株価
ちゅうぎんフィナンシャルグループとは

株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループは、岡山県岡山市北区に本店を置く中国銀行を中核とする金融持株会社であり、東京証券取引所プライム市場に上場する地方金融グループである。旧来の単体銀行モデルから脱却し、地域金融に加えて非金融分野も含めた総合的なサービス提供体制を構築することを目的として設立された。
同社は2022年9月15日に金融庁から設立認可を受け、同年10月3日に中国銀行の単独株式移転により完全親会社として発足した。設立にあたってはグループ内再編が実施され、中国銀行が保有していた一部子会社株式について現物配当を受けることで、持株会社が直接出資する子会社体制へと移行している。この体制変更により、銀行業務と周辺事業を明確に切り分け、経営の機動性や資本効率の向上を図る狙いがある。
グループは中国銀行を含む9社で構成されており、中国銀行以外の会社はいずれも、持株会社設立以前は中国銀行の子会社であった。中核である中国銀行は、地方銀行として預金業務や貸出業務を基盤に、有価証券投資、内国為替、外国為替、信託業務、各種代理業務、債務保証、国債などの公共債や投資信託、生命保険の窓口販売、金融商品仲介業務、さらにはM&A仲介を含む投資銀行業務まで幅広い金融サービスを展開している。地域密着型の営業を基本とし、個人・法人双方に対して長期的な取引関係を重視する姿勢を掲げている。
周辺事業としては、中銀リースがOA機器から大型生産プラントまで幅広いリース業務を担い、企業の設備投資や資金効率改善を支援している。中銀カードはJCBグループおよびVJAグループに加盟し、クレジットカードを通じて個人向け決済サービスを提供している。中銀アセットマネジメントは投資信託の運用を行い、専任ファンドマネージャーによるポートフォリオ運用を通じて個人・法人投資家の資産形成ニーズに対応している。中銀証券は地域密着型の証券会社として、顧客のライフプランを踏まえた資産運用提案を行っている。
さらに金融周辺・非金融分野にも事業領域を広げている点が特徴である。せとのわは、地域事業者が持つ食品や工芸品、工業製品といった地域資源を発掘し、域内外への情報発信や販売支援を通じて地域経済の付加価値創出を目指している。ちゅうぎんキャピタルパートナーズは、事業承継やベンチャー企業、地域活性化事業者に対してリスクマネーの供給やコンサルティングを行い、成長支援や企業価値向上に取り組んでいる。
ちゅうぎんヒューマンイノベーションズは、人材確保や人事制度構築など「ひと」に関する経営課題に対応し、取引先企業の成長を通じた地域発展を支援している。Cキューブ・コンサルティングは、デジタルトランスフォーメーションやサステナビリティ・トランスフォーメーションを軸に、企業や地域の課題解決を目的としたコンサルティングサービスを提供している。
事業内容としては、銀行その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理を主たる業務とし、これに附帯・関連する一切の業務を行う。また、銀行法に基づき銀行持株会社として認められる業務全般を通じて、預金・融資といった伝統的な銀行機能にとどまらず、証券、資産運用、リース、カード、コンサルティング、地域支援までを含めた総合金融サービスの提供を行っている。
全体として、ちゅうぎんフィナンシャルグループは、中国銀行を基盤とした安定的な地域金融を土台にしながら、事業承継支援やDX、地域資源活用といった分野にも踏み込み、金融と非金融を組み合わせた地域密着型の金融グループとして、持続的な成長と地域経済への貢献を目指している企業である。
ちゅうぎんフィナンシャルグループ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 経常収益(単位百万) | 業務純益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 183,586 | – | 29,593 | 20,477 | 111.0 | 16 |
| 連24.3 | 184,661 | – | 31,191 | 21,389 | 117.1 | 47 |
| 連25.3 | 211,734 | – | 38,308 | 27,434 | 152.6 | 62 |
| 連26.3予 | 242,000 | – | 50,000 | 35,000 | 196.9 | 79 |
| 連27.3予 | 270,000 | – | 60,000 | 42,000 | 236.3 | 95 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | -403,482 | 164,298 | -7,844 |
| 2024 | 115,595 | -198,394 | -7,930 |
| 2025 | 46,944 | -265,073 | 4,214 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | – | 3.8% | 0.2% | – | – |
| 2024 | – | 3.6% | 0.1% | – | – |
| 2025 | – | 5.0% | 0.2% | 7.7~10.8 | 0.78 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
2024年3月期の収益規模は1846億円、経常利益311億円、純利益213億円である。2025年3月期は収益規模2117億円、経常利益383億円、純利益274億円へと増加しており、2026年3月期予想では収益規模2420億円、経常利益500億円、純利益350億円と、利益成長がさらに加速する見通しとなっている。3年間で純利益は約1.6倍に拡大しており、収益力そのものは明確な改善トレンドにある。
一株益も2024年117円、2025年152円、2026年予想196円と右肩上がりで、利益成長が株主価値に直結している点は評価できる。一方でROEは2023年3.8%、2024年3.6%、2025年5.0%と、改善は見られるものの依然として5%程度にとどまっており、資本効率は高いとは言えない。ROAも0.2%、0.1%、0.2%と低水準で、銀行業としても効率性は控えめである。
営業利益率は銀行業の特性上明示されていないが、経常利益・純利益の伸びから見て、収益構造は安定的かつ改善基調にあると判断できる。2025年時点の実績PERは安値平均7.7倍から高値平均10.8倍のレンジにあり、PBRは0.78倍と1倍を下回っている。これは市場が成長性よりも安定性を重視し、依然として慎重な評価をしていることを示している。
総合すると、利益成長は明確で、今後2年程度は増益基調が続く可能性が高い一方、ROE・ROAの低さから高成長株としての評価は得にくい。PER・PBR水準から見れば割高感はなく、むしろ資産価値面では割安圏にあるため、値上がり益を狙う銘柄というよりは、業績の着実な改善と配当成長を前提にした安定志向の投資向きの銘柄と判断できる。
短期的な株価の急上昇を期待するタイプではないが、利益成長が続く限り、下値は比較的堅く、中長期でじっくり保有する投資には適した地銀フィナンシャルグループである。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、ちゅうぎんフィナンシャルグループは現時点で十分に検討対象に入る水準にあると判断できる。予想配当利回りは2026年3月期で3.01%、2027年3月期で3.62%と、地銀フィナンシャルグループの中では比較的高めの水準に位置している。特に翌期にかけて利回りが上昇する見通しになっている点は、利益成長を背景に配当水準が引き上げられていく流れを示しており、配当の持続性という観点では安心感がある。
業績面を見ると、純利益は2024年213億円、2025年274億円、2026年予想350億円と明確な増益基調が続いており、一株益も117円から152円、196円へと着実に伸びている。配当はこの利益成長に沿って増やされているため、無理に配当性向を引き上げている印象はなく、今後も急な減配リスクは比較的低いと考えられる。
一方で、ROEは2025年時点で5.0%、ROAは0.2%と、収益効率そのものは高いとは言えない。銀行業という業種特性を踏まえても、爆発的な利益成長や高い資本効率を前提とした高配当株ではなく、安定的に利益を積み上げながら配当を増やしていくタイプの銘柄である。そのため、利回り4%後半や5%超を恒常的に期待するような投資には向かない。
評価面ではPBRが0.78倍と1倍を下回っており、資産価値から見た割高感はない。この水準であれば、配当を受け取りながら中長期で保有し、業績の改善とともに評価がじわじわ見直される展開を待つ投資スタイルと相性が良い。短期的な値上がり益を狙うよりも、安定した配当収入を得つつ、時間を味方につける運用に向いた銘柄と言える。
総合すると、ちゅうぎんフィナンシャルグループは高配当株ではないものの、配当の安定性と緩やかな成長を重視する配当目的の投資としては十分に成立する銘柄であり、地銀フィナンシャルグループの中で分散投資の一角として組み入れる価値はあると判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループの現在値2,620.5円を基準に今後5年間の値動きを考えると、同社は中国銀行を中核とする地方銀行グループの持株会社であり、中国地方を中心とした安定した地域金融基盤を持つ一方で、地方銀行共通の課題である低い資本効率や人口減少、地域経済の成長制約といった構造的な問題も抱えている企業である。
ただし足元では金利環境の変化を背景に利益水準が大きく改善しており、純利益・一株益ともに明確な成長局面に入っている点が特徴である。一方でROE・ROAは依然として低水準にとどまり、市場からは成長株というより安定収益型の金融株として慎重に評価されやすい銘柄といえる。
良い場合は、国内金利の正常化が想定以上に進み、預貸金利差の改善が持続するケースである。これに加えて、リース、カード、資産運用、M&A支援、コンサルティングなど非金利収益が着実に積み上がり、グループ全体の収益構造がよりバランスの取れたものへと進化する展開が考えられる。この場合、純利益は高水準を維持しつつさらに拡大し、ROEは5%台から6〜7%水準へと改善していく。資本効率の改善が明確になれば、市場の見方も変わり、PBRは1倍前後まで是正され、PERも9〜11倍程度が許容される可能性がある。配当も安定して3%台を維持、あるいは緩やかな増配が続けば、評価修正が進み、5年後の株価は3,800円〜4,800円程度まで上昇するシナリオが想定される。
中間の場合は、金利環境は緩やかな改善にとどまり、地域経済も大きな成長も悪化もない状態が続くケースである。利益水準は現在の延長線上で安定的に推移するものの、ROE・ROAの改善は限定的で、地方銀行特有の低評価構造から完全に脱するには至らない。この場合、PERは7〜9倍、PBRは0.8〜0.9倍前後で推移し、配当利回り3%前後の安定配当株として評価される。株価は大きく跳ね上がることはないが、業績の安定性から下値も堅く、5年後の株価水準は2,900円〜3,600円程度に収れんしていくイメージとなる。値上がり益よりも配当と安定性を重視する投資家向けのシナリオである。
悪い場合は、金利低下や景気後退により利ざや改善が進まず、非金利収益の伸びも鈍化するケースである。地域経済の停滞が長期化すれば貸出成長も抑制され、利益成長が頭打ちとなる可能性がある。この場合、ROE・ROAは再び低水準にとどまり、PBRは0.7倍前後での低迷が定着する。市場評価が一段と慎重になると、株価は調整局面に入り、5年後には2,100円〜2,500円程度で推移し、環境次第では2,000円割れを試すリスクも否定できない。
総合すると、ちゅうぎんフィナンシャルグループは急成長を期待する銘柄ではなく、地域金融を基盤とした安定的な利益成長と配当を軸に評価される地方銀行グループである。5年間では中間シナリオが最も現実的だが、金利環境の改善と非金利収益拡大が進めば4,000円超への上振れ余地もあり、一方で環境悪化時には2,000円前後までの下押しリスクも併せ持つ。現時点では、高い値上がり益を狙うというより、配当を受け取りながら業績改善の進捗を見極めていく中長期保有向きの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年1月9日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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