株価
瑞光とは

瑞光は、小児用・大人用紙おむつ、生理用品といった衛生用品の製造機を主力とする産業機械メーカーであり、国内では最大手に位置付けられている企業である。本社は日本に置きつつ、日本・中国・ブラジルを主要な生産拠点とし、グローバル市場を前提に事業を展開している点が大きな特徴である。
同社の中核は、紙おむつや生理用品を高速かつ高精度で生産する専用製造機の開発・設計・製造である。原材料の供給から成形、接着、裁断、包装、検査に至るまでを一貫して自動化する製造ラインを提供しており、単なる汎用機ではなく、顧客ごとの製品仕様や生産能力に合わせたオーダーメイド型の設計を基本としている。このフルカスタマイズ対応力こそが瑞光の最大の強みであり、長年にわたって国内外の大手衛生用品メーカーから信頼を獲得してきた要因となっている。
乳幼児用紙おむつや女性用生理用品の製造機分野では、国内トップシェアを誇り、多くの市販製品に瑞光の加工技術が使われている。特にパンツタイプ紙おむつ製造機では、接着剤を使わず糸ゴムで伸縮素材を固定するなど、快適性や通気性、軽量化を実現する独自の加工技術を持つ。これにより、製品の装着感を高めながら、材料使用量を抑え、環境負荷の低減にも寄与している。
生理用ナプキン分野では、三つ折りと包装を一体化した「イージーラップ」方式を世界で初めて実用化し、業界に大きな変革をもたらした。この方式は現在では事実上の標準となっており、瑞光の技術力と独創性を象徴する存在である。昼用、夜用、多い日用、軽い日用といった多様な製品仕様にも柔軟に対応できる設計力を有し、顧客の製品差別化を支えている。
また、瑞光は装置の販売にとどまらず、コンサルティングおよびメンテナンス事業を重要な収益源としている。世界各国の衛生用品市場や製品トレンドを把握した上で、顧客に対して製造工程や機能・性能面での提案を行い、市場競争力のある製品づくりをパートナーとして支援する姿勢を取っている。納入後も、定期診断、スペアパーツ供給、ユニットのオーバーホール、生産性向上の助言などを通じて、設備の長期安定稼働とランニングコスト低減をトータルでサポートしている。
近年は事業領域の拡張にも積極的である。子会社を通じて医療分野に進出し、ドレッシング材や医療用マスクなどの製造・販売を行うほか、製造工程で発生する規格外材料を再利用するリサイクルシステム、使用済み紙おむつを新たなエネルギー源に変える仕組みなど、環境対応型のソリューションも提供している。さらに高齢化社会を背景に、介護現場の負担軽減につながる装置やプロジェクトにも取り組み、衛生・医療・介護を横断した事業展開を進めている。
グローバル展開も瑞光の重要な柱である。中国、インド、東南アジア、米国、ブラジル、欧州など海外8拠点を中心に、各国で紙おむつ製造機の納入実績を積み重ねてきた。新興国における人口増加や生活水準の向上、高齢化の進展といった構造的な需要増を背景に、海外市場は中長期的に拡大が見込まれており、瑞光にとっては成長余地の大きい分野となっている。
総じて瑞光は、紙おむつ・生理用品製造機というニッチだが世界的に需要が拡大する分野に特化し、独自技術、オーダーメイド対応力、アフターサービス、環境・医療分野への展開、そしてグローバル展開力を組み合わせて競争優位を築いてきた企業である。景気循環の影響は受けやすいものの、人口動態という長期テーマに支えられた事業構造を持つ点が、同社の大きな特徴と言える。
瑞光 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021/2 | 23,087 | 1,892 | 2,103 | 1,620 | 61.7 | 13.8 |
| 2022/2 | 23,580 | 2,145 | 2,421 | 1,736 | 66.1 | 16.2 |
| 2023/2 | 26,505 | 1,803 | 2,219 | 2,665 | 101.2 | 25.2 |
| 2024/2 | 21,737 | 1,027 | 1,427 | 1,378 | 52.2 | 20 |
| 2025/2 | 19,950 | -307 | -149 | -788 | -29.8 | 10 |
| 2026/2(予) | 22,000 | 1,000 | 1,050 | 820 | 31.0 | 12 |
| 2027/2(予) | 27,000 | 1,200 | 1,250 | 970 | 36.6 | 12〜16 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023/2 | 388 | -1,372 | -822 |
| 2024/2 | -322 | 1,115 | -1,059 |
| 2025/2 | 1,091 | 1,136 | -772 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/2 | 6.8 | 8.0 | 5.3 | – | – |
| 2024/2 | 4.7 | 3.9 | 2.7 | – | – |
| 2025/2 | -1.6 | -2.4 | -1.6 |
37.5(高) 17.4(安) |
0.81 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績の水準と流れを見ると、2024年2月期は売上高217億円、営業利益10億円、経常利益14億円、純利益13億円である。営業利益率は6.8%から4.7%へと低下しており、利益の出方は明らかに鈍っていた。その翌年の2025年2月期は売上高199億円まで落ち込み、営業利益はマイナス3億円、経常利益はマイナス1億円、純利益はマイナス7億円と赤字に転落している。営業利益率はマイナス1.6%、ROEはマイナス2.4%、ROAもマイナス1.6%と、収益性指標は全面的に悪化した。
一方、2026年2月期予想では売上高220億円、営業利益10億円、経常利益10億円、純利益8億円と黒字回復が見込まれている。さらに2027年2月期予想では売上高270億円、営業利益12億円、経常利益12億円、純利益9億円と、回復基調が続く前提になっている。ただし、利益水準はピーク時と比べるとまだ低く、完全な成長軌道に戻ったと断言できるほどではない。
資本効率を見ると、ROEは2023年8.0%、2024年3.9%、2025年マイナス2.4%と急低下しており、稼ぐ力が一時的に失われたことがはっきり表れている。ROAも同様に5.3%から2.7%、マイナス1.6%へと悪化しており、設備産業としての固定費負担の重さが不調局面で一気に表面化する構造が見て取れる。
バリュエーション面では、2025年は赤字期であるためPERは参考値に近いが、高値平均37.5倍、安値平均17.4倍と振れ幅が大きい。これは業績回復期待と実績の悪さが市場で拮抗していることを示している。一方、PBRは0.8倍と1倍を割り込んでおり、資産価値ベースではすでに厳しめの評価が付いている。
これらの数値を総合すると、瑞光は明確に「業績ボトム圏からの回復局面にある銘柄」と位置付けられる。赤字を一度経験したことで市場の評価は大きく切り下がっており、PBR1倍割れはその象徴である。ただし、営業利益率・ROE・ROAはいずれも低水準で、回復が数字として安定するまでは評価の修復には時間がかかる可能性が高い。
結論として、数値だけで判断すれば瑞光は安定成長株や高収益株ではなく、業績回復を前提にした局面銘柄である。2026年、2027年予想が実現すれば見直し余地はあるが、利益率と資本効率が明確に改善しない限り、株価は低評価と高期待の間で不安定に動きやすい。現時点では「底打ち確認後の回復を取りに行く投資家向け」であり、安定性や確実性を重視する投資には向かない銘柄と言える。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは2026年2月期、2027年2月期ともに1.15%と低水準で、インカムゲインを主目的とする投資には明確に不足している水準である。一般的に配当目的として意識されやすい利回りは少なくとも2.5%前後、できれば3%程度であり、それと比べると見劣りする。
背景として、瑞光は直近で赤字決算を経験しており、業績は回復途上にある。2026年以降は黒字回復予想とはいえ、営業利益率やROEはまだ低水準で、会社としても積極的な株主還元より、まずは業績の立て直しと受注回復を優先している段階と考えられる。配当額も最低限を維持する水準にとどまっており、「安定配当」や「高配当」を志向している企業姿勢は見えない。
また、設備投資型・受注産業であるため、業績の振れが大きく、将来も配当が安定的に積み上がっていくとは言い切れない点も配当目的には不向きである。仮に業績が予想通り回復しても、まずは財務体質の安定や次の受注に備えるため、配当性向が急に引き上げられる可能性は高くない。
結論として、瑞光は配当を目的に長期保有する銘柄ではない。インカム狙いの投資家にとっては魅力が乏しく、配当はあくまで「回復局面でもらえるおまけ程度」と考えるのが現実的である。この銘柄に投資するのであれば、配当ではなく、業績回復や受注増による株価の見直しを狙うキャピタルゲイン重視のスタンスが前提になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
瑞光の現在値は1,039円である。この水準を起点に今後5年間の値動きを考えると、同社の株価は紙おむつ・衛生用品製造機の世界市場における需要動向、受注回復の進捗、利益率・収益性の改善が株価評価に直結するタイプの銘柄である。装置受注は景気や衛生用品メーカーの投資意欲に左右されやすく、業績が一時的に大きく変動する特徴を持つ。
良い場合は、世界的な衛生用品市場の堅調な拡大と、瑞光の主力製造機への需要が安定的に回復・成長するシナリオである。この場合、新興国を含むグローバル市場での受注が増加し、売上高は予想以上に伸び、営業利益率は安定して改善し、ROEやROAもプラス圏で着実に拡大する。業績回復を背景にPERは過去の高評価レンジに近い20倍〜30倍程度まで評価される可能性がある。このような良いシナリオが実現すれば、5年後の株価は1,500円〜2,000円程度まで上昇することが期待される。ただし配当利回りは低いままであるため、キャピタルゲインが主たるリターン源となる。
中間のケースは、紙おむつ・衛生用品市場は堅調だが、受注・生産設備投資の回復が緩やかで、売上や利益は横ばい〜緩やかな改善にとどまるシナリオである。この場合、営業利益率やROEはゆるやかに改善するものの、2025年の赤字期の影響を十分に払拭できず、市場評価はPER10倍〜15倍程度にとどまる可能性が高い。こうした中間シナリオでは、5年後の株価は900円〜1,200円程度の範囲で推移することが想定される。配当も低水準が続くため、値動き自体は緩やかで、投資リターンは限定的となる可能性がある。
悪い場合は、衛生用品製造装置の受注が世界的な景気鈍化や企業の設備投資先送りにより思ったように伸びないシナリオである。特に新興国市場や主要顧客の投資抑制が続けば、売上は低迷し、営業利益率はさらに低下、ROE・ROAも低迷する可能性がある。市場評価が厳しくなるとPERは過去の安値レンジに近い5倍〜8倍程度まで低下するリスクがある。これが現実化した場合、5年後の株価は600円〜850円程度まで下落するリスクがある。低配当と低評価が重なり、インカムでもキャピタルでもリターンが抑えられる展開となる。
総合すると、瑞光は業績が回復・成長するか否かで株価の振れ幅が大きく分かれる銘柄であり、現在値1,039円は一定の不確実性を織り込んだ水準といえる。良い場合はグローバル需要の回復で上値余地が大きいものの、設備投資環境の鈍化や競争激化が重なると下振れリスクも無視できない。中間ケースでは緩やかな値動きが続く展開が中心になるだろう。
この記事の最終更新日:2026年1月17日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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