株価
ALSOKとは

ALSOK株式会社(旧・綜合警備保障株式会社)は、東京都港区元赤坂に本社を置く、日本を代表する総合セキュリティ企業である。1965年の設立以来、金融機関を中心に高い警備技術を提供し、機械警備・常駐警備・現金輸送などの分野で強固な地位を築いてきた。主力の機械警備では、ATMコーナーの監視・運用管理、障害対応、貴重品輸送、現金管理まで一体で担う仕組みを構築しており、銀行・小売店・コンビニエンスストアなど幅広い顧客に対応している。近年ではコンビニATMやパチンコ店のATM管理など、街中の金融インフラにも深く関わる存在となっている。
提供するサービスは非常に幅広く、施設常駐警備、身辺警護、サイバーリスク対策、防災・ビル管理、ホームセキュリティ、タウンセキュリティ、見守りサービス、防犯・防災機器販売、コンサルティング、電話対応、電報取り扱いなど多岐にわたる。単なる警備会社ではなく、「安全・安心」に関連する周辺サービスまで総合的に展開しており、公共性の高い企業としての役割を担っている。
成長戦略の一環としてM&Aにも積極的で、2010年代以降はビルメンテナンス、防災、セキュリティ事業、介護事業といった周辺領域を次々と取り込み、事業の裾野を広げてきた。日本ファシリオやホーチキへの出資拡大、日本ビル・メンテナンスの買収、さらには日産クリエイティブサービスや東武デリバリーなどから警備事業を承継するなど、会社そのものだけでなく事業単位での取得にも積極的に取り組んでいる。
介護事業にも早期から注力しており、2012年にALSOKケアを設立して以降、HCMやウイズネットの買収などを通じて事業規模を急拡大。2021年にはウイズネットが関連子会社を吸収し、グループの介護事業を統合した「ALSOK介護株式会社」が誕生するなど、介護・福祉分野は同社の重要な柱の一つとなっている。
ブランド戦略面では、2003年にブランド名を「ALSOK」に変更。ALSOKは「ALWAYS-SECURITY-OK」の略語であり、ロゴの藍色は夜、黄色は昼、斜線は迅速さと警告を象徴している。契約建物に貼られるALSOKステッカーは防犯効果が高く、実際の警備とともに抑止力として機能している。さらに2025年7月16日の社名変更に合わせ、ブランドスローガンを「ALwayS OK」へと刷新し、新たな企業イメージの確立を進めている。
また、同社は官民連携のPFI方式の刑務所運営に参画するなど、公共性の高い領域にも積極的に関わっている。タウンセキュリティ事業では、防犯カメラや地域見守りネットワーク、学校・自治体との連携など、地域全体の安全を支える取り組みも進めている。
東証プライム上場の警備会社はALSOK・セコム・セントラル警備保障の3社のみであり、警備産業の中心的存在として国内でも高いブランド力を持つ。同社は金融、公共、個人、介護まで領域を広げながら、「安全・安心」を軸に強固な事業基盤を築いており、日本の社会インフラを支えるセキュリティ企業として確固たる地位を確立している。
ALSOK 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期(百万円) | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(EPS) | 1株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3* | 492,226 | 36,993 | 39,230 | 23,950 | 47.3 | 17.2 |
| 連24.3 | 521,400 | 38,078 | 41,169 | 26,630 | 53.0 | 23.7 |
| 連25.3 | 551,881 | 40,201 | 43,107 | 27,105 | 55.4 | 25.8 記 |
| 連26.3予 | 590,000 | 43,900 | 47,000 | 29,400 | 60.5 | 27.2 |
| 連27.3予 | 630,000 | 48,000 | 51,000 | 32,000 | 65.8 | 29.6〜30 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 31,682 | -24,818 | -19,380 |
| 2024 | 56,063 | -16,913 | -21,503 |
| 2025 | 42,647 | -15,550 | -36,309 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均 / 安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.5% | 7.6% | 4.6% | – | – |
| 2024 | 7.3% | 7.7% | 4.6% | – | – |
| 2025 | 7.2% | 8.0% | 4.7% | 18.8倍 / 13.9倍 | 1.70倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ALSOKの業績は、ここ数年で安定した成長軌道を維持している。売上は5214億 → 5518億 → 5900億予想と着実な増加、営業利益も380億 → 402億 → 439億予想と、毎年少しずつ伸びている。経常利益も411億 → 431億 → 470億予想と堅調で、純利益も266億 → 271億 → 294億予想と右肩上がりだ。
営業利益率は7.3% → 7.2% → 7.4%と大きな改善は見られないが、警備業という労働集約型ビジネスの中では比較的高い水準にある。ROEは7%台後半から8%前後で安定しており、優良企業レベルの資本効率を維持している。ROAも4.6%〜4.7%と大きなぶれがなく、総資産を効率的に活用できていることがわかる。
株価バリュエーションを見ると、直近のPERは高値平均と安値平均で18.8倍 / 13.9倍と標準的な水準に位置する。特別割安でも割高でもなく、業績の安定性に見合った価格帯だと言える。PBRも1.7倍で、安定成長企業として妥当な評価だ。
配当面では、1株配当は23.7円 → 25.8円 → 27.2円と着実に増えており、減配リスクはほとんど無い。利益成長と財務の強さからみて、今後も緩やかな増配が期待できる。配当利回りは2%前後だが、警備業界トップ3の一角として業績が崩れにくいため、長期保有との相性は良い。
総合的に見ると、ALSOKは急成長を目指す銘柄ではなく、景気に左右されにくいビジネスモデルと強固な財務体質により、安定的に利益と配当を積み上げるタイプの企業である。大きなキャピタルゲインよりも、安定した業績・配当・下値の堅さを求める投資家に向いている。一方、成長スピードが緩やかで、利益率も急改善の兆しが薄いことから、高成長株を求める人には物足りないかもしれない。中長期で安心して保有したい場合には十分魅力があり、安定感のある資産の一部として組み入れる価値は高い銘柄と言える。
配当目的とかどうなの?
ALSOKの予想配当利回りは、26年3月期・27年3月期ともに2.38%と、ほぼ日本株全体の平均に近い水準にある。利回りだけをみると、高配当株というほどではないものの、決して低いわけでもなく、標準的で無難な位置づけと言える。ただし、配当投資の観点では「利回りの高さ」よりも「配当の持続性」が重要になる。その点で、ALSOKはかなり優秀な銘柄に入る。
まず、売上や利益が毎年安定して伸びており、警備ビジネスは景気に大きく左右されにくい。企業のセキュリティ需要や常駐警備、ATM管理、介護・ビルメンテナンスなどの収益源は安定性が高く、売上が急減するリスクが極めて小さい。結果として、利益も大きくぶれず、配当原資が恒常的に積み上がる傾向にある。
次に、財務面の強さも配当の安定性を支えている。ALSOKは自己資本比率が高く、無借金経営に近い状態で、営業キャッシュフローも毎年300~500億円規模で安定して入ってくる。配当を払っても十分余力があり、減配リスクの低さは業界でもトップクラスだ。
配当性向は極端に高くなく、増配や自社株買いの余地もある。また、実際に配当は年々増えており、キャッシュフローの強さを背景に“穏やかに増配し続ける企業”という性格が強い。利回りは2.38%と控えめでも、増配が積み重なることで長期的な実質利回りは高まりやすい。
総合すると、ALSOKは「利回りが高い銘柄ではないが、配当の安定性は非常に高い」タイプに分類される。短期で高利回りを求める投資家には向かないが、安定配当を長期で受け取りたい人には相性が良い。景気悪化にも強く、長期のポートフォリオに組み入れることで全体のリスクを下げてくれる“守りの配当銘柄”として評価できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ALSOKの現在値は1,224円だが、同社は長期的にみると株価が大きく崩れにくい特徴を持っている。売上・利益ともに着実に増加しており、警備会社としては国内でセコムに次ぐ大手。金融機関向けのATM管理や常駐警備、機械警備、介護事業、ビル管理、災害・防災ソリューションまで幅広く展開し、景気に左右されにくいストック型のサービスが主軸となっている。このため、業績は派手さはないものの非常に安定しており、キャッシュフローが崩れにくい点が株価の底堅さにつながっている。
一方で、事業構造上、利益率は急激に跳ね上がりにくく、テック企業のような爆発的な成長は期待しづらい。そのため「上がりにくいが下がりにくい」という典型的なディフェンシブ株の動きをしやすい。これを踏まえて、今後5年間の株価推移を良い場合・中間・悪い場合に分けて予測すると、次のようなシナリオが考えられる。
良い場合は、企業の警備需要がさらに高まり、流通業、金融業、公共施設、福祉施設などでの契約数が増加するケースである。加えて、高齢化社会の進展によって見守りサービスや介護関連サービスの需要が大きく拡大すれば、ALSOKのストック収益が一段と強化され、業績の伸び率も高まる可能性がある。さらに、災害対策や自治体向けのセキュリティ需要が増えたり、デジタル警備やスマートシティ領域への参入が拡大すれば、投資家の評価が見直される可能性もある。こうした要素が重なると、株価は5年後に1,600~1,900円台に達するシナリオが浮上する。大幅な上昇というより、じわじわと安定した上値追いになるイメージだ。
中間シナリオは、現在の業績トレンドがそのまま継続するケースである。既存の警備サービスやATM管理、施設管理といった基幹事業がゆるやかな成長を保ちつつ、介護・福祉サービスも横ばい〜微増で推移。景気の影響も強く受けにくいため、大きな落ち込みは発生しないが、飛躍的な成長も限定的。その場合、株価は1,300〜1,500円前後を目安にゆっくり上昇するだろう。配当も安定的に受け取れるため、価格変動を小さく抑えたい長期投資家にとっては最も現実的なシナリオとなる。
悪い場合は、景気後退による企業のコスト削減が本格化し、常駐警備や店舗警備などの契約更新が鈍化するケースだ。業界としても人件費の上昇が負担となり、利益が伸び悩む可能性もある。さらに、デジタル化の進展で警備の自動化が加速した場合、従来型の人的警備の収益性が圧迫されるリスクもある。これらが重なると、株価は1,000〜1,100円程度まで下押しする可能性がある。ただし、ALSOKは財務基盤が非常に強く、営業キャッシュフローも堅いことから、長期的に見れば大きく崩れ続ける可能性は低い。下がっても一定の水準で反発しやすいタイプの企業だ。
総合すると、ALSOKは派手な株価上昇を狙う銘柄ではないが、長期的に安定した業績と配当を提供する非常に堅実な企業である。リスクを抑えながら持続的に資産を積み上げたい投資家にとっては優れた選択肢になり得る。一方、短期間で急騰を狙う人や高い利回りだけを求める投資家にはやや物足りない部分があるだろう。今後5年間の値動きは緩やかかつ安定的で、大崩れのリスクが小さい点を評価したい銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2025年11月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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