株価
ソディックとは

ソディックは、放電加工機で世界首位級のシェアを持つ、日本を代表する精密工作機械メーカーである。1976年創業、本社は神奈川県横浜市都筑区にあり、創業当初から一貫して高精度加工技術を中核に事業を展開してきた企業である。
事業の出発点はNC放電加工機であり、この分野では国内最大手、世界的にもトップクラスの評価を確立している。最大の特徴は、NC装置や制御ソフト、リニアモータ駆動などの中枢技術を外部に依存せず内製している点にある。制御系まで自社で設計・開発することで、加工精度、速度、再現性、長期安定性において独自性の強い製品を実現しており、価格競争に陥りにくい技術志向型のビジネスモデルを構築している。
主力のNC放電加工機は、金型産業を中心に、自動車部品、電子部品、半導体関連、医療機器、航空宇宙分野など、極めて高い加工精度が求められる領域で幅広く採用されている。放電加工は切削では対応できない高硬度材料や複雑形状の加工に強みがあり、ソディックはその分野で長年の技術蓄積を持つ企業である。
放電加工機に加え、ハイスピードミーリングセンタなどの切削系工作機械、金属3Dプリンターといった積層造形分野にも展開している。切削、放電、積層を組み合わせた総合加工ソリューションを提案できる点は、同社の技術的な広がりを示している。また、電子ビーム関連装置など先端加工技術への取り組みも行っており、単なる既存機種の延長ではなく、次世代加工技術への投資も継続している。
事業の第二の柱として育成しているのが射出成形機事業である。金型と加工技術に精通している強みを活かし、高精度・高付加価値領域に特化した射出成形機を展開している。量産向けの汎用品ではなく、精度や安定性が重視される分野を狙うことで、放電加工機事業と同様に差別化を図っている。
さらに、食品機械事業も特徴的な分野である。製麺機を中心とした麺製造ラインや米飯装置など、食品工場向けの生産設備を手掛けており、食品分野における自動化、省人化、品質安定ニーズを取り込んでいる。工作機械メーカーとしては異色の分野だが、精密制御技術や装置開発力を横展開した事業として位置付けられている。
国内拠点としては、本社および技術・研修センターを横浜市に置き、福井事業所、加賀事業所などを中心に製造体制を構築している。松本営業所などの営業・サービス拠点も含め、国内外に販売・保守ネットワークを持つ。関係会社として株式会社ソディック エフ・ティがあり、グループとして装置開発から販売、アフターサービスまで一貫した体制を整えている。
全体としてソディックは、放電加工機というニッチだが不可欠な分野で世界的な競争力を持ち、NC制御の内製化による独自技術を軸に事業を拡張してきた企業である。量を追うメーカーではなく、高精度・高付加価値を重視する技術志向の生産財メーカーであり、工作機械、成形機、食品機械を組み合わせた複合的な事業構造を持つ点が大きな特徴となっている。
ソディック 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連22.12 | 80,495 | 5,813 | 8,275 | 6,021 | 112.7 | 27 |
| 連23.12 | 67,174 | -2,819 | -1,257 | -4,604 | -90.3 | 29 |
| 連24.12 | 73,668 | 2,231 | 3,627 | 4,115 | 81.1 | 29 |
| 連25.12予 | 77,800 | 4,500 | 4,300 | 3,300 | 65.2 | 29〜30 |
| 連26.12予 | 79,600 | 5,700 | 5,700 | 4,300 | 84.9 | 29〜32 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022.12 | 3,543 | -10,957 | -6,012 |
| 2023.12 | -14 | -2,492 | 1,421 |
| 2024.12 | 9,969 | -1,632 | -1,041 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | -4.2% | -6.0% | -3.5% | – | – |
| 2024 | 3.0% | 4.8% | 2.8% | 6.1〜7.7倍 | 0.62倍 |
| 2025予 | 5.7% | 3.9% | 2.2% | 17.37倍 | – |
出典元:四季報オンライン
投資判断
2023年は売上約671億円に対し、営業利益は-28億円、経常利益-12億円、純利益-46億円と大幅な赤字で、営業利益率-4.2%、ROE-6.0%、ROA-3.5%と収益性・資本効率ともにかなり厳しい状態だった。事業環境悪化の影響を強く受け、企業価値評価が難しい局面だったといえる。
2024年になると売上は約736億円に回復し、営業利益22億円、経常利益36億円、純利益41億円と黒字転換している。営業利益率は3.0%、ROE4.8%、ROA2.8%まで改善しており、最悪期は脱したことが数値から明確に読み取れる。ただし、利益水準自体は売上規模に対してまだ低く、本格的な高収益体質とは言えない。一方で、この時点の実績PERは6.1〜7.7倍、PBRは0.6倍と、株価評価は明確に割安水準にあった。
2025年予想では、売上約778億円、営業利益45億円、経常利益43億円、純利益33億円と増益が続く見通しで、営業利益率は5.7%まで改善するとされている。収益力の回復は続いているが、ROEは3.9%、ROAは2.2%と、資本効率はむしろ2024年より低下している点が気になる。利益は出ているものの、資本を効率よく使って高いリターンを生む段階にはまだ達していない構造である。この段階での予想PERは17.3倍と、2024年の割安な評価から一転し、回復期待をかなり織り込んだ水準になっている。
以上を総合すると、ソディックは2023年を底に業績回復局面に入っており、営業利益率の改善という点では前向きな流れにある。一方で、ROEやROAは低水準にとどまり、企業としての稼ぐ力が十分に高まったとは言い切れない。2024年時点ではPBR0.6倍という明確な割安局面だったが、2025年以降はPERが上昇し、割安株という評価からは外れつつある。
このため、上記数値だけで判断するなら、すでに大きな割安是正は進んでおり、今後は利益率のさらなる改善が伴わなければ株価上昇余地は限定的になる。現状は、業績回復を確認しながら様子を見る中立的な投資判断が妥当な水準といえる。
配当目的とかどうなの?
ソディックを配当目的で見た場合、率直に言うと「可もなく不可もない」という位置付けになる。予想配当利回りは2025年12月期で2.77%、2026年12月期も2.77%とされており、日本株全体の中では平均的な水準である。高配当株と呼べる水準ではなく、配当利回りを主目的に投資する銘柄ではない。
一方で配当の姿勢自体は比較的安定している。2023年は大幅な赤字決算であったにもかかわらず、1株29円の配当を維持しており、2024年も同水準を継続、2025年以降も29〜30円、26年は29〜32円と小幅ながら増配を視野に入れている。この点からは、業績変動があっても配当を極端に削らない方針が読み取れる。
ただし、収益力との関係で見ると余裕が大きいとは言えない。2025年予想の純利益は約33億円にとどまり、ROEやROAも低水準であることから、潤沢なキャッシュフローを背景に高配当を出している企業ではない。あくまで事業継続と財務安定を優先しつつ、無理のない範囲で配当を出している印象が強い。
以上を踏まえると、ソディックは配当がゼロになるようなリスクは低いが、配当利回りで積極的に魅力を感じる銘柄でもない。配当目的単独で保有するよりも、業績回復や株価の評価修復を見ながら、その過程で配当も受け取るという補助的な位置付けが現実的である。高配当株を狙う投資戦略には向かず、安定配当を前提に中立的に保有するタイプの銘柄といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ソディックは、放電加工機で世界首位級のシェアを持つ精密工作機械メーカーであり、NC装置の内製化による独自技術を強みとする企業である。現在の株価は1,046円であり、この水準を起点に今後5年間の値動きを考える。
直近の業績を見ると、2023年は売上約671億円に対して営業赤字となり、業績の底を打った年だった。2024年には売上約736億円、営業利益22億円と黒字に転換し、2025年は売上約778億円、営業利益45億円と回復基調が続く見通しである。営業利益率は2023年の-4.2%から2024年に3.0%、2025年には5.7%まで改善する計画となっている。
一方で、ROEは4%前後、ROAは2%台と低水準にとどまっており、収益力は回復途上だが資本効率の高い企業とは言い難い。2024年の実績PBRは0.6倍と明確な割安水準だったが、2025年予想PERは17倍台まで上昇しており、業績回復期待はすでに一定程度織り込まれている。
良い場合は、工作機械需要の回復が想定以上に進み、金型・電子部品・半導体関連向けの設備投資が拡大するシナリオである。放電加工機の更新需要が堅調に推移し、射出成形機や食品機械などの非主力分野も収益貢献を高める。営業利益率は6%台後半まで改善し、ROEも5%前後まで上昇する。市場からは「一過性の回復」ではなく「収益体質改善が定着した企業」と評価され、PBRは1倍近辺まで修復される。この場合、5年後の株価は1,400円〜1,600円程度が視野に入る。
中間の場合は、会社計画どおりに業績が回復するものの、利益率は5%台で頭打ちとなり、ROE・ROAも低水準のまま推移するケースである。放電加工機は安定的に売れるが、大きな成長ドライバーにはならず、周辺事業も補助的な位置付けにとどまる。市場評価は中立的となり、PERは15〜18倍、PBRは0.7〜0.9倍程度で推移する。この場合、株価は大きく上昇も下落もせず、5年後は1,000円〜1,200円程度で、配当を受け取りながらの横ばい推移が想定される。
悪い場合は、世界景気の減速や製造業の設備投資抑制が長期化し、放電加工機需要が再び鈍化するシナリオである。利益回復が頓挫し、営業利益率は3%前後まで低下、ROE・ROAも改善しない状態が続く。市場からは構造的に収益力の低い企業と見なされ、PERは10倍前後、PBRは0.5倍台まで低下する可能性がある。この場合、5年後の株価は700円〜850円程度まで下落するリスクがある。
総合すると、ソディックは高成長株というより、業績回復局面にある再建型に近い性格の銘柄である。2024年の割安局面はすでに通過しつつあり、今後5年間の株価上昇余地は利益率と資本効率の改善度合いに大きく左右される。最も現実的なのは中間シナリオで、緩やかな値動きの中で配当を受け取りつつ推移する展開だが、景気環境次第で上振れ・下振れの振れ幅を持つ銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年1月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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