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ソラコムの株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【147A】

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株価

ソラコムとは

ソラコム株式会社は、IoT(モノのインターネット)向けの通信プラットフォームを提供する企業です。

本社は東京都港区元赤坂1丁目5番12号 住友不動産元赤坂ビルにあり、代表取締役社長は玉川憲(たまがわ・けん)氏です。2014年11月10日に設立され、2024年3月26日に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。資本金は約27億円、従業員数は連結で約175名です。

ソラコムは「IoT通信プラットフォーム事業」を中心に展開しており、企業や自治体などがIoTデバイスをクラウドに簡単に接続できるよう支援しています。具体的には、IoT用SIMカード「SORACOM Air」やデータ管理サービス「SORACOM Lagoon」、デバイス管理を行う「SORACOM Inventory」などを提供しています。

これらのサービスは、電気・ガスの自動検針、工場設備の遠隔監視、物流車両の追跡、防災システムなど幅広い分野で活用されています。通信・クラウド・セキュリティを一体化させたプラットフォームを強みとし、安定したサブスクリプション型(継続課金)モデルで収益を拡大しています。

直近3年間の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 1株当たり利益(EPS,円) 1株当たり配当(円)
2023/03 実績 6,299 101 112 70 1.84 0
2024/03 実績 7,928 727 638 485 12.59 0
2025/03 実績 8,993 656 619 352 7.84 0

バリュエーション

年度 PER(倍) PBR(倍) 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%)
2023/03 実績 約 80 倍前後 約 3.9~4.2 倍 約 1.61% 約 1.85% 約 1.25%
2024/03 実績 高め(成長継続) 約 4.1 倍前後 約 9.17% 約 5.89% 約 4.45%
2025/03 実績 約 83 倍 約 4.07 倍 約 7.30% 約 3.51% 約 2.63%

出典元:IR BANK 株予想Pro マツイ証券

投資判断

ソラコム株式会社は、IoT通信プラットフォームを提供する成長企業です。ここ数年は売上の拡大が続いており、2023年は約63億円、2024年は約79億円、2025年は約90億円と着実に伸びています。

営業利益も2023年は1億円ほどでしたが、2024年には7億円まで大きく増加しました。ただし2025年はやや減益となり、6億円台に下がっています。営業利益率も2024年の9%から2025年には7%前後へ低下しており、売上は伸びているものの、利益率の維持が課題となっています。

ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)は2024年に5〜6%程度まで改善しましたが、2025年はそれぞれ3%台、2%台に下がっています。成長に伴う投資負担やコスト増の影響が出ていると考えられます。

一方で、株価はPERが80倍台、PBRが4倍前後とかなり高い水準にあります。これは将来の成長をかなり織り込んだ価格といえます。利益が減少傾向にある中でこのバリュエーションはやや割高感があり、今後の業績次第では調整する可能性もあります。

総合的に見ると、ソラコムは中長期的な成長余地がある企業であり、特にIoTや通信分野の拡大に乗れる可能性があります。ただし、株価はすでに成長期待を織り込んでいるため、投資するなら「短期的な値上がり」よりも「長期的な成長を信じて保有する」というスタンスが向いています。利益率やROEが今後再び改善していくかが、今後の評価を左右するポイントです。

配当目的とかどうなの?

ソラコム株式会社は、配当目的での投資にはあまり向いていません。

まず、この会社は上場以来、配当を一度も実施していません。現在も1株あたり配当は0円で、将来的な配当方針も明確に示していません。理由としては、事業がまだ成長段階にあり、得た利益を研究開発や海外展開などの「再投資」に充てているためです。

ソラコムのビジネスモデルは、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を軸とするクラウド型の定額収益モデルで、売上は順調に拡大しています。しかし、まだ利益率が高いとはいえず、ROEやROAも低水準のため、株主還元よりも事業成長を優先している段階です。

したがって、安定配当や高配当を目的とする投資には不向きです。
一方で、長期的な成長を狙う「キャピタルゲイン(値上がり益)」目的ならば、IoT市場の拡大や通信分野の成長余地を踏まえて、将来性のある投資先といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

ソラコム株式会社(証券コード147A)の現在値は914円です。
この株価をもとに、今後5年間の値動きを「良い場合」「中間」「悪い場合」の3つのパターンで予想します。

【良い場合】
IoT需要が世界的に拡大し、ソラコムのプラットフォーム事業が国内外で大きく成長するシナリオです。
営業利益率の改善や海外展開の成功によって市場評価が上昇し、株価は年平均20%程度で上昇すると想定します。
この場合、5年後の株価はおよそ 2,200円〜2,300円 ほどになり、現在の約2.5倍程度の水準が期待できます。
クラウド通信やIoTセキュリティの需要拡大が追い風となるケースです。

【中間の場合】
成長は続くものの、競合他社との価格競争やコスト増加によって利益率が横ばいになるパターンです。
年平均7%程度の株価上昇を想定すると、5年後の株価は 1,200円台後半 になります。
堅実な成長を維持しつつも、期待感がやや落ち着いた“穏やかな上昇トレンド”といえます。

【悪い場合】
市場環境の悪化や海外展開の失敗、IoT通信費の下落などで利益が減少するケースです。
年平均5%程度の下落を仮定すると、5年後の株価は 700円前後 に下がる可能性があります。
成長株特有の割高感が調整される局面では、一時的に株価が下押しされるリスクもあります。

【総合判断】
ソラコムは長期的に見ると成長性のある企業ですが、利益率が安定していない点とPERが高い点から、
短期での大きなリターンを狙う銘柄ではなく、中長期の成長に期待する銘柄です。
無配当であるため、配当収入よりも将来的な値上がり益(キャピタルゲイン)を目的とした投資に向いています。

この記事の最終更新日:2025年10月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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