株価
ベルシステム24ホールディングスとは

ベルシステム24ホールディングスはコールセンター(CRM)分野の大手企業であり、国内でも最大級のコンタクトセンター運営規模を持つBPO企業グループを統括している。持株会社であるベルシステム24ホールディングスが東京証券取引所プライム市場に上場しており、実際の事業運営は中核子会社である株式会社ベルシステム24が担っている。本社は東京都港区に置かれている。
事業の中核は、コンタクトセンターを中心とするSC事業と、業務改革や業務効率化を支援するSB事業の2本柱で構成されている。SC事業では、企業や官公庁から顧客対応業務を受託し、電話、メール、チャット、SNSなど複数のチャネルを通じたカスタマーサポートや問い合わせ対応を行っている。インバウンド業務では、商品・サービスの問い合わせ対応、テクニカルサポート、予約受付、ヘルプデスクなどを担い、アウトバウンド業務では、利用促進、フォローコール、顧客活性化、キャンペーン対応などを手がけている。
SB事業では、単なる窓口業務にとどまらず、バックオフィス業務のBPOや業務プロセス全体の見直し、業務改革支援を行っている。データ入力、事務処理、事務局運営、業務フロー設計などを包括的に請け負い、クライアント企業の生産性向上やコスト削減を支援する役割を担っている。近年は、業務改善やDXの文脈での相談案件も増えており、コールセンター運営ノウハウを起点としたコンサルティング的な役割も強まりつつある。
同社は1982年に、電話転送機を活用した24時間電話業務代行サービスから事業を開始しており、40年以上にわたる運営実績を持つ老舗企業である。全国に多数の拠点を展開し、数万人規模のオペレーターと多数の正社員を擁する体制は業界内でも最大級である。応対品質、生産性、業務改善力を総合した「現場力」を強みとしており、大規模かつ安定的な運営を求める案件に対応できる点が評価されている。
サービス領域は幅広く、従来型のコールセンター業務に加え、Eメール対応、BPO業務、電話代行、ソーシャルメディア運用支援、在宅コールセンター、スマートデバイスサポートなどを展開している。在宅型オペレーションの導入や、複数チャネルを統合した顧客対応体制の構築など、時代の変化に合わせた運営形態の多様化も進めている。
取引先業界も非常に幅広く、金融、情報通信、製造、流通、サービス、ライフライン、公共分野など多岐にわたる。金融分野ではカード会社や保険会社、銀行、証券会社向けの業務が多く、情報通信分野では通信インフラやインターネット関連企業のサポート業務を担っている。製造業ではリコール対応やキャンペーン対応、流通・小売では顧客の声の分析や注文受付、公共分野では官公庁の問い合わせ対応や事務局運営などを行っている。官公庁案件や大手企業向けの長期契約が多い点は、同社の収益安定性につながっている。
グループ会社には、ITを軸としたBPOや教育・研修を行う会社、印刷大手と連携したバックオフィス・コンタクトセンター事業会社、障がい者雇用を目的とした特例子会社、さらにベトナムやタイなど海外でCRM・オフショアサービスを展開する会社が含まれている。これにより、国内外での業務分散やコスト競争力の強化、多様な顧客ニーズへの対応が可能となっている。
全体としてベルシステム24ホールディングスは、派手な成長企業というよりも、社会インフラに近い役割を担う安定型のBPO企業と位置付けられる。人材集約型ビジネスであるため人件費の影響は受けやすいものの、長期契約や官公庁案件を背景にしたストック性のある収益構造を持ち、業務改革支援やデジタル活用による付加価値向上を通じて、安定的な成長を目指している企業である。
ベルシステム24ホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 税前利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.2 | 135,735 | 11,799 | 11,305 | 7,252 | 98.6 | 42 |
| 22.2 | 146,479 | 13,234 | 13,463 | 8,943 | 121.7 | 54 |
| 23.2 | 156,054 | 14,917 | 14,157 | 9,330 | 126.8 | 60 |
| 24.2 | 148,717 | 11,479 | 11,225 | 7,545 | 102.6 | 60 |
| 25.2 | 143,607 | 11,587 | 11,232 | 8,003 | 108.8 | 60 |
| 26.2予 | 150,000 | 12,300 | 12,000 | 8,300 | 111.6 | 60 |
| 27.2予 | 162,000 | 13,000 | 12,700 | 8,700 | 117.0 | 60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 23.2 | 18,172 | -1,803 | -15,583 |
| 24.2 | 13,587 | -3,097 | -10,286 |
| 25.2 | 17,391 | -3,693 | -13,897 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.2 | 9.5% | 5.2% | 14.5% | – | – |
| 24.2 | 7.7% | 4.3% | 11.3% | – | – |
| 25.2 | 8.0% | 4.5% | 11.4% | 15.4倍〜11.3倍 | 1.49倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績を見ると、売上高は24.2期の1,487億円から25.2期に1,436億円へ一度減少しているが、その後は26.2期予想で1,500億円、27.2期予想で1,620億円と再び増加に転じている。大きな成長ではないものの、需要が急減する業態ではなく、安定的に業務量を確保できていることがうかがえる。営業利益は24.2期の114億円から25.2期に115億円、26.2期予想で123億円、27.2期予想で130億円と着実に増加しており、売上が横ばいでも利益を積み上げられている点は評価できる。税前利益も112億円から127億円へ、純利益も75億円から87億円へと緩やかながら右肩上がりで推移しており、収益の安定感は高い。
収益性を見ると、営業利益率は23.2期の9.5%から24.2期に7.7%まで低下し、25.2期には8.0%とやや持ち直している。BPO・コールセンターという人件費比率の高い事業特性を考えると、8%前後を維持できているのは悪くないが、高付加価値企業と評価される水準でもない。人件費や採用環境の影響を受けやすく、今後も大幅な利益率改善は期待しにくい構造である。
資本効率の面では、ROEが23.2期の14.5%から24.2期に11.3%、25.2期に11.4%と低下後に横ばいで推移している。ROE10%を超えている点は一定の評価ができるが、改善トレンドとは言えず、成長力よりも安定運営を重視した経営姿勢が表れている。ROAも5.2%から4.3%、4.5%と4%台で安定しており、資産を活用して堅実に利益を出しているが、突出した効率性ではない。
バリュエーションを見ると、2025年実績でのPERは安値平均11.3倍、高値平均15.4倍と、業績の安定性を考慮すれば妥当なレンジにある。PBRは1.49倍であり、資産価値から見て極端な割高感はない一方、明確な割安とも言い切れない水準である。成長期待が強く織り込まれている株価ではなく、安定収益に対する評価が中心といえる。
以上を総合すると、ベルシステム24ホールディングスは急成長を狙う投資対象ではなく、業績のブレが小さい安定型の企業である。利益は着実に積み上がり、ROEも二桁を維持しているため、財務面の安心感はある。一方で、営業利益率やROAの水準から見て、株価が大きく切り上がるほどの成長ストーリーは描きにくい。投資判断としては、値上がり益を狙うよりも、配当を含めた中長期の安定保有向きの銘柄であり、株価が過度に上振れた局面では積極的に買う必要はなく、押し目や水準感を意識して付き合うタイプの銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.2期・27.2期ともに4.12%と、水準としては日本株の中では比較的高めで、インカム狙いの投資対象としては十分に魅力がある。配当額は1株60円で横ばいが続いており、急増配はないものの、業績のブレが小さい中で安定配当を維持している点は評価できる。
利益面を見ると、純利益は24.2期75億円、25.2期80億円、26.2期予83億円、27.2期予87億円と緩やかに増加しており、配当原資は着実に積み上がっている。営業利益・税前利益も右肩上がりで、極端に配当を削らざるを得ないような状況には見えない。BPO・コールセンターという事業特性上、景気変動の影響は比較的受けにくく、収益の見通しが立てやすい点は配当投資と相性が良い。
一方で、営業利益率は8%前後、ROAは4%台と高収益体質ではなく、成長余地が大きい企業ではない。そのため、今後も配当は「安定維持型」になりやすく、増配によって利回りが大きく改善していく可能性は高くない。ROEも11%台で安定しているが、余剰資本を使って積極的に株主還元を強化するタイプとも言い切れない。
総合すると、ベルシステム24ホールディングスは配当目的としては十分に成立する銘柄である。4%超の利回りを安定的に受け取りたい投資家にとっては相性が良く、値上がり益よりもインカム重視の中長期保有向きといえる。ただし、高配当株の中でも増配期待や株価上昇余地を強く求める場合には物足りず、「高利回りだが地味で安定」という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ベルシステム24ホールディングスは、コールセンター(CRM)・BPOを主力とする国内大手であり、官公庁や大企業向けの長期契約を軸に、安定した業務量を確保するビジネスモデルを持つ企業である。現在の株価は1,455円であり、この水準を起点に今後5年間の値動きを考える。
良い場合は、BPO需要が底堅く推移し、デジタル活用や業務効率化が進むことで営業利益率が9%前後まで回復するシナリオである。ROEも12%台を維持し、配当利回り4%超の安定性が再評価される。評価面ではPERが15倍前後、PBRが1.6倍程度まで見直され、この場合、5年後の株価は2,200円〜2,600円程度が視野に入る。
中間の場合は、売上・利益が会社計画どおりに推移し、営業利益率は8%前後、ROEは11%台で安定するケースである。配当は60円水準を維持し、利回り重視の投資家から一定の需要を集める一方、評価倍率は大きく拡大しない。PERは12〜14倍、PBRは1.3〜1.5倍程度で推移し、5年後の株価は1,700円〜2,000円程度となり、値上がり益より配当込みのトータルリターンが中心となる。
悪い場合は、人件費上昇や価格転嫁の遅れにより利益率が再び7%を下回り、ROEも10%を割り込むシナリオである。成長性への期待が後退し、配当維持への不安が意識されると、市場評価は引き下げられる。PERは10倍前後、PBRは1.0倍程度まで低下し、この場合、5年後の株価は1,000円〜1,200円程度まで下落するリスクがある。
総合すると、ベルシステム24ホールディングスは高成長を狙う銘柄ではなく、業績と配当の安定性を重視する投資家向けの企業である。足元の株価は利益水準に対して概ね妥当であり、今後5年間では中間シナリオが最も現実的と考えられる。大きな値上がり益は期待しにくい一方で、4%超の配当利回りを受け取りながら、安定的に保有するスタンスが合う銘柄と言える。
この記事の最終更新日:2026年1月15日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す