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ベクトル(6058)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-09)
1,264.00
前日比 +9.00(+0.72%)

ベクトルとは

ベクトルは、東京都港区赤坂に本社を置く、アジア最大規模の総合PR会社である。PR業界において国内トップクラスの規模と実績を持ち、PRを起点にSNS、動画、インフルエンサー、デジタルマーケティングまでを一気通貫で提供できる点を最大の強みとしている。単なる広報代行ではなく、企業やブランドの成長を目的とした戦略的コミュニケーションを担う存在として位置付けられている。

同社の事業の中核はPR代行・コンサルティングであり、消費者、メディア、インフルエンサー、投資家など、あらゆるステークホルダーを巻き込みながら、必要な人に必要な情報をスピーディに届けるPR戦略の立案と実行を行っている。テレビ、新聞、雑誌といった従来型メディアに加え、SNSや動画メディア、インフルエンサーを活用した現代型のPR手法に強く、情報拡散力と実行力の高さが特徴である。

PR事業に加え、ブランディング、IRコミュニケーション、キャスティング、リスクマネジメント、マーケティングリサーチ、イベントの企画・実施、SNSコミュニケーションなど、企業の対外発信を総合的に支援するサービスを幅広く展開している。企業価値向上やブランド構築だけでなく、不祥事やトラブル時の危機管理広報にも対応できる体制を持っている点も強みである。

グループの大きな特徴として、国内最大級のプレスリリース配信プラットフォームであるPR TIMESを保有している点が挙げられる。利用企業は10万社を超え、上場企業の約6割が利用しており、情報発信インフラそのものをグループ内に持つことで、PRの企画から配信、拡散までを自社グループ内で完結できる強力な体制を築いている。

ダイレクトマーケティング事業では、PRと連動したマーケティング施策を通じて、商品やサービスの販売促進を支援している。話題化と販売を同時に狙う設計が可能で、単なる認知向上にとどまらない実利重視のPRを実現している。

HR事業では、採用広報や採用ブランディング、採用サイトやコンテンツ制作などを通じて、企業の人材獲得を支援している。採用活動を企業ブランディングの一部と捉え、KPI達成を意識したコミュニケーション設計を行う点が特徴である。また、求職者と企業をつなぐプラットフォームビジネスや、人事評価運用支援などにも事業を広げている。

デジタルマーケティング事業では、グループ各社のソリューションを組み合わせ、最新テクノロジーを活用した最適なコミュニケーションプランを提供している。PR、広告、SNS、データ分析を横断的に活用し、マーケティングROIの最大化を目指す点が特徴である。

投資事業では、有望なベンチャー企業に対して出資を行うとともに、PR・IR支援を通じて成長を後押ししている。株式上場を目指す企業の支援実績も多く、子会社を含めて32社が上場しており、単なる投資にとどまらない実践的なグロース支援を行っている。

海外事業にも早くから取り組んでおり、2011年以降、中国の上海・北京をはじめ、日本国外8拠点でマーケティングPR事業を展開している。日本市場の成長鈍化を見据え、アジアを中心とした海外展開を進めている点も、中長期戦略の重要な柱となっている。

さらに、WEBソリューション・SI事業として、PRやデジタルマーケティングに不可欠な各種WEBサイトの構築支援や、WEBアプリケーションの開発支援も行っており、コミュニケーション施策を支える技術面までカバーしている。

総合すると、ベクトルはPRを起点に、デジタル、マーケティング、HR、投資、海外展開までを包含した総合コミュニケーショングループである。情報発信の企画から実行、拡散、成果創出までを一気通貫で担える点が最大の競争力であり、国内外で企業の成長を支えるPR企業として独自のポジションを築いている。

ベクトル 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株配当
(円)
21.2 37,273 2,314 2,797 486 10.2 2
22.2 47,351 5,248 5,201 2,071 43.5 13
23.2 55,225 6,276 6,623 3,172 66.5 19
24.2 59,212 6,939 6,871 4,684 98.1 29
25.2 59,254 8,029 7,655 4,195 89.4 32
26.2予 63,000 8,500 8,300 5,000 106.6 33
27.2予 68,000 9,500 9,300 5,600 119.4 36

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
23.2 1,457 -1,288 -358
24.2 4,451 -1,146 -882
25.2 5,675 -1,478 -2,901

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROA ROE PER PBR
23.2 11.3% 8.7% 24.5%
24.2 11.7% 10.7% 28.9%
25.2 13.5% 9.7% 24.7% 11.0〜17.8倍 3.35倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見ると、2024年2月期の売上高は約592億円、営業利益は約69億円、経常利益は約68億円、純利益は約46億円である。2025年2月期は売上高が約592億円と横ばいだが、営業利益は約80億円、経常利益は約76億円まで伸びており、利益率の改善が進んでいる。一方で純利益は約41億円とやや減少している。

2026年2月期予想では売上高約630億円、営業利益約85億円、経常利益約83億円、純利益約50億円と再び増益基調に戻る見通しで、2027年2月期予想では売上高約680億円、営業利益約95億円、経常利益約93億円、純利益約56億円と、売上・利益ともに着実な拡大が想定されている。全体としては、売上成長は緩やかだが、利益水準は高く安定している印象である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年11.3%、2024年11.7%、2025年13.5%と、年々改善している。PR・マーケティング関連企業としては十分高い水準で、規模拡大と同時に収益性も高められている点は評価できる。人材や無形資産が中心のビジネスでありながら、二桁前半の利益率を安定的に確保できているのは強みである。

資本効率では、ROEが2023年24.5%、2024年28.9%、2025年24.7%と非常に高い。自己資本を効率よく使い、しっかり利益を生み出せていることが分かる。ROAも2023年8.7%、2024年10.7%、2025年9.7%と約10%前後で推移しており、資産を使った収益力も良好である。人的リソース中心のビジネスモデルとしては、かなり優秀な水準と言える。

一方で株価評価を見ると、2025年実績ベースのPERは11.0倍から17.8倍と幅があり、成長企業としては比較的落ち着いた水準にある。PBRは3.3倍で、ROEの高さやブランド力を考えると一定のプレミアムが付いているが、極端に割高という印象ではない。高ROE企業としては、妥当な評価レンジに収まっていると見ることもできる。

これらを総合すると、ベクトルは売上の急拡大を狙うタイプの企業ではないが、営業利益率の改善と高いROEを背景に、効率よく利益を積み上げていく企業である。派手な成長ストーリーはないものの、収益の質は高く、安定感がある。PERが低めの水準にある局面では、利益水準とROEの高さを考えると評価が抑えられていると感じられる場面もある。

投資判断としては、ベクトルは高成長株というより、高効率で稼ぐ成熟寄りの成長企業という位置付けになる。中長期で安定的に利益を積み上げる力に期待する投資には向いている一方、PBRが高めであるため、業績が停滞した場合には評価調整が入りやすい点には注意が必要だと考えられる。

配当目的とかどうなの?

まず予想配当利回りを見ると、2026年2月期が2.61%、2027年2月期が2.84%となっている。この水準は、日本株全体で見れば中程度で、高配当銘柄とまでは言えないが、成長企業としては比較的しっかりした利回りが出ている部類に入る。インカムゲインを最優先にする投資家にとっては物足りない可能性はあるが、配当が全く期待できない水準ではない。

一方で、ベクトルの事業特性を見ると、営業利益率は10%台前半から中盤、ROEは20%超と非常に高く、利益を生み出す力は強い。その中で配当利回りが2%台にとどまっているのは、会社が利益の多くを成長投資や事業拡大、M&Aなどに回しているためであり、配当を最優先にしている企業ではないことを示している。配当は安定的に出すが、高配当政策を前面に出すタイプではない。

PERが11〜18倍と比較的落ち着いた水準にあり、PBRが3倍超という評価を受けている点からも、市場はベクトルを配当銘柄というより、収益効率の高い成長企業として見ている。配当利回りは株価の下支えにはなるものの、配当を目当てに株価が大きく買われる構造ではない。

このため、配当目的としての位置付けは、配当を主目的に長期保有する銘柄というより、成長と株価上昇をメインに考え、その上で年2%台後半の配当を補助的に受け取る銘柄、という評価になる。業績が順調に伸びれば、今後も緩やかな増配は期待できるが、配当利回りが一気に高配当水準まで上がる可能性は高くない。

総合すると、ベクトルは配当だけを目的に買う銘柄ではないが、成長株の中では比較的安定した配当を出す企業であり、株価上昇と配当の両方をバランスよく狙う投資スタイルには向いている。一方で、配当利回り重視のインカム投資には、他により適した銘柄があると言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

ベクトルは、PRを軸にデジタルマーケティング、SNS、動画、インフルエンサー施策までを一気通貫で手掛ける、国内最大級かつアジア最大規模のPR会社である。広告代理店のように媒体枠を売るビジネスではなく、企業やブランドの価値を第三者視点で社会に伝えるPRを主戦場としており、景気循環の影響を受けつつも、比較的固定的な需要を持つ点が特徴である。売上規模は600億円前後と安定しており、急拡大する成長株というよりは、規模と収益性を両立した成熟寄りの成長企業という位置付けになる。

直近の数値を見ると、営業利益率は11〜13%台とPR業界では高水準で推移しており、ROEは20%を大きく超える水準を維持している。人的リソース中心のビジネスモデルでありながら、効率よく利益を生み出せている点は強みである。一方で、PBRは3倍台と高く、ブランド力や収益効率の高さを織り込んだ評価を受けている。PERは11〜18倍程度と比較的落ち着いており、極端な割高感はないが、明確な割安株とも言いにくい。今後の値動きについて、現在値は1,264.0円である。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。

良い場合は、企業の情報発信ニーズが中長期で拡大し、PRとデジタルマーケティングの融合がさらに進むシナリオである。SNSや動画、インフルエンサーを活用した統合型PRの需要が高まり、ベクトルの強みがより発揮される。営業利益率は13%前後まで改善し、ROEも20%台半ばを維持する。市場は「高効率で稼ぐPRプラットフォーム企業」として再評価し、PERは15〜20倍程度で安定する。この場合、5年後の株価は1,800円〜2,200円程度が視野に入る。

中間の場合は、PR・マーケティング需要が堅調に推移する一方で、競争激化により成長率が落ち着くケースである。売上は緩やかに増加し、営業利益率は11〜13%程度、ROEは20%前後で安定する。市場評価は大きく変わらず、PERは12〜18倍、PBRは2.5〜3倍程度で推移する。この場合、5年後の株価は1,300円〜1,600円程度となり、現在値近辺を中心としたレンジ相場が想定される。

悪い場合は、景気後退や企業の広告・PR予算削減が進むシナリオである。売上の伸びが鈍化し、営業利益率は10%前後まで低下、ROEも20%を下回る。高い収益効率への期待が後退すると、評価は切り下がり、PERは10〜12倍、PBRも2倍前後まで低下する可能性がある。この場合、5年後の株価は900円〜1,100円程度まで調整するリスクが考えられる。

総合すると、ベクトルは急激な成長を狙う銘柄ではなく、高いROEと安定した利益率を背景に、効率よく稼ぐビジネスを継続するタイプの企業である。5年間では中間シナリオが最も現実的で、株価は大きく跳ねにくいものの、業績に沿って緩やかに推移する可能性が高い。配当も一定水準を期待できるため、成長と安定のバランスを重視する投資スタイルに向く一方、業績悪化時には評価調整が起きやすい点には注意が必要な銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2026年1月12日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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