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リソー教育グループ(4714)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

リソー教育グループとは

リソー教育グループは、首都圏を中心に個別指導型の受験教育サービスを展開する教育事業会社である。中学受験・高校受験・大学受験に対応した完全1対1の個別指導塾「TOMAS(トーマス)」を中核ブランドとし、幼児教育、家庭教師、学校内個別指導など年齢軸に沿った多層的な教育サービスを提供している点が特徴である。旧社名は株式会社リソー教育で、2025年9月に持株会社制へ移行し商号を株式会社リソー教育グループに変更した。

同社の前身は1985年に東京都新宿区で設立された株式会社日本教育公社であり、「1クラス6名以内、正社員講師による責任ある指導体制」を理念としてスタートした。その後、「理想教育研究所(理想研)」の運営を経て、1989年に家庭教師事業へ進出しプロ講師による個人指導を本格化させた。1990年には、完全個室・黒板付きの1対1指導システムを開発し、「東京マンツーマンスクール」として個別指導の形を確立している。

現在の主力ブランドである「TOMAS」は、「個別なのに進学塾」を掲げる受験特化型の個別指導塾で1997年に愛称として名称が決まり2000年に正式名称となった。すべての教室で、講師が授業時間中に担当する生徒は1人のみとし、個室ブースで最初から最後まで付きっきりで指導を行う体制を採用している。学力別・志望校別のカリキュラム管理を徹底し、難関校受験に強みを持つ点が特徴である。また、医学部志望者向けの「メディックTOMAS」も展開している。

TOMAS以外にも、幼児教育分野では名門小学校・幼稚園受験に対応した「伸芽会」を展開しており、早期教育から受験までを一貫してカバーしている。家庭教師事業は「名門会」を中心に運営され、プロ講師によるマンツーマン指導を家庭や指定場所で提供している。さらに、英語教育に特化した「インターTOMAS」や、学校内での個別指導サービス、放課後・課外教育支援など教育現場に直接入り込む事業も行っている。

組織面では、2000年代以降、積極的な分社化と再編を進めながら事業領域を拡大してきた。2019年には学校法人駿河台学園と資本業務提携を行い、合弁会社「駿台TOMAS」を設立するなど大手教育機関との連携も強化している。2021年以降はヒューリックとの関係を深め、2024年には同社の子会社となった。2025年の持株会社制移行により、学習塾事業などは株式会社TOMASへ承継されグループ経営体制が明確化されている。

グループ会社には、名門会、伸芽会、スクールTOMAS、駿台TOMAS、プラスワン教育、リソーウェルフェアなどがあり、幼児から社会人手前までの教育ニーズを幅広くカバーしている。総合すると、リソー教育グループは完全1対1指導という明確な差別化を軸に、受験教育を中心とした高付加価値型の教育サービスを展開する企業である。少子化という逆風はあるものの、首都圏の中学受験・難関校志向層を主要ターゲットとし、教育の質を重視する家庭からの安定した需要を背景に独自のポジションを築いている企業といえる。

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直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連21.2 25,201 1,010 1,192 555 3.8 9.5
連22.2 30,008 3,030 3,048 2,431 16.3 16
連23.2 31,488 2,401 2,442 1,492 9.7 16
連24.2 32,215 2,628 2,655 1,661 10.8 10
連25.2 33,394 2,933 2,938 1,743 10.5 10
連26.2予 35,000 2,650 2,650 1,700 10.0 10
連27.2予 36,800 3,000 3,000 1,900 11.2 10

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023.2 2,779 -1,016 -2,465
2024.2 1,653 -1,028 -2,466
2025.2 2,450 -801 1,842

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023.2 7.6 16.1 8.1
2024.2 8.1 19.8 9.1
2025.2 8.7 14.5 7.8 22.9〜34.0 3.13

出典元:四季報オンライン

投資判断

リソー教育グループを、直近の利益水準と収益性指標から見ると、安定成長はしているが、評価面ではすでに織り込みが進んでいる銘柄と判断される。まず利益の推移を見ると、営業利益は連24.2期が26億円、連25.2期が29億円、連26.2期予想が26億円、連27.2期予想が30億円と、緩やかな増減を繰り返しながら横ばいから微増の推移となっている。経常利益も26億円台から30億円規模、純利益は16億円から19億円規模で推移しており、事業規模に対して安定感はあるが、明確な成長加速局面には入っていない。

収益性を見ると、営業利益率は2023年の7.6%から2024年に8.1%、2025年に8.7%と改善しており、教育サービス業としては比較的良好な水準にある。ただし、今後の会社予想では大きく跳ね上がる前提ではなく、改善ペースは緩やかである。資本効率では、ROEが2023年16.1%、2024年19.8%と高水準を示した後、2025年は14.5%まで低下している。ROAも8.1%から9.1%、7.8%とやや低下傾向にあり、一時的に高かった効率性が平常水準に戻りつつある印象を受ける。利益成長が鈍化する局面では、これ以上のROE上昇は期待しにくい。

バリュエーション面では、2025年実績ベースのPERが22.9倍から34.0倍、PBRが3.1倍となっており、教育関連銘柄としては明らかに高い評価水準にある。営業利益率が8%台、ROEが15%前後で安定する企業としては、成長期待をかなり織り込んだ株価水準といえる。

以上を踏まえた投資判断としては、リソー教育グループは、安定した利益と一定の収益性を持つものの、利益成長は緩やかで、評価面ではすでに先行して買われている状態にある。割安株としての妙味は乏しく、今後は業績の大幅な上振れや新たな成長ストーリーが出てこない限り、株価の上値余地は限定的になりやすい。

高配当目的でもなく、急成長株でもないため、投資スタンスとしては、長期で保有する安定銘柄という位置づけよりも、業績動向を確認しながら慎重に判断すべき銘柄といえる。現在の水準では、積極的に買い増す局面というより、押し目や評価調整局面を待ちたいタイプの銘柄という評価になる。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見ると、リソー教育グループはかなり魅力的な水準にあると評価できる。予想配当利回りは連26.2期、連27.2期ともに5.00%と高配当株として明確に意識される水準にある。教育関連銘柄で5%台の利回りは珍しく、インカム目的では一気に存在感が増す数字である。

この配当を支える利益水準を見ると純利益は16億円から19億円規模で安定しており、営業利益率も8%前後を維持している。急成長ではないが、業績が大きく崩れる兆しはなく営業キャッシュフローも黒字を確保している。配当が一時的な無理配ではなく、一定の収益力を前提とした水準である点は評価できる。

一方で注意点もある。利益成長は緩やかでROEやROAはピークアウト気味であり、今後も配当を大きく引き上げていく余地は限られる可能性が高い。つまり、増配余地を期待する銘柄というより、高水準の配当を維持できるかどうかが焦点となるタイプである。整理すると、リソー教育グループは値上がり益を大きく狙う銘柄ではないが、業績の安定性を前提に5%前後の配当を受け取りたい投資家にとっては相性が良い。高配当目的としては十分に成立しており、インカム重視の中長期保有向け銘柄という位置づけになる。

今後の値動き予想!!(5年間)

リソー教育グループを現在株価200円前後を基準に見ると創薬バイオや新興ITのように外部環境で業績が急変する企業とは性格が異なり、首都圏の受験需要を背景とした教育サービスを中核とする安定型のサービス企業と位置づけられる。TOMASを中心とした完全1対1の個別指導という明確な差別化を持ち、近年は営業利益率やROEが一定水準で推移している点が特徴である。この前提を踏まえ、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、首都圏の中学受験・難関校志向が引き続き底堅く、TOMASや伸芽会の在籍生徒数が安定的に推移する。営業利益率は8%台後半から9%程度で維持され、利益水準も緩やかに拡大する。高配当政策が継続されることでインカム目的の資金流入が続き、評価面でも下支えが効く。この場合、配当利回りを意識した見直しが進み、株価はじりじりと水準を切り上げ、5年後には260円から300円程度を目指す展開が想定される。値幅は大きくないが、安定した右肩上がりのシナリオである。

中間のシナリオでは、業績は会社想定に近い水準で推移し、生徒数や利益は横ばいから微増にとどまる。営業利益率は8%前後、ROEは15%前後で安定し、配当水準も現状維持となる。この場合、市場の評価は大きく変わらず、株価は高配当利回りを意識したレンジ内で推移する。5年後の株価は210円から240円程度が中心となる、最も現実的なシナリオである。

悪い場合のシナリオでは、少子化の進行や競争激化により生徒数が減少し、利益率がじわじわと低下する。高配当維持への警戒感が強まり、評価が慎重になる可能性がある。この場合、配当利回りは高水準でも不安定と見なされ、株価は調整局面に入る。5年後の株価は150円から180円程度にとどまる弱気シナリオとなるが、教育サービスという事業特性から急激な下落が長期化する可能性は低いと考えられる。

総合すると、現在株価200円前後を起点としたリソー教育グループの5年間の値動きは、良い場合で260円から300円程度、中間で210円から240円、悪い場合でも150円から180円程度というレンジが想定される。株価倍増を狙う銘柄ではないが、5%前後の配当を受け取りながら価格変動リスクを抑えたい投資家にとっては、インカム重視の中長期投資と相性の良い銘柄という評価になる。

この記事の最終更新日:2025年12月27日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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