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ヨコレイ(横浜冷凍)(2874)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ヨコレイ(横浜冷凍)とは

横浜冷凍株式会社(ヨコレイ)は、神奈川県横浜市西区に本社を置く食品卸売と冷蔵倉庫事業の企業で、東京証券取引所プライムに上場している。事業構成を見ると食品卸売が売上の8割以上を占め、冷蔵倉庫は約17%とやや小ぶりだが、卸売部門を支える物流インフラとして重要な役割を持っている。食品卸の取り扱いは水産品が約7割と最も多く、特にエビ・サケ・ホタテなど冷凍海産物の扱いが大きな比重を占め、残り3割が豚肉などの農畜産品。仕入れだけでなく、北海道芽室町の「十勝21世紀」と提携して契約栽培制度まで設けていることから、一次産業と流通の間にしっかり根を張った企業とも言える。

冷蔵倉庫事業はヨコレイの競争力の源泉の一つであり、日本国内に約50ヶ所以上の冷凍・冷蔵拠点を展開し、合計収容能力は100万トン超という規模を持つ。これは国内最大手のニチレイに次ぐ業界2位であり、水産・畜産・加工食品など温度管理が重要な商品を大量に保管できるため、食品物流業界では欠かせない存在になっている。拠点は北海道や鹿児島といった産地、横浜や名古屋、神戸の港湾地区、埼玉・愛知・佐賀などの物流中心地に張り巡らされていて、国内の冷蔵ネットワークとしてほぼ全国を押さえている点は大きな強みだ。さらに東京・横浜・大阪・神戸・九州では通関業務にも対応しており、輸出入を伴う水産物流にも対応できる柔軟性を持つ。海外ではタイに現地法人を設け、倉庫と食品卸を行うなど、海外展開にも前向きに動いている。

このようにヨコレイは、水産を中心とした食品卸売と巨大な低温物流網を武器に、一次生産者・輸入港湾・加工業者・小売までを結ぶ、食品流通の裏側を支える企業である。食品という需要が減りづらい領域で稼ぐビジネスのため、市況に左右される半導体や素材産業に比べて収益変動が小さく、景気後退時のディフェンシブ性も持ち合わせている。派手な成長曲線よりも安定供給と物流機能に価値があり、急成長より堅実さと存続力が魅力になるタイプの会社だと言える。一方で、商社・食品問屋としての競争環境は厳しく、為替や輸入価格がコスト構造に影響しやすい点はリスクでもある。冷蔵拠点の維持費や電力価格も収益に直結するため、インフラ型のビジネスならではの固定費負担も理解しておきたい部分だ。

投資視点で見れば、ヨコレイは「大きく化けるグロース」でも「不況下で落ちない高配当ストック」でもなく、食品インフラ企業として長期的にじっくり価値を積み上げる保守型銘柄に近い。優待制度があり、1,000株以上の株主にはノルウェーサーモン詰め合わせ、3,000株以上にはホタテ・イクラ詰め合わせが贈られるため、優待を楽しみながら中長期で持つ投資家も少なくない。水産の需給と為替の影響は受けるが、食の流通は消えず、冷蔵倉庫は代替の効きづらい設備産業なので、横ばいでも安定感のある銘柄を求める投資家との相性は良い。極端に上も下も振れず、堅めの着地が期待できるタイプで、派手な爆発力には欠けるが、持っていれば生き残る企業という安心感がある。

ヨコレイ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益 経常利益 純利益 EPS(一株益) 配当
連22.9 115,257 4,252 4,999 3,317 56.3 23
連23.9 133,862 3,785 4,203 2,831 48.2 24記
連24.9 122,282 4,647 4,808 3,933 66.8 24
連25.9予 127,200 4,300 4,100 2,750 46.6 24
連26.9予 140,000 4,550 4,400 3,000 50.9 24

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF
2023 -1,309 -13,798 16,611
2024 13,471 -17,603 3,628
2025 11,087 -16,625 5,633

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 2.8% 3.2% 1.4%
2024 3.8% 5.0% 1.9%
2025 3.3% 2.4% 0.9% 21.3〜15.3倍 0.98倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ヨコレイの数字を見ると、この企業は大きく跳ねる成長株というより、安定と継続を軸に事業を積み上げていくタイプであることが分かる。売上は23.9で1,338億まで伸びたあと、24.9で1,222億に調整が入り、25.9で1,272億予想、26.9では1,400億予測と再び増加の見通しとなっている。上下の波はあるが、全体の流れとしてはなだらかな右肩に向いており、食品卸と冷蔵物流という生活に密着した分野を扱う企業らしく、需要が急減しにくい分、収益基盤が安定している点が数字から読み取れる。

利益面では、営業利益は毎年40億台で大きな崩れはなく、23.9の営業利益率2.8%から24.9では3.8%まで改善し、25.9では3.3%、26.9では3%台後半で落ち着くイメージ。資本効率を見るとROEは5.0%→2.4%へ下げており、ROAも1%前後で推移していることから、資産を大きく回転させて利益を稼ぐタイプではなく、倉庫や物流網といった固定資産を土台にした、薄利安定型のビジネス構造であることが分かる。電力・保管・人員と固定費が一定かかる反面、一度獲得した物流網は強く、そこが利益率の低さと事業の底堅さ両方に現れている。

バリュエーションを見ても特徴は明確で、PBRは0.98倍と帳簿価値並みに近い評価。市場が過剰に成長を織り込んでいないことを示しつつ、一方でPERが15.3〜21.3倍に位置した時期もあり、安定企業としての信用はそれなりにある。高収益企業のような跳ねはないが、景気後退期でも食と物流は止まらない。その信頼と防御力が、この企業の株価評価を支えていると言える。

総合すると、ヨコレイは「大化けを狙う銘柄ではないが、大きく崩れにくい銘柄」。食品卸と冷蔵倉庫という生活インフラを握る企業のため、急伸よりも生存力が強い。株価で短期利益を取りにいくより、配当・優待・安定推移を活かし、持ちながら静かに価値を育てるタイプの企業だと判断できる。数字が語るのは派手さではなく粘り強さであり、投資家がこの銘柄に求めるべきはスピードより継続。焦らず保有できる人にとっては相性の良い資産となる。

つまりヨコレイは「成長で燃える株」ではなく「消えずに残る株」。上昇も暴落も極端ではないが、その穏やかさこそ魅力であり、投資家が評価の軸をどこに置くかでこの企業の見え方は大きく変わる。

配当目的とかどうなの?

ヨコレイの配当利回りは連26.9と連27.9で1.77%の見込み。この水準は決して高配当とは言えず、日本株全体の平均と比べてもほぼ横並び、インカム投資を主目的とするにはやや物足りない数字になっている。特に食品卸・物流という安定収益型の業態であるにもかかわらず、配当利回りが2%を安定して超えてこないという点を見ると、株を保有して得られるリターンはキャッシュフローの面では限定的で、毎年の配当で資産が増える喜びを強く期待できる銘柄ではないと言える。

ただし、利回りが低い=魅力がないとは単純に決まらない。ヨコレイの利益推移を見ると40億前後で安定し、大崩れも大爆発もしないという特徴があるため、配当が突然落ちるリスクも比較的小さい。配当維持の方針が見られること、財務が急激に悪化する兆候がないことを踏まえると、「高くないが途切れにくい配当」という捉え方がしっくりくる。配当成長ストーリーではなく、守りのインカムとして長く維持される型だ。

しかし、利回り1.77%で保有するなら、投資家は“値上がりしなくても配当だけで満足できるか?”という問いを自分に向ける必要がある。数字を見る限り、この銘柄は短期的に株価が跳ねる可能性より、横ばいで推移する未来の方が現実的に近い。つまり、値上がり益と配当の両方を狙うというより、「値動きが穏やかで、持っていて不安が少ない銘柄に小さく利回りが付いてくる」と考える方が正しい。

高配当狙いの投資家には決め手が弱いが、リスク低め・変動少なめ・じわっと続く配当という性質を好む人には向く。利回りは高くなくても、事業の安定感と物流インフラという強固な土台があり、保有しながら優待も受け取り、長く持って守りの運用をしたいというタイプには十分成立する銘柄だ。

まとめるなら、ヨコレイは「配当で稼ぐ銘柄ではなく、配当がついてくる安定銘柄」。利回りだけを求めると弱いが、長期の安心感を評価するなら持つ意味がある。大きな化け方はしないが、沈みにくい株に小さな利回りが乗るそんな見え方が最も現実的な位置づけになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ヨコレイの現在値は1,348円。業績推移を見ると、売上は上下しながらも長期では増加寄り、利益は毎年40億前後で推移し、営業利益率は3%前後と高くはないものの安定している。ROE・ROAは低く、成長株というより資産・物流網を抱えながら薄利で回していくタイプで、爆発力より持続性を評価される銘柄だと言える。食品卸と冷蔵倉庫という生活インフラに近い領域を扱うため、景気後退でも需要は急減しない。その一方で、市場が強く評価し直すきっかけがないと株価は緩やかにしか動かない。上昇力よりも沈みにくさ、値幅よりも安心感を持つタイプの銘柄であり、その特性が今後5年間の値動きにも色濃く反映される。

良い未来を描くなら、物流需要の拡大・食品の冷凍流通増加・倉庫稼働率の改善が同時に進むパターン。人口減の中でも冷凍食品市場は拡大しており、外食大手・中食企業の調達量が増えれば卸売量も伸びる。固定資産型のビジネスは稼働率が上がるほど収益性が改善するため、営業利益率が継続して3〜4%台で維持されれば、企業の評価が一段引き上がる可能性がある。市場が「安定して利益を出し続ける企業」と認識すれば、株価はゆっくり持ち上げられ、5年後に1,700〜2,000円台へ乗せる未来は現実的だ。大型株のような急騰ではなく、じわじわと評価を積み上げるイメージだが、インフラ系ストックとしては堅実で好ましい展開だろう。

中間シナリオでは、売上も利益も大きく崩れず、しかし劇的な改善も起きずに推移する。物流は伸びるが競争もある、物価は上がっても価格転嫁は限定的、倉庫効率は上がっても電力コストは重い。プラスとマイナスが綱引きし、結果として現状維持に近い歩みとなる未来である。こうなると株価は大きなトレンドが出にくく、変動レンジは1,350〜1,550円付近。持っていて不安にならないが、強く期待しても跳ねない、まさにヨコレイの数字が示す「安定」の典型像。短期で妙味は薄いが、ポートフォリオの土台として割り切るなら成立する。退屈だが崩れにくい。そういう投資先だ。

悪い未来では、物流コスト増・電力高止まり・輸入価格上昇、あるいは水産物確保の難化などが重なり、営業利益率が2%台へ沈むケース。ROE・ROAはさらに低下し、成長性が見えない中で市場評価は縮む。食品は需要が落ちないが、利益は圧迫されやすい。倉庫や設備の維持コストだけが重くのしかかると、利益が伸びず、株価はゆっくり評価縮小へ向かう。暴落するタイプではないが、ダラダラ下がり続ける未来はありえる。5年後の株価は1,050〜1,250円程度が現実レンジ。高配当で支える企業でないため、下がり始めると買い支えが効かず、長期停滞が続くリスクを含む。

総合すると、ヨコレイは「攻めて勝つ銘柄」ではなく「持って守る銘柄」。持っている間に急騰する未来は描きにくいが、大きく崩れにくい。また、配当利回りは約1.7%と控えめであり、インカムで回収するには時間がかかる。ただし、物流インフラを握り、事業が消えにくい企業という安心価値は確かにあり、ポートフォリオの『安定枠』として置くなら適性がある。結局のところ投資判断の軸は「伸びより安定を評価するかどうか」。ゆっくり育つ木のように、焦らず長く見守る人に向く銘柄だ。

この記事の最終更新日:2025年12月5日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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