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ロードスターキャピタルとは

ロードスターキャピタル株式会社は、東京都23区を中心とした収益不動産への投資や、クラウドファンディング「OwnersBook」の運営を行う不動産投資会社で、グループ全体で不動産投資のプロフェッショナルとして幅広い事業を展開している。主要グループ会社には、アセットマネジメントとOwnersBook運営を担うロードスターインベストメンツ株式会社、貸付型クラウドファンディングを行うロードスターファンディング株式会社があり、法人・個人双方の投資ニーズに応える体制を持っている。
本業のコーポレートファンディング事業では、自己資本を活用して都心部の中規模オフィスビルを中心に不動産投資を行い、インバウンド需要の高いホテルや物流施設などにも幅広く投資しているのが特徴である。実際の投資実績を見ると、芝の複合ビル「CORNES HOUSE Ⅱ」、麹町駅至近のオフィスビル「グレイス麹町」、銀座の老舗商業ビル群「銀座菊正ビル/銀座ニューセントラルビル」、軽井沢のラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」、さらに住宅・店舗を併せ持つ「麹町プレイス」など、多様な用途の物件を取得しており、同社が都心立地に強い審美眼と運用ノウハウを持つことが分かる。
また、クラウドファンディング事業は同社の大きな柱であり、不動産特化型クラウドファンディングとして日本で初めて個人投資家が1万円から参加できる仕組みを構築した点が大きな特徴となっている。従来は機関投資家や専門家向けとされてきた不動産投資領域に、個人でも参加できる道を開いたことで、市場の流動性向上や投資環境の民主化に貢献している。
ロードスターグループはESGへの取り組みも強化しており、放置され価値が低下した建物に再投資して価値改善を行うことで都市の再生に寄与し、環境負荷を減らしながら資産価値を高める戦略を取っている。また、クラウドファンディングにより投資を広く開放することで社会的な投資機会の拡大にも貢献している。社内では役職員の成長支援や働きやすい職場づくりを重視しており、人材育成と事業成長を両立させる企業文化を築いている。
総じて、ロードスターキャピタルは都心オフィスを中心としたプロ用不動産投資と、クラウドファンディングによる個人向け投資の両輪で成長する企業であり、物件の目利き、運用ノウハウ、デジタルを活用した投資プラットフォームの強化を通じて、独自のポジションを築いている不動産投資会社といえる。
ロードスターキャピタル 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(単位百万) | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 一株益(EPS) | 一株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連20.12 | 16,979 | 4,484 | 4,168 | 2,700 | 152.5 | 24.5 |
| 連21.12 | 17,920 | 5,618 | 5,327 | 3,465 | 211.5 | 32 |
| 連22.12 | 23,637 | 7,545 | 7,230 | 4,843 | 301.7 | 50 |
| 連23.12 | 28,726 | 8,249 | 7,456 | 4,883 | 301.5 | 52.5 |
| 連24.12 | 34,421 | 11,447 | 10,699 | 6,871 | 416.7 | 70 |
| 連25.12予 | 47,900 | 13,200 | 11,600 | 7,600 | 457.4 | 83 |
| 連26.12予 | 52,000 | 15,600 | 14,000 | 9,100 | 547.7 | 83〜99 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位百万) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2022 | -1,517 | -232 | 3,226 |
| 2023 | -789 | -1 | 3,314 |
| 2024 | -18,656 | -475 | 19,858 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 28.7% | 25.7% | 6.4% | – | – |
| 2024 | 33.2% | 27.3% | 6.3% | 高値8.0倍 / 安値3.9倍 | 1.60倍 |
| 2025予 | 27.5% | 30.2% | 7.0% | 8.0倍 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ロードスターキャピタルの業績を見ると、売上は287億、344億、479億、520億と非常に強い伸びを示しており、営業利益も82億、114億、132億、156億と明確な成長軌道にある。利益の積み上がりが綺麗で、営業利益率も28.7%、33.2%、27.5%と高収益体質を維持しており、不動産投資会社としては群を抜いた収益性といえる。この利益率の高さは、単なる不動産売買の利益ではなく、投資判断の精度や運用力が反映されているため、事業の競争力そのものが強いことを示している。
純利益も48億、68億、76億、91億と一貫して増えており、EPSも年々増加している。ROEは25.7%、27.3%、30.2%と高水準で、資本効率は極めて良い。不動産関連企業としては異例の高さで、事業の回転率と収益性が優れていることが分かる。ROAも6%台から7%まで改善しており、資産の使い方も合格点を大きく超えている。
市場評価を見ると、2024年の実績PERは高値8.0倍、安値3.9倍と非常に低く、収益力に対して市場評価が割安に放置されてきたことがわかる。PBRも1.60倍で、成長株としては低めの水準にある。2025年の予想PERも8.0倍で、利益の伸びを考えると割安感はまだ強く残る。
総合すると、この企業は売上・利益ともに力強い成長を続け、高い利益率と高ROEを維持し、しかも市場での評価は割安という非常にバランスの良い状態にある。数値だけで見れば、成長性・収益性・財務効率・株価評価の全てが揃っており、投資対象としては上位クラスの魅力を持つ。特に営業利益率30%前後という水準は、不動産会社の中でも突出しており、競争優位と事業の継続性を強く感じさせる。
唯一の懸念点を挙げるなら、急速な事業拡大に伴うリスク管理や不動産市況の変動が今後の利益に影響する可能性がある点だが、現状の数字を見る限り、そのリスクを上回る収益力と成長力があると判断できる。割安なPERと高収益体質の組み合わせは、市場で評価される局面が来れば上昇余地を十分に秘めており、中長期投資としての適性はかなり高いと考えられる。
配当目的とかどうなの?
ロードスターキャピタルを配当目的で考える場合、予想配当利回りが25期で2.92%、26期で3.17%という水準は、一般的な日本株の平均利回りと比較するとやや高めで、配当株として一定の魅力を持っているといえる。ただし、高配当株として突出して高いわけではなく、どちらかというと「成長とセットで受け取る配当」という位置づけになる。
業績を見ると、売上・利益が勢いよく伸びており、営業利益率も30%前後、ROEは25〜30%と極めて高い。これだけ高収益な企業でありながら、配当を無理に増やしているわけではなく、利益の成長とバランスを取った配当政策を行っているのが特徴で、配当の持続性は比較的高いと見てよい。事業モデルも都心オフィス投資とクラウドファンディングが柱となっており、急激な収益悪化が起こりづらい構造を持っている。
一方で、企業としては依然として成長局面にあり、利益を内部に留保して事業に再投資する余地も大きい。そのため、配当を主目的とした投資家から見ると利回りは「悪くないが突出して高いわけでもない」という評価になる。むしろ、この銘柄の魅力は高い収益性と成長力であり、その結果として配当も自然と増えていくタイプの企業といえる。
総合すると、ロードスターキャピタルは配当目的としても一定の魅力はあるが、純粋な高配当株というより「成長企業の中では配当も魅力的」という位置づけになる。利回りが今後も3%前後で維持されれば、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙いたい投資家にとって相性の良い銘柄といえるだろう。
今後の値動き予想!!(5年間)
ロードスターキャピタルの株価が現在2,835円を基点とした場合、今後5年間の値動きは、営業利益率の高さ、ROE30%前後という資本効率の優秀さ、成長力の強さ、そして市場での割安評価(PER8倍前後)などを踏まえると、良い場合、悪い場合、中間の3つのシナリオに分けて考えることができる。
まず良い場合は、売上と利益が計画以上に伸び、コーポレートファンディング事業とクラウドファンディング事業の両方が継続的に拡大するシナリオである。営業利益率が30%前後を維持し、ROEも高水準を保てば、市場は成長力を再評価し、PERも10倍〜12倍程度まで戻る可能性がある。この場合、株価は上昇余地が大きく、5年間で5,000円から7,000円程度の価格帯まで到達するシナリオが十分に想定できる。
次に中間のシナリオでは、業績は順調に推移するものの、市場全体の環境や金利動向、不動産市況の影響により株価が急激に上がる展開にはならないケースである。PERも現状の水準(6〜9倍付近)で推移しやすく、株価は3,000円から4,500円程度の範囲で安定しやすい。このシナリオでは、業績は伸びるが株価は評価されるタイミングが限られるため、安定推移となりやすい。
最後に悪い場合は、不動産市況の悪化や金利上昇により投資採算が低下し、利益の成長が鈍化するケースである。営業利益率が低下したり、OwnersBookの集客や運用実績が伸び悩むと、PERは現在よりも下がり、3〜5倍台の低評価が続く可能性がある。この場合、株価は2,000円から2,600円程度まで下落することが想定され、業績次第では一時的に2,000円を割るリスクも完全には否定できない。
まとめると、良い場合は5,000〜7,000円、中間では3,000〜4,500円、悪い場合は2,000〜2,600円というレンジが想定される。ロードスターキャピタルは高収益体質である一方、市場評価が割安に放置されやすい特徴を持つため、業績の伸びが評価されるタイミングが来るかどうかが株価の分岐点となる。今後5年間は、不動産市況の流動性と投資家マインドの回復により、市場評価が上向くかどうかが最も重要なポイントになる。
この記事の最終更新日:2025年12月11日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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