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ソフトクリエイトホールディングス(3371)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ソフトクリエイトホールディングスとは

株式会社ソフトクリエイトホールディングスは、「Speed & Change」を掲げる純粋持株会社で、東京都渋谷区を本拠とし、ECソリューション・システムインテグレーション(SI)・ワークフローなどのIT領域を中心に事業を展開するグループを統括している。

特にEC構築ソフト「ecbeing」は国内トップクラスのシェアを持ち、1,600社以上に導入されている主力プロダクトで、クラウド型の「メルカート」、ECマーケティング分析基盤「Sechstant」、レビュー最適化ツール「ReviCo」など周辺サービスも展開し、ECビジネス全体の支援プラットフォームとしての位置付けを確立している。

連結子会社は複数存在し、ECソリューション部門では株式会社ecbeing(100%)とvisumo(53%)が中核となり、EC構築とビジュアルマーケティング、レビューマーケティングといった売上拡張領域を担う。SI事業では株式会社ソフトクリエイト(100%)、エクスジェン・ネットワークスなどのグループ会社が企業のシステム構築、クラウド導入、AI・セキュリティ分野までワンストップで提供し、ITアウトソーシングにも強みを持つ。また独自のセキュリティ製品「L2Blocker」を有し、企業のインフラ基盤を守る領域でも存在感を持つ。

ワークフロー事業ではエイトレッド(51%)が中心で、クラウド型「X-point Cloud」、大規模向け「AgileWorks」は累計4,500社以上で利用されており、紙やメールで行われていた承認プロセスのデジタル化を推進している。導入企業は中小から大企業まで幅広く、業務効率化・内部統制強化などの効果が評価されている。さらにマーケティング支援としてオウンドメディア構築、SEOコンサル、CMS「SiteMiraiZ」を活用したコンテンツ制作事業も持ち、ビジュアルマーケティング領域ではSNS連携ツール「visumo」でECとメディアの連動を高める取り組みも進めている。

全体としてソフトクリエイトホールディングスは、EC構築・システム統合・業務フロー電子化・マーケティング支援という複数のIT領域をグループで押さえ、企業のDX需要をワンストップで支援する体制が特徴となっている。また累進的な配当方針を掲げており、成長と株主還元を両立する姿勢が示されている。EC市場の拡大・企業のクラウド移行・ペーパーレス推進など構造変化の恩恵を受けやすく、今後もECツール・ワークフロー・セキュリティというストック性のある収益が積み上がっていく余地を持つ企業といえる。

ソフトクリエイトホールディングス 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連23.3* 24,253 4,322 4,489 2,738 108.7 25
連24.3 27,912 5,169 5,355 3,257 129.9 48
連25.3 30,951 5,497 5,764 3,547 141.9 55
連26.3予 33,500 6,000 6,200 3,780 151.8 62
連27.3予 37,000 6,600 6,800 4,140 166.3 66〜67

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業キャッシュフロー(百万円) 投資キャッシュフロー(百万円) 財務キャッシュフロー(百万円)
2023/3期 2,569 -1,332 -1,130
2024/3期 6,484 -1,385 -1,015
2025/3期 4,995 -2,081 -1,465

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 17.8% 18.1% 10.8%
2024 18.5% 17.5% 10.4%
2025 17.7% 17.0% 9.9% 高値平均18.3倍 / 安値平均11.5倍 2.30倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上は連24.3で279億、連25.3で309億、連26.3予で335億と毎年増加しており、成長率は年あたり約10%前後と堅調なペースで伸びている。営業利益は51億→54億→60億と右肩上がりで、経常利益・純利益も同じ方向で伸びているため、売上だけでなく利益面でも拡張が続いていることが確認できる。営業利益率は2023年17.8%、24年18.5%、25年17.7%と非常に高水準で推移しており、粗利の取りやすいIT・ECソリューション企業としての強さが数字に出ている。一般企業では営業利益率10%を超えれば優秀と言われる中で、18%近辺は明確な競争優位を持つ企業の領域に入る。

ROEは18.1%→17.5%→17.0%、ROAは10.8%→10.4%→9.9%と若干低下傾向だが、依然として高水準であり資本効率・総資産効率は優秀だといえる。特にROE17%は市場全体と比較してもかなり高いレベルで、利益成長が株主資本の増加にしっかり転換できているという意味になる。この状態が維持されるなら、今後も株主価値が増える確率は高い。

バリュエーションを見ると、2025年のPERは高値平均18.3倍・安値平均11.5倍で、割高というより成長株として相応の評価帯にある。PBR2.3倍はROE17%とのバランスを考えると過度ではなく、資本効率に見合った価格形成といった印象に近い。投資家から見れば、利益が伸び続ける前提なら株価は過大評価ではなく、むしろ持続成長を前提に買われているポジションと整理できる。

総合すると、ソフトクリエイトHDは売上・営業利益とも安定成長し、営業利益率17〜18%台、ROE17%超という高い収益性を持つ優良企業と評価できる。過熱感のあるPERでもなく、指標面は業績に対してバランスが取れており、成長株でありながら割高すぎない位置にある点は投資視点では大きなプラス材料。短期で暴騰を狙う銘柄ではなく、利益成長と配当を受け取りながら持つ中長期銘柄として適性が高い。

結論として、提示された数値だけで判断すれば「高利益率・高ROEで伸びる力を持ち、割高感のない成長株」という評価となる。安定拡大を前提に中長期保有と相性がよく、業績が崩れない限りは買いで考える余地が十分にある銘柄と言える。

配当目的とかどうなの?

ソフトクリエイトHDの予想配当利回りは連26.3で2.98%、連27.3で3.17%と3%前後に乗ってきており、配当目的で考える場合の評価はかなり良好といえる。2%台前半ならインカムより成長重視の領域だが、3%前後まで来ると配当そのものが投資動機として成立し始め、長期保有で配当を積み上げる戦略が現実的になる。さらにこの会社は利益が増加しており、EPS(1株益)も108円→129円→141円→151円→166円と綺麗に伸びているため、配当の裏付けとなる源泉も確保されている。

営業利益率17〜18%、ROE17%前後という高い収益性の企業が3%前後の利回りを付けているのは魅力があり、配当だけでなく企業価値の成長も同時に狙える「バランス型のインカム株」として評価できる。キャッシュフロー面でも営業CFが黒字を保ち、配当余力が確保されている点は安定配当の継続性を支える材料になる。

ただし注意点もある。成長企業の利回りが3%に近づくということは、株価が急騰して評価が高まりすぎると利回りが低下し魅力が薄れる可能性がある。またROEと営業利益率は高いが、直近でわずかに低下傾向も見られるため、今の利回りが維持されるかは利益成長が続くことが前提になる。利益が減れば増配ペースは鈍り、利回り3%は維持しづらい。つまり配当は魅力的だが、それを支える業績が今後も伸び続けることが条件となる。

総じて、ソフトクリエイトHDは配当利回りが3%近辺で、EPS成長にも裏付けがあるため「単に高利回りではなく増配も期待できる配当銘柄」という位置づけになる。利回りだけで買う銘柄ではなく、配当×成長の両方を狙える中長期向けの投資先として非常に相性が良い。配当目的で検討する価値は十分にあり、長く持つほど利益拡大とともにリターンが厚くなる可能性が高い銘柄といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ソフトクリエイトHDの現在株価を2,076円とした場合、今後5年間の株価は業績成長がどれだけ維持できるかによって大きく分岐する。売上・利益が毎年伸びており営業利益率17〜18%、ROE17%前後と収益性が非常に高いこと、配当利回りも将来3%を超える見通しであることを考えると、突発的な急落を伴う銘柄ではなく、中長期で価値を積み上げていくタイプとみるのが自然である。

良い場合は、EC構築ソフト「ecbeing」が伸び続け、ワークフローの導入社数が増加し、AI・DX投資の追い風も続いて利益が拡大するシナリオだ。営業利益とEPSが毎期成長し、増配も続けば市場評価が上乗せされ、PER15〜20倍帯で株価が形成されやすくなる。この場合、5年後の株価は2,800〜3,500円が視野に入り、決して派手ではないが力強く上向く展開となる。インカムとキャピタルの両方を得られる「伸びながら配当も取れる形」が最良の流れになる。

中間シナリオは最も現実性が高く、売上と利益は伸びるが加速早くはなく営業利益率は17%前後、ROEは16〜18%の間で推移しながら安定する形だ。この場合、PERは13〜17倍の中庸水準に落ち着き、株価は5年で2,300〜2,800円あたりを中心にゆるやかに上げていく流れが想定しやすい。大きな上下は出ないが、配当3%前後と利益成長が組み合わさり、長期保有で成果が積み上がるタイプの推移となる。

悪い場合は、EC市場の競争激化やSI単価の低下、ワークフロー契約伸び悩みなどで成長が鈍化し、ROEが15%を割る方向に向かうケースである。この状態になるとPERは縮小し、評価も低水準に収れんしやすい。PERが10〜12倍水準まで圧縮されると株価は1,600〜1,800円程度に下押しされる可能性があり、配当利回りは高く見えるものの株価の伸びは期待しづらい。成長期待が剥がれ、配当のみで保有する銘柄に変質する未来もある。

まとめると、現在の2,076円は下にも上にも開きがある位置だが、収益性の高さと増益・増配トレンドが裏付けとなっており、中長期で報われやすい株と考えられる。強い業績で押し上げれば3,000円台が見える一方、成長が鈍れば1,800円割れもあり得る。結局のところ方向を決めるのは利益率の維持と拡張であり、それが続く限り株価は時間とともに評価へ追いついていく。

この記事の最終更新日:2025年12月9日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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