株価
KeePer技研とは

KeePer技研は、洗車・カーコーティングという一見すると身近で小規模に見える分野を、技術・材料・施工・教育まで一体化した独自モデルで事業化している企業である。洗車やコーティング用のケミカル・機器を自社で開発・製造・販売するメーカーでありながら、実際の施工現場も自ら運営し、そのノウハウを全国に広げている点が最大の特徴といえる。
事業の出発点は、洗車・コーティングの「材料」と「技術」にある。KeePer技研は、ガラス系やレジン系などのコーティングケミカルを自社開発し、耐久性、防汚性、光沢といった性能を重視した製品を展開している。単に薬剤を売るだけでなく、それをどう施工すれば最大の効果が出るかまでを含めて商品設計しており、材料と技術を切り離さない考え方が根付いている。
施工サービスは、直営の「KeePer LABO」と、外部パートナーによる「KeePer PROSHOP」という二つの形で展開されている。KeePer LABOは、カーコーティングと手洗い洗車に特化した専門店で、直営を中心にフランチャイズも含めて全国に店舗網を広げている。ここでは、KeePer技研が理想とする施工品質や接客を実際に体現し、ブランドの顔としての役割を担っている。一方、KeePer PROSHOPは、ガソリンスタンドなど既存の店舗インフラを活用したモデルで、日本全国および海外を含め6,500店舗以上に広がっている。これにより、自社で多額の出店投資を行わずとも、サービスを一気に普及させる仕組みを作っている。
この二層構造により、KeePer技研は「自社で品質を磨く場」と「全国規模で数量を取る場」を両立させている。直営店で技術やサービスを磨き、その標準をPROSHOPに横展開することで、ブランド価値と収益規模の両方を高めている点は、他の洗車・コーティング関連企業にはあまり見られない特徴である。
技術力を支える重要な要素が、全国に配置されたトレーニングセンターの存在である。洗車やコーティングは人の手による作業が多く、技術者の腕によって仕上がりに差が出やすい。KeePer技研はこの点を重視し、施工技術者向けの研修・認定制度を整備している。施工品質を「人任せ」にせず、教育システムとして組み込んでいることが、ブランド維持とクレーム抑制、リピート需要につながっている。
需要面を見ると、同社の事業は新車販売台数に強く依存しない。車を長く大切に使いたいという意識の高まりや、中古車市場の活発化を背景に、既存車両へのコーティング需要が継続的に発生する構造になっている。景気変動の影響は受けるものの、生活必需ではない代わりに、嗜好性と実用性を併せ持つ安定した需要が存在している。
近年は、自動車分野にとどまらず、建物の外装やガラス、その他素材へのコーティングなど、車以外の分野への応用も進めている。コーティング技術そのものを汎用技術として捉え、用途を広げていくことで、成長余地を確保しようとする動きである。これは、国内の自動車市場が成熟する中で、中長期的な成長を見据えた取り組みといえる。
総合すると、KeePer技研は、洗車・カーコーティングというニッチ市場において、材料メーカー、施工会社、教育機関という三つの顔を併せ持つ独自の企業である。直営とフランチャイズ、全国ネットワークを組み合わせた事業構造により、安定した需要と拡張性を両立している。派手なテクノロジー企業ではないが、現場に根差した技術と仕組みで着実に事業を積み上げていく、地に足のついた成長企業という位置付けになる。
KeePer技研 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 23.6 | 17,042 | 5,475 | 5,470 | 3,957 | 145.1 | 43 |
| 24.6 | 20,574 | 6,101 | 6,075 | 4,421 | 162.0 | 50 |
| 25.6 | 23,093 | 7,098 | 7,131 | 4,888 | 179.1 | 60 |
| 26.6予 | 26,300 | 8,000 | 8,000 | 10,270 | 376.3 | 60〜65 |
| 27.6予 | 29,600 | 9,000 | 9,000 | 6,300 | 230.8 | 69 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 23.6 | 3,663 | -1,586 | -1,226 |
| 24.6 | 5,344 | -2,561 | -1,221 |
| 25.6 | 5,855 | -6,796 | -27 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.6 | 32.1% | 26.2% | 35.4% | – | – |
| 24.6 | 29.6% | 22.9% | 30.5% | – | – |
| 25.6 | 30.7% | 19.6% | 27.0% | 19.8〜37.8倍 | 4.43倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、24.6期の売上高は約205億円、営業利益は約61億円、経常利益は約60億円、純利益は約44億円である。25.6期は売上高約230億円、営業利益約70億円、経常利益約71億円、純利益約48億円と、売上・利益ともに順調に拡大している。26.6期予想では売上高約263億円、営業利益約80億円、経常利益約80億円、純利益約102億円とされており、利益成長が一段と加速する前提になっている。規模としては中堅クラスだが、利益額の伸びは非常に強い。
収益性を見ると、営業利益率は23.6期32.1%、24.6期29.6%、25.6期30.7%と、3年連続で30%前後という異常に高い水準を維持している。洗車・カーコーティングという一見シンプルな分野で、ここまで高い利益率を継続できている点は特筆すべきで、材料・技術・施工・教育を一体化したビジネスモデルの強さがそのまま数字に表れている。
資本効率も極めて高い。ROEは23.6期35.4%、24.6期30.5%、25.6期27.0%と、やや低下傾向ではあるものの依然として20%後半を確保している。ROAも23.6期26.2%、24.6期22.9%、25.6期19.6%と非常に高水準で、資産をほとんど寝かせずに稼いでいる企業であることが分かる。国内上場企業の中でも、効率性という点ではトップクラスに入る。
一方で市場評価を見ると、25.6期の実績PERは安値平均で19.8倍、高値平均で37.8倍とレンジが広い。PBRは4.4倍であり、ROE27.0%を踏まえると理屈上は説明可能だが、明確に割安と言える水準ではない。市場は同社を「高成長・高収益企業」として評価しており、その期待値はすでに株価に相当程度織り込まれている。
これらを総合すると、KeePer技研は売上成長、利益成長、収益性、資本効率のすべてが非常に高いレベルにあり、事業の質という点では文句のつけようがない企業である。26.6期予想でも増収増益が続く前提であり、数字だけを見る限り、事業環境は極めて良好である。一方で、PER・PBRは高く、株価はすでに「高成長が続くこと」を前提とした評価水準にある。成長が鈍化した場合や、利益率が低下した場合には、評価調整が入りやすい点には注意が必要である。
この数値だけで判断するなら、KeePer技研は事業内容と数字は圧倒的に強いが、株価は安さで買う銘柄ではなく、成長と高収益が続くことを信じて持つ銘柄という位置づけになる。割安狙いよりも、成長企業へのプレミアムを受け入れられる投資家向けの、高クオリティ・高バリュエーション銘柄だと言える。
配当目的とかどうなの?
KeePer技研を配当目的で眺めると、性格はかなりはっきりしていて、いわゆる配当株とは真逆の位置にある企業だと感じる。まず予想配当利回りを見ると、26.6期で1.77%、27.6期で2.04%と、ようやく2%に届くかどうかという水準である。高配当を狙う投資家の目線からすれば、正直物足りない数字で、これだけを見る限り配当目的で積極的に選ぶ理由は乏しい。
ただし、配当が低いからといって企業体力が弱いわけではない。むしろ逆で、営業利益率は30%前後、ROEは20%後半、ROAも20%近いという、国内でもトップクラスの収益性と資本効率を誇っている。営業キャッシュフローも安定してプラスで、配当を出せない事情があるわけではなく、あくまで経営判断として配当より成長投資を優先している状態だと言える。
実際、同社は直営店の拡大、人材育成、トレーニング体制の強化など、将来の売上と利益を伸ばすための投資を継続しているフェーズにある。この段階で配当性向を無理に引き上げるよりも、内部投資に資金を回して成長速度を落とさない方が、企業価値としては合理的である。配当を抑えているのは守りではなく、むしろ攻めの姿勢だと捉えられる。
また、PERやPBRを見ると、株価はすでに高収益・高成長を前提とした評価水準にある。そのため、配当利回りが2%前後あっても、それが株価の下支えになるタイプではない。株価は配当よりも、売上成長や利益率の維持、店舗拡大の進捗といった成長ストーリーに強く左右される。
このため、KeePer技研は、配当を安定的に受け取りたい人や、インカムゲインを重視する投資家には向かない。一方で、業績成長と株価上昇を主目的にしつつ、その過程で配当も少しもらえれば良い、というスタンスの投資家には非常に分かりやすい銘柄である。
配当はあくまで副次的な位置付けで、本質は成長株である。今後、成長が一巡し、出店や投資のペースが落ちてくれば、配当性向が高まる可能性は十分にあるが、少なくとも現時点では「配当狙いで買う銘柄」ではない。成長を取りに行く中で、結果として配当も受け取る、そういう距離感で付き合うのが現実的な銘柄だと思われる。
今後の値動き予想!!(5年間)
KeePer技研は、洗車・カーコーティングという一見すると身近だが、実際には技術力と仕組み作りがものを言う分野で、独自のポジションを築いている企業である。洗車・コーティング用ケミカルの開発・製造を起点に、直営施工店「KeePer LABO」と、ガソリンスタンドなどを中心とした「KeePer PROSHOP」を全国に展開し、材料・施工・教育を一体化したビジネスモデルを確立している。
売上規模は200億円台前半から中盤へ拡大しており、近年は高い成長率を維持している。新車販売台数に依存しにくく、既存車両の美観維持ニーズを取り込める点から、需要の裾野は比較的安定している。一方で、営業利益率は30%前後、ROEも20%後半と極めて高く、単なる安定企業ではなく、高付加価値・高収益型のビジネスモデルである点が大きな特徴である。今後の値動きについて、現在値は3,375.0円である。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、KeePer LABOの出店拡大とPROSHOPネットワークの成長が順調に進み、売上・利益ともに計画どおり、あるいはそれ以上に伸びるシナリオである。営業利益率は30%前後の高水準を維持し、ROE・ROAも国内トップクラスの水準を継続する。市場はKeePer技研を「高収益かつ成長が続くブランド企業」として評価し、PERは25〜35倍程度、PBRも3倍台を許容する形でプレミアム評価が続く。この場合、5年後の株価は4,500円〜5,800円程度が視野に入る。
中間の場合は、成長は続くものの、出店ペースや需要拡大がやや落ち着き、売上・利益の伸びが緩やかになるケースである。営業利益率は28〜30%程度、ROEは20%台前半まで低下するが、依然として高収益体質は維持される。市場評価は次第に落ち着き、PERは20〜25倍、PBRは2.5倍前後で推移する。この場合、5年後の株価は3,600円〜4,200円程度となり、現在値近辺から緩やかな上昇にとどまるレンジ相場が想定される。
悪い場合は、景気後退や個人消費の低迷により洗車・コーティング需要が鈍化し、出店やPROSHOP拡大の勢いが落ちるシナリオである。営業利益率は25%前後まで低下し、ROE・ROAも明確に低下する。成長期待が剥落すると、高いバリュエーションが重荷となり、PERは15〜18倍程度、PBRも2倍前後まで切り下がる可能性がある。この場合、5年後の株価は2,400円〜3,000円程度まで調整するリスクが考えられる。
総合すると、KeePer技研は、ネツレンのような薄利安定型の企業とは対照的に、高収益と成長性を軸に評価される銘柄である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、現在の高収益体質を維持しながら、緩やかな株価上昇を狙う形になる。一方で、成長が続けば上振れ余地は大きい反面、高いPER・PBRを前提とした評価であるため、成長鈍化時には調整も大きくなりやすい。安定配当を取りに行く銘柄というより、事業の強さと成長力を信じて値上がりを狙う、やや値動きの荒い成長株だと言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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