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フリービット(3843)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

フリービットとは

フリービットは、集合住宅向けインターネット接続サービスを中核とする電気通信事業者であり、インターネット関連技術に強みを持つ企業である。主にインターネットサービスプロバイダを運営する企業に対して、通信インフラやネットワーク技術の提供を行ってきた。集合住宅向けネット接続はグループ全体の収益の柱となっており、安定した契約型ビジネスとして事業基盤を支えている。

同社は2000年に設立され、創業者はドリーム・トレイン・インターネットの事業立ち上げに関わった石田宏樹氏である。インターネット接続や通信制御に関する独自技術を武器に、ISP向けのインフラ・技術提供から事業を拡大してきた。ネットワークの認証、制御、運用といった分野に強みを持ち、通信とインターネットを組み合わせたサービス設計を得意としている。

フリービットグループには、ドリーム・トレイン・インターネット、ギガプライズ、フルスピード、ベッコアメ・インターネット、フォーイット、トーンライフスタイルなどの関連会社があり、それぞれが通信、ISP、集合住宅向けネット、広告、モバイル、生活関連サービスなどの役割を担っている。特にギガプライズを中心とした集合住宅向けインターネット事業は、長期契約を前提としたストック型の性格が強く、グループ全体の安定収益源となっている。

また、MVNO事業者向けの支援サービスも手がけており、通信回線やネットワーク制御のノウハウを活かして、モバイル通信分野にも関与している。加えて、フルスピードやフォーイットを通じて、アフィリエイト広告やインターネットマーケティング関連事業も展開しており、通信インフラに限らない事業の広がりを持っている点が特徴である。事業戦略面では、「インターネットをひろげ社会に貢献する」という理念を掲げ、2021年に中期経営計画「SiLK VISION 2024」を公表した。この中で、社会課題の解決と持続可能な社会の構築を意識し、3つの事業セグメントを軸とした成長を目指している。

5Gインフラ支援事業では、5G、eSIM、AI、ブロックチェーンといった技術を活用し、人だけでなく多様なモノをネットワークにつなぐための基盤を提供している。単なる通信回線の提供にとどまらず、その先で生まれるサービスや消費といった領域までを見据えたプラットフォーム構築を進めている。5G生活様式支援事業では、5Gインフラ支援事業で整備された基盤を活用し、安心・安全な生活、健康、働き方、住まいなど、5G時代の新しい生活様式に対応したサービスや市場の創出を支援している。

さらに、企業・クリエイター5G DX支援事業では、企業だけでなく、クリエイターやインフルエンサーといった新たな担い手も対象に、企画から価値創造、検証、市場投入、顧客との関係構築までを一貫して支援するプラットフォームを提供している。独自のDX手法を用いて、5G時代における新しいビジネスやサービスの創出を後押ししている。全体としてフリービットは、集合住宅向けインターネット接続という安定した事業を軸にしながら、通信インフラ技術を基盤として、MVNO支援、広告、5G、DXといった分野へ事業領域を広げてきた企業であり、通信とインターネットを中心に据えたプラットフォーム型の事業展開を続けている。

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直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株当り配当
(円)
連21.4 52,009 3,403 3,661 1,586 74.1 7
連22.4 43,075 3,165 2,878 827 41.9 7.5
連23.4 46,771 4,007 3,707 1,792 95.1 8
連24.4 53,037 5,887 5,756 3,566 178.6 27
連25.4 55,073 5,883 5,230 2,748 135.8 30
連26.4(予) 60,000 6,100 5,800 3,500 160.4 41
連27.4(予) 63,000 6,500 6,200 3,700 169.5 41〜50

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
連23.4 3,322 -644 -2,110
連24.4 4,225 -1,085 -2,720
連25.4 4,573 -687 -1,924

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 8.5% 21.7% 4.9%
2024 11.0% 30.6% 9.3%
2025 10.6% 42.4% 6.7% 13.0倍(高) / 6.8倍(安) 4.96倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず利益の規模を見ると、24年4月期の営業利益は約58億円、経常利益は約57億円、純利益は約35億円となっている。25年4月期は営業利益が約58億円と横ばい、経常利益は約52億円、純利益は約27億円とやや減少しているが、26年4月期予想では営業利益が約61億円、経常利益が約58億円、純利益が約35億円まで回復する見通しとなっている。利益水準自体は高く、年度ごとの振れはあるものの、事業としての稼ぐ力は大きい。

営業利益率は23年8.5%、24年11.0%、25年10.6%と、一時的に大きく改善した後、やや低下しているが、依然として10%前後を維持している。水準としては十分高く、収益性の高い事業構造であることが分かる。ただし、右肩上がりで安定的に伸びているというよりは、年ごとの変動が出やすい印象もある。

ROEは23年21.7%、24年30.6%、25年42.4%と急激に上昇しており、数値だけを見ると非常に高い水準に達している。一方で、ROAは23年4.9%、24年9.3%、25年6.7%と上下があり、資産全体から安定して利益を生み出しているというよりは、自己資本の効率が強く出ている構造だと読み取れる。ROEの高さは魅力だが、持続性については慎重に見る必要がある。

バリュエーション面では、25年の実績PERは高値平均で13.0倍、安値平均で6.8倍となっている。利益水準やROEの高さを考えると、13倍は割高感がなく、6倍台まで下がる局面があれば明確に割安といえる水準である。一方、PBRは4.9倍とかなり高く、これはROEの高さを市場が強く評価している結果だと考えられる。

総合すると、この銘柄は利益規模が大きく、営業利益率も高水準で、ROEが非常に高いという点が強みである。一方で、利益やROAには年ごとの振れがあり、常に安定した成長を前提にするのはやや慎重であるべきだと感じる。PER水準から見ると、株価が高値圏にある場合は過度な上値余地は期待しにくいが、安値圏に近づく場面では、数字だけを見ても投資妙味は十分に出てくる。結論としては、安定成長株というよりは、高い収益性とROEを背景に評価される銘柄であり、価格水準を見極めながら中期的に向き合うタイプの投資が適している、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

26年4月期、27年4月期ともに予想配当利回りは2.6%となっている。この水準は、日本株全体で見ると低すぎるわけではないが、いわゆる高配当株と呼べるほど高い利回りではない。配当収入を主目的に据える投資スタイルの場合、他により利回りの高い選択肢は多く、配当だけを理由に選ぶ銘柄ではないと感じる。一方で、これまでの利益水準を見ると、営業利益は50億円超、純利益も30億円前後の規模があり、事業としての稼ぐ力は十分にある。営業利益率も10%前後と高く、配当の原資となる利益自体は安定して確保できている。このため、配当の継続性や減配リスクという点では、過度に心配する必要は小さい。

ROEが40%を超える水準まで上昇していることを考えると、会社は内部資本を効率よく使って利益を生み出しており、配当を出しながらでも成長投資や財務の余力を確保できる構造にある。ただし、配当利回りが2.6%で横ばいという点からは、会社が配当を大きく引き上げるよりも、事業成長や資本効率の維持を優先している姿勢が読み取れる。

そのため、この銘柄は純粋な配当目的、つまり安定した高配当収入を狙う投資には向きにくい。一方で、利益水準が高く、将来的に配当額が増える余地はあるため、株価の値動きと配当を合わせて考える投資とは相性がいい。配当をもらいながら、中期的な株価の評価変化を狙う形であれば、納得感のある銘柄と言える。結論として、配当を最優先に考える投資には物足りないが、業績や収益性を前提にした中期保有で、配当はあくまで補助的な位置づけと考えるなら、十分に許容できる配当水準、という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価1,575.0円を起点に今後5年間を見ると、フリービットは集合住宅向けインターネット接続を安定収益の柱としつつ、通信インフラ、MVNO支援、広告関連事業などを組み合わせた事業構造を持つ企業である。営業利益は50億円規模まで拡大し、営業利益率も10%前後と高い水準にある一方、純利益やROAには年ごとの変動が見られる。ROEは40%超と非常に高く、株価は配当よりも業績と資本効率への評価によって動きやすい性格を持っている。

良い場合のシナリオでは、集合住宅向けネット接続事業が安定的に拡大し、5Gや通信関連の周辺事業も着実に積み上がる展開を想定する。営業利益が60億円前後で安定し、営業利益率が10%台を維持できれば、ROEも30%台後半から40%前後を保つ可能性がある。この場合、市場はフリービットを高収益な通信・インターネット関連企業として評価し、PERは12〜15倍程度が許容されやすくなる。利益成長とともに株価も段階的に切り上がり、5年後には2,600円〜2,900円程度まで上昇する展開が考えられる。

中間のシナリオでは、事業基盤は維持されるものの、利益の伸びは緩やかになり、営業利益や純利益に年ごとの振れが続くケースを想定する。ROEは現在のピーク水準からやや低下し、市場の評価も落ち着く。この場合、PERは8〜11倍程度に収れんし、株価は大きくは動かず、現在値1,575.0円を中心に推移する時間が長くなる。5年後の株価水準としては1,900円〜2,200円程度が現実的なレンジとなり、配当を受け取りながら緩やかな値上がりを期待する形になる。

悪い場合のシナリオでは、通信関連事業の成長が鈍化し、営業利益率が一桁台まで低下するケースを想定する。ROEも大きく低下すると、市場は高収益企業としての評価を引き下げ、PERは6〜8倍程度まで低下しやすい。配当利回りは2%台にとどまるため下支えは限定的で、株価は1,575.0円から1,200円前後まで調整する可能性がある。その後も回復には時間がかかり、5年後でも1,300円〜1,600円程度にとどまる展開が考えられる。

総合すると、現在値1,575.0円を起点としたフリービットの今後5年間の値動きは、良い場合で2,600円〜2,900円、中間で1,900円〜2,200円、悪い場合で1,300円〜1,600円といったレンジが想定される。高配当や値動きの安定性を重視する銘柄ではなく、業績の持続性やROEの変化を見極めながら、中長期で値幅を取りにいく投資と相性の良い銘柄と言える。

この記事の最終更新日:2025年12月14日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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