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ダブルスタンダードとは

ダブルスタンダードは、企業向けビッグデータの生成・提供と、その過程で培った技術を活用したサービス企画・システム開発を2本柱とするIT企業である。東京都港区に本社を置き、企業や金融機関向けにデータ活用や業務効率化、DX推進を支援している。SBIグループが第2位株主となっており、金融分野との関係性が深い点も特徴の一つだ。JPX日経中小型株指数の構成銘柄にも選定されている。
同社の中核となるのは、ビッグデータ関連事業である。企業が保有する大量かつ形式の異なるデータを収集し、加工・整備・正規化することで、業務に活用可能な高品質データとして提供している。住所情報や企業情報、取引データなどを対象としたデータクレンジング技術に強みを持ち、金融、不動産、情報サービス分野を中心に、継続性の高い取引を積み上げてきた。単発案件よりも、長期的なデータ処理や運用を伴う案件が多く、安定した収益につながっている。
もう一つの柱であるサービス企画・開発事業では、ビッグデータの生成過程で蓄積した技術基盤やノウハウを活用し、企業の業務効率化やDXを目的とした各種サービスの企画・開発を行っている。多くの大手企業との取り組みで培った知見をもとに、業務プロセスを自動化・高度化するシステムやサービスを提供しており、データ生成事業との相乗効果が強い点が特徴である。
ダブルスタンダードはDXを経営の中核に据え、「市場、技術の変化に先んじて新しい常識を創る」というミッションのもと、創業以来、ビッグデータ処理やデータクレンジング技術の研究・実験を継続してきた。こうした技術基盤を応用・転用することで、低コストかつ高品質なDXサービスを生み出し、顧客の業務効率化やデジタル化を支援している。
組織面では、小規模組織であることを強みに、CTOやCIOだけでなく全社員がDX推進に関わる体制を構築している。自社単独での新サービス開発に加え、クライアント企業との協業による商品開発にも積極的で、プラットフォーム化されたデータクレンジング技術基盤を継続的に改修しながら、幅広い業界に対応できる技術力を磨き続けている。
社内においてもDX活用を進めており、工数管理やプロジェクト管理の自動化、請求書や給与、経理、契約関連業務の電子化・クラウド化を実現している。テレワーク環境の整備やeラーニングの活用など、生産性向上と業務効率化を目的とした取り組みも継続して行っている。全体としてダブルスタンダードは、ビッグデータ処理とデータクレンジングという専門性の高い技術を軸に、企業のDX推進を支えるニッチだが需要の高い領域に特化した企業である。派手な規模拡大よりも、技術力と高付加価値サービスを重視し、継続性の高いビジネスモデルを構築している点が同社の特徴といえる。
ダブルスタンダード 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益(EPS) | 一株当り配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 6,911 | 2,121 | 2,111 | 1,625 | 119.7 | 50 |
| 連24.3 | 7,147 | 2,309 | 2,296 | 1,654 | 122.0 | 55 |
| 連25.3 | 8,000 | 2,606 | 2,608 | 1,782 | 131.9 | 60 |
| 連26.3 予 | 7,200 | 2,100 | 2,000 | 1,450 | 107.3 | 70(記) |
| 連27.3 予 | 8,200 | 2,700 | 2,700 | 1,850 | 136.9 | 70 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 (百万円) |
営業キャッシュフロー | 投資キャッシュフロー | 財務キャッシュフロー |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 1,440 | 126 | -542 |
| 2024.3 | 1,435 | -363 | -771 |
| 2025.3 | 1,994 | -138 | -970 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | 30.6% | 35.5% | 28.9% | — | — |
| 2024.3 | 32.3% | 30.3% | 25.1% | — | — |
| 2025.3 | 32.5% | 27.9% | 23.6% |
高値平均 20.1倍 安値平均 11.5倍 |
3.79倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績を見ると、連24.3は売上高71億円、営業利益23億円、経常利益22億円、純利益16億円。連25.3は売上高80億円、営業利益26億円、経常利益26億円、純利益17億円。連26.3予は売上高72億円、営業利益21億円、経常利益20億円、純利益14億円となっている。売上は24年から25年にかけて拡大した後、26年予想では一時的に減少する見込みだが、それでも営業利益は20億円超、純利益も二桁億円を維持しており、利益水準自体は非常に高い。売上規模に対して利益額が大きく、付加価値の高いビジネスであることが数字からはっきり分かる。
収益性を見ると、営業利益率は2023年30.6%、2024年32.3%、2025年32.5%。ROEは35.5%、30.3%、27.9%。ROAは28.9%、25.1%、23.6%。営業利益率が3年連続で30%を超え、ROE・ROAも20%台後半から30%超というのは、日本株全体で見ても極めて高水準であり、収益力と資本効率の両面でトップクラスの企業と言える。やや低下傾向は見られるものの、水準自体が高すぎるため、依然として圧倒的な数値である。
次にバリュエーションを見ると、2025年実績PERは高値平均20.1倍、安値平均11.5倍、実績PBRは3.7倍となっている。PERは高収益企業としては妥当なレンジであり、極端な割高感はない。一方でPBRは3倍台後半とやや高めだが、ROEが20%後半を維持していることを考えれば、理論的には説明がつく水準である。
以上の数値だけで判断すると、ダブルスタンダードは売上成長に多少のブレはあるものの、営業利益率、ROE、ROAが非常に高く、利益創出力そのものが圧倒的に強い企業である。一方で、PERは中程度、PBRはやや高めで、市場はすでに高収益体質をある程度織り込んでいる状態と言える。
結論として、ダブルスタンダードは高成長株というよりも、「超高収益・高効率企業」として評価すべき銘柄であり、業績が大きく崩れない限り、株価の下値は比較的堅い。一方で、収益性のピークアウトが意識される局面では評価調整が起きやすく、上値余地は利益成長次第となる。数値だけで見る限り、「非常に強い稼ぐ力を持つが、評価はすでに一定水準まで来ている」企業、という投資判断になる。
配当目的とかどうなの?
配当目的という観点で見ると、ダブルスタンダードはかなり魅力がある部類に入る。予想配当利回りは連26.3で4.09%、連27.3でも4.09%と高水準で、日本株全体の平均配当利回りと比べても明確に高い。4%を超える利回りが予想ベースで2年続く点は、インカムゲインを重視する投資家にとって大きな評価ポイントになる。
これまで見てきた数値を踏まえると、営業利益率は30%超、ROE・ROAも20%台後半と極めて高く、本業の収益力は非常に強い。営業キャッシュフローも安定して黒字を確保しており、配当の原資となるキャッシュ創出力には余裕がある。売上には多少の変動があるものの、利益水準は依然として高く、配当を維持できる体力は十分にあると判断できる。
PERが11倍台から20倍程度、PBRが3倍台後半という評価水準を考えると、成長期待だけに支えられた配当ではなく、「高収益を背景にした現実的な配当」という位置づけになる。配当利回りが高いため、株価が多少調整した場合でも利回りが下支えとして機能しやすい点も強みだ。
結論として、ダブルスタンダードは配当目的でも十分に検討できる銘柄と言える。高成長株というより、超高収益体質を背景にした高配当株という性格が強く、キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視する中長期投資との相性は良い。数値だけで見る限り、配当目的に「向かない理由」は見当たらず、むしろ高水準な部類、という評価になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ダブルスタンダードは、企業向けビッグデータの生成・提供と、その過程で培った技術を活用したサービス企画・開発を中核とするデータ活用型IT企業である。データクレンジング技術を基盤に、金融機関や不動産、情報サービス分野を中心とした大手企業向けに高付加価値なサービスを提供しており、SBIグループが第2位株主である点も特徴だ。売上規模は大きくないものの、営業利益率は30%超と極めて高く、営業利益、経常利益、純利益はいずれも高水準を維持している。
ROEは20%台後半から30%前後、ROAも20%台と、日本株全体でもトップクラスの資本効率を誇る。一方で成長性にはやや波があり、株価は業績の伸びよりも収益性の持続性や評価水準に左右されやすい。配当利回りは4%前後と高く、株主還元姿勢が強い点もラクスとは対照的である。現在の株価は1,708.0円であり、ここから今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合で考えていく。
良い場合のシナリオでは、ビッグデータ活用やDX需要の拡大を背景に、データ生成・提供事業とサービス企画・開発事業の両輪が安定して成長するケースを想定する。高付加価値案件の比率が維持され、営業利益率は30%超を継続、ROE、ROAも高水準を保つことで、超高収益企業としての評価が市場に定着する。配当利回り4%前後という水準も評価され、インカム狙いと高収益評価の両面から資金が流入する。この場合、PERは高値平均に近い20倍前後まで許容され、現在値1,708.0円を起点として、5年後の株価は2,400円から2,900円程度まで上昇する展開が考えられる。値上がり益に加え、配当込みでのトータルリターンが大きくなる強気のシナリオだ。
中間のシナリオでは、事業の収益性は高水準を維持するものの、売上や利益にやや波があり、成長企業としての評価は限定的になるケースを想定する。営業利益率やROE、ROAは依然として高いが、ピークアウト意識もあり、市場評価は落ち着く。配当利回りの高さが下支えとなり、PERは12倍から15倍程度に収れんする。この場合、株価は大きく上昇せず、現在値1,708.0円を中心に上下しながら推移し、5年後の水準は1,700円から2,100円程度にとどまる可能性が高い。キャピタルゲインは限定的だが、配当を含めた安定運用向きの展開となる。
悪い場合のシナリオでは、主要顧客の案件減少や競争激化により、高収益体質の持続性に対する不安が強まるケースを想定する。営業利益率は30%を下回り、ROE、ROAも低下することで、市場は評価を引き下げる。高配当は維持されるものの、成長期待の後退からPERは10倍前後まで切り下げられる可能性がある。この場合、現在値1,708.0円から株価は調整局面に入り、5年後の株価は1,200円から1,500円程度にとどまる展開も考えられる。ただし、配当利回りは上昇するため、下値は一定程度限定されやすい。
総合すると、現在値1,708.0円を起点としたダブルスタンダードの今後5年間の値動きは、良い場合で2,400円から2,900円前後、中間で1,700円から2,100円、悪い場合で1,200円から1,500円といったレンジが想定される。事業の成長性はラクスほど高くないものの、圧倒的な収益性と高配当を兼ね備えており、配当を受け取りながら中長期で安定したリターンを狙う投資家にとって位置づけしやすい銘柄だといえる。
この記事の最終更新日:2025年12月15日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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