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品川リフラとは

品川リフラは、鉄鋼業向け耐火物の総合大手として長い歴史を持つ日本有数の耐火物メーカーである。本社は東京都千代田区に置き、旧社名は品川リフラクトリーズ株式会社で、約150年にわたって高温プロセス産業を支えてきた。JFEスチールや神戸製鋼所と極めて親密な関係を持ち、国内鉄鋼業向け耐火物分野では中核的な存在と位置づけられている。
同社の事業の中核は耐火物事業であり、高炉、転炉、電炉、加熱炉などで使用される耐火れんがや不定形耐火物の製造・販売を行っている。鉄鋼業向けが売上の大きな比率を占め、自動車用鋼板、特殊鋼、特殊合金など高付加価値鋼材の製造を支える高機能耐火物に強みを持つ。耐火物は消耗品であるため、鉄鋼設備の操業量に連動した安定需要があり、同社の収益基盤を形成している。
単なる製品供給にとどまらず、高炉や各種工業炉の築炉工事、補修、操業改善提案まで含めたエンジニアリングサービスを一体で提供している点が大きな特徴である。製鉄所内に営業拠点を多数構え、顧客の操業現場に密着した体制を取ることで、長期的かつ強固な取引関係を築いている。京浜、千葉、福山、倉敷、神戸、加古川といった営業所はいずれも主要製鉄所の近接地や構内に置かれており、鉄鋼メーカーとの結びつきの強さを象徴している。
グループとしては、品川ゼネラル、品川ファインセラミックス、品川ロコー、イソライト工業などを傘下に持ち、耐火物に加えて断熱材、先端機材、ファインセラミックス分野へと事業領域を広げている。特にイソライト工業を傘下に持つことで、断熱材や軽量耐火物といった分野も強化され、高温炉全体をトータルで支える体制が整えられている。
近年は高付加価値化を重要な戦略軸としており、超高温技術を基盤に、自動車用鋼板、特殊合金、高機能ガラスなど、より高度な品質が求められる分野向け耐火物の開発に注力している。最新鋭の生産設備と研究開発体制を背景に、耐火物の長寿命化、省エネルギー化、CO2排出削減といった顧客ニーズへの対応も進めている。
また、耐火物事業に加えて不動産賃貸事業も手がけており、収益の一部を安定化させる役割を果たしている。事業全体としては、景気や鉄鋼需要の影響を受けやすい側面はあるものの、顧客との強固な関係性と高い技術力により、価格競争に陥りにくい構造を維持している。全体として品川リフラは、鉄鋼業向け耐火物を中核に、断熱材やファインセラミックス、エンジニアリングまで含めた総合セラミックスカンパニーであり、高温プロセス産業に不可欠な存在として、安定性と専門性を併せ持つ企業と位置づけられる。
品川リフラ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3* | 99,969 | 7,285 | 8,220 | 2,114 | 45.3 | 22 |
| 連22.3* | 110,784 | 10,107 | 10,716 | 5,308 | 113.6 | 38 |
| 連23.3* | 124,963 | 10,844 | 11,457 | 8,307 | 177.6 | 40 |
| 連24.3* | 144,175 | 13,887 | 14,903 | 15,280 | 328.5 | 68 |
| 連25.3 | 144,072 | 13,278 | 13,655 | 9,778 | 214.5 | 90 |
| 連26.3予 | 176,000 | 14,500 | 14,900 | 13,000 | 284.9 | 90 |
| 連27.3予 | 185,000 | 15,500 | 15,500 | 9,100 | 199.4 | 90 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 10,281 | -15,950 | 6,836 |
| 2024 | 11,753 | 2,577 | -11,489 |
| 2025 | 13,104 | -29,834 | 21,995 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER 高値平均/安値平均 |
PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 8.6% | 12.1% | 5.7% | – | – |
| 2024 | 9.6% | 18.3% | 9.8% | – | – |
| 2025 | 9.2% | 10.9% | 5.0% | 7.6倍/5.2倍 | 1.04倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず売上高は、24.3期で約1,441億円、25.3期で約1,440億円と横ばい推移となった後、26.3期予では約1,760億円と明確な増収が見込まれている。直近2年は停滞感があるものの、26.3期は回復色が強く、事業環境の改善が前提に置かれていることが分かる。
営業利益は24.3期で約138億円、25.3期で約132億円とやや減少したが、26.3期予では約145億円と再び増益が見込まれている。営業利益率は2023~2025で8.6%、9.6%、9.2%と9%前後で安定しており、耐火物メーカーとしては標準からやや良好な水準を維持している。大きな成長力はないが、収益構造は比較的安定している。
経常利益は24.3期で約149億円、25.3期で約136億円、26.3期予で約149億円と、営業利益と同様に一時的な調整後に回復する見通しである。純利益は24.3期で約152億円と一時的に高水準となった後、25.3期は約97億円まで低下し、26.3期予では約130億円まで回復するとされている。利益水準には年ごとの振れがあり、安定性という点ではやや弱さが残る。
資本効率を見ると、ROEは12.1%、18.3%、10.9%と年ごとの変動が大きい。特に2024年のROE18.3%は高水準だが、2025年には10%台前半まで低下しており、構造的に高ROEを維持できているとは言いにくい。ROAも5.7%、9.8%、5.0%と同様に振れが大きく、資産効率は安定感に欠ける。
一方でバリュエーションを見ると、2025年の実績PERは高値平均7.6倍、安値平均5.2倍と非常に低く、PBRも1.0倍前後にとどまっている。収益性が突出して高い企業ではないものの、現在の評価は明らかに慎重であり、市場は成長性よりも事業の成熟度や業績変動リスクを強く意識していると考えられる。
以上を踏まえた投資判断として、品川リフラは営業利益率9%前後、ROE10%台という水準から見て、成長株ではなく安定収益型の素材企業である。一方でPER5~7倍、PBR1倍前後という評価は、すでに相当程度の慎重さを織り込んでおり、業績が底割れしない前提であれば下値余地は限定的と考えられる。
結論としては、品川リフラは高成長を期待して買う銘柄ではないが、業績回復局面での見直しや、配当を含めた安定的なリターンを狙う投資には向いた銘柄である。評価面では割安感が強く、投資判断としては「派手さはないが、低評価を前提にした堅実型」という位置づけになる。
配当目的とかどうなの?
品川リフラを配当目的という観点で見ると、かなり相性の良い銘柄だと評価できる。まず予想配当利回りは、連26.3・連27.3ともに4.25%と、東証プライム全体で見ても高水準に入る。インカム目的で一つの目安とされる3%を明確に上回っており、数字だけを見れば十分に「配当株」と言える水準である。
配当の裏付けとなる利益水準を見ると、26.3期予の純利益は約130億円と回復基調にあり、一株益も280円台を見込んでいる。1株配当90円に対する配当性向は3割前後で、無理に配当を出している印象はない。業績が多少上下しても、配当を維持できる余地は残されている。
キャッシュフローを見ると、年によって投資CFの振れはあるものの、営業CFは安定してプラスを確保している。大型投資を行った年は財務CFで調整しているが、恒常的に資金繰りが厳しい状態ではなく、配当原資が枯渇するような構造ではない。設備投資型の企業としては標準的で、配当継続に大きな不安は感じにくい。
事業の性格としても、鉄鋼業向け耐火物という成熟産業に軸足を置いており、高成長は期待しにくい一方で、需要が急減しにくい。営業利益率は9%前後で安定し、ROEも10%台を維持しているため、「成長より安定と還元」を重視するフェーズに入った企業と見ることができる。
また、PERは5〜7倍台、PBRは1倍前後と株価評価はかなり低く抑えられている。この水準で4%超の利回りが確保できるため、株価が大きく上がらなくても、配当を受け取りながら保有するメリットは大きい。株価下落局面でも利回りが下支えになりやすい点は、配当目的では重要である。
総合すると、品川リフラは値上がり益を狙う銘柄ではないが、配当目的ではかなり有力な部類に入る。高成長や派手さはないものの、4%台の利回りを安定して受け取りながら中長期で保有する、いわゆるインカム重視の投資スタイルには向いた銘柄と判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
品川リフラについて、現在値2,115円を起点に、今後5年間の株価の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオで整理する。前提として、品川リフラは鉄鋼業向け耐火物の総合大手であり、JFEや神戸鋼との関係が深く、成長株というよりも成熟した安定収益型の素材企業である。営業利益率は9%前後、ROEは10%台、PERは5〜7倍、PBRは1倍前後と、市場評価はかなり低く抑えられている。一方で配当利回りは4%台と高く、株価の評価軸は成長期待よりも配当と安定性に置かれている。
良い場合のシナリオでは、国内外の鉄鋼操業が安定し、高機能耐火物の比率上昇や価格改定が進むことで、営業利益率が9〜10%台を維持する。業績は26.3期予の回復基調が定着し、純利益も安定的に100億円超を確保する。この場合、市場は業績の底打ちと配当利回りの高さを再評価し、PERは8〜9倍程度まで見直される可能性がある。株価は2,600円から3,000円程度まで上昇する余地があり、配当を含めた総合リターンは比較的良好な展開となる。
中間のシナリオでは、鉄鋼需要は大きく崩れないものの、大きな成長もなく、業績は横ばいから緩やかな回復にとどまる。営業利益率は9%前後、ROEは10%台で安定し、市場評価も現在と大きく変わらない。この場合、PERは6〜7倍、PBRは1倍前後で推移し、株価は1,900円から2,400円程度のレンジで推移する可能性が高い。値上がり益は限定的だが、4%台の配当を受け取りながらの中長期保有となる。
悪い場合のシナリオでは、世界的な景気減速や鉄鋼需要の低迷が長引き、操業度の低下によって耐火物需要が減少する。利益水準が再び低下し、営業利益率は8%を下回る水準まで落ち込む。この場合、市場は慎重姿勢を強め、PERは5倍前後、PBRも1倍を割り込む可能性がある。株価は1,500円から1,800円程度まで下落するリスクがあるが、高配当が下支えとなり、長期的な急落が続く可能性は高くない。
総合すると、品川リフラの今後5年間の株価は、良い場合で2,600〜3,000円程度、中間では1,900〜2,400円程度、悪い場合でも1,500〜1,800円程度というレンジ感が想定される。現在値2,115円は、すでに低評価と高配当を織り込んだ水準であり、値上がり益を大きく狙う銘柄というより、配当を受け取りながら業績の安定を前提に付き合う銘柄と考えられる。
この記事の最終更新日:2026年1月4日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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