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フューチャー(4722)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

フューチャーとは

フューチャーは、ITコンサルティングとシステム開発を中核事業とする持株会社であり、日本初のITコンサルティングファームであるフューチャーアーキテクト株式会社を祖業としている。1989年に設立されITエンジニアが創業した企業らしく、創業当初からITを経営課題解決の中核に据えたビジネスモデルを展開してきた。

事業の中心は、企業向けのITコンサルティングおよび業務システムの設計・開発である。単なるシステム受託ではなく、経営戦略や業務改革とITを一体で設計するスタイルを強みとし基幹システム刷新や業務プロセス改革といった上流工程からプロジェクトに関与する。受注案件は業務システム領域が多く、流通・小売、物流、製造、金融など、売上規模1000億円を超える業界大手企業を主要顧客としている。

技術面では大型コンピュータで処理してきた業務を分散処理や小型システムで実現する設計思想に強みを持ち、基幹系システムの高性能化と柔軟化を両立させてきた点が特徴である。近年はビッグデータ、数理最適化、人工知能といった分野にも注力しており、プログラミングコンテストへの参加や自社主催イベントを通じて高度なアルゴリズム人材を多数育成・確保している。

組織としては、戦略コンサルティング部門も有しているが、実際には多くの社員が情報システムの設計・開発に従事しておりITスキルを重視する文化が根付いている。決まったキャリアパスを設けず、個人の志向や強みに応じてプロジェクトへ配属する点も特徴である。入社時までに日商簿記2級の取得を義務付けるなど、ITと業務の両面を理解できる人材育成を重視している。

グループ事業としては、ITコンサルティング・システム開発・運用を担う企業群を中核に据えつつ、周辺領域への投資も行っている。具体的には、ITコンサルティングおよびサービス事業としてフューチャーアーキテクト、フューチャーインスペース、FutureOne、リヴァンプ、セキュリティや新規事業創出を担う各社を展開している。一方で、東京カレンダーやスポーツ・アウトドア関連事業、プログラミング教育など、メディアやEC分野への投資も行い事業ポートフォリオの多角化を進めている。

また、ITとスポーツを組み合わせた取り組みとして、プロスポーツチームの運営にも関与するなど新しいビジネスモデルの創出にも積極的である。ただし、グループ全体で見るとBtoB事業が中心であり、収益の大部分はITコンサルティングとシステム開発から得ている。総合すると、フューチャーはITコンサルティングと業務システム開発を軸に、高度な技術力と上流工程への強みを持つ企業グループである。安定した大企業向け案件を基盤としつつ新技術や新規事業への投資も行うことで、単なるSIにとどまらない独自のポジションを築いている点が特徴である。

フューチャー 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(単位百万) 営業利益 経常利益 純利益 一株益(円) 一株配当
連22.12 53,738 12,229 12,574 9,236 104.3 37
連23.12 59,324 13,700 14,087 9,221 104.1 40
連24.12 69,878 14,667 14,951 10,322 116.5 42
連25.12予 75,800 15,800 16,300 11,200 126.3 46
連26.12予 83,000 17,500 18,000 12,500 141.0 50〜52

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2022.12 10,174 -1,009 -3,017
2023.12 7,568 -3,029 -3,898
2024.12 10,683 -20,406 13,812

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023.12 23.0 17.9 13.9
2024.12 20.9 18.6 11.2 12.8〜18.7 2.97
2025.12 20.8 20.1 12.1 17.0

出典元:四季報オンライン

投資判断

フューチャーを直近の利益水準と収益性指標から見ると、日本のIT関連企業の中でも収益力と成長性が非常に高い水準で両立している企業と評価できる。まず利益の推移を見ると、営業利益は2023年12月期が137億円、2024年12月期が146億円、2025年12月期予想が158億円、2026年12月期予想が175億円と着実な増加基調にある。経常利益も140億円から149億円、163億円、180億円へと拡大しており、純利益も92億円から103億円、112億円、125億円へと順調に積み上がっている。売上成長に対して利益がしっかりと伸びており、高付加価値型ビジネスであることが数字に明確に表れている。

収益性の面では、営業利益率は2023年が23.0%、2024年が20.9%、2025年が20.8%と20%超という非常に高い水準を維持している。コンサルティングとシステム開発を軸とする企業としては国内でもトップクラスであり、価格競争に依存しない事業構造が確立されている。

資本効率も極めて良好である。ROEは17.9%、18.6%、20.1%と年々上昇しており、自己資本を効率的に使って利益を生み出している。ROAも13.9%、11.2%、12.1%と高水準で、総資産に対する収益力も際立っている。成長と効率性が同時に進んでいる点は、質の高い成長企業の特徴といえる。

一方、バリュエーションを見ると、2024年実績ベースのPERは12.8倍から18.7倍、PBRは2.9倍となっている。2025年予想PERは17.0倍であり利益成長と高いROEを考慮すれば、極端な割高感はない。PBRは高めだが20%前後のROEを維持している企業としては許容範囲であり、収益力を反映した評価水準といえる。

以上を踏まえた投資判断としては、フューチャーは売上・利益の成長、20%超の営業利益率、ROE20%前後という指標が揃った国内でも希少性の高い高収益IT企業である。成長の持続性と収益性の両面から見て、企業価値は着実に拡大している。

一方で、すでに一定の成長期待が株価に織り込まれている可能性はあるため、短期的な割安感を狙う銘柄ではない。ただし、業績の積み上がりが続く限り、中長期では利益成長に沿った株価上昇が期待できる。高収益・高効率なビジネスモデルを評価し、成長企業として中長期で保有する投資と相性の良い銘柄という位置づけになる。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見ると、フューチャーは成立はするが主目的にはなりにくい銘柄という評価になる。予想配当利回りは連25.12期が2.29%、連26.12期が2.49%と、市場全体で見れば平均的からやや低めの水準にある。高配当株として積極的に選ばれる水準ではなく、インカムゲインを最優先する投資家向けの銘柄ではない。

一方で、配当の安定性と持続性という観点では評価できる。営業利益は140億円台から170億円台へ拡大し、営業利益率は20%超を維持している。純利益も90億円台から120億円台へと着実に増加しており、配当の原資には十分な余力がある。キャッシュフロー面でも営業CFは安定しており、無理のある配当水準ではない。

配当の性格としては、高い成長性を維持しつつ利益の一部を着実に株主へ還元するスタイルである。配当性向を極端に高める方針ではなく、増配も緩やかで配当よりも成長投資を優先する姿勢が数字から読み取れる。

整理すると、フューチャーは高配当株ではないが、高収益・高成長を背景に安定した配当を積み上げていくタイプの銘柄である。配当はあくまで上乗せ要素と捉え、値上がり益と企業価値の成長を主軸に据える投資と相性が良い。インカム目的単独で買うよりも成長株として保有しつつ、結果として配当も受け取るという位置づけが適切な銘柄という評価になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

フューチャーを現在株価2,001円前後を基準に見ると、営業利益率20%超、ROE20%前後という高収益性と着実な利益成長が続いている企業であり、業績と評価指標の整合性の高い銘柄といえる。連25.12期・連26.12期予想ベースでも売上・利益が拡大傾向にあり、PER・PBRは収益力を反映した妥当な水準にある。この前提を踏まえ、今後5年間の値動きを良い場合、中間、悪い場合の3つのシナリオで考える。

良い場合のシナリオでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資が国内外でさらに加速し、フューチャーの上流工程中心のITコンサルティングの受注が堅調に拡大する。大手企業の基幹システム刷新やクラウド化、データ分析・AI適用プロジェクトなど高付加価値案件の獲得が増えることで、営業利益率は20%超を維持したまま利益が拡大する。ROEも20%台を保ち、企業の収益性の高さが評価される中、PERは20倍台前半まで許容される。この場合、株価は業績成長を株価水準に反映し、5年後には2,800円から3,200円程度を目指す展開が想定される。配当利回りは2%台後半を維持しつつ、値上がり益との両取りが可能となるシナリオである。

中間のシナリオでは、業績は会社想定どおり堅調に推移し、売上・利益ともに緩やかに増加する。営業利益率は現状水準の20%前後、ROEは18~20%程度で安定し、PERは15倍前後に落ち着く。この場合、株価は配当を受け取りながらゆっくりと水準を切り上げ、5年後には2,300円から2,600円程度のレンジで推移する。急激な上昇ではないが、安定成長企業としての評価が維持される現実的なシナリオである。

悪い場合のシナリオでは、IT投資全体が景気の低迷や企業のコスト抑制により鈍化し、特に高付加価値の上流工程案件が伸び悩む展開を想定する。この場合、営業利益率は低下し、ROEも15%台に下振れする可能性がある。市場の評価は慎重になり、PERは12倍台前半まで縮む。このような評価調整が進む局面では、株価は1,700円から1,900円程度まで下押しされる可能性がある。ただし、基盤がしっかりしているため、下値は比較的堅いと考えられる。

総合すると、現在株価2,001円前後を起点としたフューチャーの5年間の値動きは、良い場合で2,800円から3,200円程度、中間で2,300円から2,600円、悪い場合でも1,700円から1,900円程度というレンジが想定される。短期間での大幅上昇は期待しにくいものの、高収益体質と安定した収益成長を背景に、中長期でリスクを抑えつつ着実なリターンを積み上げる投資と相性の良い銘柄という評価になる。

この記事の最終更新日:2025年12月27日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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