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島精機製作所(6222)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-16)
1,073.00
前日比 +6.00(+0.56%)

島精機製作所とは

島精機製作所は、和歌山県和歌山市に本社を置くニット機械メーカーであり、手袋用編機から出発して電子制御による横編機の世界的メーカーへと成長した企業である。現在は公式に総合メカトロニクス企業を掲げ、横編機とCAD/デザインシステムを核に事業を展開している。創業者は島正博で、みどり会に属し三和グループの一員でもある。生産拠点は一貫して和歌山に集中しており、和歌山一極生産という特徴を持つ。

同社の歴史は1961年、ゴム入り安全手袋(軍手)向けの半自動編機メーカーとして始まった。創業直後から島正博は全自動化に強くこだわり、1963年には縫い目ゼロで指先まで編み上げる全自動手袋編機の原型を完成させ、高い評価を獲得した。1960年代後半から1970年代にかけて全自動手袋編機は大ヒット商品となり、高度経済成長期の作業手袋需要を背景に出荷台数を大きく伸ばし、島精機製作所の経営基盤を築いた。

この手袋編機で培った技術を応用し、同社は衿編機、タイツ編機、そして横編機へと事業領域を拡大する。1968年に全自動横編機のプロトタイプを完成させ、1969年には他社比で大幅に生産性を高めた量産型を投入し、現在の主力事業の礎を築いた。その後もジャカード編みや成型編みなど多様な編み方に対応する技術開発を重ね、ファッション用途への対応力を高めていった。

1970年代後半からは、電子制御技術の導入が島精機製作所の競争力を決定づける転換点となる。編み方調整を職人の経験に頼らず電子制御で行うことで、生産性と再現性を飛躍的に向上させ、小ロット・多品種生産でも採算が合う仕組みを構築した。これにより1980年には日本国内の横編機市場で過半数を占め、トップメーカーの地位を確立した。

電子制御化と並行して、同社はCADやデザインシステムの開発にも注力した。手描きデザインをデジタル化し、横編機と直接連携させるシステムを構築することで、企画・デザインから生産までを一気通貫で支援する体制を確立した。1990年代以降は、型紙作成、サイズ展開、編地シミュレーション、3D画像によるプレゼンテーションまで含むトータルデザインシステムへと発展し、アパレルメーカーの開発プロセスそのものを変革していった。

1990年代後半に実用化されたホールガーメントと呼ばれる完全無縫製横編機は、島精機製作所を象徴する技術である。糸から一気に衣料をシームレスに編み上げるこの技術は、縫製工程を不要とし、着心地・外観・生産効率を同時に高めるもので、エルメスやグッチといった海外高級ブランドにも採用されている。

現在の島精機製作所の事業は、横編機を中心とした機械事業、CADやデザインシステムなどのソフトウェア事業、部品・消耗品・保守サービスから構成されている。アパレル市況の影響を受けやすい設備投資型ビジネスではあるものの、機械とデジタルと自動化を融合させた独自のポジションを築いている点が大きな強みである。

総合すると、島精機製作所は、手袋編機から出発し、電子制御とCAD技術を武器に横編機の世界的リーダーへと成長した企業であり、ニット製造の自動化・高付加価値化を牽引してきた存在と言える。成熟産業に属しながらも、技術革新によって差別化を続けてきた点が、この会社の本質である。

島精機製作所 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株配当
(円)
連21.3 24,489 -9,143 -7,273 -17,866 -517.7 20
連22.3 30,998 -4,296 -3,400 -3,589 -104.0 10
連23.3 37,886 -2,184 -1,700 -5,644 -163.5 10
連24.3 35,910 430 1,018 1,030 29.9 10
連25.3 32,520 -11,914 -11,481 -14,275 -413.6 10
連26.3予 40,000 1,000 2,300 2,000 58.9 20
連27.3予 46,000 2,800 3,800 3,500 103.2 20〜40

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
連23.3 -7,178 -2,133 -309
連24.3 -4,120 -167 348
連25.3 -4,461 -3,222 5,376

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
連23.3 -5.8% -6.6% -5.6%
連24.3 1.1% 1.1% 0.9%
連25.3 -36.7% -18.4% -14.4% 0.45倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の全体像を見ると、売上高は300億円台から400億円規模で推移しているものの、利益の振れが極端に大きい企業であることがはっきり分かる。24.3では売上359億円に対して営業利益はわずか4億円、営業利益率は1.1%にとどまり、好況と呼べる局面でもほとんど利益が出ていない。一方、25.3では売上が325億円まで落ちたことで営業利益が一気に-119億円となり、営業利益率は-36.7%まで悪化している。売上の増減に対して利益が大きく振れる構造であり、固定費の重さと受注環境への依存度の高さが数字にそのまま表れている。

ROEとROAを見ても同じ傾向が読み取れる。24.3はROE1.1%、ROA0.9%と、かろうじてプラスではあるが資本効率としてはかなり低い水準である。25.3になるとROEは-18.4%、ROAは-14.4%と大きく悪化しており、赤字局面では株主資本や総資産を大きく毀損する体質であることが分かる。安定して資本を増やしていく企業とは性格がまったく異なる。

26.3予では売上400億円、営業利益10億円、純利益20億円と黒字回復を見込んでいるが、営業利益率は2%台にとどまる計算であり、利益水準としてはまだ弱い。過去の実績を見る限り、業界環境が少し悪化すれば再び赤字に転落しても不思議ではなく、黒字予想が出ているからといって安心できる状態ではない。

評価面については、赤字年度が多いためPERは実質的に使えず、利益水準を基準にした割安判断は難しい。一方でPBRは0.4倍台と低く、帳簿上の資産価値に対して株価が大きく割り引かれている。しかしこの低PBRは、資産が魅力的だからというよりも、将来にわたって安定した収益を生み出せるかどうかに市場が強い疑念を持っている結果と考えるのが自然である。

総合して考えると、島精機製作所は安定成長株でも高収益株でもなく、業績が市況に大きく左右される設備投資依存型の企業である。好況期には黒字化できるが、利益率は低く、環境が悪化すれば短期間で大赤字に転落するリスクを常に抱えている。PBRの低さだけを理由に長期投資を行うには根拠が弱く、配当や安定収益を目的とした投資にも向かない。

結論として、提示された数値だけで判断するなら、島精機製作所は明確に「市況回復を当てに行くターンアラウンド型の銘柄」であり、長期で安心して持ち続けるタイプの企業ではない。投資を検討する場合は、アパレル設備投資の回復タイミングや受注動向を強く意識した、タイミング重視の判断が前提になる企業と言える。

配当目的とかどうなの?

まず予想配当利回りを見ると、26.3、27.3ともに1.86%と水準は低めである。日本株全体で見ても、配当を主目的にする投資としては明確に物足りない数字であり、高配当株や安定配当株と比較すると見劣りする。

次に配当の安定性を見ると、この会社は業績の振れが非常に大きい。21年から25年にかけて赤字が続き、24年に一度黒字化したものの、25年には再び大幅赤字に転落している。営業キャッシュフローも23年から25年まで3年連続でマイナスであり、本業で安定的に現金を生み出せていない。こうした状況では、配当は利益やキャッシュフローに裏付けられたものというより、最低限の株主還元を形式的に維持している側面が強い。

26.3予、27.3予では黒字回復と配当20円を前提としているが、営業利益率は低く、過去の実績を踏まえると市況が少し悪化しただけで再び赤字に戻るリスクが高い。つまり、配当が将来にわたって安定して継続される確度は高いとは言えず、減配や無配に転じる可能性も常に意識しておく必要がある。

また、利回りが1.86%にとどまる一方で、株価の値動きは業績と市況に大きく左右されやすい。配当収入を得ながら長期保有するというより、株価の上下に振り回されるリスクの方が大きく、インカム投資としての効率は良くない。

総合すると、島精機製作所は配当目的の銘柄とは言いにくい。利回りは低く、業績とキャッシュフローの不安定さから配当の持続性にも疑問が残る。配当を主な目的に保有するよりも、業界回復や受注改善による業績反転を狙う値上がり益重視、もしくは短期的なタイミング投資向けの性格が強い。結論として、配当目的で選ぶ銘柄ではなく、インカム重視の投資家にとっては優先度の低い企業であると言える。

今後の値動き予想!!(5年間)

島精機製作所の今後5年間の株価がどのように動くのかを考えるうえで、最も重要な要素になるのは、やはり「アパレル業界の設備投資がどこまで回復するか」と「同社の赤字体質が本当に改善するのか」という点だと言える。

島精機製作所は、横編機やホールガーメントといったニット自動化技術で世界トップクラスの技術力を持つ企業だが、その業績はアパレル市況や設備投資サイクルの影響を非常に強く受ける構造にある。現在の株価は1,073円前後で、PBRは0.5倍を下回る水準にあり、市場は同社を「技術力は高いが業績が安定しない企業」としてかなり厳しく評価している状態だと言える。現在の1073円から今後5年間の値動きを考えて行きます。

まず、良いシナリオから考えると、世界的にアパレル市況が回復し、ファストファッションから高付加価値ニットまで幅広い分野で設備更新需要が戻るケースが想定される。島精機製作所はCADやデジタルデザインシステム、完全無縫製横編機といった独自技術を持っており、労働力不足や小ロット生産への対応が求められる環境では、本来強みを発揮しやすい企業である。26.3予以降に黒字が定着し、営業利益率がプラスで安定、ROE・ROAも改善してくれば、「赤字企業」という見方は徐々に薄れ、評価の見直しが進む可能性がある。この場合、株価はPBR0.8〜1.0倍程度まで見直され、5年後には1,800円〜2,300円程度まで上昇する余地がある。現在値から見ると、1.7倍〜2倍程度の上昇となり、「業績回復ストーリーに乗った場合のリターン」は決して小さくない。

次に中間のシナリオとしては、アパレル市場が緩やかに持ち直すものの、設備投資は限定的で、業績が黒字と赤字を行き来する状態が続くケースが考えられる。技術力は評価されるものの、売上の変動が大きく、利益が安定しないため、市場は慎重な評価を崩さない。この場合、株価は現在水準をやや上回る程度にとどまり、5年後で1,200円〜1,500円程度のレンジで推移する可能性が高い。低PBRによる下値の支えはある一方で、はっきりした成長期待が持てないため、大きく買われる展開にはなりにくい。

一方、悪いシナリオとしては、アパレル業界の構造不況が長期化し、設備投資が本格的に回復しないケースが挙げられる。25.3のような大幅赤字が繰り返され、営業キャッシュフローも改善しない状況が続けば、市場は「構造的に稼げない企業」と判断する可能性がある。そうなると、PBRはさらに低下し、株価は1,000円を割り込んで700円〜900円程度まで下落するリスクも否定できない。技術力が高くても、それを利益に結びつけられなければ株価評価は厳しいままとなる。

これら3つのシナリオを総合すると、島精機製作所は非常に高い技術力と独自性を持つ一方で、業績の振れ幅が大きく、株価もそれに連動しやすい「業績サイクル型の銘柄」であることが分かる。財務が極端に弱いわけではないため倒産リスクは高くないが、安定的に利益を積み上げる企業でもない。

結局のところ、島精機製作所の株価は「アパレル設備投資が本格回復するか」「赤字体質から脱却できるか」という2点に大きく左右され、5年後の姿は大きく変わる。成長回復を信じて仕込むなら妙味はあるが、配当や安定収益を目的に長期保有するタイプの銘柄ではなく、景気循環と業績改善の兆しを見極めながら向き合うべき、リスクとリターンがはっきりした企業だと言える。

この記事の最終更新日:2026年1月16日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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