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東邦チタニウム(5727)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-09)
1,545.00
前日比 +60.00(+4.04%)

東邦チタニウムとは

東邦チタニウム株式会社は、JX金属系に属するチタン製錬大手であり、日本を代表する非鉄金属メーカーの一社である。大阪チタニウムテクノロジーズと並び、日本のチタン産業を二分する存在で、チタン素材加工分野では世界有数のメーカーとして知られている。本社は神奈川県横浜市に所在し、茅ヶ崎工場、日立工場を主要な生産拠点としている。

同社はチタン事業を中核に、チタン製造プロセスで培った技術を応用した触媒事業、化学品事業を展開しており、航空機向けと一般工業向けの両分野を柱とした事業構成が特徴である。航空機向けでは高品質が求められる用途に対応しつつ、一般工業向けでは化学プラントやエネルギー、環境関連設備など、幅広い需要を取り込んでいる。

チタン事業では、スポンジチタン、チタンインゴット、高純度チタンを製造・販売している。スポンジチタンは金属チタンの基礎原料であり、航空機、化学プラント、発電設備などに使用されている。チタンインゴットはスポンジチタンを溶解・鋳造して製造され、用途に応じた素材供給を行っている。高純度チタンは半導体向けなど先端分野で使用されており、付加価値の高い製品として位置付けられている。また、新素材であるWEBTiも開発・展開しており、今後の用途拡大が注目されている。

触媒事業では、ポリオレフィン製造用の触媒を主力としており、1986年に商業生産を開始したTHC触媒は、世界中のポリオレフィンメーカーで使用されている。高い性能と品質安定性を持ち、プラスチック材料の付加価値向上に貢献する製品群として、同社の収益の安定化に寄与している。

化学品事業では、チタン製造技術を応用した高純度酸化チタンや、超微粉ニッケルなどの電子材料を製造している。これらは積層セラミックコンデンサ(MLCC)をはじめとする電子部品材料として使用されており、通信機器、車載電装品、電子機器市場などの拡大する需要を背景に重要性が高まっている。粉体製造技術の高度化により、品質安定性の高い材料供給を実現している点が強みである。

東邦チタニウムは、航空機需要や設備投資動向の影響を受けやすい循環型の側面を持つ一方で、航空機向けと一般工業向けを両立させ、さらに触媒・電子材料といった非チタン分野も組み合わせることで、事業ポートフォリオの分散を進めている。チタンという参入障壁の高い素材を基盤に、素材技術の応用領域を広げながら、持続可能な社会の発展に貢献する素材メーカーとしての地位を確立している。

東邦チタニウム 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当 DPS(円)
連21.3 36,159 3,135 -417 -3,156 -44.4 12
連22.3 55,515 5,228 5,177 3,695 51.9 15
連23.3 80,351 10,693 10,532 7,504 105.4 30
連24.3 78,404 5,628 6,273 4,951 69.6 24
連25.3 88,974 5,880 5,514 3,726 52.4 18
連26.3予 81,300 4,000 3,600 1,900 26.7 18
連27.3予 90,000 5,500 5,000 2,700 37.9 18

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 5,294 -6,765 2,732
2024 -3,135 -8,010 9,613
2025 19,283 -11,631 -4,935

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 13.3% 14.1% 6.7%
2024 7.1% 8.7% 3.9%
2025 6.6% 6.3% 2.9% 31.5倍(高値)
17.1倍(安値)
1.81倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

営業利益率は2023年が13.3%と高水準だったが、2024年には7.1%まで低下し、2025年は6.6%とさらに下がっている。収益性ははっきりとピークアウトしており、高収益が続く前提では見にくい状態にある。

業績を見ると、2024年3月期は売上高784億円、営業利益56億円、経常利益62億円、純利益49億円だった。翌2025年3月期は売上高が889億円まで伸びている一方、営業利益は58億円とほぼ横ばい、経常利益は55億円、純利益は37億円に減少している。売上は増えているのに利益が減っており、コスト上昇や市況悪化の影響を強く受けていることが数字から読み取れる。

2026年3月期の会社予想では、売上高813億円、営業利益40億円、経常利益36億円、純利益19億円と、利益面でさらに大きな落ち込みが想定されている。営業利益は2024年比で3割近く減り、純利益は半分以下になる見通しで、調整局面が続く前提に立っている。

資本効率を見ると、ROEは2023年14.1%、2024年8.7%、2025年6.3%と低下しており、ROAも2023年6.7%、2024年3.9%、2025年2.9%と同じく悪化している。収益性の低下がそのまま資本効率の悪化につながっており、企業の稼ぐ力は明確に弱まっている。

こうした中で、2025年の実績PERは高値平均31.5倍、安値平均17.1倍と振れ幅が大きく、PBRは1.8倍と、数字だけを見ると評価は決して低くない。利益率やROEが低下している局面としては、むしろ将来の回復をかなり織り込んだ株価水準といえる。

以上を総合すると、東邦チタニウムは2023年をピークに収益性が大きく低下しており、足元から2026年にかけては調整局面が続く前提になっている。業績の実力値に対してPERやPBRは高めで、割安感は乏しい。上記数値だけで判断するなら、安定成長株やバリュー株として買う局面ではなく、市況回復を前提とした期待先行型の銘柄であり、現時点では中立から慎重寄りで見るのが妥当、という印象になる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは2026年3月期が1.21%、2027年3月期も1.21%と、2年連続でほぼ同じ水準にとどまっている。この利回りは日本株全体の中では低めで、配当収入を主目的とする投資には正直かなり物足りない水準である。配当目的で選ばれる銘柄は、少なくとも3%前後、場合によっては4%以上が期待されることが多く、それと比べるとインカム面の魅力は弱い。

業績の流れを見ると、2023年をピークに営業利益率、ROE、ROAはいずれも低下傾向にあり、2026年予想では利益がさらに縮小する前提になっている。こうした状況では、会社としても配当を積極的に引き上げる余地は小さく、配当水準を抑えて内部留保や事業の安定を優先していると考えるのが自然である。その結果が、利回り1%台前半で横ばいという数字に表れている。

また、同社は航空機向けと一般工業向けを柱とする循環型の素材メーカーであり、好不況の波が大きい。業績が良い年に高配当を出し、悪い年に減配するタイプではなく、そもそも配当を低めに設定して振れを小さくする傾向があると見られる。この点からも、安定した配当収入を長期で積み上げていくタイプの銘柄ではない。

PERやPBRを見ると、利益が落ちている局面でも評価は比較的高めで、株価は将来の回復期待を織り込んだ状態にある。一方で、配当利回りは低く、配当性向を高めて株主還元を強化する姿勢も数字上は見えない。

以上を踏まえると、東邦チタニウムは配当目的にはあまり向いていない銘柄である。配当はあくまで補助的な位置付けで、インカムを狙う投資には不向きであり、業績サイクルや市況回復を見越した値動き狙いの銘柄として考える方が現実的、という結論になる。

今後の値動き予想!!(5年間)

東邦チタニウムの現在値1,485.0円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社はJX金属系のチタン製錬大手として、スポンジチタンを中心に航空機向けと一般工業向けを柱とする事業基盤を持つ企業である。大阪チタニウムテクノロジーズと並び日本のチタン産業を二分する存在であり、参入障壁の高い素材分野に強みを持つ一方、業績は航空機需要や市況に大きく左右される循環型の性格が強い。直近では2023年をピークに営業利益率、ROE、ROAが低下しており、足元は調整局面にあることが株価にも反映されやすい状況にある。

良い場合は、世界的な航空機需要が中長期で拡大し、機体メーカーの増産が継続するケースである。これによりスポンジチタンやチタンインゴットの稼働率が上昇し、価格環境も安定する。一般工業向け需要や触媒・化学品事業も下支えとなり、営業利益率は再び8〜10%程度まで回復、ROEも10%前後まで持ち直す状況が想定される。この場合、市場からは循環株の底打ちと回復局面として評価され、PERは20倍前後、PBRも2倍近辺まで許容される可能性がある。こうした評価修正が進めば、5年後の株価は2,200円〜2,800円程度まで上昇する展開が考えられる。航空機需要に加え、新素材や触媒・電材分野への期待が高まるシナリオでは、3,000円近辺まで上振れする可能性もある。

中間の場合は、航空機向け需要は緩やかに回復するものの、急拡大には至らず、一般工業向けも横ばい推移となるケースである。売上高は安定するが、利益率の回復は限定的で、営業利益率は6〜8%程度にとどまる。ROE・ROAも一桁台で推移し、収益性は改善するものの、投資家が強く評価する水準には達しない。この場合、PERは15倍前後、PBRは1.5倍前後で落ち着き、株価は業績に沿ったレンジ相場となる。5年後の株価水準は1,400円〜1,800円程度で、現在値近辺からやや上方向を意識する程度にとどまる可能性が高い。

悪い場合は、航空機需要の回復が想定以上に遅れ、世界景気の減速や設備投資抑制が長期化するケースである。チタン市況が軟調に推移し、稼働率低下やコスト負担が続くことで、営業利益率は5%前後まで低下する可能性がある。ROE・ROAも低水準にとどまり、業績回復への確信が持てない状況では、市場評価は慎重になる。この場合、PERは10倍前後、PBRは1倍前後まで切り下げられ、株価は1,000円〜1,300円のレンジで低迷する展開が想定される。市況悪化が長引けば、900円台まで下押しされるリスクも否定できない。

総合すると、東邦チタニウムは高い技術力と参入障壁を持つ一方で、航空機市況に強く左右される循環型の素材メーカーである。5年間では中間シナリオを基本に考えるのが現実的で、需要回復が進めば2,000円超への上振れ余地はあるが、回復が遅れれば1,000円前後までの下押しリスクも併せ持つ。安定成長や高配当を期待する銘柄というより、市況と業績サイクルを見極めながら向き合う必要のある銘柄といえる。

この記事の最終更新日:2026年1月8日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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