株価
TANAKENとは

TANAKEN株式会社は、東京都港区東新橋に本社を置く解体工事の専門会社です。
1982年2月に設立され、2018年12月に東京証券取引所スタンダード市場に上場しました。
資本金は約2億9700万円、従業員数はおよそ100名です。
主な事業内容は、建築物の解体工事およびそれに関連する各種工事の施工管理です。
再開発ビル、商業施設、学校、病院、工場、倉庫、マンションなど、幅広い建築物の解体を行っています。
また、基礎や杭の撤去、山留め工事、仮設工事、施工計画の策定なども自社で一貫して対応しています。
さらに、アスベストやダイオキシンなどの有害物質の除去、土壌汚染の調査・浄化、地下水の浄化工事など、
環境対策にも積極的に取り組んでいます。
近年は「Vision NEXT 10」という中期経営計画を掲げ、デジタル技術の導入(DX)や
SDGsに対応した環境配慮型の事業展開、人材育成や技術力向上を通じて、
安全で持続可能な解体事業のリーディングカンパニーを目指しています。
同社の売上の大部分は解体関連事業が占めており、
今後も再開発需要や老朽化建物の建て替え需要を背景に安定した事業成長を見込んでいます。
直近3年間の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株当たり利益(EPS, 円) | 1株当たり配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 実績 | 11,246 百万円 | 1,561 百万円 | 1,600 百万円 | 1,087 百万円 | 124.93 円 | 40 円 |
| 2024年3月期 実績 | 10,676 百万円 | 1,608 百万円 | 1,640 百万円 | 1,090 百万円 | 125.33 円 | 40 円 |
| 2025年3月期 実績 | 12,286 百万円 | 2,328 百万円 | 2,342 百万円 | 1,576 百万円 | 181.21 円 | 55 円 |
バリュエーション
| 年度 / 予想 | PER | PBR | 営業利益率 | ROE | ROA |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 実績 | 約 11.13 倍 | 約 1.12 倍 | 約 13.8% ※ | 約 19.37% | 約 13.85% |
| 2024年3月期 実績 | 約 10.97 倍 | 約 1.19 倍 | 約 15.1% ※ | (予想値)約 14.86% | (予想値)約 11.19% |
| 2025年3月期 | 約 10.48 倍 | 約 1.56 倍 | (未開示) | 約 14.86% | 約 11.19% |
出典元:IR BANK
投資判断
TANAKEN株式会社は、業績や指標を総合的に見ると、安定感があり中長期的に有望な銘柄です。
2023年3月期は営業利益が約15億6千万円、経常利益が約16億円、純利益が約10億8千万円でした。翌2024年3月期もほぼ同水準で推移し、安定した収益を維持しています。2025年3月期は売上が約122億円、営業利益が約23億円、経常利益が約23億円、純利益が約15億円と、増収増益の見通しです。
財務指標を見ると、PERはおよそ10.5倍、PBRは約1.6倍で、極端な割高感はありません。ROEは15〜20%前後と高めで、資本効率が良い会社です。ROAも10%を超える水準にあり、総資産を効率的に使って利益を生み出せていることが分かります。営業利益率も15%前後と高く、解体・土木業界としてはかなり高い収益性を持っています。
一方で、建設・解体業界は資材価格や人件費の影響を受けやすく、景気の動向や再開発需要に左右されやすい点がリスクです。また、工期の遅れや受注競争の激化なども注意が必要です。
総合的に見ると、TANAKENは堅実な業績と高い収益力を持ち、配当も安定していることから、長期保有を前提とした投資には向いている銘柄です。ただし、短期的には原価上昇や景気変動のリスクがあるため、今後の業績推移を確認しながら段階的に投資するのが安全です。
配当目的とかどうなの?
TANAKEN株式会社は、配当目的の投資としては比較的魅力的な銘柄です。
まず、ここ数年の配当実績を見ると、2023年と2024年はいずれも1株あたり40円、そして2025年は55円への増配が予定されています。
この流れを見る限り、会社は安定的な利益を確保しつつ、株主還元を着実に強化していることが分かります。
現在の株価がおおよそ1,900円前後とすると、2025年予想配当55円の**配当利回りは約2.9%になります。
日本株全体の平均利回り(1.8〜2.0%)と比べるとやや高く、安定配当銘柄としては十分魅力的な水準です。
また、同社はROE(自己資本利益率)が15%前後と高く、利益を効率よく生み出せているため、配当の原資にも余裕があります。
利益成長が続けば、将来的にさらなる増配も期待できるでしょう。
ただし、建設・解体業界は景気やコスト上昇の影響を受けやすく、材料費や人件費が急騰すれば利益が圧迫され、減配リスクが生じる点には注意が必要です。
また、同社はまだ「安定高配当株」と呼べるほど長期の配当実績があるわけではないため、今後も業績を見ながら配当が維持されるかを確認していく必要があります。
まとめると、TANAKENは業績・財務体質・配当のバランスが良く、中長期での配当目的投資に向いている銘柄です。
短期の値上がり益よりも、堅実な配当収入を狙いたい投資家に適しています。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社TANAKENの現在の株価は1,453円です。ここから今後5年間の値動きを、良い場合、悪い場合、中間の場合の3つのシナリオで予想します。
まず良い場合は、業績が順調に伸び続け、環境関連の解体需要や再開発案件の拡大で売上・利益が右肩上がりになるケースです。営業利益率やROEなどの指標も高水準を維持し、配当も毎年増配されるような展開です。この場合、投資家からの評価も高まり、株価は5年後におよそ2,800円から3,000円程度まで上昇する可能性があります。
中間の場合は、堅調な業績は続くものの、原材料費や人件費の上昇によって利益率がやや下がるケースです。再開発需要はあるものの、成長スピードは緩やかで、配当はおおむね40円から60円の範囲で推移します。この場合、株価は1,400円から1,800円程度で横ばいから緩やかな上昇にとどまると見られます。
悪い場合は、景気後退やコスト上昇、人手不足などの影響で利益が圧迫されるケースです。受注が減少したり、工事コストが増えたりして減益となると、配当の減額や無配のリスクも出てきます。この場合、株価は1,000円前後まで下落する可能性があります。
まとめると、良い場合は2,800円から3,000円、中間の場合は1,400円から1,800円、悪い場合は1,000円前後が目安です。現時点の業績や配当の安定性を考えると、中間シナリオが最も現実的ですが、今後も増益と増配が続けば長期的な株価上昇も十分に期待できます。
この記事の最終更新日:2025年10月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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