株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


デジタルアーツ(2326)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

デジタルアーツとは

デジタルアーツ株式会社は、東京都千代田区に本社を置く日本の情報セキュリティメーカーであり、国産セキュリティベンダーとして長く国内市場を牽引してきた企業である。同社はWebフィルタリング製品「i-FILTER」、メールセキュリティ製品「m-FILTER」を主力として展開し、官公庁、自治体、学校、企業、家庭など、多様な分野に向けて安全なインターネット環境を提供している。特に文教領域では全国の学校で広く採用され、高いシェアを維持しており、日本の教育現場におけるインターネット安全対策の基盤として欠かせない存在になっている。

デジタルアーツの特徴は、インターネット利用に伴う危険を「発生前に防ぐ」ゼロトラスト思想を早期から製品に取り入れてきた点にある。Webアクセスの不正遮断、標的型攻撃メールのフィルタリング、社内からの情報持ち出し防止、データ暗号化など、従来のセキュリティだけでは防ぎきれないリスクに対し、複数の角度から多重防御する仕組みを提供している。また、クラウド版の拡充によって、企業のDX化・テレワーク化が進む中でも柔軟に対応できる体制を整えており、従来のオンプレミス製品からクラウド型への移行需要にも積極的に応えている。

近年では高度なデータ分析やログ管理の需要増に伴い、クラウドアプリ利用状況の可視化やシャドーIT対策、情報漏えいの予兆分析など、企業の内部統制に関連する領域にもサービスを拡大している。特に働き方改革でリモートワークが一般化し、社外からの接続が急増した企業では、従来の境界防御だけでセキュリティを維持することが難しくなっている。こうした環境変化の中で、デジタルアーツ製品はゼロトラストセキュリティと整合することから評価が高まり、企業・公共双方で採用が進んでいる。

行政・公共分野においても同社の存在感は強まっており、その大きな転換点となったのが、政府が求めるセキュリティ要件を満たしたクラウドサービスだけが登録できる制度「ISMAP」への対応である。2025年3月、デジタルアーツは法人向け全クラウド製品のISMAP登録を完了し、国のセキュリティ基準をすべてクリアした数少ない国産セキュリティメーカーとなった。これにより、中央省庁や自治体、公共機関での採用が一段と増えることが予想され、公共領域でのプレゼンスは今後さらに強固なものとなる。

総括すると、デジタルアーツは国産であることを最大の強みとし、国内の学校・官公庁・企業が求めるセキュリティ要件に最適化された製品を提供することで、高い信頼を築いてきた企業である。サイバー攻撃の高度化、DX化の進展、クラウド移行の加速といったトレンドは今後も続くため、同社の製品需要は中長期的に安定している。日本の情報インフラを守る基盤企業のひとつとして、社会的に重要度が増していく企業と言える。

デジタルアーツ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度(単位百万) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 EPS(円) 配当(円)
2023/3 10,436 4,413 4,429 3,062 218.1 75
2024/3 11,512 4,427 4,443 4,377 315.5 80
2025/3 9,982 4,558 4,562 3,183 232.8 85
2026/3(予) 12,500 6,150 6,150 4,200 309.6 95(記念)
2027/3(予) 15,000 7,800 7,800 5,300 390.7 95〜120

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF 投資CF 財務CF
2023/3 3,147 -867 -1,051
2024/3 2,830 1,012 -2,545
2025/3 2,817 -1,107 -2,096

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023 42.2% 21.6% 14.4%
2024 38.4% 27.3% 19.4%
2025(予) 45.6% 18.3% 14.0% 高値:29.4
安値:16.7
5.51

出典元:四季報オンライン

投資判断

デジタルアーツの業績推移を見ると、直近の数年間で売上はやや上下があるものの、利益面では極めて高い水準を維持している。2024年3月期の営業利益は44億円、2025年は45億円、そして2026年予想では61億円となっており、25年に一度売上が伸び悩んだ影響で純利益も31億円へと減少したが、翌期には再び42億円へ回復する見込みとなっている。営業利益率に関しては38%〜45%という、国内ソフトウェア企業の中でも最高クラスの高さで、競争力の強さと高収益なビジネスモデルが際立っている。

経常利益も44億円前後で安定しており、26年には61億円まで伸びる予想が出ている。純利益は2024年が43億円、2025年は31億円に一度落ち込むが、2026年には42億円まで戻る。この推移を見る限り、業績は「年間で多少の波はあっても、長期では右肩上がり」という特徴を持つ。

収益性の指標に目を向けると、営業利益率は40%台、ROEは18〜27%、ROAは14〜19%と、非常に高い水準にある。一般的な日本企業のROE水準が8%程度であることを考えると、デジタルアーツは資本効率が圧倒的に高く、事業の収益力が強固であることがよく分かる。ROAの高さも、資産を効率よく利益につなげている企業であることを示している。

一方で、株価バリュエーションは決して割安ではない。2025年の実績PERは高値で29倍、安値でも16倍、PBRは5.5倍と、利益成長期待の高いプレミアム銘柄として評価されている。特にROEが高い企業はPERも高く評価されやすく、デジタルアーツも例外ではない。つまり、株価にはすでに「成長期待」がある程度織り込まれている状態だと言える。

総合すると、デジタルアーツは極めて高収益かつ、需要の落ちにくいセキュリティ分野を事業の中心にしており、長期的には業績の成長が期待できる優良企業だと言える。特にISMAP登録によって公共案件での採用が強まり、来期・再来期に売上が再加速する可能性もある。短期的な割安感は少ないが、強固な利益率と将来の成長シナリオを考えると、長期での成長投資としては十分魅力がある。一方で、株価はすでに比較的高水準にあるため、短期での大幅上昇を狙う銘柄ではなく、安定した収益と成長性を重視する中期〜長期投資向けの銘柄と言えるだろう。

配当目的とかどうなの?

デジタルアーツの配当利回りを見ると、26年3月期と27年3月期の予想利回りはともに1.32%と、国内株の平均利回り(およそ2%前後)を下回っている。利回りだけで見ると明らかに高配当株とは言えず、配当収入を中心とした投資を考えている人にとっては物足りない水準である。配当利回りを重視する投資家が積極的に選ぶような銘柄ではなく、どちらかと言えば「成長株の中でそこそこ配当もある」タイプの位置づけになる。

ただし、配当の安定性という観点では安心感がある。デジタルアーツは営業利益率が40%前後と非常に高く、ソフトウェア企業の中でも利益率が別格に高い。売上が多少上下しても、利益率の高さが業績を下支えするため、配当を維持しやすい体質になっている。また、キャッシュフローも比較的安定しており、営業キャッシュフローは毎年プラスを維持している。配当の原資になる現金収入が安定しているため、減配リスクは低い。

さらに、同社は利益成長に合わせて配当を緩やかに引き上げてきた実績があり、過去を振り返ると「増配基調」の企業に分類される。今後も利益が伸びれば増配の可能性が高く、長期的に保有していれば利回りが実質的に上昇していくケースも考えられる。ただし、配当性向を極端に高く設定する方針ではないため、高配当銘柄のような大幅増配は期待しにくい。

配当利回りが低い理由は、単純に株価が高いことも影響している。デジタルアーツは利益率の高さや成長性に対して市場の評価が高く、PERが16〜29倍、PBRは5倍超と割高水準で取引されることも多い。その結果、配当利回りが表面的に低く見える構造になっている。

まとめると、デジタルアーツは配当狙いの銘柄ではないが、安定した利益体質と増配傾向を考えると「成長株として持ちながら、ついでに配当も受け取れる」タイプの銘柄である。高利回りを求める投資家には向かない一方、長期成長を期待しながら安定配当を受け取りたい投資家にとっては、十分に選択肢として成立する企業と言えるだろう。

今後の値動き予想!!(5年間)

デジタルアーツの今後5年間の株価を予測する場合、まず念頭に置くべきなのは同社が「国内でも珍しい超高収益の国産セキュリティメーカー」であるという点である。営業利益率は40%前後、ROEも20%前後と非常に高く、クラウドセキュリティの需要が伸びる中で業績は中長期で安定的に成長していく可能性が高い。特にISMAP登録を全クラウド製品で完了したことで、官公庁・自治体向けの大型案件の獲得が進む可能性があり、今後の業績への寄与が注目される。

良いシナリオでは、クラウド製品の契約数が順調に増加し、文教・行政向けだけでなく民間企業向けの需要も拡大するケースが考えられる。サイバー攻撃の高度化でセキュリティ投資が必須になる中、国内仕様に強いデジタルアーツの製品が選ばれやすく、営業利益率が45%前後で推移すれば市場の期待も上昇し、PERも20倍〜30倍帯で評価され続ける可能性がある。このパターンでは、5年後の株価は9,500円から1万1,000円程度まで上昇するイメージで、現在から約1.3〜1.5倍を狙えるシナリオとなる。

中間シナリオでは、業績は伸びるものの成長スピードは年率数%にとどまり、クラウド契約数の伸びも堅調だが急増はしないケースだ。営業利益率は40%前後を維持しつつも大幅な改善は見られず、PERも現在と大きく変わらず15〜22倍程度のレンジに落ち着く。この場合、株価は5年後に8,000円から9,000円前後で推移する可能性が高く、現在値から見て緩やかな右肩上がりとなる。大きなリターンは期待しにくいが、配当も受け取りながら安定して保有できる。

悪いシナリオでは、売上が計画ほど伸びず、官公庁向け案件の競争激化や海外セキュリティメーカーとの価格競争で利益が圧迫されるケースが考えられる。また、企業のセキュリティ投資が一時的に鈍化したり、新製品開発の遅延が生じた場合、成長が停滞する可能性もある。この場合、営業利益率が35%台まで低下し、PERも市場の期待低下によって10〜15倍帯に下落する可能性がある。こうした悪条件が重なると、5年後の株価は6,000円から7,000円程度まで下振れするイメージとなり、現在よりやや低い水準で落ち着くことも想定される。

総合すると、デジタルアーツは極めて高収益なビジネスモデルを持つ安定成長企業であり、株価が大きく崩れにくい特徴がある。5年後の最も確度が高いシナリオは「中間シナリオ」で、緩やかな成長を維持しながら株価も安定して上昇していくパターンが現実的だと言える。急騰を狙う銘柄ではないが、安定した利益と高収益体質を背景に、長期保有で着実にリターンを積み上げるタイプの銘柄として評価できる。

この記事の最終更新日:2025年11月30日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP