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飯田グループホールディングス(3291)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

飯田グループホールディングスとは

飯田グループホールディングス株式会社は、東京都武蔵野市に本社を置く日本最大級の戸建分譲住宅企業グループであり、JPX日経インデックス400採用銘柄。2013年11月、一建設・飯田産業・東栄住宅・タクトホーム・アーネストワン・アイディホームの6社が経営統合し誕生した。旧体制では各社が別々の市場に上場しており、それぞれ地域・価格帯・供給スタイルに強みを持つパワービルダーであったが、統合により全国規模で供給可能な巨大住宅供給ネットワークが形成された。

2025年現在、戸建分譲住宅において国内シェア約30%、年間供給棟数は約4万棟。日本で新築戸建を購入した人の3人に1人が飯田グループの住宅を選んでいる計算になる。住宅を「より手の届きやすい価格で」提供することを理念とし、誰もが当たり前に家を買える社会の実現を目指している。自社グループ内に設計・資材調達・施工・販売・アフターサービスを内包したサプライチェーンを構築することで、高品質と低価格の両立を可能にし、全棟性能評価の取得と保証制度・点検制度も含めて購入後の安心まで提供していることが選ばれる理由とされる。

事業は戸建分譲にとどまらず、分譲マンション事業、注文住宅事業、リフォーム・メンテナンス事業まで展開。マンション事業では戸建で培ったスケールメリットとコスト管理力を活かし、価格競争力の高い物件供給を行う。注文住宅はセミオーダー・セレクト方式を導入することで一般に高額になりがちな注文住宅を適正価格で実現し、戸建ノウハウを活かした住宅性能と価格を両立。購入後も定期点検・修繕・リフォーム・売却支援まで一貫したサポートを提供し、長期的に住まいを維持できる仕組みが整備されている。

グループ企業には一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホーム、住宅情報館、ファーストウッド、ファーストプラスなど多数が含まれ、用地仕入〜建築〜販売〜メンテまでの全工程を内製化することでコストと品質を統制し、規模のメリットを最大化している。全国供給棟数の規模は他社を圧倒しており、まさに「戸建て分譲のガリバー」と言える存在である。

飯田グループホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(EPS) 一株配当
23.3 1,439,765 102,332 106,601 75,596 264.3 90
24.3 1,439,180 59,174 55,653 37,204 132.6 90
25.3 1,459,639 80,452 74,315 50,697 181.2 90
26.3予 1,558,000 90,000 81,700 53,900 195.1 100(記念)
27.3予 1,630,000 98,000 89,500 59,000 213.5 90〜100

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

年度(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 -56,997 -39,246 -25,285
2024 -16,449 -17,788 27,355
2025 92,252 -38,620 -11,044

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 7.1% 7.8% 4.2%
2024 4.1% 3.8% 2.0%
2025 5.5% 5.1% 2.7% 14.4倍(高値) / 10.5倍(安値) 0.66倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

飯田グループホールディングスの業績は、売上が1兆4391億→1兆4596億→1兆5580億(予測)と大きなブレなく増加しており、巨大な住宅供給網を背景に安定した事業運営ができていることがわかる。営業利益も591億→804億→900億と改善が続き、純利益も372億→506億→539億と伸びているため、規模が大きいだけではなく利益の積み上がりも見られる。住宅は景気に影響を受けやすい業種だが、この数字推移だけを見ると、市場環境に左右されつつも底堅く利益を出せる体質を持っている企業だと読み取れる。

ただし利益率に目を向けると色合いは変わる。営業利益率は4.1%→5.5%と改善傾向にあるとはいえ絶対値はまだ高くない。住宅という商品特性上、材料費・土地仕入れ・施工コストが大きいため粗利が伸びにくく、薄利多売のビジネスモデルが本質的な特徴となる。そのため利益成長=売上規模の拡大によるものが中心で、付加価値の創出や単価向上による利益率の押し上げが今後の課題と考えられる。ここが改善すれば株価はひらけるし、改善が鈍ければ今の水準で長く横ばう可能性がある。

ROEも3.8%→5.1%と改善基調にはあるものの、市場が「評価を引き上げるほどの高さ」には届いていない。ROAも2.0%→2.7%と重い資産を活用して稼ぐ構造であることが見て取れ、資本効率の高さを武器に戦う企業ではなく、大規模供給によって市場シェアを取る守備力型の会社だと理解できる。一方でその反対側の評価として、2025年の予想PBRが0.66倍という低バリュエーションに留まっていることは明確な投資妙味につながる。資産に対して割安に置かれているということは、利益率やROEがもう一段改善した瞬間に市場が気付いて評価を引き上げる余地があるということだ。つまり期待ではなく実績で動く銘柄であり、数字が良くなれば素直に見直される可能性を残している。

PERも10.5〜14.4倍と、成長銘柄としては高いとは言えないが、安定企業としては許容範囲のレンジ。利益成長が続くならPER15倍を超える評価が付く余地もあるし、もし利益率がさらに改善しROEが8〜10%台に乗れば、今のPBR0.6倍台はさすがに低すぎる水準とみなされる可能性が高い。つまり飯田グループホールディングスは「成長期待で買われる銘柄」ではなく、「数字が改善したら一段階評価が切り替わる銘柄」であり、現状はその手前で静かに溜めを作っているような位置づけだ。

総じてこの銘柄は、派手な値動きよりも堅実に利益を積み上げ、低PBRのまま成長を続けている点に魅力がある。上昇に勢いがつくには利益率とROEの強化が必要だが、それさえ伴えば評価見直しは一気に進み得る。短期の面白さというより、改善とともに価値がじわりと引き上がる「育つ技」を求める投資家と相性がいい。市場が気付く前に拾う発想で長期を狙うか、改善の兆しを確認してから乗るか、その判断が投資姿勢によって分かれる銘柄、それが今の飯田グループホールディングスに数字が語らせる姿だ。

配当目的とかどうなの?

飯田グループホールディングスの予想配当利回りは、26.3期で4.16%、27.3期でも3.74%と、日本株の中でも配当を目的として保有を検討できる水準にある。4%台という利回りは高配当株の領域に入り、配当収入を重視する投資家には魅力的に映る数値と言える。配当だけでなく業績も安定しており、売上が着実に増加し、営業利益と純利益も回復方向にあることを踏まえると、配当の裏付けになる利益が確保されている点は安心材料になる。

ただし、営業利益率はまだ5%前後と高水準とは言えず、ROEも5%付近で資本効率は控えめであることから、配当が今後継続的に増え続けるかどうかは利益の伸びに依存する。現在の利回りは企業の利益の維持と安定的な収益構造によって成り立っているが、利益率が低下すると増配余力は限定的になるため、長期の配当成長を期待するなら収益性の向上が条件となる。

結論をまとめると、飯田グループホールディングスは現在の利回りだけでも配当目的銘柄として成立し、4%前後で受け取り続ける運用には向いている。一方で、配当が大きく伸びる成長型というより、利益が維持される限り安定した水準を保つタイプと見た方が現実的である。今の水準はエントリーとして合理性があり、長期で保有しながら業績推移を見守るというスタイルが相性の良い投資法となる。

今後の値動き予想!!(5年間)

飯田グループホールディングス(現在値2,401円)の今後5年の株価を考えるうえで最も重要なのは、利益率が改善するかどうかである。売上規模はすでに国内トップクラスであり、戸建て分譲という事業特性から市場ポジションは固い。一方で利益率はまだ高いとは言えず、薄利多売の構造が続く限り株価の評価は一気に跳ねにくい。つまりこの銘柄の株価は、「売上の大きさで守りが効いている一方、利益率の改善が上昇のカギ」になるという位置付けからスタートする。

良い場合のシナリオは、売上が維持・拡大し、営業利益率が今よりもう一段上がるパターン。資材価格の落ち着きや施工効率の向上、販売戦略の最適化が進み、ROEが7〜9%、利益率が6%台に乗ってくると、市場は現在のPBR0.6倍という割安評価を見直す可能性が高い。PERも見直されて10倍台後半が許容されるようになると株価は3,200〜3,800円近くまで進み、長期的には4,000円台を伺う動きも現実味が出てくる。この場合、投資家は配当を受け取りながら値上がり益も狙えるため、長期保有の妙味がはっきりと表面化するシナリオになる。

中間のシナリオは最も現実味があるとも言える展開で、売上は維持されるが利益率は大きく改善せず、ROEも5%前後で安定するパターン。企業としての安定性は高いが、評価が大きく切り替わる材料に乏しいため、市場は過度な期待を持たず横ばい推移が中心となる。株価は2,200〜2,800円のレンジで動き、配当を受け取りながら保有する投資家が主役になる。急激な上昇は期待しにくい一方、下がっても買いが入りやすい価格帯のため、値動きは穏やかで、いわゆる「持って安心だが夢は大きくない」という銘柄性がはっきりする。

悪い場合のシナリオでは、住宅需要の鈍化・金利上昇・資材価格の再高騰などが重なり、利益率が再び低下する可能性がある。ROEが3〜4%台まで戻り、利益の伸びが止まると、市場は再評価を見送ったまま株価は放置されやすくなる。この時はPBR0.6倍近辺の低評価が続き、株価は1,700〜2,100円のゾーンまで下落する余地が残る。ただし売上規模が大きく事業基盤は安定しているため、一気に崩れるよりはジリジリと下げて配当利回りが高まり、それによって底を作る形が考えられる。つまり下がる時も派手ではなく、地味に重く下に向かうシナリオになる。

3つの未来を並べると、飯田グループホールディングスは派手な暴騰を狙う銘柄というより、利益率改善が進めば株価が一段上に押し上げられ、改善が停滞すれば横ばいのまま配当で耐える、という性格が見えてくる。今の2,401円は割安水準に位置しており、長く持つほど株価よりも配当の存在感が効いてくる。持ち味は堅さであり、華やかさではない。投資の入口としては今の水準でも悪くはなく、上昇余地を信じるなら長期保有、慎重にいくなら利益率の改善を確認してから拾うという二通りの選択が合理的に成立する。

この記事の最終更新日:2025年12月9日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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