株価
技研ホールディングスとは

技研ホールディングス株式会社は、東京都千代田区神田東松下町17番地に本社を構える建設・防災関連の持株会社です。2018年1月に設立され、同年に東京証券取引所スタンダード市場へ上場しました。代表取締役社長は佐々木ベジ氏で、グループ全体の経営管理や事業戦略の立案を担っています。
同社グループは、主に土木・建築工事の請負を中心に事業を展開しています。具体的には、港湾や河川などで使用される消波根固ブロック製造用の鋼製型枠の設計・賃貸、コンクリート二次製品の製造・販売など、インフラ整備に関わる幅広い工事を手掛けています。
さらに、近年は放射線防護や電磁波シールドといった特殊分野にも注力しており、被ばく線量管理システムの開発・販売、防災・環境関連工事など、社会の安全と環境保全に貢献する高付加価値事業を展開しています。これらの取り組みを通じて、建設業界の枠を超えた総合的な技術提供企業を目指しています。
直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(親会社株主帰属、百万円) | 1株当たり当期純利益 (EPS、円) | 年間1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 5,480 | 414 | 517 | 329 | 20.27 | 1.00 |
| 2024年3月期 | 5,169 | 529 | 640 | 444 | 27.36 | 1.00 |
| 2025年3月期 | 4,906 | 623 | 770 | 491 | 30.30 | 1.10 |
バリュエーション
| 決算期 | PER (倍) | PBR (倍) | 営業利益率 (%) | ROE (%) | ROA (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 実績 | 約 8.5 倍 | 約 0.38 倍 | 約 7.6 % | 約 3.39 % | 約 2.09 % |
| 2024年3月期 実績 | 約 8.5 倍 | 約 0.32 倍 | 約 10.2 % | 約 4.31 % | 約 2.58 % |
| 2025年3月期 実績 / 予想 | 約 8.25 倍 | 約 0.36 倍 | 約 12.7 % | 約 4.47 % | 約 3.04 % |
出典元:IRBANK みんかぶ Yahoo!ファイナンス 技研ホールディングス 決算短信
投資判断
技研ホールディングス株式会社は、現在の業績と指標を見る限り、割安感のある堅実な銘柄といえます。
まず、2025年3月期の営業利益は623百万円、経常利益770百万円、純利益491百万円と、前期から利益面で着実に伸びています。営業利益率も約12.7%と前年の10.2%から改善しており、収益性が上昇しています。一方で、売上高は4,906百万円と前期よりやや減少しており、今後の成長性には注意が必要です。
財務面では、自己資本比率が67%超と非常に高く、借入リスクが低い堅実な財務体質を維持しています。ROEは約4.4%、ROAは約3.0%と極端に高くはありませんが、改善傾向にあります。経営の効率性も少しずつ上向いており、安定した企業運営が続いていると判断できます。
株価指標を見ると、PERはおよそ8.5倍、PBRは0.36倍前後とかなり割安な水準です。利益が堅調に伸びている中で、この株価評価はやや低く、投資妙味があります。バリュー株としては魅力的な位置にあります。
総合的に見ると、減収傾向はやや気になるものの、利益率改善・堅実な財務・低いPER・PBRといった要素から、長期的には「中期保有での上昇余地がある割安銘柄」と言えます。短期的な急騰を狙うタイプではありませんが、安定した業績と改善傾向を評価し、じっくり保有するには悪くない銘柄です。
今後の注目点は、売上の回復と受注動向、そして利益率の維持です。これらが続けば、株価の見直し買いが入る可能性が高いと思われます。
配当目的とかどうなの?
技研ホールディングス株式会社は、配当目的で見ると「安定はしているが、利回りは低め」という位置づけになります。
まず、現在の年間配当は1株あたり1.10円で、配当利回りはおよそ0.4%台とかなり控えめです。過去に減配したことはほとんどなく、少額ながらも安定して配当を出しています。財務体質も良好で、自己資本比率は67%を超えており、無理のない範囲で配当を続けられる企業です。
ただし、配当性向は3〜4%程度とかなり低く、利益のほとんどを内部留保に回していることがわかります。そのため、株主還元を重視する企業というよりは、再投資や財務安定を優先しているタイプです。
したがって、配当を目的に保有する銘柄としては、あまり魅力的とは言えません。利回りが低く、インカムゲインを狙う投資家には物足りない水準です。ただし、業績が安定しており、財務も堅実なため、「長期的に値上がり益も狙いつつ、少額でも配当を受け取りたい」というスタンスであれば悪くない選択です。
まとめると、技研ホールディングスは「安定配当型の低利回り銘柄」。高配当狙いではなく、業績の安定と堅実経営を評価して中長期で保有するのが向いている会社です。
今後の値動き予想!!(5年間)
技研ホールディングス株式会社の現在値はおよそ253円です。
この会社は近年、営業利益や純利益が着実に伸びており、営業利益率も12%台に改善しています。財務体質も安定しており、自己資本比率は67%を超えています。PERは約8倍、PBRは0.37倍前後と、株価水準としてはかなり割安な位置にあります。
こうした点を踏まえると、短期的な爆発力はないものの、堅実に利益を積み上げるタイプの企業です。今後5年間で見れば、業績の改善とともに市場からの評価が少しずつ見直される可能性があります。
もし利益成長が年率3〜5%程度続き、PERが今の8倍から10倍程度に見直された場合、株価は5年後に380円から400円前後まで上昇するシナリオも十分考えられます。中長期的に見ると、底堅い値動きをしながら、じわじわと上値を切り上げる展開が予想されます。
ただし、売上はやや減少傾向にあるため、業績の横ばいや景気後退局面では一時的に株価が調整するリスクもあります。したがって、短期売買向きではなく、数年単位で業績改善と共に株価上昇を狙う「中長期保有型」の投資が向いている銘柄だと考えられます。
この記事の最終更新日:2025年10月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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