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ハードオフコーポレーション(2674)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ハードオフコーポレーションとは

株式会社ハードオフコーポレーション(HARD OFF)は、新潟県新発田市に本社を置く総合リユース企業であり、中古品の買取・販売を行うリユース専門店を直営およびフランチャイズ方式で全国に展開している。支店本社機能としては神奈川県平塚市と千葉県船橋市にも拠点を構え、広域にわたって店舗運営・管理体制を敷いている。同社の起源は1972年(昭和47年)8月、創業者・山本善政が新潟県内で開業したオーディオ専門店「株式会社サウンド北越」であり、その後1993年にリユース業態へ転換する形で「ハードオフ」へ業種変更したことが現在の事業モデルにつながっている。以降、フランチャイズ方式を積極的に活用し、店舗運営ノウハウ、買取査定システム、物流ネットワークを武器に全国展開を加速。2025年9月時点では、直営店とフランチャイズ店を合わせ日本国内および海外で1000店舗を超える規模へと成長している。

事業としては、PC・オーディオ・デジタル家電を扱う「ハードオフ」、衣料・家具・生活雑貨など幅広い中古品を取り扱う「オフハウス」、玩具・フィギュア・ホビー関連を専門とする「ホビーオフ」、カー用品・工具などを扱う「ガレージオフ」、ブランド衣料を中心とした「モードオフ」、酒類の買取販売を行う「リカーオフ」など、多業態の専門店を展開し総合リユースチェーンとしての地位を確立している。また日本国内だけでなく、アメリカ・台湾など海外への進出にも取り組んでおり、日本式のリユースビジネスモデルを国外へ広げる動きも活発化している。

同社のビジネスモデルは、買い取った中古品を再販売することによる商品粗利に加え、フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入やシステム提供料など複数の収益源を持つ点が特徴。特にフランチャイズ展開においては、店舗開発支援、運営ノウハウ、商品管理システム、教育プログラム、物流インフラなど包括的なサポートを提供しており、加盟店とのネットワークを活かした規模拡大を継続している。リユース市場が拡大する中で、環境配慮型ビジネスとして社会的注目も高く、生活者の節約志向・SDGsの流れを追い風にさらなる市場拡大を目指している企業である。

ハードオフコーポレーション 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株益(円) 1株配当(円)
連23.3 27,040 2,312 2,510 1,653 119.1 60
連24.3 30,105 2,803 2,990 2,093 150.6 76
連25.3 33,531 3,218 3,403 2,314 166.5 78
連26.3予 36,000 3,550 3,660 2,450 176.0 78〜82
連27.3予 39,000 4,000 4,100 2,650 190.4 82〜86

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 1,766 -820 -714
2024年3月期 1,869 -1,198 -587
2025年3月期 2,055 -1,749 -334

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(倍) PBR(倍)
2023年 8.5% 10.8% 7.9%
2024年 9.3% 12.3% 9.0%
2025年 9.5% 12.6% 9.0% 12.9倍(高値) / 8.1倍(安値) 1.42倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ハードオフの直近3年(連24.3、連25.3、連26.3予)の業績推移を眺めると、この企業が短期的な景気やトレンドに左右されにくい「積み上げ型の成長モデル」を構築していることがはっきりと見えてくる。まず売上は301億→335億→360億と毎年確実に伸びており、しかも伸び率は大きくはないものの安定していて、乱高下のない綺麗な右肩上がりを描いている。これはリユース市場自体が中長期で拡大していることに加え、同社がフランチャイズを中心に店舗網を堅実に増やしていることが効いており、急成長ではないが“縮まないビジネス”を持っている点が特徴的。

利益面でも同じ傾向が出ていて、営業利益28億→32億→35億、経常利益29億→34億→36億と着実に積み上げが進んでいる。特に営業利益率は9.3%→9.5%へ改善しており、小売業としてはかなり高い水準を維持している。フランチャイズ型ビジネスのため在庫リスクや固定費が相対的に低く、規模が拡大するにつれて利益率が自然と上がる構造になっている点は、長期で見た時に非常に魅力的なポイントだ。

純利益も20億→23億→24億と着実に増加しており、EPS(1株益)は150円→166円→176円と安定した成長を続けている。EPSが毎年伸びるというのは、株主から見ると最もわかりやすい「価値の積み上がり」であり、これが止まらない限り株価は基本的に長期では下がりにくい。さらに配当も76円→78円→78〜82円と微増傾向にあり、利益の伸びに合わせて株主還元も拡大していることがわかる。

財務指標として提示されているROE12%前後、ROA9%前後という数値は、小売業としては優秀な部類に入る。特にROE12%を連続して維持している会社は「資本を効率的に使って利益を生み出せる企業」であり、投資対象としてはかなり安心して保有できるタイプに属する。またROAが高いのは、フランチャイズ展開により総資産が膨らみにくい構造が要因で、手元資産の重さに頼らず儲けを作れているという意味でビジネスモデルの強さを示している。

PERは2025年時点で高値平均12.9倍、安値平均8.1倍と幅があるものの、今の利益水準と成長ペースから考えるとPER10倍前後であれば明確に割安と言える。逆に12〜13倍まで評価が上がると、業績の成長スピードが大きく加速しているわけではないため、やや割高感が出る水準になる。とはいえPBR1.42倍はROEを考えれば妥当で、資産価値に対する評価も過度に高まっているわけではない。

総合すると、ハードオフは急成長こそ望めないものの、業績が安定して右肩上がりで、利益率も改善し続けており、EPSと配当の伸びが綺麗に揃っている“堅実優良銘柄”であることが数字から読み取れる。短期的な株価急騰を狙うタイプというより、割安なタイミングで買って配当を受け取りながら、数年かけてじっくり含み益を積み上げる投資に適した会社だと言える。特にPER10倍以下の場面があれば、リスクを抑えつつ長期的に報われる確率が高い投資タイミングになるだろう。

配当目的とかどうなの?

ハードオフを配当狙いの投資対象として見たとき、この会社は優良配当株の条件をいくつも満たしている。まず、予想配当利回りだけを見ると連26.3期で4.18%、連27.3期では4.39%と、単純に数字だけでも十分魅力がある水準で、東証全体の平均利回りを大きく上回っている。利回りだけで配当株を判断するのは危険だが、ハードオフの場合は業績の安定感がその数字を裏打ちしているため、“高い利回りには理由がある”という類の危険さは感じられない。

そもそもこの会社は売上も利益も毎年着実に伸び続けており、301億→335億→360億という右肩上がりの売上成長と、営業利益28億→32億→35億という堅実な利益増が続いている。派手さはないが、業績の基盤が強く、しかもビジネスモデルがフランチャイズ主体で固定費が重くないため、景気悪化や急な出店負担の増加によって利益が大きく揺れるようなリスクも比較的抑えられている。配当というのは企業の利益が土台になる以上、安定した業績を出せる会社であることが何より重要で、その点でハードオフは非常に扱いやすい銘柄だといえる。

またEPS(1株益)が150円→166円→176円と伸びていることからわかるように、株主一人あたりが受け取れる利益が増え続けている。配当はこのEPSから支払われるため、EPSが毎年積み上がっているということは、配当の持続性も高く、増配の余地も十分にあるということだ。無理をして高配当を維持している企業とは違い、利益成長に合わせて自然に配当を増やしていけるタイプなので、“高利回りだけを餌にしている不安定な会社”とは明らかにカテゴリーが異なる。

さらにROEが12%を超えているという点も配当株としての魅力を後押ししている。ROEが高い企業は本業で効率的に稼ぐ力があるため、内部留保を積みつつ配当を出しても会社が弱りにくい。PBR1.42倍という評価も、極端な割高ではないが、企業の稼ぐ力を踏まえるとまだ適正〜割安の範囲に収まっている。つまり、配当を受け取るだけでなく、長期保有の中で株価が緩やかに上がっていく可能性も見込める。

配当利回りが高い企業はいくつもあるが、その中には利益が伸びておらず、業績が悪化したらすぐ減配する可能性の高い銘柄も多い。一方でハードオフのように、売上・利益がきれいに積み上がり、EPSも伸び、ROEも高く、PBRも暴走しておらず、配当も自然に増やしていけるタイプの企業は、長期のインカムゲイン投資に向いた“質の良い高配当株”と言える。

総合すると、ハードオフは配当目的での投資として非常に扱いやすく、利回りの高さだけでなく、その利回りを支える業績の安定感、今後の増配余地、そして適正な株価水準が揃っているため、長期で保有する価値が高い銘柄と言ってよい。配当だけを目的にしても十分に成立するうえ、業績の伸びに伴う株価上昇の恩恵も期待できるため、守りながら増やすタイプの投資には最適な部類に入るだろう。

今後の値動き予想!!(5年間)

ハードオフの現在値1,866円を起点に今後5年間の株価がどう動くかを考える時、まず前提として押さえておくべきなのは、この会社が短期で大きく跳ねるタイプの成長株ではなく、毎年の売上・利益を重ねながらゆっくりと企業価値を高めていく“積み上げ型の企業”だという点である。売上高は301億→335億→360億と滑らかに伸びており、営業利益も28億→32億→35億と着実に増えている。

急激な成長は見込めないが、この安定感が逆に株価の予測をしやすくしている部分もある。事業の性質上、景気やトレンドの影響を大きく受けるわけではなく、フランチャイズ主体のビジネスモデルにより固定費が軽く、利益の上下動が比較的穏やかであることも株価の底堅さにつながっている。この安定性を前提に、PERレンジの変動とEPSの成長を組み合わせて考えると、株価の将来像はだいたい三つのパターンに分かれる。

まず “良い場合” のシナリオでは、リユース市場が引き続き拡大し、店舗網の広がりも順調に進み、EPSが年5〜7%程度のペースで伸びていくというケースが想定される。業績が安定して伸びれば投資家の評価も自然と高まり、PERが現在の8〜12倍レンジから12〜14倍程度の水準に切り上がる可能性がある。この場合、5年後の株価はおよそ2,600〜3,100円あたりが現実的なラインになる。派手な上昇ではないが、配当利回りが4%前後あることを考えると、インカムとキャピタルを合わせた総合リターンは決して悪くなく、むしろ安定した資産形成に向いた堅実な結果が得られるだろう。

次に “中間” のケースだが、これは現在の成長ペースがそのまま続き、EPSも年2〜4%程度の緩やかな伸びに留まるパターンである。市場からの評価(PER)は大きく変わらず、9〜11倍程度の“適正評価”の範囲で推移する。大きな材料が出ない限り、ハードオフはこのシナリオを辿る可能性が最も高く、株価は5年後に2,000〜2,300円程度までじわりと上昇しているイメージだ。このシナリオでは株価の上昇幅は決して大きくはないが、配当利回りが4%台で安定しているため、株価の値動きが物足りなくてもトータルでは十分なリターンが得られる。短期で利益を求める投資家には向かないが、安定性を重視しつつ長く保有するには非常に扱いやすい状況といえる。

最後に “悪い場合” のシナリオを考えてみると、リユース市場全体の伸びが鈍化したり、出店戦略にブレーキがかかったりしてEPS成長が停滞するケースが考えられる。この場合、市場評価はやや厳しくなり、PERが8〜9倍程度まで圧縮される可能性がある。そうなると株価は伸び悩み、5年後の株価が1,400〜1,700円程度に留まる、あるいは現状から大きく上がらず横ばいになるといったパターンもあり得る。ただし、ハードオフの業績特性からすると急激に悪化するリスクは高くないため、極端な下落に見舞われる可能性は大きくない。むしろ配当利回りが高いため、株価が下がったとしても配当が下落リスクを大きく吸収してくれる構造になっている。

こうした三つのシナリオを総合して考えると、ハードオフは短期で一気に値上がりするタイプではないが、安定した成長と高めの配当利回りを背景に“長期で持って報われる可能性の高い銘柄”であることが浮かび上がる。特に現在値1,866円というのは、PERから見ても割高ではなく、買って放置して配当を受け取り続けるにはちょうど良い水準にある。劇的な値上がりを狙うのではなく、安定したインカムと、緩やかな株価上昇の両方を取りにいく投資家にとっては、非常に相性の良い銘柄と言えるだろう。

この記事の最終更新日:2025年12月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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