株価
イシンとは

イシン株式会社は、企業の自治体向けマーケティング支援を主力とする企業であり、自治体と民間企業の連携を支援する公民共創事業や、新興企業の支援事業などを展開している。企業が自治体向けにサービスや製品を提案する際のマーケティング活動を支援するプラットフォーム型ビジネスを中心としており、ポータルサイトなどを活用したストック型収益の成長が進んでいる企業である。本社は東京都港区港南に所在し、自治体・企業・スタートアップをつなぐネットワーク型の事業を展開している。
同社の主力事業は「公民共創事業」「グローバルイノベーション事業」「メディアPR事業」の3つである。公民共創事業では、自治体と民間企業の共創を支援するサービスを展開している。自治体の経営力向上をテーマとした情報メディア「自治体通信」を中心に、企業が自治体向けにマーケティングを行うための各種ソリューションを提供している。
また、自治体と民間企業の情報流通を促進する「BtoGプラットフォーム」を運営し、企業が自治体へ製品やサービスを提案するためのWebマーケティング活動を総合的に支援している。
グローバルイノベーション事業では、日本と米国シリコンバレーの2拠点体制で日系企業のオープンイノベーションを支援している。スタートアップ情報を発信するメディア「TECHBLITZ」や、成長産業に特化した情報ポータルサイト「BLITZ Portal」を運営しており、国内外のスタートアップ企業やテクノロジー企業の情報を提供している。
また、オープンイノベーションをテーマとしたイベントや企業向けの研修サービスなども提供しており、大企業の新規事業開発やスタートアップ連携を支援している。
メディアPR事業では、ベンチャー企業のブランディングや採用活動を支援するサービスを展開している。1999年に創刊されたベンチャー業界メディア「ベンチャー通信」をはじめ、経営者向け情報メディア「経営者通信」、全国の社長インタビューを掲載する「ニッポンの社長」、海外進出情報サイト「ヤッパン号」など、複数のビジネスメディアを運営している。
また、成長企業を対象とした有料会員制サービス「ベストベンチャー100」や、西日本の企業を対象とした「ベストベンチャーWEST100」なども展開している。さらに、採用オウンドメディアを制作・運用するクラウドサービス「HIKOMA CLOUD」を提供し、企業の採用マーケティングを支援している。
イシンは1999年にベンチャー業界メディア「フロンティア(現ベンチャー通信)」を創刊したことを起点として事業を拡大してきた。2005年には東京都渋谷区で株式会社幕末を設立し、その後本社を港区白金台、新宿などへ移転しながら事業規模を拡大した。
2012年にはシンガポール現地法人を設立し、2015年には米国法人Ishin USAを設立するなど海外展開も進めている。2014年には社名をイシン株式会社へ変更し、自治体向けメディア「自治体通信」を創刊するなど公民共創分野の事業を本格化させた。
近年は新規事業にも積極的で、2019年には採用オウンドメディア制作サービス「HIKOMA CLOUD」を開始し、2020年には自治体と民間企業の情報流通プラットフォーム「RABAN」を提供開始した。2021年には成長産業向け情報ポータル「BLITZ Portal」を立ち上げ、2022年にはBtoGプラットフォームサービスを開始している。
2024年には東京証券取引所グロース市場に上場し、2024年にはHR事業として人材紹介事業を開始、2025年には株式会社レプセルを子会社化し、さらにM&A仲介事業にも参入するなど事業領域を拡大している。
グループには、米国法人Ishin USA, Inc.、投資会社Ishin Global Fund I Limited、GMOインターネットとの合弁会社であるGMOベンチャー通信スタートアップ支援株式会社、子会社の株式会社レプセルなどがあり、国内外で企業支援やイノベーション関連事業を展開している。また大阪の西日本オフィスや高知オフィスなど国内拠点も設けており、企業と自治体、スタートアップを結び付けるプラットフォーム型ビジネスを中心に事業を拡大している企業である。
イシン 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.3 | 1,024 | 71 | 116 | 97 | 60.8 | 0 |
| 連23.3 | 1,148 | 95 | 111 | 83 | 52.4 | 0 |
| 連24.3 | 1,280 | 200 | 188 | 126 | 78.6 | 0 |
| 連25.3 | 1,393 | 245 | 211 | 177 | 92.7 | 0 |
| 連26.3予 | 1,550 | 40 | 20 | 20 | 10.3 | 0 |
| 連27.3予 | 1,700 | 100 | 100 | 80 | 41.4 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 106 | -17 | 0 |
| 2024 | 225 | -24 | 208 |
| 2025 | 102 | -89 | 63 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 8.2% | 5.1% | ― | ― | ― |
| 2024 | 15.6% | 6.3% | 13.3% | ― | ― |
| 2025 | 17.5% | 8.1% | 14.7% | 15.7〜28.2 | 1.25 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
イシンは、売上を見ると12.8億円→13.9億円→15.5億円予想と拡大しており、事業規模としては成長している企業です。自治体向けマーケティング支援や企業向けの情報プラットフォーム事業などを展開しており、ストック型収益の拡大が進めば売上は伸びやすい構造になっています。
ただし利益面を見ると、営業利益は2.0億円→2.4億円→0.4億円予想、経常利益は1.8億円→2.1億円→0.2億円予想、純利益は1.2億円→1.7億円→0.2億円予想となっており、2026年予想では利益が大きく減少する見込みになっています。売上が伸びているにもかかわらず利益が急減する予想となっているため、投資や事業拡大によるコスト増などの影響が出ている可能性があります。
収益性を見ると、営業利益率は8.2%→15.6%→17.5%と大きく改善しています。2025年の営業利益率17.5%はかなり高い水準であり、事業モデルとしては高収益型のビジネスに近い構造を持っていると考えられます。売上がそれほど大きくない企業でも利益率が高ければ収益力の評価は高まりやすく、この点はポジティブなポイントです。
資本効率を見ると、ROEは13.3%→14.7%、ROAは5.1%→6.3%→8.1%と改善しています。特にROE14.7%は資本効率としては良好な水準であり、利益を効率よく生み出している企業と言えます。ROAも8.1%まで上昇しているため、企業の収益力自体は比較的高い水準にあります。
株価評価を見ると、2025年の実績PERは15.7倍〜28.2倍、PBRは1.2倍となっています。高成長IT企業ほどの評価ではありませんが、中小型の成長企業としては平均的な評価水準です。PBRも1倍を少し上回る程度であり、極端な割高株というわけではありません。
これらの数値だけで判断すると、イシンは売上成長と高い営業利益率を持つ企業ですが、2026年予想では利益が大きく落ち込む見込みとなっている点が最大のリスクです。直近の実績では営業利益2.4億円、純利益1.7億円と成長している一方で、翌期予想では営業利益0.4億円、純利益0.2億円まで減少するため、業績の変動が大きい企業とも言えます。
投資判断としては、事業モデル自体は高利益率で成長余地もあるものの、利益の変動が大きい小型成長株という位置付けになります。営業利益率やROEは高水準ですが、業績予想が大きく変動しているため株価も業績に左右されやすいタイプです。安定した大型企業というより、成長期待と業績変動の両方を持つ中小型のグロース銘柄として見る方が近い企業です。
配当目的とかどうなの?
イシンを配当目的で考える場合、結論としては配当狙いの投資には向いていない銘柄です。予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに0.00%となっており、現時点では配当が予定されていません。そのため株を保有していても配当収入は得られず、インカムゲインを目的とした投資には適していない企業です。
業績面を見ると、売上は12.8億円→13.9億円→15.5億円予想と拡大しているものの、利益は営業利益2.0億円→2.4億円→0.4億円予想、純利益1.2億円→1.7億円→0.2億円予想と大きく変動しています。営業利益率は17.5%と高水準ではありますが、翌期は利益が大きく落ち込む予想になっており、利益の安定性はまだ高いとは言えません。このような段階の企業は、利益を株主還元よりも事業投資や成長投資に回すケースが多く、配当が出ないこと自体は珍しくありません。
また評価面を見ると、2025年の実績PERは15.7倍〜28.2倍、PBRは1.2倍となっており、株価は配当ではなく成長期待によって評価されている銘柄です。成長企業の場合、配当よりも売上拡大や利益成長による株価上昇を狙う投資スタイルが中心になります。
そのためイシンは、高配当株のように配当収入を目的として長期保有する銘柄ではなく、事業拡大やストック収益の成長による株価上昇を狙うキャピタルゲイン型の銘柄です。将来的に利益規模が大きくなれば配当を開始する可能性はありますが、現時点の数値だけを見る限り、配当株として評価できる段階にはまだ達していない企業と言えます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価777円で見ると、イシンは売上が12.8億円から13.9億円、さらに15.5億円予想と拡大しており、自治体向けマーケティング支援や企業のオープンイノベーション支援を中心とした事業で成長している企業である。自治体と民間企業をつなぐBtoGプラットフォームやメディア事業などを展開しており、ストック型サービスの拡大が進めば売上は今後も伸びやすい構造を持っている。
一方で利益面を見ると、営業利益は2.0億円から2.4億円と増加した後、0.4億円予想まで大きく減少する見込みとなっており、成長投資や新規事業への投資の影響で利益が変動しやすい企業でもある。ただし営業利益率は8.2%から15.6%、17.5%と大きく改善しており、事業モデル自体は利益率の高いビジネスに近い構造になっている。
良い場合は、自治体向けマーケティング支援やBtoGプラットフォームの利用企業が増え、ストック型収益が拡大するケースである。自治体DXや民間企業の自治体向けビジネスの拡大などの追い風を受けて売上が25億円以上まで拡大し、営業利益が3億円から4億円程度まで成長する可能性がある。営業利益率が20%前後まで上昇し、ROEも15%以上の水準を維持できれば成長企業としての評価が高まり、PERも30倍前後まで評価される可能性がある。その場合、株価は1,400円から1,900円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が20億円前後まで緩やかに成長し、営業利益も2億円前後の水準で推移するケースである。自治体向けビジネスは市場自体が急拡大する分野ではないため、急成長というよりは安定成長型の推移になる可能性もある。この場合はPERも現在と近い20倍前後で推移する可能性があり、株価は700円から1,000円程度のレンジで推移する可能性がある。売上は伸びるものの株価は大きく上昇せず、緩やかな値動きになるパターンである。
悪い場合は、新規事業投資や人材投資の負担が続き、営業利益が1億円前後の低水準で推移するケースである。売上は伸びても利益が伴わない状態が続くと市場の評価は低下し、PERも10倍から15倍程度まで低下する可能性がある。小型グロース株は業績が期待に届かない場合の株価調整が大きくなりやすく、この場合は株価が400円から600円程度まで下落する可能性がある。
まとめると、この会社は自治体向けマーケティング支援という独自分野で成長を目指している小型グロース企業であり、売上は拡大傾向にある一方で利益の変動が大きい企業でもある。営業利益率やROEは比較的高い水準にあるため事業モデル自体は収益性が高いが、新規投資の影響で利益が変動する可能性がある。
5年間の株価イメージとしては、良い場合1,400円から1,900円、中間の場合700円から1,000円、悪い場合400円から600円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。小型成長株らしく、業績次第で株価の振れ幅が大きくなりやすい銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す