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ベース(4481)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ベースとは

株式会社ベースは、システム受託開発を主力とする独立系SI企業であり、金融・流通・物流などの基幹業務システムを中心に、企業のITインフラを長期的に支える事業を展開している。本社は東京都千代田区に置き、日本国内に加えて中国にも2拠点を構え、開発力の強化とコスト競争力の確保を進めている。経営方針としては、安定した受注と利益確保を重視しつつ、配当性向50%程度を目安とした株主還元にも力を入れている点が特徴である。

事業の中核となるのがSIサービス事業である。顧客企業の業務内容を深く理解した上で、要件定義から設計、開発、テスト、運用保守までを一貫して提供する体制を構築しており、特に証券・金融業界での実績が豊富である。銀行、証券、保険といった高い信頼性と安定稼働が求められる分野で多数の案件を手がけてきたことから、品質管理やプロジェクトマネジメント力に定評がある。システム運用保守についても、長期契約が多く、継続的なストック型収益につながっている。

ERPソリューション事業では、SAPを中心としたERPパッケージの導入および保守支援を行っている。システム設計構築(BASIS)を含む導入プロセス全体をカバーし、会計(FI/CO)、購買(MM)、販売(SD/CRM)、コマース(Hybris)、アナリティクスといった主要モジュールに強みを持つ。追加開発ではABAPに限らず、Fiori、Javaなどを用いたWEB系・クラウド系開発にも対応しており、大規模な受託開発案件にも柔軟に対応できる体制を整えている。企業の基幹システム刷新やDX推進の流れを背景に、ERP分野は今後も安定した需要が見込まれている。

ICTソリューション事業では、SIで培ったノウハウと先端技術を活かし、ベース独自の企業向けソリューションを展開している。その代表例がe-KYC、オンライン本人確認サービスである。犯罪収益移転防止法施行規則の改正により、金融機関を中心にオンライン本人確認のニーズが急速に高まる中、銀行や証券会社をはじめとする多様な業種で利用可能なサービスを提供している。金融IT分野での豊富な実績と法規制への対応力を背景に、信頼性の高いソリューションとして位置付けられている。

主要取引先には、アクセンチュア、伊藤忠テクノソリューションズ、SCSK、NTTデータ、SBI証券、auカブコム証券など、大手SIerや金融機関が並んでおり、取引基盤は非常に安定している。これらの顧客との長期的な関係性が、継続受注や大型案件の獲得につながっている。

総じて株式会社ベースは、派手な成長を狙うITベンチャーではなく、金融分野を中心とした受託開発、ERP、ICTソリューションを組み合わせ、堅実に利益を積み上げるタイプのSI企業である。安定した顧客基盤と高い技術力を背景に、景気変動の影響を受けにくい事業構造を持ち、加えて配当性向50%を目安とする株主還元姿勢から、成長とインカムのバランスを重視する投資家にも意識されやすい企業と言える。

ベース 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株当たり配当(円)
連22.12 17,045 3,910 3,931 2,726 150.9 76
連23.12 18,708 4,702 4,692 3,433 187.6 92
連24.12 20,230 5,226 5,236 3,871 207.1 102
連25.12予 22,500 6,100 6,100 4,200 231.5 117
連26.12予 26,100 7,320 7,320 4,830 266.2 134

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2022 3,667 -38 -948
2023 3,281 -1,200 -1,745
2024 3,875 52 -2,924

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 25.1 28.2 21.0
2024 25.8 29.2 21.8 高値平均 26.8
安値平均 13.2
4.29
2025 27.1 31.7 23.6 14.5

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見ると、2023年12月期は売上187億円、営業利益47億円、経常利益46億円、純利益34億円である。2024年12月期は売上202億円、営業利益52億円、経常利益52億円、純利益38億円と、すべての利益段階で着実な増加を示している。2025年12月期予想では売上225億円、営業利益61億円、経常利益61億円、純利益42億円、2026年12月期予想では売上261億円、営業利益73億円、経常利益73億円、純利益48億円と、売上・利益ともに高い成長率を維持する前提となっている。

収益性を見ると、営業利益率は2023年25.1%、2024年25.8%、2025年予想27.1%と非常に高水準で、かつ年々改善している。SI企業としては異例とも言える水準であり、価格競争に巻き込まれにくい事業構造と高付加価値な案件比率の高さが強く表れている。

資本効率の面では、ROEが2023年28.2%、2024年29.2%、2025年予想31.7%、ROAが2023年21.0%、2024年21.8%、2025年予想23.6%と、いずれも国内上場企業の中でもトップクラスの水準にある。利益成長だけでなく、資本を極めて効率的に使えている点が、この企業の最大の強みと言える。

バリュエーションを見ると、2024年実績PERは高値平均26.8倍、安値平均13.2倍で推移しており、PBRは4.2倍と高い。一方で、2025年予想PERは14.5倍まで低下する見込みであり、これは利益成長が株価水準に追いついてくる前提を示している。高いROEと高成長を考慮すれば、PBRが高めであること自体は必ずしも過剰とは言い切れない。

以上を総合すると、この銘柄は売上成長、利益成長、営業利益率、ROE、ROAのすべてが高水準で揃っており、事業の質という点では非常に優秀である。特に営業利益率25%超、ROE30%前後という数値は、単なる安定SI企業ではなく、高収益モデルとして確立されていることを示している。

投資判断としては、PBRは高いものの、利益成長がそれを正当化しており、2025年予想PERが14倍台まで低下する点を踏まえると、成長性とバリュエーションのバランスは良好である。急落局面を待つ必要はあるものの、長期的には業績の積み上がりによって株価が追随しやすいタイプの銘柄と評価できる。結論として、株式会社ベースは「高収益・高効率・安定成長が同時に成立している優良SI企業」であり、短期の割安感よりも、中長期での業績成長と資本効率の高さを評価して保有する投資に適した銘柄、という判断になる。

配当目的とかどうなの?

株式会社ベースを配当目的で見ると、かなり相性が良い銘柄と評価できる。連25.12期の予想配当利回りは3.60%、連26.12期は4.12%と、SI業界の中では明確に高水準に入る。しかも、この配当水準は一時的な無理配ではなく、営業利益率25%超、ROE30%前後という極めて高い収益力を背景にしている点が大きい。

同社は配当性向50%を目安としており、利益成長に応じて配当も素直に増えていく構造になっている。実際にEPSと配当は年々着実に増加しており、配当の持続性・成長性の両面で安心感がある。キャッシュフローも安定しており、配当原資に不安は見られない。

一方で、PBRは高めで、株価が大きく割安というタイプではないため、短期の値上がり益を狙うよりも、配当を受け取りながら業績成長に伴う緩やかな株価上昇を狙うスタンスが向いている。高配当株にありがちな「業績停滞型」ではなく、高収益・成長型で利回りも高いという点が、この銘柄の最大の強みである。

まとめると、この銘柄は、配当だけを目的に買うインカム株としても十分成立し、さらに業績成長による増配と株価の上昇余地も期待できる「高収益成長型+高配当」銘柄という位置付けがしっくりくる。高配当の安心感を得ながら、中長期で業績の積み上がりを取りにいく投資には、非常に相性の良い銘柄という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社ベースは、現在株価3,245.0円を基準に見ると、派手な成長株というよりも、高収益性と高配当を両立するSI(システムインテグレーション)企業として、安定収益と配当利回りを重視した投資に向く銘柄と位置づけられる。営業利益率は25%超、ROEは30%前後と極めて高い収益性を有し、配当利回りも3~4%台と魅力的である。ただし、株価評価は利益水準を織り込んでいるため、短期的な急騰は想定しにくい。この前提を踏まえて、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、金融・流通・物流分野を中心とした受託開発案件が堅調に推移し、ERPソリューションやICTソリューションが収益の柱として更に成長する展開を想定する。営業利益率は26〜28%台、ROEは30%超を維持し、配当性向50%の方針に基づく増配も続く。この場合、市場は高収益企業としての評価を強め、PERは15〜18倍程度、PBRも3〜4倍台で安定する可能性がある。5年後の株価水準は4,200円から4,800円程度が目安となり、配当を受け取りながら着実な株価上昇が期待できる強気寄りのシナリオとなる。

中間のシナリオでは、受託開発の伸びは継続するものの、ERP・ICT分野の伸びが緩やかで、利益率やROEの改善は限定的にとどまるケースを想定する。営業利益率は25%前後、ROEは25〜28%程度で推移し、市場評価もPER12〜15倍、PBR2.5〜3.5倍程度に落ち着く。この場合、5年後の株価は3,400円から3,900円程度となり、現在値から緩やかな上昇にとどまる中立的なシナリオとなる。配当を含めたトータルリターンはプラスだが、大きな値幅は出にくい。

悪い場合のシナリオでは、受託開発案件の競争激化や原価上昇が重荷となり、利益率の低下が続く展開を想定する。営業利益率は23%前後、ROEも20%台に低下し、投資評価は慎重になる。市場評価はPER10〜12倍、PBR2倍前後まで切り下がる可能性がある。この場合、5年後の株価は2,300円から2,800円程度にとどまり、配当利回りは維持されても株価面でのリターンは限定的となる弱気シナリオとなる。

総合すると、現在株価3,245.0円を起点としたベースの5年間の値動きは、良い場合で4,200円から4,800円前後、中間で3,400円から3,900円、悪い場合で2,300円から2,800円といったレンジが想定される。高い収益性と安定配当を背景に、中長期でトータルリターンを狙う投資と相性の良い銘柄と評価できる。

この記事の最終更新日:2025年12月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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