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わらべや日洋ホールディングス(2918)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

わらべや日洋ホールディングスとは

わらべや日洋ホールディングス株式会社は、東京都新宿区に本社を置く中食業界の大手で、特にセブン‐イレブン向けの弁当・おにぎり・サンドイッチ・惣菜などの製造に強みを持つ企業である。子会社のわらべや日洋食品を中心にグループ全体で生産体制を構え、一日あたり最大で約300万食という圧倒的な供給能力を持ち、中食メーカーの中でもトップクラスの規模を誇る。中食産業の中でセブン‐イレブン向けの供給比率が高く、業界首位級のポジションにあることが特徴で、特にチルド食品の技術力と量産体制が競争優位性につながっている。

現在の収益の大部分はセブン‐イレブン関連が占めており、同グループとの関係性が非常に濃いビジネスモデルとなっている。セブン&アイの成長と需要動向に業績が連動しやすく、既存店舗の需要に支えられやすい反面、依存度が高いというリスクも併せ持つ。ただ、需要そのものは生活インフラ的な食品のため景気変動に左右されにくく、安定供給が求められる業界特性から長期契約が継続されやすい点は、収益基盤の強みでもある。

また同社は国内だけでなく北米展開も加速しており、米国セブン‐イレブン向けの供給力強化を進めている。海外市場で中食文化が定着していく段階であり、日本式の弁当や惣菜のポテンシャルはまだ広がりを持つ。物流面では35億円規模を投じ千葉県の物流センター拡張も行い、生産・輸送・販売までのバリューチェーンをより強固にしている。効率的な配送ネットワークと鮮度を保つ温度管理技術は、中食事業で競合に対して優位に働くポイントだ。

さらに商品面では、セブン&アイのプライベートブランド「金のシリーズ」にも関与しており、「金のバターチキンカレー」など高付加価値商品の製造も担当。コンビニ弁当からプレミアム志向商品まで幅を広げ、客単価向上にもつながる領域に踏み込んでいる。主なグループ会社には、わらべや日洋食品、わらべやデリカ、わらべや日洋インターナショナルなどがあり、生産・物流・海外展開までグループで一貫運営できる点は大きな武器と言える。

総じて、わらべや日洋HDはセブン‐イレブンを軸に安定した市場ニーズを確保しながら、物流強化と海外展開で成長余地を持つ企業。食品という生活必需品を扱う強みから景気耐性があり、需要の底堅さに支えられやすい。一方で主要取引先への依存度が高く、原材料価格や人件費の影響を受けやすい構造的課題も残る。中食市場は今後も家庭調理の代替需要拡大で伸びる見通しが強く、同社のビジネスモデルはその波に乗り続ける可能性が高いと言える。

わらべや日洋ホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期(単位百万) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
連23.2 194,416 4,985 4,628 2,810 160.9 65
連24.2 207,009 6,380 6,824 4,273 244.7 90
連25.2 222,467 4,515 4,898 2,679 153.4 90
連26.2予 233,000 6,700 6,600 4,300 246.2 90〜100
連27.2予 241,000 7,400 7,300 4,700 269.1 95〜108

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 7,433 -7,541 692
2024 9,372 -13,542 845
2025 12,478 -20,670 8,255

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均〜安値平均) PBR
2023 2.5% 5.5% 3.0%
2024 3.0% 8.0% 4.1%
2025 2.0% 4.7% 2.2% 16.0倍〜9.7倍 0.97倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

わらべや日洋ホールディングスは、売上は毎年増えているものの利益の変動が大きく、綺麗な右肩上がりというより、伸びたり落ちたりを繰り返しながら長期的にはじわりと前進している銘柄という印象が強い。2024年時点では売上が2070億円から2224億円、2330億円と増加している一方で、営業利益は64億円から45億円へと一度落ち、翌年に67億円予想と戻ってくる形になっている。この持ち直しが継続的な改善の始まりなのか、一時的な回復で終わるのかが投資判断の分かれ目になる。

営業利益率とROEの推移を見ると、営業利益率は2.5%から3.0%を経て2.0%、ROEも5.5%、8.0%、4.7%と上下があり、収益性は向上しつつも一定とは言えない。中食・惣菜は原価や物流コストの影響を受けやすい業種であり、利益率が厚くなりにくい。その一方で売上基盤は崩れておらず、需要の継続性は確認できるため、縮小懸念は少ない。伸びる速度は速くないが、事業の足腰は比較的安定している。

投資指標の面では、2025年のPERは9.7〜16.0倍、PBRは0.97倍とされ、株価が過度に期待されている状態ではない。特にPBRが1倍前後という水準は、会社の持つ資産価値に対して市場評価がまだ追いついていない可能性を示す。もし利益成長が続き、ROEが6〜8%台に戻るようであれば、株価が再評価されてPER上限側の水準に寄っていく余地はある。反対に、利益改善が止まれば評価も眠り続け、株価が長く横ばいのまま推移する未来も想像できる。

結論としてこの銘柄は、急激に伸びるタイプではなく、穏やかに売上拡大を続けながら利益の積み上げができるかどうかが成長の鍵となる、中期保有向けの評価待ち銘柄と言える。成長が続けばじわりと評価が上がり、止まれば株価も反応しない。刺激やスピードを求めるより、5年単位で息長く持ちたい投資家に向く。極端に下がりにくく、大きくは跳びにくいが、地に足が付いた企業という印象である。

配当目的とかどうなの?

わらべや日洋ホールディングスの予想配当利回りは連26.2期・連27.2期ともに3.7%が見込まれており、食品関連株としては比較的高めの利回りに位置している。3%台後半という水準は、銀行預金や国債と比べると十分に利益が見込める領域であり、配当を目的に保有する銘柄としては悪くない部類に入る。特に大幅な成長が見込めない代わりに業績が大きく崩れにくい中食関連の事業特性を考えると、値上がり益よりも配当収益を期待しながら長期で持つ投資スタイルに合いやすい。

ただし注意点もある。利益はここ数年で上下が大きく、営業利益・純利益ともに波があり、安定的な右肩上がりとは言い難い。配当利回りが3.7%と高いのは魅力だが、利益が再び落ち込めば配当が維持できる保証はない。財務的に無理をして支払うタイプではないため、業績が弱ければ増配は期待しづらく、むしろ据え置きまたは調整の可能性も頭に置く必要がある。今後は営業利益率が2.0%台から再び3%前後へ改善していくかが配当の持続性を占う材料になる。

一方で、消費者の中食需要は長期的に落ちにくく、セブン‐イレブンとの結びつきは強い。景気が悪くても弁当や惣菜の消費は大きく減りにくいことから、配当狙いで長く保有する銘柄としての安心感はある。大化けする株ではないが、暴落しづらい安定路線と、3%台後半の利回りという組み合わせは、毎年淡々と配当を受け取りながら気長に持つスタイルと相性が良い。

まとめると、配当目的としては数字の見た目以上にバランス型で、強さはないが弱さも目立たない。豪快な増配を期待する銘柄ではなく、過度な期待をせずに持つことで満足度が高まるタイプ。値上がり益よりも配当収入を着実に積み上げる考え方の投資家なら、十分選択肢に入る銘柄となる。

今後の値動き予想!!(5年間)

わらべや日洋ホールディングスの現在株価3,240円は、割高とも割安とも断定しにくい中腹に位置する価格帯で、ここからの5年は利益の伸び次第で上下に分かれていく可能性がある。売上は増えているが利益には波があり、2026以降の回復が本物として評価されるかどうかが最も重要なポイントになる。中食需要は長期的には縮みにくく、セブン‐イレブン中心の安定した販路を持つことから、土台は比較的崩れにくいが、利益率が改善しなければ株価の伸びも鈍くなる構造は変わらない。

良い未来では、営業利益率とROEが再浮上し、利益が毎年積み上がる形で評価されるケース。物流施設拡張や北米セブン向け製造強化など、現在進んでいる投資・供給体制が成果を生み、安定的な成長軌道に乗れば市場は見直しに動きやすい。中食は外食より景気変動の影響が小さく、働く層の生活スタイルが変わらない限り需要は続く。5年後の株価は3,800〜4,300円程度が射程になり、もし付加価値商品や海外展開が思った以上に収益化するなら4,500円クラスに到達する未来も想像できる。

中間の展開では、売上が伸びても利益率が大きく変わらず、年ごとに増減を繰り返すような状態になる。決して悪くはないが成長性への期待も強くない、安定と停滞の間にある状況だ。株価もそれを映すように3,000〜3,400円の範囲で往復しやすく、配当利回り3.7%が下支えになる一方、大きく上抜ける勢いにも欠ける。保有していれば毎年の配当が楽しみにはなるが、評価益での快感は得づらいタイプで、静かに息を合わせる投資になる。

悪い場合は、コスト増や利益率の再下落によって収益性が低下したときだ。中食は需要が消えにくく、急落するほどのリスクは小さいが、利益が細り続ければ市場は見向きせず、株価は3,240円を割り込み2,700〜2,900円へ落ち着く可能性がある。派手に崩れずとも値動きの退屈さが継続し、保有しても時間だけが流れるケースである。悪材料よりも改善の鈍化が最大のリスクで、じり下げの沈黙相場が最もつらい未来になる。

まとめると、現在の株価は「評価が定まりきっていない場所」にいて、成長すれば静かに上がり、停滞すれば静かに横ばい、悪化しても静かに下がるという、いずれにせよ急激ではない値動きになりやすい。守りの強さはあるが華やかさはない、地味だがじっくり持つなら報われる可能性が残るという銘柄像が浮かぶ。短期で勝負する人には物足りないが、配当を受け取りつつ時間と共に評価が追いつくのを待てるタイプなら、5年保有に相性の良い株と考えられる。

この記事の最終更新日:2025年12月5日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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