進アプリと保険商品の連動、介護施設での見守りAIなど、新しい付加価値創造に力を入れています。単なる保険会社ではなく、「安心・安全・健康」を提供する総合サービス産業へと進化しようとしているのが現在のSOMPOグループです。

こうした多角化戦略により、SOMPOは日本の金融グループとしては比較的珍しい “保険×ヘルスケア×介護” を包括したビジネスモデルを確立しており、収益源が非常に多様化しています。景気変動の影響を受けやすい保険業界において、複数事業による収益の分散は安定性につながる重要な要素であり、長期的な成長性の大きな土台となっています。

SOMPOホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 経常収益 正味保険 税前利益 純利益 1株益(EPS) 1株配当
連24.3* 4,933,646 3,690,419 488,034 416,054 419.8 100
連25.3 5,453,769 4,016,599 552,924 422,927 436.5 132
26.3予 4,100,000 510,000 335,000 364.3 150

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 448,892 -324,634 -92,364
2024 473,137 -496,986 -87,612
2025 430,676 -53,251 -457,402

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 4.9% 0.6%
2024 14.5% 2.8%
2025 14.8% 2.8% 14.1倍 / 9.3倍 0.96倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

SOMPOホールディングスの業績推移を見ると、直近数年間で収益力が大きく改善しており、特に保険会社として重要な指標である純利益やROEの伸びが非常に強い点が目立ちます。連24.3期の税前利益4880億円、純利益4160億円という水準は業界でもトップクラスで、翌25.3期には税前5529億円、純利益4229億円とさらに規模が拡大しています。正味保険料も 3兆6,900億円 → 4兆165億円 と増加しており、保険本業の成長が数字でしっかり確認できます。

EPSも419.8円から436.5円へと安定して増加しており、1株あたり利益が着実に積み上がっていることは株主にとって大きなプラス材料です。配当も100円 → 132円 → 150円予想と増配基調を維持しており、利益成長と株主還元の両方が揃った、国内の保険会社の中でも特に株主志向の強い企業と言えます。

効率性指標を見るとさらに優秀で、ROEは4.9% → 14.5% → 14.8%と急改善し、2025年時点では保険会社としては異例の高水準に達しています。ROE10%を超える企業は保険セクターでは優良とされますが、SOMPOはその基準を大きく上回っており、資本効率が極めて高い状態にあります。ROAも0.6% → 2.8% → 2.8%と改善しており、総資産を有効に活用できていることが分かります。

株価指標では、PERが高値平均14.1倍・安値平均9.3倍、PBRが0.96倍と、利益成長やROEの高さに対して明らかに割安な水準にとどまっています。PBR1倍を割るということは、簿価と比較しても企業価値が十分に評価されていない可能性が高く、バリュー株としての魅力が際立っています。保険会社はキャッシュフローが非常に強く、本業の収益が安定しているため、PBRが1倍以下という状況は中長期投資の観点から見れば大きな買い要素となります。

またSOMPOは損害保険と生命保険の二本柱に加え、介護・ヘルスケア事業、海外保険事業など、多様な収益源を持つ点でも優れています。特に国内最大級の介護事業を展開するSOMPOケアは、今後の高齢化トレンドと強く結びついており、長期の成長ドライバーとして期待できます。さらに、海外保険事業も順調に拡大しており、海外市況や為替の恩恵を受けやすい点も強みです。

総合すると、SOMPOホールディングスは「業績が強い」「EPSが伸びている」「ROEが極めて高い」「増配基調」「PBRが割安」という5つの主要ポイントがすべてそろった、非常にバランスの良い大型保険株です。短期の派手な値動きを狙うタイプではありませんが、保険本業の安定性と多角化した収益源を背景に、配当と株価の両面で長期的にリターンを狙える魅力が大きい銘柄です。現状のバリュエーションと増益トレンドを踏まえると、今後も株主還元の強化や株価見直しの可能性が十分あり、中長期保有に適した優良株として評価できます。

配当目的とかどうなの?

SOMPOホールディングスを配当目的で見た場合、この銘柄は「安定配当+増配余力+利益成長」がそろった、比較的安心して長期保有できるタイプの大型株といえます。予想配当利回りは26.3期で2.98%、27.3期で3.08%と、いわゆる高配当に分類されるほどではないものの、安定した成長株としては十分に魅力のある水準です。特にSOMPOは増配を継続してきた企業であり、132円 → 150円予想と明確な増配基調にあるため、利回りだけでなく「今後の伸びしろ」という視点でも評価できる配当株です。

配当目的で重要になるのは、配当を支払うための利益がどれだけ安定しているかですが、SOMPOの純利益は4160億円 → 4229億円と高い水準を維持しており、EPSも419円 → 436円と着実に伸びています。この利益成長は配当の原資となるもので、企業側が無理をして配当を出しているのではなく、本業の損害保険・生命保険・海外事業・介護事業など多角化された収益基盤によって裏付けられています。

さらにROEが14%台と非常に高い水準で推移している点は、配当目的の投資家にとって大きな安心材料です。資本効率が高い企業は、利益成長と配当の両方に余力が生まれやすく、特に保険会社でROE10%を超えてくる企業は国内では限られています。ROAも年々改善し、資産運用効率が向上しているため、長期的に見て利益が減りにくい体質ができています。

またSOMPOは保険会社としては珍しく“介護・ヘルスケア事業”という別の収益源を持っています。これは日本の高齢化という長期トレンドにフィットしており、景気循環や災害リスクに左右されやすい損害保険だけに依存しない点は、長期の配当維持において大きな強みになります。海外保険事業の成長も加わり、収益の分散が進んでいることが、配当の安定性をさらに高めています。

配当利回り2.9〜3.0%という数字だけを見ると、超高配当株というわけではありませんが、「毎年増配しており、EPSも成長、業績も安定、PBR1倍割れで割安」という点を総合すると、単なる利回り以上の価値があります。むしろ、“利回り3%前後の成長配当株”としての魅力が強く、長期で保有することで配当と株価の両方でリターンが積み上がるタイプの銘柄です。

結論として、SOMPOホールディングスは配当目的で非常に扱いやすい銘柄であり、一気に大きく伸びるというより「安定配当・確実な増配・利益成長」という三要素が揃っているため、長期の配当投資に向けた“土台銘柄”として十分検討できる企業です。特に現在のPBR0.96倍という割安圏にいるタイミングでは、配当を受け取りながら株価の見直しも期待できるため、配当投資の観点から見ても魅力が大きい株だといえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

SOMPOホールディングスの現在値5,028円という株価は、ここ数年の業績の伸びやROEの高さ、さらにPBRが1倍を下回る割安水準で放置されていることを踏まえると、まだ企業価値が十分に株価に反映されていない位置にあると感じられます。純利益は4,000億円台で安定し、EPSもしっかりと増加しているうえ、配当も100円から132円、そして150円予想という増配基調が継続しているため、株主還元を重視する企業姿勢が明確です。損害保険、生命保険、海外保険、介護・ヘルスケアなど複数の収益源を持つことで業績の安定性が高く、保険会社としてのリスク分散も非常に進んでいます。

良いシナリオでは保険収益が堅調に伸び、海外展開も順調に進むことでROEが15%前後を維持し、PBRも1.2倍以上に見直される可能性があります。その場合、株価は6,800円から8,500円あたりまで水準訂正される余地があり、現在値から見ても大きめの上昇が期待できます。保険収益が安定し、災害損失が比較的少ない時期が続いたり、海外市場で利益が増えると、こうした強気シナリオは十分現実的です。

一方で最も現実的なのは中間のシナリオで、現在の安定した業績水準を維持しつつ、じわじわと利益成長が続くパターンです。SOMPOの収益構造は以前よりも強固で、損保だけに依存していた時代と違い、海外保険や介護・ヘルスケアが下支えとなっています。このためROEが12〜14%の範囲で安定し、PBRも1.0〜1.15倍あたりに収まると、株価は5,500円から6,300円のレンジを中心に推移していくことが予想されます。劇的な値動きはないものの、配当を受け取りつつ着実に評価が上がっていく、堅実なリターンが期待できる展開です。

悪い場合のシナリオでは、大規模な自然災害が連続したり、海外事業が不調に転じたり、市場全体の株価が調整する局面では、SOMPOの株価も影響を受けないわけではありません。しかしながら、この会社は収益源が多く、損保一本の企業と違って、介護・ヘルスケアや海外保険の利益が一定の下支えをします。そのため最悪でも4,200円から4,700円あたりで下げ止まりやすく、下落幅は比較的小さいと考えられます。株価が下がれば配当利回りが3.5〜4%台に上昇するため、長期投資家にとっては安値圏はむしろ買い場になりやすいのが特徴です。

総合すると、SOMPOホールディングスは派手に株価が跳ねるタイプの銘柄ではありませんが、利益が安定し、配当も着実に増えているため、中長期での資産形成には非常に向いている企業です。本業の保険収益が強く、ROEが高く、PBRが割安という3点が揃っていることで、株価の下値リスクは比較的限定的で、一方で市場の評価次第では上値余地が十分に残されているバランスの良い銘柄だといえます。5年間という時間軸で見れば、配当と株価の両面で安定してリターンを狙える、長期投資向けの大型保険株として扱いやすい存在です。

この記事の最終更新日:2025年11月21日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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