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帝国電機製作所(6333)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-01-19)
3,210.00
前日比 -90.00(-2.73%)

帝国電機製作所とは

帝国電機製作所は、兵庫県たつの市新宮町に本社を置く機械メーカーで、キャンドモータポンプと呼ばれる完全無漏洩ポンプの分野で世界トップクラスの地位を持つ企業である。東証プライム市場に上場しており、キャンドポンプでは国内シェア約6割、世界シェアも4割弱とされ、この分野では事実上の最大手として知られている。

同社の事業の中核は、化学液が外部に一切漏れない構造を持つキャンドモータポンプである。研究開発から設計、製造、販売、アフターサービスまでを一貫して自社で行う体制を構築しており、高い信頼性と安全性が求められる分野で強みを発揮している。主な用途は石油化学プラント、ファインケミカル、医薬品、食品分野に加え、原子力発電所や変電所など、漏洩が重大事故につながりかねないインフラ領域である。特に化学・エネルギー分野では、同社製品が事実上の標準装置として採用されるケースも多い。

現在の売上の大半はポンプ事業が占めており、キャンドモータポンプを中心に、定量ポンプ、マグネットポンプ、スラリー自吸式ポンプ、溶融塩用モータポンプ、電動油ポンプ、トロコポンプなど、多様なポンプ製品を展開している。加えて、キャンドモータかくはん機や破砕機、エアレータといった周辺機器も手がけており、化学プラント向けの流体制御・処理分野で幅広い製品ラインアップを持つ。その他にも、モータ回転方向検知器、高圧注入装置、SF6電動送風機、活線浄油機など、電力・産業インフラ向けの特殊機器も製造している。

同社はもともとポンプ専業ではなく、歴史を振り返ると事業転換を重ねて現在の姿に至っている。1939年に大阪で鉄道信号機の製造・販売から事業を開始し、戦前・戦中は鉄道用電気信号や航空機用電気部品などを手がけていた。戦後には電気自動車の開発にも挑戦し、1947年には「エレカ号」を開発するなど、当時としては先進的な技術開発を行っていた。その後、内燃機関車の普及により電気自動車事業から撤退したが、電装品や発電機、点火装置などの開発を経て、1960年に独自技術によるキャンドモータポンプの開発に成功し、現在の事業基盤を確立した。

海外展開にも積極的で、1991年には北米に現地法人を設立し、1994年には中国・大連市にキャンドモータポンプの製造拠点を設立している。近年は米国企業の買収も行い、北米市場でのプレゼンスを一段と強化している。現在ではアメリカ、中国、台湾、シンガポール、ドイツ、韓国、インドの7カ国に拠点を持ち、グローバルに事業を展開している点も特徴である。

過去には電子部品事業として、自動車用電装品や産業機器向け基板の製造も行っていたほか、昇降機などの特殊機器や健康食品といった異分野事業も展開していたが、現在はキャンドモータポンプを軸としたポンプ事業に経営資源を集中している。安全性・信頼性が最優先されるニッチ分野に特化することで、高いシェアと収益性を維持してきた点が同社の最大の特徴である。

総合すると、帝国電機製作所は、完全無漏洩という明確な技術的強みを持ち、化学・エネルギー・インフラ分野で不可欠な存在となっている企業である。派手な成長産業ではないものの、代替が難しい製品と世界的なシェアを背景に、長期的に安定した需要が見込める産業機械メーカーと位置づけられる。

帝国電機製作所 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株当り配当(円)
連21.3 19,910 2,262 2,513 2,324 118.1 36
連22.3 22,244 2,494 2,953 1,987 103.3 50
連23.3 28,450 5,023 5,472 3,996 215.0 116
連24.3 29,217 4,882 5,442 3,125 173.8 92
連25.3 30,546 6,055 6,296 3,811 219.3 110
連26.3予 27,500 5,000 5,120 3,700 222.7 110
連27.3予 28,000 5,100 5,250 3,800 228.7 110〜116

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 4,853 281 -3,713
2024 2,395 -2,973 -4,076
2025 3,944 1,470 -4,706

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 17.6 9.6 12.8
2024 16.7 7.4 9.8
2025 19.8 8.9 11.6 15.4(高値平均)
9.9(安値平均)
1.64

出典元:四季報オンライン

投資判断

連24.3では、売上高は約292億、営業利益は48億、経常利益は54億、純利益は31億という水準である。営業利益率は17.6%と非常に高く、産業機械メーカーとしてはトップクラスの収益性を示している。ROEは12.8%、ROAは9.6%と、利益率の高さがそのまま資本効率にも反映されており、事業の質の高さが数値から明確に読み取れる。

連25.3になると、売上高は約305億へ拡大し、営業利益は60億、経常利益は62億、純利益は38億とすべての利益項目で増加している。営業利益率は16.7%とやや低下したものの、依然として高水準を維持している。ROEは9.8%、ROAは7.4%と効率面では一服感があるが、これは利益の絶対額が増える中で自己資本や資産が積み上がった影響と考えられ、事業競争力が落ちたとは言いにくい。

連26.3予では、売上高は約275億とやや減少する想定だが、営業利益は50億、経常利益は51億、純利益は37億と高い利益水準を維持する見通しである。営業利益率は19.8%まで上昇し、再び過去最高水準に近づく計画となっている。ROEは11.6%、ROAは8.9%と回復しており、規模の拡大よりも「高収益体質」を優先した事業運営が続いていることが分かる。

バリュエーション面を見ると、2025年実績PERは高値平均で15.4倍、安値平均で9.9倍、PBRは1.6倍である。営業利益率が20%近く、ROEが2桁前後で安定している企業としては、PERは割高でも極端に割安でもなく、PBRも収益力を考えれば妥当な水準といえる。市場は同社を「高収益だが成長は緩やかな企業」として評価している状態である。

これらを総合すると、帝国電機製作所は売上規模こそ大きくないものの、非常に高い利益率と安定したROE・ROAを維持しており、事業の質は極めて高い。売上が多少上下しても利益をしっかり確保できる構造を持っており、価格競争に巻き込まれにくい強固なポジションが数字に表れている。

結論として、帝国電機製作所は「高成長株」ではないが、「高収益・高付加価値型の優良企業」として評価できる銘柄である。PER・PBRを見る限り、割安放置というほどではないものの、利益の安定性と収益性を考えれば過度な割高感もない。数値だけで判断すれば、景気変動に左右されにくい高品質企業を中長期で保有したい投資家に向いた銘柄だと判断できる。

配当目的とかどうなの?

帝国電機製作所を配当目的で見ると、「高配当株とは言えないが、収益力に裏付けられた安定した中高配当銘柄」と評価できる。予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに3.42%と、製造業としては十分に魅力的な水準にある。4〜5%超の典型的な高配当株には及ばないものの、3%台前半を安定的に維持できている点は、配当目的の投資でも無視できない。

特に評価できるのは、配当の原資となる利益の質である。営業利益率は直近3年で16〜19%台と非常に高く、ROEも10%前後、ROAも8%前後を維持している。これは「利益が出ているから配当を出している」状態であり、無理に配当性向を引き上げて利回りを作っている企業とは性格が異なる。売上が多少減少する局面でも、利益率の高さによって配当を維持しやすい構造を持っている。

また、26年予・27年予ともに配当水準が据え置き想定となっている点から、会社としては減配リスクを極力抑え、安定配当を重視している姿勢が読み取れる。営業CFも安定してプラスで推移しており、キャッシュ面から見ても配当の持続性に大きな不安は感じにくい。

一方で、注意点としては、同社は高成長企業ではなく、売上規模は比較的コンパクトで、業績は設備投資やプラント投資の循環に影響される側面がある。そのため、将来も毎年大幅な増配が続くタイプではなく、配当は「安定はするが伸びは緩やか」という位置づけになる。また、株価が大きく上昇すれば利回りは自然と低下するため、配当狙いでの買い時は株価水準の見極めが重要になる。

結論として、帝国電機製作所は配当“だけ”を最大化するための銘柄ではないが、3%台前半の利回りを、高収益・高利益率という強固な事業基盤の上で安定的に受け取りたい投資家には適した銘柄である。配当を受け取りながら、業績の安定と緩やかな株価上昇を期待する、中長期のインカム重視型投資には相性が良いと判断できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

帝国電機製作所の現在値3,210.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。帝国電機製作所はキャンドモータポンプの最大手であり、完全無漏洩という強い技術的差別化を武器に、化学・石油化学・医薬・エネルギー分野を中心としたニッチ市場で世界トップクラスのシェアを持つ企業である。売上規模は300億円前後と大きくはないが、営業利益率は15〜20%台と極めて高く、典型的な高収益・高付加価値型の産業機械メーカーである点が特徴である。株価は景気敏感株というより、事業の質と利益率の高さを評価されて動く傾向が強い。

良い場合は、化学プラントやエネルギー関連設備の更新・新設投資が国内外で活発化し、キャンドポンプ需要が想定以上に拡大するシナリオである。特に安全性・環境規制の強化が進めば、完全無漏洩ポンプの重要性はさらに高まり、価格競争に陥らずに利益率を維持・向上させやすい。営業利益率が20%前後で安定し、ROEも12〜15%程度を維持できれば、市場は同社を「小型だが高品質な優良企業」として再評価しやすくなる。この場合、PERは15倍台後半から18倍程度まで許容され、5年スパンでは株価は4,500円〜6,000円程度まで上昇する可能性がある。この上昇は急騰というより、利益の積み上げと評価のじわりとした切り上がりによるものになる。

中間のケースは、化学・エネルギー分野の投資が安定的に推移し、売上・利益ともに大きな成長はないものの、高い利益率を維持するシナリオである。営業利益率は16〜18%程度、ROEは10%前後で落ち着き、市場評価も現状水準に近いPER12〜15倍程度に収れんしやすい。この場合、株価は3,300円〜4,500円程度のレンジで推移し、5年後は4,000円前後に落ち着く可能性が高い。配当利回りは3%台を維持できるため、値動きは大きくなくとも、インカムを受け取りながらの安定的な保有が意識される展開となる。

悪い場合は、世界的な設備投資の停滞や特定業界の投資抑制により受注が減少し、売上が縮小するシナリオである。利益率の高い企業ではあるものの、売上減少が続けば営業利益率は15%を下回り、ROE・ROAも低下する可能性がある。この場合、市場は成長期待を後退させ、PERは10倍前後まで切り下げられる余地がある。配当利回りは下値を一定程度支えるものの、株価は2,200円〜3,000円程度まで下落し、その後も緩やかな回復にとどまる展開となるリスクがある。

総合すると、帝国電機製作所の株価は、大型案件の成否で乱高下するタイプではなく、ニッチ分野での圧倒的シェアと高利益率という「事業の質」をどう評価されるかで決まる銘柄である。現在値3,210円は、すでに高収益体質をある程度織り込んだ水準ではあるが、極端な割高感はない。一方で、爆発的な成長を前提とする銘柄でもなく、5年間という時間軸では、安定した利益と配当を背景にした緩やかな上昇が基本シナリオとなる。投資対象としては、値幅取りよりも、高品質な企業を中長期で保有するスタンスに向いた銘柄だと言える。

この記事の最終更新日:2026年1月19日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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