株価
And Doホールディングスとは

株式会社And Doホールディングス(旧ハウスドゥ)は、2022年に事業持株会社体制へ移行して商号変更し、グループ全体の戦略立案と経営管理を担う中核企業として位置づけられている。同社グループは、不動産売買、リースバック、フランチャイズ展開、不動産流通、リフォーム、金融サービスなど、住まいと資産に関わる幅広い事業を全国的に展開している。特に自宅を売却してもそのまま住み続けられる「ハウス・リースバック」はグループの代表的サービスで、高齢者や資金ニーズを持つ個人を中心に需要が拡大しており、アセット活用の新しい形として定着しつつある。
グループ会社のハウスドゥ住宅販売では、フランチャイズ事業と不動産流通事業を主軸とし、全国加盟店に向けた売買仲介のノウハウ提供、ITシステム、集客戦略支援、教育研修などを体系的に提供している。不動産業の未経験企業でも参入しやすい仕組みが特徴で、直営店と加盟店のネットワークが全国規模で形成されている。また中古住宅や土地の仲介だけでなく、買い取りから新築建築、リフォームの提案までを組み合わせることで、お客様の住まいに対して複合的な選択肢を提示し、ライフステージに合わせた住み替えや住宅購入をサポートする仕組みを追求している。
ハウスドゥ・ジャパンでは、中古住宅の買取再生、新築分譲住宅、開発事業、収益不動産の再生販売などを手がけており、不動産の取得から付加価値向上、販売までを一貫して行うビジネスモデルを確立している。直営店やFC店舗から寄せられる豊富な物件情報をもとに、地域特性を踏まえた仕入れと再生販売を行う点が強みになっている。
リフォーム事業では、住宅の再生をテーマに、リフレッシュリフォームから大規模リノベーションまで幅広く対応し、耐震診断や自然素材リフォーム、女性プランナーによる提案、充実した保証制度、無駄な流通コストの徹底排除など、品質とデザイン性を両立したサービスを提供している。技術力の高さも評価され、業界のデザインコンテストでの受賞歴も多い。
金融事業では、不動産担保ローンやリースバック関連の資金調達支援を行い、銀行融資が受けにくいケースにも柔軟に対応している。不動産査定力を活かした融資判断や、金融機関との提携による保証事業などを通じて、お客様の幅広い資金ニーズに応える体制が整えられている。
全体として、And Doホールディングスは、不動産売買、リースバック、FCネットワーク、リフォーム、金融など、住まいと資産に関わる多様な領域を一体化させ、情報のオープン化と透明性の高い不動産流通の実現を目指すグループである。お客様の住まいや資産の課題に対して、多面的に解決策を提示できる点が最大の特徴となっている。
And Doホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(EPS) | 一株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.6 | 39,037 | 2,589 | 2,514 | 1,616 | 82.9 | 30 |
| 連22.6 | 41,395 | 2,871 | 2,947 | 1,955 | 100.0 | 36 |
| 連23.6 | 49,552 | 3,176 | 3,358 | 2,195 | 112.2 | 40 |
| 連24.6 | 67,579 | 3,587 | 3,457 | 2,476 | 124.8 | 43 |
| 連25.6 | 64,735 | 2,620 | 2,943 | 2,341 | 118.9 | 45 |
| 連26.6予 | 55,000 | 2,900 | 3,000 | 2,770 | 138.8 | 46 |
| 連27.6予 | 60,000 | 3,100 | 3,300 | 2,400 | 120.3 | 46 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | -12,713 | -6,408 | 15,003 |
| 2024 | 7,440 | -1,309 | -6,366 |
| 2025 | 7,522 | -735 | -8,116 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 6.4% | 14.2% | 2.6% | — | — |
| 2024 | 5.3% | 14.3% | 3.1% | — | — |
| 2025 | 4.0% | 12.6% | 3.2% | 高値11.3倍 / 安値7.1倍 | 1.13倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績を億円換算すると、売上は2024年が675億、2025年が647億、2026年予想が550億となり、3年間で約125億の減少が見込まれており、トップラインははっきりと縮小傾向にある。営業利益も同様に35億から26億、29億と推移し、戻りは見られるものの右肩下がりの印象が強い。経常利益は34億、29億、30億と大きく崩れてはいないが停滞しており、純利益も24億、23億、27億と安定はしているものの成長性は感じにくい数字となっている。EPSは124円から118円、138円と動いているため、利益自体は踏ん張っているが、売上規模の縮小と比べるとややバランスの悪さが目立つ。
収益性を見ると、営業利益率は6.4%、5.3%、4.0%と年々低下しており、企業としての効率性は悪化している。売上が減少している中で利益率も低下しているため、事業モデルが今の環境下でやや逆風を受けている可能性が高い。ROEは14.2%、14.3%、12.6%と比較的高めで推移しており、資本効率は一定の水準を維持しているが、ここも少しずつ下がっているため改善から遠ざかっている印象がある。ROAは2.6%、3.1%、3.2%と低めではあるものの安定しており、財務的な重さが極端にあるわけではないが、高い利益率を求めるようなビジネスモデルではないことを示している。
バリュエーションを見ると、2025年の実績PERは高値平均が11.3倍、安値平均が7.1倍で、PBRは1.13倍と、全体として割高でも割安でもない「中庸」の水準にある。業績が縮小傾向で利益率も低下している企業に対してPERが10倍前後というのは、株価がすでに今の業績と事業環境をある程度織り込んでしまっているとも解釈できる。強い割安感があるとも言いづらいが、過剰な割高とも言いにくい微妙な位置づけになっている。
これらを総合すると、現段階でこの企業を投資対象として見る場合、成長株としての魅力は比較的弱く、むしろ安定性と財務の適正さをどう評価するかが中心になる。売上縮小と利益率低下の流れが明確に出ている以上、短期的に株価が大きく上昇するストーリーは描きにくい。一方で、ROEが12〜14%で推移している点や純利益が比較的安定している点を見ると、急激に業績が悪化しているわけでもなく、底堅さはある程度感じられる。
結論としては、強気で買いに行く場面ではなく、長期の成長を期待するタイプの銘柄でもないが、一定の利益を維持しながらPBR1.1倍という点を見ると大きく下値が崩れにくい特徴はある。配当も安定しており、業績が大きく悪化しない限りは極端に売られる可能性も低い。したがって、積極的な成長期待で買うというよりも、安定収益と適度なバリュエーションを評価して「中立寄りの保守的な投資」として捉えるのが妥当で、上値も下値もそれほど広くないレンジ推移が続く可能性が高いという判断になる。
配当目的とかどうなの?
And Doホールディングスを配当目的で考えると、予想配当利回りが26.6期・27.6期ともに4.59%という水準は、日本株の中でも高配当株と呼べる部類に入り、配当収入を重視する投資家にとっては十分に魅力的な数字といえる。一般的に日本株で配当狙いをする場合、3%を超えると「配当目的で選ぶ候補」に入ってくるが、同社はその基準を明確に上回っており、配当利回りだけで見れば積極的に検討できる水準になっている。
直近の業績を見ると売上は減少傾向で、利益率も下がっているため、事業の成長性という観点ではやや弱さが目立つものの、純利益自体は安定しており、EPSが維持されている点を見ると、配当を継続的に支払えるだけの利益体質は確保されている。配当が毎年増配ではなくても、安定して40円台後半の配当を続けていることは、配当を重視する投資家にとって安心材料になる。
またPBRが1.1倍前後という水準で推移していることを踏まえると、株価が大きく過熱している状況でもなく、極端に割高な状態でもないため、配当利回りの高さと合わせて「高配当株として下値が比較的堅いタイプ」に分類できる。業績が急速に悪化している企業の高配当と違って、同社の場合は純利益が大きく崩れておらず、ROEも10%以上を維持しているため、高配当にありがちな“減配リスクがすでに織り込まれている状態”とも言いにくい。配当の持続性という観点では一定の評価ができる。
もちろん売上縮小や利益率低下が続けば、将来的に減配リスクがゼロとは言えないが、現状の数字だけを見る限り、配当利回り4.59%は魅力的で、配当目的の投資としては十分成立する銘柄といえる。高成長は期待しづらいが、安定した配当収入を得るための「インカムゲイン狙いの保有銘柄」としては悪くない位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
And Doホールディングスの株価が現在1,001円で、今後5年間の値動きを予想すると、業績の伸び悩み、利益率の低下傾向、安定した純利益、そして配当利回りの高さなどを踏まえて、良い場合と悪い場合、中間の3つのシナリオが考えられる。
まず良い場合は、不動産流通やリースバック事業が再び伸び、減少傾向だった売上が反転し、営業利益率の改善も進むパターンである。安定した純利益に加えて市場が同社のリースバック需要の拡大を評価し始めれば、PERが10〜12倍程度に上昇する可能性があり、その場合株価は1,300円から1,600円のレンジまで上昇する余地が出てくる。配当利回りの高さが投資資金を呼び込み、長期保有需要が増えれば1,700円前後まで届くシナリオも十分に考えられる。
中間シナリオでは、売上と利益は大きく伸びないものの安定はし、リースバック事業が底堅く推移し、ROEも10〜12%の範囲を維持するケースである。この場合、株価は大きく上昇する材料は乏しいが、配当利回りの高さが下値を支えるため、900円〜1,200円の比較的狭いレンジでの推移が予想される。業績が劇的に改善しなくても、減配がない限り1,000円前後を長くキープする可能性が高い。
悪い場合は、売上減少が続き、利益率がさらに低下し、ROEが10%を割り込むような展開になるケースである。不動産市場が低迷し、リースバック契約の伸びが鈍化すると市場の期待が大きく後退し、PERは7倍以下に沈む可能性がある。その場合、株価は700円〜850円あたりまで下落しても不思議ではなく、業績改善が見えない期間が続けば600円台に触れる可能性も残る。ただし配当利回りが高いため、極端な暴落よりはじわじわ下がる形になりやすい。
まとめると、良い場合は1,300〜1,700円、悪い場合は600〜850円、中間では900〜1,200円の範囲に収まる見通しとなり、特に配当利回りの高さが下値を支える一方で、成長の勢いが弱いため大幅な上昇には明確な材料が必要になる。今後5年間は、リースバック事業の拡大と利益率の安定化が株価を左右する最大のポイントとなり、これらが順調に進めば市場の評価は再び上向きやすくなる。逆に収益性の改善が見られない場合は株価が長く停滞する可能性もあり、業績とともに不動産市況や金利環境の影響も受けやすい銘柄であることを考えると、外部要因も含めて慎重に見極めていく必要がある。いずれにしても、現状の水準では配当の安定性と下値の固さが魅力で、成長性よりも堅実さを求める投資家に向いた銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2025年12月10日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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