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巴工業(6309)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-16)
1,945.00
前日比 +29.00(+1.51%)

巴工業とは

巴工業株式会社は、東京都品川区に本社を置く中堅化学機械メーカーであり、デカンター型遠心分離機において国内首位の地位を持つ企業である。事業は大きく分けて、遠心分離機などを製造・販売する機械メーカー部門と、化学工業製品を輸入・販売する専門商社部門の二本柱で構成されており、製造業と商社機能を併せ持つ独自の事業構造が特徴となっている。

同社は1941年に東京市芝区新橋で設立され、戦後の1950年には米国シャープレス社と技術援助契約を結び、遠心分離機の製造・販売を本格的に開始した。これを契機に、石油化学工業をはじめとする各種産業向けに分離技術を提供し、日本の高度経済成長を支える産業機械メーカーとして発展してきた。以降、本社移転や工場新設を重ねながら事業基盤を拡充し、2000年代には上場企業としての体制を整え、現在は東京証券取引所プライム市場に上場している。

機械事業における最大の強みは、デカンター型遠心分離機の圧倒的な実績と技術力である。巴工業は、1500種を超える処理物に対する分離実績を有しており、大きな粒径から微細な粒径まで、高精度かつ安定した分離を可能とする製品ラインナップを構築している。石油化学、食品、製紙、鋼鉄、鉱業、エネルギー、バイオ、下水・し尿処理、廃棄物処理など、極めて幅広い分野で納入実績を持ち、国内外の多様な環境基準や設備要件に対応してきた。

また、世界最大級の縦型デカンターの開発実績に代表されるように、単なる標準機の供給にとどまらず、顧客のプロセスに合わせた個別設計力にも強みを持つ。営業、技術、製造が一体となった体制により、装置の設計から製作、据付、試運転までを一貫して対応できる点が高く評価されている。加えて、納入後の定期点検、補修、改良工事、運転維持管理まで含めたサービス・保守体制を自社およびグループ企業で整えており、長期にわたる安定稼働を支えるストック型ビジネスとしても機能している。

一方、商社部門である化学品事業は、1952年に米国ユニオン・カーバイド社から合成樹脂を輸入したことに始まり、長い歴史を持つ事業である。現在では、合成樹脂、化成品、工業材料、高機能無機材料、金属材料、電子材料など、幅広い化学工業製品を取り扱っており、輸入化学品商材の比重が大きい。単なる物販にとどまらず、技術的知見を活かしたテクニカルサポートや情報提供を行う点が専門商社としての強みとなっている。

海外展開にも積極的で、1980年代以降、中国・香港・深圳地区を皮切りにアジアへ進出し、近年では中国本土やタイにも拠点を構えている。これにより、日系企業の海外展開支援や現地顧客への直接販売を可能とし、グローバルな化学品流通ネットワークを構築している。

総合すると、巴工業はデカンター型遠心分離機で国内首位という明確な競争優位を持つ機械メーカーであると同時に、化学品分野で高付加価値商材を扱う専門商社としての顔も併せ持つ企業である。製造業としての技術力と、商社としてのネットワーク・情報力を組み合わせた事業モデルにより、景気変動への耐性を一定程度確保しながら、安定した事業運営を行っている点が大きな特徴となっている。

巴工業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益(EPS)
(円)
一株当り配当
(円)
連22.10* 45,588 3,299 3,421 2,659 88.8 17.7
連23.10* 49,628 4,048 4,115 2,733 91.3 36.7
連24.10* 52,119 4,703 4,775 3,616 120.8 48.3
連25.10予 59,300 5,400 5,450 3,820 127.6 50.3
連26.10予 60,100 5,700 5,700 4,000 133.6 51〜54

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 3,512 -99 -678
2024 3,363 -629 -1,327
2025 2,376 -2,474 -1,546

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROA ROE PER(倍) PBR(倍)
2023 8.1% 5.5% 7.4%
2024 9.0% 6.7% 9.1%
2025 9.0% 6.8% 9.0% 11.8(高値平均)
7.8(安値平均)
1.36

出典元:四季報オンライン

投資判断

直近の業績推移を見ると、巴工業は売上・利益ともに着実な拡大が続いている。連23.10は売上496億円、営業利益40億円、経常利益41億円、純利益27億円であった。連24.10には売上521億円、営業利益47億円、経常利益47億円、純利益36億円へ伸長し、連25.10予では売上593億円、営業利益54億円、経常利益54億円、純利益38億円と増勢が続く見通しである。連26.10予でも売上601億円、営業利益57億円、経常利益57億円、純利益40億円と、緩やかながら成長が継続する想定となっている。

収益性の面では、営業利益率が2023年8.1%、2024年9.0%、2025年9.0%と高水準で安定しており、装置メーカーとしては非常に優良な水準にある。価格競争に陥りにくいデカンター型遠心分離機の競争優位が、数字に明確に表れている。

資本効率を見ると、ROEは2023年7.4%、2024年9.1%、2025年9.0%と改善し、高水準を維持している。ROAも5.5%、6.7%、6.8%と上昇しており、資産を効率的に利益へ転換できていることが分かる。製造業としてはバランスの取れた収益力と資本効率を備えている。

評価面では、2025年実績ベースのPERが高値平均11.8倍、安値平均7.8倍と低めの水準にあり、利益成長を踏まえると過度な割高感はない。PBRは1.3倍で、ROE9%前後を考慮すれば妥当な評価水準といえる。

以上を総合すると、巴工業は売上・利益の成長性、営業利益率の高さ、ROE・ROAの安定性がそろった質の高い企業である。評価指標もPER一桁後半から10倍台前半、PBR1倍台前半と、成長と収益性を考えれば割高とは言えない。数字だけで判断する限りでは、安定成長型の優良企業として評価でき、中長期での保有に適した銘柄と位置付けられる。

配当目的とかどうなの?

巴工業を配当目的で見ると、利回り水準と業績の質のバランスが取れた、比較的安心感のある配当銘柄と評価できる。まず配当利回りを見ると、連26.10・連27.10ともに予想配当利回りは3.70%と、製造業の中では中位からやや高めの水準にある。突出した高配当ではないものの、安定的なインカム収入を狙う投資家にとっては十分に検討対象となる水準である。

業績面との整合性を見ると、売上・利益は右肩上がりで、純利益は直近で40億円規模まで拡大している。営業利益率は9.0%前後と高水準で安定しており、ROEも9%前後、ROAも6%台と、配当原資となる利益創出力は非常に強い。営業CFも安定したプラスを維持していることから、配当は無理のない範囲で支払われていると判断できる。

評価面では、PERは一桁後半から10倍台前半、PBRは1.3倍程度であり、配当利回り3.7%は過度に株価を押し上げた結果ではない。ROE水準を踏まえると、配当と内部留保のバランスは比較的健全で、将来の成長投資を圧迫する水準でもない。

また、事業内容の面でも、デカンター型遠心分離機で国内首位という明確な競争優位を持ち、化学・食品・環境など幅広い分野に分散して納入実績があるため、景気変動に対する耐性も一定程度確保されている。商社部門を併せ持つ点も、業績の安定性に寄与している。

総合すると、巴工業は配当利回り3.7%前後を安定的に受け取りつつ、業績成長による緩やかな増配や株価上昇も期待できる中間型の配当銘柄である。利回り最優先の高配当株ではないが、配当の持続性と業績の質を重視する投資家にとっては、長期保有に適した配当目的銘柄と評価できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

巴工業の現在値は1,945.0円である。この水準を起点に、今後5年間の株価の値動きを考える。巴工業は、デカンター型遠心分離機で国内首位という明確な競争優位を持つ機械メーカーであり、同時に化学品の輸入・販売を行う専門商社機能を併せ持つ、製造と商社の二本柱モデルが特徴の企業である。機械事業は石油化学、食品、環境、下水処理、エネルギーなど幅広い分野に展開されており、処理実績は1,500種超と非常に厚みがある。一方、化学品事業は海外ネットワークを活かした高付加価値材料の販売が中心で、景気変動に対する耐性を一定程度持つ構造となっている。

良い場合は、国内外での環境関連投資、下水・廃棄物処理、食品・化学プラント向け設備投資が堅調に推移し、デカンター型遠心分離機の需要が安定的に拡大するシナリオである。これに加えて、化学品事業が海外展開の進展により着実に成長すれば、売上・利益は5年間で段階的に伸びていく可能性が高い。営業利益率は9%前後を維持し、ROEも9%台を安定的に確保できれば、市場からは安定成長型の優良中堅株として評価され、PERは高値平均付近の11倍前後まで許容される余地がある。この場合、5年後の株価は2,800円〜3,400円程度まで上昇する可能性がある。配当も3%台後半を維持できれば、値上がり益とインカムの両立が期待できる展開となる。

中間のケースは、設備投資は継続するものの大きな拡大局面には入らず、機械事業・化学品事業ともに安定成長にとどまるシナリオである。この場合、売上・利益は緩やかに増加し、営業利益率やROEは現状水準を維持する可能性が高い。一方で市場評価は落ち着いたものとなり、PERは8〜10倍程度のレンジで推移することが想定される。株価は大きくは上昇せず、5年後で1,800円〜2,300円程度のレンジで推移する可能性が高い。ただし、配当利回りは3.5〜4%前後が見込まれ、長期保有によるインカム目的の投資としては一定の魅力を持つ。

悪い場合は、世界経済の減速や化学・エネルギー分野の設備投資抑制が長期化し、遠心分離機の受注が鈍化するシナリオである。加えて、化学品事業において価格競争やマージン低下が起きた場合、利益率は低下し、ROE・ROAも悪化する可能性がある。この場合、市場の評価は慎重となり、PERは過去の安値水準である7倍前後まで切り下げられる可能性がある。こうした状況が続けば、5年後の株価は1,300円〜1,600円程度まで下落するリスクも考えられる。配当利回りは相対的に高く見えるが、株価下落を十分に補えるとは限らない。

総合すると、巴工業は突出した成長企業ではないものの、国内首位のニッチ製品と商社機能を併せ持つことで、景気変動に対する耐性を備えた堅実な企業である。現在値1,945円は、成長期待と安定性をバランス良く織り込んだ水準と見られる。大きな上振れには外部環境の追い風が必要だが、中間シナリオでも配当を含めた安定的なリターンが見込める一方、悪化局面では一定の下振れリスクもあるため、設備投資動向と海外事業の進捗を注視しながらの投資判断が求められる銘柄と言える。

この記事の最終更新日:2026年1月18日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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