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コシダカホールディングス(2157)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

コシダカホールディングスとは

株式会社コシダカホールディングスは、カラオケボックス「カラオケまねきねこ」を運営する株式会社コシダカや、カラオケボックス「JOYSOUND直営店」を運営する株式会社スタンダードなどを傘下に持つ純粋持株会社である。本社機能は東京都渋谷区道玄坂に置かれているが、本店所在地は群馬県前橋市にある。かつてはフィットネスチェーン「カーブス」を運営する株式会社カーブスジャパンも傘下に持っていた。

コシダカグループの中心事業である「カラオケまねきねこ」は、低価格の料金体系と飲食物の持ち込み自由というユニークなサービスを特徴とし、幅広い年代層に支持されている。2010年には店舗数300店を達成して「シダックス」を抜き、国内店舗数1位となった。2017年7月には500店舗を突破し、2018年時点では店舗数・売上ともに第一興商グループ「ビッグエコー・カラオケマック」に次ぐ業界2位の規模へと成長している。海外でも韓国・シンガポール・マレーシアに出店しており、日本式カラオケ文化をアジア各国で展開している。

同社の店舗展開戦略は「居抜き出店」を中心としているのが特徴で、閉店した個人経営店や大手チェーンの撤退店舗を借り受けて新規出店することで、建築出店時の2割以下に出店コストを抑えることに成功している。これにより、低価格戦略やユニークなサービスの提供が可能となった。また、2006年の本庄店(埼玉県)をきっかけに建築出店も行っており、社員独立制度による出店も採用している。

まねきねこは全店会員制を採用しており、入会金200円・年会費無料で全国の店舗を利用できる。入会手続きにはランシステムが開発した自動入会システムが導入されており、スムーズな入会が可能となっている。店舗で使用されるカラオケ機器はDAM・JOYSOUNDに加えてオリジナル機種「E-bo」も導入されており、かつてはUGAや自社開発機「すきっと」も利用されていた。2016年9月1日からは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県内の全店舗を全室禁煙とし、喫煙スペースを店内に設置する形を採用している。公式キャラクターは招き猫をモチーフにした「まねっきー」である。

青森市の青森新町通り店にはインターネットカフェ「カフェネットムーン」が併設されており、まねきねこの会員カードでネットカフェの利用も可能となっている。ただし、フロントが別のため両方を利用する場合はそれぞれで入館手続きが必要となる。

コシダカホールディングスは、カラオケというエンターテインメント事業を中心にしつつ、低コスト出店モデルや独自サービス、海外展開を組み合わせ、多店舗チェーンとしての成長を続ける企業グループである。

コシダカホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) EPS(円) 配当(円)
22.8 37,995 2,205 5,331 3,643 44.7 8
23.8 54,629 7,667 7,767 7,104 87.1 12(記念)
24.8 63,263 10,164 10,934 6,735 82.7 18
25.8(予) 71,000 11,600 11,500 7,500 91.0 24
26.8(予) 82,000 13,500 13,400 8,100 98.3 24〜26

キャッシュフロー

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2023 13,385 -9,227 -2,744
2024 12,581 -10,413 -3,123
2025 12,774 -8,292 -791

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均/安値平均) PBR
2023 14.0% 27.9% 12.4%
2024 16.0% 22.1% 10.9%
2025 16.4% 14.9% 7.6% 17.4倍 / 10.4倍 2.87倍

投資判断

コシダカホールディングスの業績を見ると、カラオケまねきねこを中心とした事業が順調に成長を続けており、安定感のある中型サービス企業としての強さが数字に表れている。売上は546億から632億、710億としっかり伸びており、営業利益も76億→101億→116億予想と大きく増加している。特に営業利益率が毎年改善し、16%台まで上がっている点は非常に評価でき、カラオケ業界ではトップクラスの収益性を誇る。

まねきねこの特徴である「飲食持ち込み自由」「低価格」「居抜き中心出店」による運営効率の高さが、利益率の押し上げに貢献していると考えられる。固定ファンが多く、稼働率が高いため、店舗数増加とともに利益が積み上がりやすい構造になっている。

純利益は23.8期の71億に対し、24.8期は67億とやや減少しているが、これは一時的な要因もあり、25.8期予想では75億と再び増益となる見込みで、利益基盤の強さは崩れていない。EPSも毎年80〜90円台を維持しており、増配余地も十分ある。

財務指標を見ると、ROEは27%→22%→14%と徐々に低下しているが、これは自己資本の増加による見かけ上の低下であり、利益率自体はむしろ改善しているため、大きな懸念材料にはならない。ROAも10%前後と高く、資産効率の良い運営ができている。

市場評価としては、PERが10〜17倍のレンジで推移しており、急成長株ほど割高でもなく、かといって低評価でもない“標準的な中型優良株”としての位置づけである。PBRも2.8倍前後と高めだが、これはブランド力と高収益体質を考えると妥当な水準と言える。

総合すると、コシダカホールディングスは「高い営業利益率」「堅調な売上成長」「効率的な出店戦略」「固定ファンの強さ」という明確な強みを持っており、今後も安定した成長が期待できる企業である。大きく跳ねる成長株というより、着実に利益を積み上げる中長期安定型の銘柄で、株価も長期で見れば緩やかに上向きやすい。配当も18円→24円としっかり増えており、業績に合わせた株主還元も期待できることから、長期保有の選択肢として十分魅力がある銘柄だと言える。

配当目的とかどうなの?

コシダカホールディングスの配当利回りは、26.8期・27.8期ともに2.12%と、現在の日本株全体の平均をやや下回る水準となっており、配当利回りだけを見ると「高配当株」として積極的に選ぶタイプの銘柄ではない。ただし、コシダカは安定成長が続いている企業で、まねきねこを中心としたカラオケ事業の利益率が高く、営業利益率は16%台とサービス業としてはトップクラスに近い。利益余力があるため、将来的な増配余地は十分に確保されていると言える。

実際に配当は12円(記念配当含む)→18円→24円と増配基調が続いており、企業としては株主還元姿勢が強い。ただし、現在の利回り2%前後はインカム狙いとして魅力的とはいえないため、配当目的だけで購入するタイプではなく、「成長+配当」をセットで考える銘柄になる。

配当の安全性については、安定した営業利益と高い資本効率(ROE14〜20%台)が支えており、今後も利益成長に合わせて緩やかな増配が期待できる。大規模な投資負担が少なく、居抜き出店によって設備投資が抑えられるため、配当に回せる余力は比較的大きい点も安心材料である。

総合すると、コシダカは「配当利回りで稼ぐ銘柄」というより、「業績成長を期待しつつ、着実に増配が続くことで将来的に配当利回りが上昇していくタイプの銘柄」といえる。今後も売上と利益の伸びが続き、配当が段階的に引き上げられれば、保有年数が長くなるほど手取り利回りが高まっていく可能性がある。配当だけでなく、株価の成長と組み合わせてトータルリターンを狙う長期保有向けの銘柄と言えるだろう。

今後の値動き予想!!(5年間)

コシダカホールディングスの現在値1,225円を起点に、今後5年間の株価をどう見ていくかを考えると、まず前提として同社はカラオケまねきねこを中心に全国展開している日本最大級のカラオケチェーンで、安定した集客力と高い営業利益率を備えている。営業利益率は16%台とサービス業の中では非常に高く、居抜き出店や低価格戦略、飲食持ち込み自由といった独自モデルが、コストを抑えつつ集客を維持できる強みになっている。また、店舗数の増加や新サービスへの拡張、海外展開なども進んでいるため、売上と利益には中期的に成長余地がある。

良い場合のシナリオでは、国内外での出店が順調に続き、既存店の回復と新業態のヒットによって売上が一段と伸び、収益性も高い状態が維持される。カラオケ離れが進まず、むしろ個室需要の高まりや若い世代の利用増加が続けば、株価は5年で2,800円〜3,500円程度まで上昇する可能性がある。PERが現在の水準から上昇し、投資家から「成長株」として評価されれば株価の伸びしろはさらに大きくなる。

中間ケースでは、業績は堅調だが急成長とまではいかず、店舗数増加は続くが伸びはほどほどで、既存店売上も緩やかな成長にとどまる。景気や消費の影響は多少受けるものの、利益水準は維持され、安定した配当とサービス企業として無理のない成長が続くと考えられる。こうした場合、株価は1,800円〜2,300円あたりに収まり、緩やかな値上がりと安定した株価推移が期待できる。大きく跳ねなくても、中長期で見れば問題ない成長シナリオである。

悪い場合としては、景気後退によるレジャー需要の低迷や競争激化による客数の減少、電気代や人件費の増加で収益が圧迫されるケースがある。また、若年層の娯楽消費が変化し、カラオケ離れが進むと既存店の稼働率が落ちる。さらに、新規出店が思ったほど伸びず、設備投資が先行すれば、利益率が低下して株価の下押し圧力が強くなる。こうした条件が重なると株価は900円〜1,300円程度まで下落し、長期的にも停滞する可能性がある。

総合すると、コシダカホールディングスは「高配当株」ではないものの、利益成長と適度な配当水準があり、長期保有で株価上昇と配当の両面を狙うタイプの銘柄といえる。今の株価水準はやや割安感があるため、成長が続けばリターンを取りやすい位置にある。大きくは崩れにくいビジネスモデルである一方、景気やレジャー需要には左右されやすい面があるため、どのシナリオになるかは店舗の稼働率と新業態の成功がカギになる。5年スパンで見れば、「中間〜良いシナリオ」が現実的で、比較的リスクの低い長期投資対象として安心して保有しやすい銘柄と言えるだろう。

この記事の最終更新日:2025年11月29日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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