株価
住石ホールディングスとは

住石ホールディングス株式会社は、東京都港区西新橋に本社を置く持株会社です。2008年10月1日に設立され、東証スタンダード市場に上場しています。代表取締役社長は森省輔氏です。決算期は3月末で、連結従業員数は約39名、単独では10名ほどとなっています。
主な事業内容は、グループ会社を統括しながら「石炭事業」「新素材事業」「採石事業」を展開しています。石炭事業では、海外からの石炭の輸入販売を中心に行っており、これが収益の大部分を占めています。
新素材事業では、人工ダイヤモンドなどの先端素材の製造・販売を行い、半導体関連分野への展開を強化しています。採石事業では、建設資材などに用いられる砕石の採取・販売を行っています。
事業構成比率としては、石炭事業が約9割を占め、新素材と採石事業が残りを構成しています。今後は、エネルギー資源と新素材の両軸で事業の安定と成長を目指しています。
直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 純利益 (百万円) | 一株あたり利益 (EPS, 円) | 年間一株配当 (DPS, 円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023/3期 | 39,893 | 3,840 | 3,719 | 3,667 | 68.31 | 7.50 |
| 2024/3期 | 22,599 | 8009 | 8,106 | 7,530 | 144.70 | 60.00 |
| 2025/3期 | 10,264 | 48 | 4,711 | 4,195 | 76.76 | 30.00 |
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE (自己資本利益率) | ROA (総資産利益率) | PER (予想/実績など) | PBR (実績) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/3期 | 約 9.64% | 約 18.01% | 約 14.03% | PER ≒22 倍 | PBR ≒1.31 倍 |
| 2024/3期 | 約35.4% | 約 31.81% | 約 24.18% | 約5.7倍 | 実績 PBR ≒1.35 倍 |
| 2025/3期 | 約 0.47% | 約 15.25% | 約 14.44% | 最新 PER ≒ **22.12 倍 | 実績 PBR ≒ **1.35 倍 |
出典元:株探 IR BANK Yahooファイナンス
投資判断
2023年3月期から2025年3月期にかけての業績をみると、同社の収益は大きく変動しています。2023年は営業利益率9.6%、2024年は一気に35.4%まで上昇しましたが、2025年には再び0.4%台に低下する見込みです。これは、石炭市況の変化が業績に直接影響していることを示しています。石炭価格が上昇したときには莫大な利益を得られる一方で、下落局面では収益が急減する構造的な弱点があります。
2024年3月期のPERは約5.7倍と非常に割安に見えます。ROE31.8%・ROA24.1%と資本効率も極めて高く、一見すると「超優良株」に見える数字です。しかし、これは一時的な石炭高騰による特需的な利益が反映されているに過ぎず、2025年の営業利益率0.4%・PER22倍という見通しからも、利益水準が通常に戻ることが分かります。つまり、2024年の異常値を基準に判断してしまうと実態よりも過大評価してしまうリスクがあります。
また、同社は自己資本比率が90%以上、有利子負債もほぼゼロという極めて健全な財務体質を持っています。倒産リスクや資金繰りの不安は少なく、長期的な安定感はあります。一方で、事業構造上、収益の安定性に欠けるため、配当政策も業績連動型で変動が大きく、長期投資には注意が必要です。
配当目的とかどうなの?
住石ホールディングスを配当目的で持つのは、正直あまり向いていません。
確かに2024年3月期は特別配当もあって1株あたり60円という高配当を出しました。株価が830円前後だと配当利回りは7%を超える水準で、数字だけ見ればかなり魅力的です。財務的にも自己資本比率が高く、有利子負債もほとんどないため、配当を出す体力はあります。
ただし、2024年の配当は一時的な好業績によるもので、2025年3月期は1株あたり30円と半分に減っております。営業利益も大幅に減少するため、今後も安定して高配当を維持できるかは不透明です。
この会社は石炭価格や資源市況の変動に業績が左右されやすく、利益が大きく伸びた年には高配当を出せますが、不調な年には減配も普通にあります。つまり、配当が安定していない「波のある銘柄」です。
長期的に毎年安定した配当収入を得たい人には向かず、配当目的での保有はリスクがあります。もし2024年のような特需の再来を狙って短期的に高配当を取るという考えなら、チャンスはあるかもしれませんが、安定収益を目的とする投資には不向きです。
結論としては、配当狙いの長期保有には向かないが、業績が好調な年の一時的な高配当を狙う短期型の投資なら検討の余地ありです。
今後の値動き予想!!(5年間)
住石ホールディングスの現在値592円を基準に、今後5年間の株価の動きを予想すると以下のようになります。
まずこの会社は石炭の輸入販売を中心にしており、世界的なエネルギー価格の影響を強く受けます。さらに人工ダイヤや半導体素材などの新素材事業にも力を入れているため、その成長が進むかどうかが大きなカギになります。
【良い場合】
石炭価格が高値で安定し、エネルギー需要が堅調に続く。また新素材事業が本格的に利益を出し始め、石炭依存からの脱却が進む。業績が安定的に伸びてEPS(1株利益)が上昇すれば、PER15倍として株価は約3,000円前後まで上がる可能性があります。5年でおよそ5倍近い上昇です。配当も増え、年率5%程度の増配が続く見通しです。
【中間の場合】
石炭価格は横ばいで推移し、新素材事業も少しずつ成長するものの、全体としては大きな変化はない。EPSが120円程度を維持できた場合、PER15倍で株価は1,800円前後と見込まれます。現状からおよそ3倍の上昇で、安定成長型のシナリオです。
【悪い場合】
石炭価格が下落し、需要が減少。新素材事業も伸び悩み、利益が半減する。EPSが60円程度まで落ち込んだ場合、PER15倍で株価は900円程度になると考えられます。配当も減配または据え置きとなり、配当利回りは1〜2%台まで低下します。現状より上がる可能性はありますが、大きなリターンは期待しにくい展開です。
現在の592円という水準は、将来的な業績回復を織り込んでいない水準といえます。もし石炭価格が安定し、新素材分野の業績が伸びていけば、長期的な上昇の可能性は十分あります。ただし、資源価格次第で利益が急変するリスクもあるため、短期での売買ではなく、長期視点での「将来成長を見守る投資」が向いている銘柄と言えるでしょう。
この記事の最終更新日:2025年10月25日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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