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ジェイ・エス・ビー(3480)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ジェイ・エス・ビーとは

株式会社ジェイ・エス・ビーは、京都市に本社を置く不動産会社で、学生マンション事業で国内トップクラスの規模を持つ企業である。1976年に京都学生情報センターとしてスタートし、その後「UniLife(ユニライフ)」ブランドを確立しながら、学生向け賃貸マンションの企画、開発、仲介、管理を一貫して手がける体制を築いてきた。管理戸数は2020年時点で7万2千戸を超え、学生マンション業界で首位に位置しており、全国の大学や大学生協との連携も深い。学生の部屋探しから入居後の生活サポートまで幅広く対応することで、学生・保護者・大学側の需要を満たす独自のエコシステムを形成している。

同社は2011年からサービス付き高齢者向け住宅事業にも参入したものの、後に収益性や事業効率を踏まえて撤退し、現在は学生マンションを軸とした本業に経営資源を集中させる方針にシフトしている。学生向け住宅市場は少子化の影響を受ける一方で、都市部への学生集中や大学のオンライン化・進学形態の変化など複数の需要が入り混じっており、同社はその環境変化に対応しながら物件の企画力と管理力を磨き続けている。

グループ会社は多岐にわたり、物件管理を担う総合管財や、生活支援サービスを行うグランユニライフケアサービス、学生向け情報提供を行うOVO、学生食堂等を運営するフードサービスなどを含み、暮らし全体を支援する体制をグループとして整備している。東京学生ライフ・湘南学生ライフなどの地域会社もグループ入りし、全国展開を強化。2020年にはスタイルガーデンやMewcketを完全子会社化し、学生向けサービス領域をさらに広げている。

沿革を見ると、学生向け住宅事業一本で積み上げてきた歴史が長く、1990年にジェイ・エス・ビーを設立して以降、ブランド強化や大学との提携拡大を進め、2017年には東証二部、2018年には東証一部へと上場を果たしている。学生賃貸は借り上げ・管理受託方式が中心で、ストック型の安定収益を得られる点が特徴であり、自社開発物件も取り扱うことで収益源を複線化している。

同社は学生賃貸市場における圧倒的な実績とブランド力を背景に、入居需要が見込める都市部を中心に事業を展開し、安定した収益基盤を持つ企業へと成長してきた。学生マンションの企画・管理に特化しながら、周辺サービスや付随事業を組み合わせることで独自の収益モデルを確立している点が大きな強みとなっている。

ジェイ・エス・ビー 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 EPS 配当
連20.10* 48,058 4,338 4,248 2,761 144.5 17記
連21.10* 52,787 5,337 5,203 3,252 166.2 17.5
連22.10* 57,922 6,312 6,189 4,303 204.8 22記
連23.10* 63,781 7,187 7,073 4,775 227.4 31.5記
連24.10 69,529 8,106 7,886 7,452 354.8 72特
連25.10予 75,500 8,500 8,150 5,500 260.4 105
連26.10予 80,000 8,900 8,650 5,830 276.1 105〜110

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位百万) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 6,043 -7,089 2,996
2024 6,245 -11,107 1,882
2025 8,173 -5,252 2,680

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 11.2% 15.3% 7.1%
2024 11.6% 19.6% 9.3%
2025 11.2% 14.5% 6.8% 10.7倍〜6.9倍 1.70倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ジェイ・エス・ビーの業績を見ると、売上は637億、695億、755億、800億と安定的に伸びており、学生マンションという専門領域を中心に堅実な拡大を続けている。営業利益も71億、81億、85億、89億の推移となり、規模の拡大に合わせて利益もしっかり積み上がっている。営業利益率は11%台でほぼ横ばいだが、学生向け不動産管理というストック型ビジネスで安定して二桁を維持できている点は強みといえる。

純利益の推移を見ると、47億、74億、55億、58億となっており、24期に一度大きく利益が増えているが、これは特別な収益や税効果によるもので、25期以降は落ち着いた水準に戻っている。それでも利益水準としては安定しており、大きな崩れは見られない。ROEは15%台から19%台に上昇し、その後14%台へ戻る推移で、年度によって上下はあるものの、平均的には日本企業として十分高い資本効率を維持している。ROAも6〜9%の範囲に収まっており、総資産の使い方も比較的良好といえる。

市場評価を見ると、2025年の実績PERは高値で10.7倍、安値で6.9倍に位置しており、成長企業としては割安寄りの評価になっている。PBRも1.7倍とそこまで高くなく、利益と資本のバランスを考えると過大評価されている状況ではない。事業がストック型で安定している点、市場評価が低めな点を合わせると、過度にリスクのある銘柄には見えない。

総合的に判断すると、この企業は学生マンションを中心とした安定収益があり、業績の成長も着実で、利益率も維持されており、財務の健全性も見劣りするものではない。ただ、24期の純利益が突出して高かったため、その後の反動で利益が横ばいに見える点は注意が必要で、強い成長性が続くというよりは安定成長型に近い印象がある。一方、PERが10倍前後と割安に放置されやすい銘柄でもあるため、極端に高評価される必要はなくても、適正範囲の中で評価が戻る可能性はある。

数字だけで判断すると、安定した業績と割安寄りのバリュエーションが組み合わさった銘柄で、成長の爆発力よりも安定と堅実さを重視した投資に向いている。大きなリスク要因も限定的で、急激な変動よりは着実に業績を積み上げていくタイプの銘柄であり、現状の評価水準であれば中長期での保有には比較的向いていると判断できる。

配当目的とかどうなの?

ジェイ・エス・ビーを配当目的で考える場合、予想配当利回り(2025・2026年度)が3.09%という数字は、東証プライム全体の平均利回りと比べるとやや高めで、配当株として一定の魅力がある水準に位置している。ただし、この会社は高配当株というより、学生マンション事業を軸にした安定成長企業であり、配当を大幅に増やしていくタイプではなく、増配余力と安定性を両立させる方向で運営している印象が強い。

業績を見ると売上・利益が堅調に伸びており、営業利益率も10%前後で安定し、ROEも高い水準を維持しているため、配当の支払い能力に不安を感じる材料は少ない。また、学生マンション事業は景気に左右されにくく、収益の変動も比較的穏やかで、急激な業績悪化が起こりづらいビジネスモデルである。この点からも、配当が途切れたり極端に落ち込むリスクは低めだと考えられる。

ただし、利回り自体は3%前後で大きく跳ねるものではなく、典型的な高配当株(4〜5%台)と比較すると、配当だけを目的に投資するほどの強烈な魅力があるわけではない。むしろ、この銘柄の配当は「安定した事業から生まれる適度なインカム」の側面が強く、株価の下支えとしては効果があるものの、配当そのものが主役になるほどの水準ではない。

総合すると、ジェイ・エス・ビーは配当目的に一定の適性はあり、堅実な業績を背景に安定配当が期待できる銘柄ではあるが、「利回りだけで買う銘柄」ではなく、「業績の安定と適度な配当を合わせて評価する」タイプの投資対象になる。長期で保有して堅実なリターンを取りたい投資家に向いており、配当利回り3%前後が続く限り、安心感を重視したポートフォリオの中では扱いやすい位置付けの銘柄といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

ジェイ・エス・ビーの株価が現在3,410円を基点として、今後5年間の値動きを予想すると、業績の堅調さ、営業利益率の安定、ROE・ROAの比較的高い水準、そしてPERや配当利回りなどの評価指標を踏まえて、良い場合、悪い場合、中間の3つのシナリオが考えられる。

まず良い場合は、売上と利益が市場予想を上回る形で安定的に伸び続け、特に純利益やROEの改善が顕著になるシナリオである。この場合、市場が同社の収益性と成長性を再評価し、PERが現在より高い水準に引き上げられる可能性があり、株価は5,000円から6,500円程度まで上昇する余地がある。配当利回りも3%台と悪くなく、インカム面でも魅力が出てくるため、投資家の評価がさらに高まる展開になる。

次に中間のシナリオでは、売上・利益は計画どおりに推移し、営業利益率やROE・ROAの水準が大きく変わらず安定した状態が続くパターンである。この場合、市場評価は大きく変わらず、PERはおおむね現状の範囲内で推移すると予想されるため、株価は3,000円から4,500円程度のレンジで推移する可能性が高い。この中間シナリオは、業績に大きなプラス材料もマイナス材料も出ない「安定経過」のケースで、5年間を通じて緩やかな上下動を繰り返しながら時間をかけて成長していく形になる。

最後に悪い場合は、学生マンション市場が予想以上に軟調となり業績が伸び悩むシナリオである。売上が計画を下回り、利益率が落ち込んでROEやROAが低下する状況が続くと、市場評価が冷え込みPERが低下する可能性が高い。この場合、株価は2,000円台後半から3,000円程度まで下押しされることが想定され、5年間を通じて大幅な上昇が見られず、業績回復のタイミングを待つ展開になる。このシナリオでは、配当利回りの魅力は残るものの、株価自体のリターンは限られる。

まとめると、良い場合は5,000円から6,500円程度、中間では3,000円から4,500円程度、悪い場合は2,800円から3,000円程度という値動きが考えられる。ジェイ・エス・ビーの株価は、事業の安定性と収益性の維持、学生マンション市場や不動産市況の動向、そして市場評価の変化という複数の要素に左右されるため、これらのシナリオを見極めながら保有・売買の判断をすることが重要になる。

この記事の最終更新日:2025年12月11日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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