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エディオン(2730)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

エディオンとは

エディオン株式会社(EDION Corporation)は、日本全国に店舗網を持つ家電量販店チェーンであり、ヤマダデンキ、ビックカメラ(コジマ含む)、ノジマ、ヨドバシカメラに次ぐ売上規模を誇る業界5位の大手企業である。現在は東証プライム市場に上場し、大阪市北区に本社機能を置くが、広島市にも本店を構えるなど複数拠点を持つ独特の企業体制を採っている。

同社のルーツは、2002年に中国地方の「デオデオ(第一産業)」,中部地方の「エイデン」の経営統合によって誕生した共同持株会社であり、その後もミドリ電化、石丸電気を取り込むなど、全国の家電チェーンの再編を牽引してきた企業である。2009年には東西で分かれていた事業子会社を吸収し、持株会社から事業会社へと移行することで、全国展開する家電量販店としての一本化を果たした。

エディオンの特徴のひとつは「地域ブランド戦略」で、統合した各社のブランドを活かしつつ、地域ごとに店舗名を揃える再編を行ってきた。かつては「デオデオ」「エイデン」「ミドリ」「イシマル」「100満ボルト」など多様なブランドが並存していたが、2012年には直営店317店舗を「エディオン」へ統一し、2013年にはフランチャイズ店も含めてブランド統一を完了した。ただし、北陸・北海道を基盤とする子会社「サンキュー」運営の「100満ボルト」だけは長く独立ブランドとして存続していたが、2025年4月に吸収合併され「エディオン」に統一されることとなり、長年の多ブランド時代に完全な幕が下りることになった。

事業内容は家電量販店としてテレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの大型家電から、スマートフォンやパソコン、デジタル機器まで幅広く展開しているが、エディオンの強みは「家電と住まいの融合」にある。同社は住宅リフォーム事業、オール電化設備、太陽光発電、給湯器、蓄電池といった住環境関連事業に積極的に投資しており、家電販売だけでなく住まい全体のアップデートをサポートするビジネスモデルを採用している。これは2013年に住宅設備大手のLIXILグループと資本・業務提携したことも背景にあり、家電量販店の中でも「ホームソリューション型企業」としての独自性を強めている。

また、エディオンは過去にビックカメラと資本・業務提携を結び、都市型の駅前店舗の展開を模索したこともあったが、最終的には方向性の違いから統合を断念し提携を解消している。ヤマダ電機やベスト電器による業界再編の際には、公正取引委員会の指摘を受けたヤマダ側から一部店舗を譲り受けるなど、業界全体の再編の渦中で重要な役割を果たしてきた。

近年では2022年にニトリホールディングスと資本・業務提携を締結し、一部店舗でニトリ商品の販売を開始するなど、家電とインテリアの融合という新たな戦略にも踏み出している。家電と住まい、そして家具の連携は、消費者の生活全体をターゲットとする新しい小売の姿ともいえる。

歴史的経緯から、旧ブランドの店名が一部地域で重複する現象(例:三重県熊野市と広島県熊野町の「エディオン熊野店」)が起きるなど、企業統合の名残もまだ見られるが、それもまた全国チェーン化の過程を示す特徴的なエピソードとなっている。

エディオン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) EPS(一株益) 配当(一株当り)
2023.3 720,584 19,186 19,248 11,393 112.4 44
2024.3 721,085 16,929 17,339 9,021 90.1 45
2025.3 768,129 23,394 24,350 14,118 134.3 47
2026.3(予) 790,000 25,000 26,000 14,500 137.1 47
2027.3(予) 800,000 27,000 28,000 15,600 147.5 47〜48

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 12,139 -8,336 -20,452
2024 19,962 -68,717 47,531
2025 30,711 -15,430 -18,457

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 2.6% 5.6% 3.0%
2024 2.3% 4.2% 2.0%
2025 3.0% 6.3% 3.2% 高値15.1倍/安値11.7倍 0.92倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

エディオンのここ数年の数字をじっくり眺めてみると、この企業がどんな性質を持っているのかがはっきり見えてくる。まず売上は7,210億、7,681億、そして予想では7,900億と、成熟した家電量販という市場環境の中では堅実に伸びている。急成長ではないが、右肩上がりを維持できている点は安定企業らしい特徴だ。営業利益も169億から233億、250億へと増えていて、利益規模は確実に積み上がっている。ただし営業利益率は2〜3%台とかなり薄く、この業界の構造的な低収益体質をそのまま映している。利益は増えているが、利益率改善という意味ではまだ力強さを感じるほどではない。

純利益の推移を見ると、90億から141億、145億へと着実に伸びている。これに伴ってEPSも増えているため、一株あたりの収益力は確実に強化されていることが読み取れる。ただし、企業の収益性を示すROEやROAに目を向けると状況はやや異なる。ROEは5.6%から4.2%に落ち込み、その後6.3%へ戻っているものの、一般的に高収益企業とされる10%以上とは大きく距離がある。ROAも2〜3%台で、企業の資産効率としては標準以下と言わざるを得ない。つまり、利益は出ているが、資本や資産を効率よく活かして稼ぐタイプの企業ではなく、規模の大きさと安定した事業基盤で利益を積み上げていく手堅い業態といえる。

株価指標の面では、PERが11.7〜15.1倍というレンジで、過剰に買われてもいなければ極端に売り込まれてもいない水準にある。注目すべきはPBRが0.92倍という点で、株価が純資産価値を下回る“割安領域”にいることを示している。ただし、PBRが1倍を割れているからといって無条件の割安とは言い切れず、ROEが低い企業は資本を十分に活かしきれていないためPBRが低く評価されやすい。エディオンもまさにその典型であり、割安というより“市場の期待が控えめな成熟企業”として評価されている印象が強い。

総合的に見ると、エディオンは成長株として勢いよく株価が伸びていくタイプではなく、事業の安定性を背景にじわじわと利益を積み上げる堅実な企業である。利益は増えているものの、高収益体質ではないことから高い株価成長は期待しづらく、むしろ“下値が固い成熟株”として捉えるのが適切だろう。特に業界特性として大きな伸びが出にくいため、株価の魅力は割安水準で拾うタイミングによって決まる部分が大きい。

結論として、この会社は爆発的な成長を狙う投資というより、安定した事業基盤と着実な利益積み上げを評価しつつ、PBR1倍割れの割安な水準を活かしてポートフォリオの“守りの枠”として保有するような銘柄である。派手さはないが、急に業績が崩れるリスクも小さく、長期でじっくり保有することで堅実なリターンを期待できるタイプの企業と言える。

配当目的とかどうなの?

エディオンを「配当目的」で考える場合、まず最初に確認すべきなのが予想配当利回り(2026・2027年度)2.34%という数字だ。この利回りは、日本株全体の平均(だいたい2%前後)よりは少し上に位置しており、極端に高配当というわけではないものの“そこそこ魅力的な水準”には入ってくる。特に家電量販という成熟業態は、成長企業のように株価が跳ねるタイプではないため、安定した配当が投資リターンの中心になりやすい。そういう意味では、エディオンは高成長を期待して買う銘柄ではないが、安定的に配当を受け取りたいという投資スタイルには比較的向いている。

ただし、配当利回りだけでなく、企業がその配当を「維持できるかどうか」が重要で、ここも数字から読み解くことができる。エディオンの場合、純利益は90億 → 141億 → 145億と増加しており、EPSも順調に伸びている。これは配当を支える利益のベースがしっかりしてきていることを意味する。さらに家電量販業界は景気変動の影響をある程度受けるとはいえ、インフラに近い耐久消費財を扱っているため、売上や利益が急激に落ち込むリスクはそこまで大きくない。こうした背景から、エディオンは“配当維持力が比較的高い企業”に分類される。

もう一つ重要なのが株価水準だ。PBRが0.92倍と1倍を割れていることから、市場評価は控えめであり、株価が必要以上に割高になっているタイプの企業ではない。配当利回りが2.34%という数字以上に、株主にとっての“安全余地”として機能する要素がある。高配当株の中には、利回りが高い反面、株価の下落リスクが高いものも存在するが、エディオンのように低PBRかつ安定業績の企業は、総じて暴落しにくい特性があるため、配当狙いの投資家にとってはリスク面でも安心材料になる。

ただし、これが“めちゃくちゃ配当に向いている企業か?”と問われれば、そこまで強調するほどでもないというのが正直なところだ。利回りは2.34%で悪くはないものの、突出して高い水準でもない。さらに営業利益率やROEが低いことから、将来的に増配ペースが加速していくとは考えづらい。つまり、エディオンは“高配当成長株”ではなく、“配当を安定して受け取れる成熟株”という位置づけが最もしっくりくる。

結論として、エディオンは配当目的として「悪くない選択肢」であり、安定性と割安性を重視する投資家には相性が良い。一方で、配当だけで高いリターンを狙いたい人には物足りず、あくまで“堅実なインカムゲイン枠”としてポートフォリオの一部に置くのが最適だと言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

エディオンの現在株価2,005円を基準に、今後5年間の値動きを考えていくと、まず前提として意識したいのは、この企業が高成長タイプではなく、安定した成熟企業であるという点だ。売上は毎年じわりと伸び、利益も増えているものの、営業利益率は2〜3%台、ROEも5〜6%台と、株価を力強く押し上げるほどの収益指標ではない。一方でPBRが0.92倍と1倍を割れていることから、割安感は存在しており、大きく崩れにくい“下値の固さ”も持っている。こうした数値の組み合わせから、エディオンの5年先の株価は急上昇よりも「緩やかな変動」が中心になると考えるのが自然だ。

良い場合を想定すると、家電需要の底堅さに加え、リフォームや住環境関連事業が収益の柱に育ち、営業利益率が3%台後半に近づくようなケースだ。純利益も年間150億を超えて安定してくれば、EPSも伸びるため、PERが12〜14倍で評価される可能性がある。この水準で現在の利益成長トレンドが続いた場合、株価はおおむね2,400〜2,700円あたりまで上昇する余地がある。突出した成長がある企業ではないため、大幅な上昇は想定しにくいが、「割安株が適正水準まで戻る」という自然な形で株価が持ち上がるシナリオである。

中間シナリオは最も現実的で、売上と利益は伸びるが収益率は大きくは改善せず、ROEも6%程度で落ち着くパターンだ。この場合、株価はほぼ現在値近辺で安定しやすく、PERも10〜12倍程度で評価されやすい。EPS成長と株価の評価が釣り合うと、株価は1,900〜2,200円あたりで推移する可能性が高い。大きく上も下も動かず、成熟企業らしい落ち着いた値動きになる。

悪い場合は、家電量販市場が低迷し、リフォーム需要も伸び悩んで利益率が低下する場面だ。営業利益率が2%台前半に戻り、ROEも5%を割り込むような状況になれば、市場評価はさらに厳しくなり、PERは8〜10倍まで落ち込む可能性がある。EPSも伸び悩めば、株価は1,600〜1,800円程度まで下がるリスクは十分にある。ただ、PBRが1倍割れの企業であることを考えると、このあたりが下値の一つの目安になり、そこから大きく割れる可能性はそこまで高くはない。

総合すると、エディオンは「派手さはないが安定感のある成熟企業」で、株価が大きく跳ねる可能性よりも、適正価値に向かってじわりと動く傾向が強い。現在値2,005円という水準は、割安感は残っているものの突出した割安ではなく、ここからの上昇は業績次第ではあるが、急騰というより緩やかな上昇が中心になるだろう。逆に悪材料があっても大きく崩れにくい点は評価できる。

この記事の最終更新日:2025年12月3日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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