株価
トライアルホールディングスとは

株式会社トライアルホールディングスは、福岡県福岡市東区多の津に本店を置く持株会社で、流通小売、物流、金融・決済、リテールテックなどを担うグループ会社の企画・管理・運営を行っている企業である。
東京証券取引所グロース市場に2024年3月21日上場した。グループの中核は株式会社トライアルカンパニーで、九州を地盤に郊外型の大型ディスカウント店やスーパーセンターを主力として全国へ出店を広げてきた。もともとは流通業向けソフトウェア開発やパソコン販売を源流としており、その出自を生かして自社ITを活用した効率経営に強みを持つ点が大きな特徴である。
事業内容は大きく流通小売事業、リテールAI事業、その他事業に分かれる。流通小売事業では、スーパーセンター、メガセンター、ディスカウントストア、小型食品店など多様な業態を展開し、食品、日用品、衣料、家電、雑貨など生活必需品を低価格で販売している。
主力は売場面積の大きい郊外型店舗で、九州を中心に全国へ拡大してきた。リテールAI事業では、Skip Cartと呼ばれるセルフレジ機能付きカート、AIカメラ、デジタルサイネージ、購買データ分析などを活用し、店舗運営の省人化や業務効率化、顧客体験の向上を進めている。こうした小売とITの融合により、低価格販売と高効率運営の両立を目指している。
沿革を見ると、創業は1974年の古物商あさひ屋にさかのぼり、1984年にトライアルカンパニーへ商号変更、1990年代以降にディスカウントストアやスーパーセンターの展開を本格化させた。2015年にはトライアルホールディングスを設立して持株会社体制へ移行した。
近年は小売に加えて物流、決済、リゾートなど周辺事業も広げている。さらに2025年3月、トライアルホールディングスは株式会社西友の株式取得による完全子会社化を決議し、実行予定日を2025年7月1日と公表した。これにより関東・中部・関西での事業基盤強化やPB商品、製造拠点、物流機能の取り込みを通じて、連結売上高1兆円超の小売グループを目指す方針を示している。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.6 | 655,478 | 13,964 | 14,358 | 8,084 | 82.9 | 13 |
| 連24.6 | 720,441 | 19,161 | 19,789 | 11,439 | 109.8 | 15 |
| 連25.6 | 806,590 | 21,106 | 22,200 | 11,752 | 96.2 | 16 |
| 連26.6予 | 1,339,600 | 25,400 | 13,900 | 500 | 4.1 | 16 |
| 連27.6予 | 1,420,000 | 36,000 | 31,500 | 12,500 | 101.9 | 16〜20 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 18,445 | -16,765 | -5,192 |
| 2024 | 59,497 | -26,005 | 34,503 |
| 2025 | -4,446 | -35,892 | 20,770 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2.1% | 4.0% | ― | ― | ― |
| 2024 | 2.6% | 4.0% | 9.8% | ― | ― |
| 2025 | 2.6% | 3.9% | 9.3% | 19.1〜33.6 | 3.86 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
トライアルホールディングスは、売上が7,204億円から8,065億円と拡大しており、2026年予想では1兆3,396億円まで急拡大する計画となっている。売上規模はすでに国内小売企業の中でも大きい水準にあり、さらに大幅な増収計画が示されている点は特徴的である。
利益面を見ると、営業利益は191.6億円から211.0億円へと増加しており、本業の収益力は拡大している。2026年予想では254.0億円まで伸びる見込みになっており、営業利益ベースでは成長が続く計画となっている。
経常利益は197.8億円から222.0億円と増加していたが、2026年予想では139.0億円まで減少する見込みになっている。純利益も114.3億円から117.5億円と横ばいで推移した後、2026年予想では5.0億円まで大きく減少する見通しとなっており、最終利益は大きく落ち込む予想になっている。
収益性を見ると営業利益率は2.1%から2.6%、2.6%とわずかに改善している。ただし小売業の中でも低い水準であり、ディスカウント型小売の薄利多売モデルの特徴が出ている。利益率は低いが、売上規模の拡大で利益を確保するタイプの企業と考えられる。
資本効率を見るとROEは9.8%から9.3%とやや低下しているが、10%近い水準であり小売企業としては標準的な水準である。ROAも4.0%から3.9%と大きな変化はなく、資産効率は比較的安定している。
株価評価を見ると、2025年の実績PERは19.1倍から33.6倍のレンジとかなり高めの水準にある。小売企業としては成長期待を織り込んだ評価になっている可能性が高い。PBRも3.8倍と高く、資産価値ではなく将来成長を前提に株価が評価されている状態と言える。
総合的に見ると、トライアルホールディングスは売上拡大を続ける成長型小売企業であり、営業利益も拡大傾向にある。ただし営業利益率は低く、最終利益は2026年に大きく減少する予想となっている点は注意が必要である。またPERやPBRが高く市場の期待もすでに織り込まれているため、割安株とは言いにくい。したがってこの銘柄は割安株というより成長期待型の小売株であり、売上拡大や事業拡大が続けば株価が評価されるタイプの銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りを見ると、2026年6月期予想、2027年6月期予想ともに0.39%と非常に低い水準になっている。日本株の平均配当利回りが2%前後であることを考えると、インカム目的の投資対象としてはかなり物足りない水準と言える。配当収入を目的に長期保有する銘柄としては魅力はほとんどない。
利益との関係を見ると、純利益は114.3億円から117.5億円と横ばいで推移しているものの、2026年予想では5.0億円まで大きく減少する見込みになっている。利益が急減する予想になっていることを考えると、配当を大きく増やす余地は現時点では小さいと考えられる。営業利益は191.6億円から211.0億円、さらに254.0億円予想と拡大しているが、最終利益が減少する見込みのため、株主還元よりも投資や事業拡大を優先している可能性が高い。
またこの会社は売上拡大型の小売企業であり、営業利益率も2.1%から2.6%程度と低い。薄利多売型のビジネスモデルであり、利益の多くは店舗出店やIT投資など成長投資に回される傾向がある。PBRも3.8倍と高く、株価は配当ではなく成長期待で評価されている状態と言える。
総合的に見ると、トライアルホールディングスは配当利回りが0.39%と非常に低いため、配当目的の投資にはほぼ向かない銘柄である。この銘柄はインカムゲインではなく、売上拡大や事業拡張による株価上昇を狙うキャピタルゲイン型の成長株と考えられる。配当収入を重視する投資家よりも、小売業の成長性や事業拡大を評価する投資家向けの銘柄と言える。
今後の値動き予想!!
現在の株価4,060円で、トライアルホールディングスは売上が7,204億円から8,065億円へ拡大しており、さらに1兆3,396億円予想と非常に大きな増収計画が出ている。ディスカウントストア「トライアル」を中心に全国で店舗拡大を進めており、食品・日用品を低価格で販売するスーパーセンター型小売として事業規模は急速に拡大している企業である。
営業利益も191億円から211億円、さらに254億円予想と増益基調にあり、本業ベースでは成長が続いている。ただし営業利益率は2.1%から2.6%、2.6%と低い水準であり、小売業特有の薄利多売モデルの企業である。ROEは9.8%から9.3%とやや低下しているものの、資本効率は小売企業としては標準的な水準を維持している。
良い場合は、店舗拡大や西友との連携効果などにより売上が1兆5,000億円規模まで拡大し、営業利益も300億円前後まで成長するケースである。IT活用による効率化や物流の最適化が進めば利益率もわずかに改善し、営業利益率が3%前後まで上昇する可能性がある。ROEも10%以上まで改善すれば成長小売企業としての評価が高まり、PERが25倍前後まで維持される可能性がある。その場合、株価は5,500円から7,000円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上は拡大するものの利益率は大きく改善せず、営業利益が250億円前後で安定するケースである。ディスカウント小売というビジネスモデル上、利益率は低くなりやすいため、成長はしても収益性の改善は限定的になる可能性がある。この場合、PERも現在よりやや低い15倍から20倍程度で推移する可能性があり、株価は3,800円から4,800円程度のレンジで推移する可能性がある。売上は拡大しているものの株価は比較的穏やかな値動きになるパターンである。
悪い場合は、大型出店投資やコスト増加により利益が伸びず、営業利益が200億円前後まで低下するケースである。人件費や物流コストの上昇、価格競争の激化などが起きると利益率が2%前後まで低下する可能性がある。その場合は市場評価も低くなり、PERが12倍から14倍程度まで低下する可能性がある。こうした状況では株価は2,500円から3,200円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、トライアルホールディングスはディスカウント型小売として売上拡大を続けている成長企業である。ただし利益率は低く、小売業特有の薄利多売ビジネスであるため株価は成長期待に大きく左右される。5年間の株価イメージとしては、良い場合5,500円から7,000円、中間の場合3,800円から4,800円、悪い場合2,500円から3,200円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当利回りは低いため配当株というより、事業拡大による株価上昇を狙う成長型の小売株といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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