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明光ネットワークジャパン(4668)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

明光ネットワークジャパンとは

明光ネットワークジャパンは、小学生・中学生・高校生向けの個別指導補習塾「明光義塾」を中核とする教育サービス企業で、東京証券取引所プライム市場に上場している。東京都新宿区西新宿に本社を置き、個別指導塾のパイオニアとして1984年の設立以来、全国規模で事業を拡大してきた。現在では、明光義塾をはじめとする複数の教育・保育関連ブランドをフランチャイズ中心に展開しており、教育分野における総合サービス企業として位置づけられる。

中核事業である明光義塾は、小中高生を対象とした個別指導型の学習塾で、「自立学習」をコンセプトに掲げている。講師が一方的に教え込むのではなく、生徒自身が考え、理解し、学ぶ力を身につける指導スタイルを特徴としている。個別指導でありながら比較的低料金で利用できる点、全国47都道府県すべてに教室を展開している点が強みであり、身近で親しみやすい補習塾として高い知名度とブランド力を築いてきた。2025年8月末時点で、明光義塾の教室数は1,660教室に達している。

事業展開の面では、直営よりもフランチャイズを軸としたモデルを採用しており、固定費を抑えつつ全国規模での教室網を維持している。このモデルにより、少子化という構造的課題を抱える学習塾業界の中でも、比較的安定した事業運営を可能にしている。

学習塾事業に加えて、幼児・学童・スポーツ分野へも事業領域を広げている。学童保育事業である「明光キッズ」は、学習教室を併設したアフタースクールとして展開されており、学びの基礎となる生活習慣や体験、遊び、学習をバランスよく取り入れたプログラムを提供している。共働き世帯の増加を背景に、小学校低学年から長時間安心して預けられる環境づくりに注力しており、私立小学校や民間企業からの運営受託も行っている。

そのほかにも、日本語教育を含むグローバル人材育成事業や、英語教育、スポーツスクール、保育関連事業、人材育成・キャリア支援事業など、教育を軸にした多様なブランドを展開している。これらの事業もフランチャイズ展開を基本とし、明光義塾で培った教室運営ノウハウやブランド力を横展開している点が特徴である。

全体として明光ネットワークジャパンは、明光義塾という強力なブランドを基盤に、学習塾から学童保育、日本語学校、人材育成までをカバーする教育関連サービス企業である。少子化の影響を受けやすい業界にありながら、フランチャイズモデルと事業の多角化によって、安定性と持続性を重視した経営を行っている企業といえる。

明光ネットワークジャパン 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
純利益
百万円
一株益
一株配当
連21.8 19,039 969 1,113 1,140 45.5 20
連22.8 19,674 1,168 1,289 974 38.9 22
連23.8 20,871 1,064 1,243 809 32.2 24
連24.8 22,579 1,010 1,163 489 19.4 34
連25.8 24,827 1,691 1,868 1,727 68.4 27
連26.8予 25,500 1,800 1,870 1,010 39.9 28
連27.8予 26,500 2,000 2,050 1,150 45.4 28

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期
(百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
2023年 608 -307 -588
2024年 742 -595 -863
2025年 1,734 151 -636

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROA ROE PER
(倍)
PBR
(倍)
2023年 5.0% 5.1% 7.2%
2024年 4.4% 3.0% 4.4%
2025年 6.8% 9.0% 13.7% 24.6(高)
19.8(安)
1.43

出典元:四季報オンライン

投資判断

この会社は業績が底を打ち、回復局面に入ってきたものの、まだ安定成長企業として評価が固まりきっていない段階にある銘柄と判断できる。まず業績の規模と推移を見ると、連24.8は売上高225億円、営業利益10億円、経常利益11億円、純利益4億円と、利益水準はかなり低迷していた。連25.8では売上高248億円、営業利益16億円、経常利益18億円、純利益17億円まで回復しており、利益面でははっきりとした改善が見られる。

一方で、連26.8予では売上高255億円、営業利益18億円、経常利益18億円と増益基調が続くものの、純利益は10億円と再び減少する見通しとなっており、利益の安定性という点ではまだ波が残っている。収益性を見ると、営業利益率は2023年5.0%、2024年4.4%と一度低下した後、2025年には6.8%まで回復している。教育サービス企業としてはまずまずの水準ではあるが、際立って高い利益率というほどではない。ただし、底打ちからの回復という流れ自体は前向きに評価できる。

資本効率の面では、ROEが2023年7.2%、2024年4.4%から、2025年には13.7%まで改善している点が目立つ。ROAも2025年には9.0%まで上昇しており、2024年の低迷局面を脱して、効率面が明確に良くなっている。ただし、ROE13%台は高成長企業というより、回復途上にある安定企業という位置づけに近い。

バリュエーションを見ると、2025年実績ベースでPERは高値平均24.6倍、安値平均19.8倍、PBRは1.4倍となっている。ROE13%台、営業利益率6%台という収益性を考えると、PER20倍前後は決して割安ではないが、業績回復を織り込む水準としては妥当な範囲とも言える。成長期待が過度に上乗せされている印象はなく、同時に強い割安感があるわけでもない。

これらを総合すると、明光ネットワークジャパンは連24.8を底に業績と収益性が回復し、ROEやROAも改善してきた点は評価できる。一方で、純利益の振れが大きく、成長力がまだ安定的に見通せる段階には至っていない。評価面でも回復期待はすでに一定程度株価に織り込まれている。

結論としては、この銘柄は明確な割安株でも高成長株でもなく、回復局面にある教育サービス企業として中立的な位置づけになる。今後も利益率とROEの改善が続き、純利益が安定して積み上がるかを確認しながら判断すべき段階であり、現時点では慎重に付き合う投資対象という評価になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的という観点で明光ネットワークジャパンを見ると、数字だけを見れば「配当株として一定の魅力が出てきた局面」に入っていると評価できる。予想配当利回りは連26.8、連27.8ともに3.92%と、東証全体の平均を明確に上回る水準で、いわゆる高配当株の入口に位置している。教育サービス企業でありながら4%近い利回りが見込める点は、この銘柄の大きな特徴になっている。成長株というより、安定配当を意識した還元姿勢が強まってきた印象を受ける。

一方で、配当の「質」には注意が必要だ。過去の業績を見ると、利益水準にはまだ振れがあり、連24.8では純利益が大きく落ち込み、連25.8で急回復、その後の連26.8予では再び純利益が減少する見通しとなっている。営業CFは改善傾向にあり、配当をすぐに削らざるを得ない状況ではないものの、利益の安定性という点では、通信株やインフラ株のような鉄板の高配当銘柄とは性格が異なる。

配当水準そのものは、事業の成熟度を考えると無理のない範囲に見える。明光義塾というフランチャイズ型ビジネスは固定費負担が比較的軽く、極端な設備投資も必要としないため、キャッシュフローは読みやすい。成長投資よりも、株主還元を優先しやすい段階に入っていることが、利回り4%近辺という数字に表れている。

ただし、今後も配当が大きく増えていくかというと、その期待は高くない。少子化という構造的な逆風の中で、事業は安定しているものの、高い成長を続ける局面ではないため、増配余地は限定的になりやすい。今後は「高い利回りを維持する配当維持型」の色合いが強く、連続的な大幅増配を狙うタイプの銘柄ではないと考えられる。

結論として、明光ネットワークジャパンは配当目的で見た場合、利回り水準そのものは魅力的で、インカム重視の投資対象として検討に値する銘柄である。ただし、業績の振れがまだ残っているため、配当の絶対的な安心感は一段上の高配当ディフェンシブ株には及ばない。高い成長を期待するよりも、3%台後半の配当を受け取りながら、業績の安定化を見守るスタンスと相性の良い配当株、という位置づけになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

明光ネットワークジャパンについて、現在株価714円前後を基準に見ると、創薬バイオや先端半導体のように研究開発投資の成否で業績が大きく振れる企業とは性格が異なり、個別指導塾「明光義塾」を中核とした、比較的安定収益型の教育サービス企業と位置づけられる。小中高生向けの補習塾をフランチャイズ中心で全国展開しており、固定費を抑えやすいビジネスモデルを採用している点が特徴である。少子化という構造的な逆風はあるものの、補習需要そのものは底堅く、業績の振れは比較的緩やかな構造になっている。

直近の数値を見ると、2024年にかけて利益水準が一時的に低下したものの、2025年には売上・利益ともに回復し、営業利益率も6%台後半まで改善している。ROEは2024年の4%台から2025年には13%台まで回復しており、収益性と資本効率の両面で底打ち感が見えてきた。一方で、事業の成長率自体は高くなく、教室数や生徒数が急拡大するタイプの企業ではない。PERは20倍前後、PBRは1.4倍程度と、回復をある程度織り込んだ妥当水準にある。この前提を踏まえ、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、明光義塾のブランド力を背景に生徒数が安定推移し、加えて学童保育や日本語学校など周辺事業が着実に伸びる。営業利益率は6〜7%台を維持し、ROEも10%台前半で安定する。市場からは「高成長ではないが、安定配当を伴う教育サービス株」として評価され、PERは20倍前後を維持する。この場合、配当を受け取りながら株価は緩やかに上昇し、5年後には900円から1,100円程度を目指す展開が想定される。値幅は大きくないが、インカムを含めたトータルリターンは堅実なシナリオである。

中間のシナリオでは、業績は会社想定に近いペースで推移し、営業利益率は5%台後半、ROEは8〜10%程度で落ち着く。評価面ではPER15〜18倍程度に収れんし、市場での位置づけは「成熟した安定株」にとどまる。この場合、株価は大きな上昇トレンドは描かず、配当を受け取りながら横ばいから緩やかな上昇にとどまり、5年後の株価は750円から850円程度に収れんする中立的なシナリオとなる。

悪い場合のシナリオでは、少子化の進行や競争激化により生徒数が緩やかに減少し、利益率にも圧力がかかる。営業利益率は5%を下回り、ROEも5%前後で低迷する。この場合、市場は成長性を評価せず、PERは12〜14倍程度まで低下する可能性がある。ただし、配当利回りは相対的に高くなり、株価の下値は一定程度支えられる。この場合でも、5年後の株価は600円から650円程度にとどまる、もしくは一時的に600円近辺を試す弱気シナリオとなる。

総合すると、現在株価714円前後を起点とした明光ネットワークジャパンの5年間の値動きは、良い場合で900円から1,100円前後、中間で750円から850円、悪い場合で600円から650円程度といったレンジが想定される。急成長や株価倍増を狙う銘柄ではないが、4%近い配当利回りと業績回復基調を背景に、配当を受け取りながら中長期で安定したリターンを積み上げていく投資と相性の良い銘柄、という評価になる。

この記事の最終更新日:2025年12月26日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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