株価
光フードサービスとは

光フードサービスは、名古屋を拠点にした飲食チェーン運営会社です。主に立ち飲み居酒屋や焼鳥・焼きとん、魚料理の居酒屋業態を中心に店舗展開しています。
会社は 2024年2月に東証グロース市場に上場しました。資本金は約4億1千万円で、発行済株式数は約 99.2 万株。所在地は愛知県名古屋市中村区。
事業内容としては、自社直営店が中心ですが、業務委託店やフランチャイズ方式も取り入れています。主力業態には「焼きとん大黒」「魚椿」などがあり、中部地方を中心とした駅前や繁華街に小規模な店舗を出すスタイルが多いです。また、店舗展開拡大にも意欲的で、新店出店を重視する戦略を取っています。
こうした業態展開の中で、立地効率性・省スペース営業・回転率重視が差別化要素となっており、客単価や人件費コントロール力が業績を左右しやすい業界構造です。
直近3年間の業績・指標
決算期(11月期) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) |
---|---|---|---|---|
2022年11月期 | 1,684 | 49 | 133 | 62 |
2023年11月期 | 2,225 | 262 | 255 | 201 |
2024年11月期 | 2,566 | 217 | 191 | 100 |
バリュエーション
指標 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 備考・出典 |
---|---|---|---|---|
PER(株価収益率) | — | 27.5倍 | 20.4倍 | IRBANK・株探 |
PBR(株価純資産倍率) | — | 2.25倍 | 1.78倍 | IRBANK・株探 |
営業利益率 | 2.9% | 11.8% | 8.5% | 決算短信(営業利益÷売上高) |
ROE(自己資本利益率) | — | 55.2% | 8.0% | IRBANK 財務指標 |
ROA(総資産利益率) | — | 11.4% | 4.1% | IRBANK 決算まとめ |
投資判断
光フードサービスは、中堅飲食チェーンとして安定した業績を出しつつも、成長のスピードはやや鈍化傾向にある銘柄です。指標を総合的に見ると、「割高ではないが積極的に買い進む局面でもない」と判断できます。
まず、売上高は2022年から2024年にかけて 1,684百万円 → 2,566百万円 と、約1.5倍に拡大しており、出店戦略が順調に進んでいます。特に「焼きとん大黒」や「魚椿」など、立ち飲み居酒屋ブランドを中心に店舗を増やし、収益基盤を広げています。新規上場を経て企業の知名度も上がり、売上規模は着実に拡大しています。
ただし、営業利益を見ると 262百万円(2023年)→217百万円(2024年) とやや減少しており、営業利益率も11.8%から8.5%へ低下。コスト上昇(原材料・人件費・賃料)や出店費用の先行投資が利益を圧迫しています。このため、売上の伸びほど純利益は伸びておらず、成長に陰りが見え始めています。
財務面では比較的健全です。自己資本比率は50%を上回り、ROEは2024年で8%、ROAも4%程度。2023年のROEが55%と突出して高いのは、上場直後の特殊要因(資本構成の変化)によるもので、実質的な経営効率は8〜10%程度と見るのが妥当です。これは同業の外食中堅企業と比べると標準的な水準です。
株価指標で見ると、PER約20倍・PBR約1.8倍と、グロース市場上場企業としてはやや割安圏。投資家が成長をある程度織り込んでいるものの、急激な成長を期待しているわけではありません。むしろ安定成長株として見られており、株価が大きく下落するリスクは限定的です。
総合的に見ると、光フードサービスは「堅実経営+安定成長」という特徴を持ちますが、短期的な利益成長力は弱まりつつあるため、派手な株価上昇は期待しにくい状況です。飲食業全体がコスト高や人手不足に直面している中で、同社は効率化とブランド力を武器に一定の利益を守っていますが、今後もコスト上昇をどこまで吸収できるかが焦点となります。
したがって、投資判断としては
👉 「中立〜やや強気」 が妥当です。
現時点の株価水準では過熱感はなく、長期的に持てば安定した収益成長を見込める一方、短期的な値上がりを狙うには材料不足。押し目での中長期保有が適した銘柄と言えます。
今後の値動き予想!!
光フードサービスの現在株価は2,827円です。
この会社は居酒屋や飲食店を中心に展開している外食企業で、2024年に上場したばかりの比較的新しい上場企業です。外食業界は景気や物価、人件費の影響を強く受けますが、コロナ禍以降は人の流れが戻り、再び飲食需要が回復傾向にあります。光フードサービスもその波に乗り、店舗展開を積極的に進めています。
ただし、飲食業は競合が非常に多く、原材料費や光熱費、人件費の上昇が経営を圧迫するリスクがあります。今後の株価を考える上では、「出店スピード」「人件費の最適化」「原材料コストの管理」「ブランドの差別化」が重要になります。
楽観的なシナリオ
外食需要が安定して回復し、同社が効率的な店舗運営とブランド力の強化に成功する場合です。
新規店舗の出店が順調に進み、利益率が向上すれば株価は5,500円〜8,000円程度まで上昇する可能性があります。
この場合、年平均で15〜25%の成長率が見込まれ、上場直後の勢いを取り戻す展開となります。特に海外進出や新業態の開発が進めば、投資家の評価も高まりやすいです。
中立的なシナリオ
外食需要はある程度回復するものの、物価や人件費の高止まりが続き、利益が伸び悩むケースです。
出店は継続しても、1店舗あたりの利益が伸びにくい状況になると、株価は3,500円〜4,500円程度で推移する可能性があります。
この場合、成長率は年5〜10%ほどで安定しますが、大きな上昇は期待しにくいです。
株主優待や配当強化など、株主還元策があれば底堅く推移する見込みです。
悲観的なシナリオ
景気の後退や消費者の節約志向が強まり、外食利用が減少する場合です。
また、原材料や人件費の上昇が続き、価格転嫁が難しいと利益率が悪化します。
この場合、株価は1,500円〜2,800円程度まで下落する可能性があります。
飲食業は固定費比率が高いため、売上が少し落ちるだけでも利益が大きく減少する傾向があります。
総合的な見方
光フードサービスは新興の外食企業として、成長余地が大きい一方で、外食産業特有のリスクも多く抱えています。
現在の2,827円という株価は、投資家が「今後の成長をある程度織り込んでいる」水準と言えます。
今後5年間の株価の方向性を左右するのは、安定した収益構造の確立と、出店拡大をどれだけ利益に結びつけられるかです。
特に、原価管理と人材確保の両立ができれば、5,000円台への上昇も十分にあり得ます。
しかし、コスト増や景気後退が重なれば、再び2,000円台に戻るリスクもあるため、中長期的な視点での見極めが必要です。
この記事の最終更新日:2025年10月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。
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