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ツガミとは

ツガミは、小型自動旋盤を中心とする精密工作機械メーカーであり、特に小型・高精度部品の量産加工分野で強い存在感を持つ企業である。東京都中央区に本部を置き、主力工場は新潟県長岡市と新潟市に構えている。長年にわたり精密加工技術を磨いてきた企業で、JPX日経中小型株指数の構成銘柄にも採用されている。
事業の中核は工作機械事業であり、自動旋盤、CNC自動旋盤、CNC旋盤、ターニングセンタ、マシニングセンタ、研削盤、転造盤などを幅広く展開している。中でも小型自動旋盤、とりわけスイス式自動旋盤の分野が最大の強みである。スイス式自動旋盤は「ピーターマン型」とも呼ばれ、棒材をガイドブッシュで支持しながら加工することで、極めて高い寸法精度と表面品質を実現できる機械である。ツガミの製品は加工精度や機械剛性に優れ、微細部品や高精度部品の量産に適している。
こうした特性から、ツガミの工作機械はスマートフォン向け部品、自動車向け精密部品、電子部品、精密機器、医療機器など幅広い分野で採用されている。特にスマホや車載関連など、数量が多く品質要求が厳しい分野との相性が良く、量産需要を背景に成長してきた。一方、日本国内の営業面では、スイス式自動旋盤の分野でシチズンマシナリーのシンコムに比べると、知名度や販売数量で劣る面もあるが、技術力や加工性能の評価は高く、海外市場では競争力を発揮している。
ツガミの事業構造を語る上で重要なのが、中国市場への依存度の高さである。売上の過半は中国向けであり、中国子会社は香港市場に上場している。中国における生産・販売体制を早期に整えたことで、現地需要を直接取り込むと同時に、コスト競争力の高い量産体制を構築してきた。スマートフォンや自動車関連産業の集積地としての中国市場の成長が、同社の業績を大きく押し上げてきた背景がある。
また、2000年には森精機製作所(現 DMG森精機)とヨーロッパ市場における自動旋盤の販売で提携を結ぶなど、海外展開にも積極的である。工作機械本体の販売に加え、保守・メンテナンス、消耗部品供給といったアフターサービスも重要な収益源となっており、納入後も顧客との関係が継続するビジネスモデルを持っている。
総合すると、ツガミは小型・精密加工というニッチだが不可欠な分野に特化し、スマホや自動車向けを中心にグローバルで需要を取り込んできた工作機械メーカーである。中国売上比率が高いため、中国経済や設備投資サイクルの影響を受けやすい一方で、高精度・量産対応という明確な強みを持ち、世界市場で一定の地位を確立している企業だと言える。
ツガミ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益 EPS(円) | 一株当り配当 DPS(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.3 | 61,662 | 9,533 | 9,459 | 4,917 | 95.2 | 26 |
| 22.3 | 93,174 | 18,860 | 18,776 | 9,486 | 192.0 | 40 |
| 23.3 | 94,963 | 16,758 | 16,467 | 7,695 | 159.4 | 46 |
| 24.3 | 83,928 | 13,095 | 13,795 | 5,376 | 112.6 | 48 |
| 25.3 | 107,411 | 23,309 | 23,709 | 10,901 | 231.6 | 59 |
| 26.3予 | 115,000 | 27,000 | 27,500 | 12,500 | 267.3 | 72 |
| 27.3予 | 124,000 | 31,000 | 31,500 | 15,500 | 331.5 | 72〜81 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023.3 | 8,300 | -1,278 | -379 |
| 2024.3 | 11,883 | -2,605 | -6,687 |
| 2025.3 | 8,855 | -2,020 | -8,762 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.3 | 17.6 | 6.8 | 15.1 | – | – |
| 2024.3 | 15.6 | 4.5 | 9.4 | – | – |
| 2025.3 | 21.7 | 8.5 | 17.3 | 6.9〜10.6 | 2.02 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、24.3期は売上約839億円、営業利益約130億円、経常利益約137億円、純利益約53億円である。25.3期には売上が約1,074億円へ拡大し、営業利益は約233億円、経常利益約237億円、純利益約109億円と一気に大幅増益となっている。26.3期予では売上約1,150億円、営業利益約270億円、経常利益約275億円、純利益約125億円と、好調な業績がさらに続く計画になっている。
売上・利益ともに24.3期から25.3期にかけて急激に改善しており、工作機械業界の回復局面を強く反映した数字になっている。特に利益の伸びが大きく、数量増や製品ミックスの改善、稼働率上昇が効いていることがうかがえる。
収益性を見ると、営業利益率は2023年17.6%、2024年15.6%、2025年21.7%と推移しており、25.3期は20%を超える非常に高い水準に達している。精密工作機械メーカーとしてはかなり優秀な水準で、好況時の収益力は非常に高い企業であることが数字から分かる。
資本効率についても、24.3期に一度落ち込んだ後、25.3期に明確な回復が見られる。ROEは2023年15.1%、2024年9.4%、2025年17.3%と再び高水準に戻っており、ROAも6.8%、4.5%、8.5%と改善している。利益回復がそのまま資本効率の改善につながっている形である。
評価面を見ると、2025年の実績PERは安値平均6.9倍、高値平均でも10.6倍と非常に低い水準にある。PBRは2.0倍で、ROEが17%前後あることを考えると、数値面だけで見れば割安感は強い。市場はこの高収益が長期的に続くとは見ておらず、景気循環株として慎重な評価にとどめていることが読み取れる。
以上を総合すると、ツガミは直近で売上・利益・利益率が大きく改善し、営業利益率20%超、ROE17%前後という非常に良好な状態にある。一方でPERは1桁から10倍前後に抑えられており、業績好調にもかかわらず評価は低い。
投資判断としては、ツガミは安定成長株というより、設備投資サイクルに強く左右される循環型企業である。現在の数値だけを見る限りでは、利益水準に対して株価評価は低く、好況が続く前提では魅力は大きい。ただし、景気後退局面に入ると利益が急減しやすい業種であるため、長期で安心して持ち続ける銘柄というより、業況の波を意識した中期目線向きの投資対象だと判断できる。
配当目的とかどうなの?
配当目的という観点で見ると、ツガミは「配当メインで保有する銘柄」ではない。予想配当利回りは26.3期、27.3期ともに2.45%と、市場平均並みかやや低めの水準にとどまっている。高配当株の目安とされる3.5〜4%には届かず、インカムゲインを主目的に選ぶ銘柄ではない。
一方で、配当の裏付けとなる利益水準は非常に強い。25.3期以降は営業利益・純利益ともに急拡大しており、EPSも高水準で推移しているため、現在の配当水準に無理は感じられない。配当性向も過度に高くなく、業績が好調な局面では増配余地を十分に残している。
ただし、ツガミは典型的な設備投資サイクル型の企業であり、業績の波が大きい。好況期には大幅増益・増配が可能だが、景気後退局面では利益が急減し、配当も調整されやすい性格を持つ。そのため、配当の「安定性」という点では、生活インフラ系やディフェンシブ銘柄には及ばない。
総合すると、ツガミは「配当を安定的にもらうための銘柄」ではなく、「業績好調期の利益成長と株価上昇を主軸に、配当はおまけとして受け取る銘柄」と位置付けるのが妥当である。配当目的単独での長期保有よりも、業況サイクルを見極めながら、キャピタルゲインと配当を併せて狙う投資スタイルに向いた銘柄だと言える。
今後の値動き予想!!(5年間)
ツガミは、小型自動旋盤を中心とする精密工作機械メーカーであり、特にスイス式自動旋盤の分野で高い技術力を持つ企業である。スマートフォンや自動車、精密機器向けの小型・高精度部品加工に強みを持ち、量産対応力と加工精度の高さを武器にグローバル市場で存在感を示している。売上の過半を中国向けが占め、現地子会社が香港市場に上場している点も大きな特徴で、国内需要に依存しすぎない事業構造を築いている。
売上規模は1,000億円超と中堅工作機械メーカーの中では大きく、直近は設備投資回復の波を捉えて業績が急回復している。営業利益率は15〜20%超と非常に高く、25.3期には20%を超える水準に達している。ROEも15〜17%程度、ROAも8%前後と、工作機械メーカーとしては高い資本効率を示しており、好況期における収益力は際立っている。一方で、工作機械という性質上、景気や設備投資サイクルの影響を強く受け、業績の振れ幅が大きい点は避けられない。今後の値動きについて、現在値は2,933.0円である。この水準を起点に、今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、世界的な設備投資需要が継続し、スマホ、自動車、精密部品向けの小型自動旋盤需要が高水準で推移するシナリオである。中国市場を中心に受注が堅調に積み上がり、売上・利益ともに拡大が続く。営業利益率は20%前後を維持し、ROEも15%超で安定する。市場はツガミを「高収益な精密工作機械メーカー」として評価し、PERは10〜12倍程度まで切り上がる形となる。この場合、5年後の株価は5,000円〜7,000円程度が視野に入る。
中間の場合は、設備投資需要が緩やかに推移し、業績は高水準を維持するものの、成長ペースは落ち着くケースである。売上は横ばいから緩やかな増加、営業利益率は15〜18%程度で推移し、ROEは10〜15%程度に落ち着く。市場評価は循環株として抑制され、PERは8〜10倍、PBRは2倍前後で安定する。この場合、5年後の株価は3,500円〜4,800円程度となり、現在値からは緩やかな上昇にとどまるレンジ相場が想定される。
悪い場合は、世界景気の後退や中国経済の減速により、製造業の設備投資が大きく落ち込むシナリオである。受注が急減し、売上・利益ともに縮小、営業利益率は10%台前半まで低下する。ROE・ROAも一段と悪化し、市場は業績ピークアウトを強く意識する。評価は低PER水準に押し戻され、PERは6〜8倍程度まで切り下がる。この場合、5年後の株価は1,500円〜2,300円程度まで調整するリスクが考えられる。
総合すると、ツガミは急成長を狙うグロース株というより、設備投資サイクルに大きく左右される高収益型の循環株である。好況期には高い利益率と低PERが同居し、株価の上振れ余地が大きい一方、景気後退局面では業績と評価の両面で調整を受けやすい。5年間では中間シナリオが最も現実的だが、設備投資環境次第で大きく上にも下にも振れやすい、メリハリの強い値動きをする銘柄だと言える。
この記事の最終更新日:2026年1月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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