株価
マテリアルグループとは

マテリアルグループ株式会社は、PRや広告、マーケティングを中心に事業を展開する企業です。2014年8月18日に設立され、本社は東京都港区赤坂1丁目12番32号のアーク森ビルにあります。代表取締役社長は青崎 曹氏で、資本金は約1億1,714万円です。
上場市場は東京証券取引所グロース市場で、2024年3月29日に上場しました。決算期は毎年9月1日から翌年8月31日までとなっており、株主総会の基準日は8月31日です。配当の基準日は中間が2月末日、期末が8月31日です。
マテリアルグループは、広報・PRのコンサルティングを中心に、デジタルマーケティングやPRプラットフォームの運営を行っています。PRコンサルティング事業では、企業や商品のブランド力を高めるための戦略立案から、メディア露出やSNS施策の実行までを一貫して支援しています。
デジタルマーケティング事業では、ウェブ広告の運用支援や動画・画像制作、ウェブ接客ツールの提供などを通じて、企業のデジタル戦略をサポートしています。また、PRプラットフォーム事業では、スタートアップや中小企業とメディア、フリーランスのPR人材を結びつけるサービスを提供しており、広報活動の効率化を目指しています。
これら3つの事業を柱に、企業の情報発信力を高めることをミッションとしており、従来の広告代理店モデルを超えた統合型マーケティング支援企業として成長を続けています。
直近3年間の業績・指標
| 決算期(8月期) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株当たり利益 (EPS, 円) | 1株当たり配当 (DPS, 円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023/08 実績 | 4,655 | 713 | 695 | 437 | 44.56 | — |
| 2024/08 実績 | 5,281 | 810 | 763 | 709 | 73.10 | 25.06 |
| 2025/08 実績 | 6,288 | 832 | 753 | 468 | 48.32 | 26.00 |
出典:2024年8月期 決算短信(連結)要約表・配当の状況(2023/08・2024/08)および 2025年8月期 決算短信(連結)要約表・配当の状況(2025/08)。
バリュエーション
| 決算期 | PER(倍) | PBR(倍) | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/08 実績 | — | — | 15.32 | 30.6 | 16.6 |
| 2024/08 実績 | — | — | 15.35 | 35.06 | 21.77 |
| 2025/08 実績 | 11.35 | 3.22 | 13.23 | 21.70 | 12.01 |
出典元:IRBANK Yahoo!ファイナンス みんかぶ
投資判断
マテリアルグループ株式会社は、PR・広告・マーケティング支援を中心とする企業で、ここ数年で急速に売上を伸ばしています。特に2025年8月期の売上高は約62億円と、前年の約53億円からおよそ19%増加しており、順調な成長を続けています。ただし、利益面ではやや減速傾向が見られます。営業利益は約8.3億円で前年より微増ですが、経常利益は7.5億円とわずかに減少、純利益は約4.7億円と前期比で3割以上減少しました。
それでも営業利益率は13%台と高水準で、ROE(自己資本利益率)は約21.7%、ROA(総資産利益率)は約12%と、資本効率の良さが際立っています。企業としての収益構造は安定しており、利益率・資本効率の両面で優れた体質を維持しています。
一方で、2025年の利益減少は注意すべきポイントです。売上は伸びているのに純利益が落ちていることから、人件費や広告宣伝費などのコスト上昇、もしくは投資負担の増加が影響していると考えられます。成長過程にある企業ではよくあることですが、利益成長の鈍化は投資家心理にマイナスに働く場合があります。
株価指標を見ると、PERはおよそ11倍、PBRは約3.2倍と、成長企業としては比較的適正水準です。過去には評価が高く割高だった時期もありましたが、現在は利益の調整を受けて株価水準が落ち着いています。そのため、短期的な割高感は薄れつつあり、今後の業績回復があれば再び上昇する余地があります。
配当については2025年8月期で1株あたり26円を予定しており、配当性向は約53%と高めです。利益をしっかりと株主に還元する姿勢が見えます。配当があることで、成長企業としては珍しく、ある程度の安定感も評価できます。
総合的に見ると、マテリアルグループは「成長性と収益性を両立しているが、利益の波がある企業」です。今後もPRやデジタルマーケティング市場の拡大が続けば、業績回復とともに株価上昇が見込めます。一方で、短期的にはコスト上昇や利益減少が株価の上値を抑える可能性もあります。
配当目的とかどうなの?
マテリアルグループ株式会社は、配当目的の投資としては「ある程度魅力があるが、安定配当型とは言いにくい」企業です。
同社は成長企業でありながら、2025年8月期に1株あたり26円の配当を実施しています。配当性向はおよそ53%と高く、純利益の半分以上を株主に還元している計算になります。これはグロース市場に上場する成長企業としては比較的珍しく、株主還元に前向きな姿勢が見られる点は評価できます。
ただし、注意すべきなのは利益の変動が大きいことです。2025年8月期は純利益が前期より約3割減少しており、今後も投資負担や人件費の上昇によって利益が上下する可能性があります。業績が安定していないため、毎年同じ配当額を維持できるかは不確実です。
現時点では株価が1,000円台前半のため、配当利回りはおよそ2〜2.5%程度です。銀行預金などと比べれば悪くない水準ですが、毎年安定した配当を受け取りたい人にはやや向いていません。
一方で、会社としては成長と株主還元の両立を目指しており、利益が拡大すれば今後の増配も十分に考えられます。業績が上向けば配当も伸びる「配当成長株」としての期待はあります。
まとめると、マテリアルグループは短期的な高配当を狙う銘柄ではなく、今後の事業拡大とともに配当が増えていくタイプの企業です。安定配当よりも成長と還元の両方を重視する投資家に向いており、長期で見れば配当の魅力が高まる可能性があります。
今後の値動き予想!!(5年間)
マテリアルグループ株式会社の現在値は721円です。ここから今後5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで考えてみます。
まず、この会社はPRや広告、デジタルマーケティングを中心に事業を展開しており、SNSや企業ブランディングの分野で強みを持っています。2025年8月期には売上が約62億円まで伸びており、成長企業として注目されていますが、利益はやや減少しているため、成長の持続力が今後の鍵になります。
良い場合(強気シナリオ)
PRや広告の需要が引き続き拡大し、デジタルマーケティング事業が成長を続けるケースです。企業のブランド戦略やSNS活用が一段と進み、同社が新しい顧客を取り込むことに成功すれば、売上・利益ともに毎年15%以上の成長が期待できます。利益率も安定し、ROEが20%以上を維持できれば、株価は上昇トレンドを描くでしょう。5年後には株価が1,800円から2,000円程度まで上昇する可能性があります。上場直後の高値を再び目指す展開も考えられます。
中間の場合(現実的シナリオ)
成長は続くものの、競合や広告市場の波により成長率が緩やかになるケースです。年率7〜9%程度の堅実な成長が続き、営業利益率も安定するものの爆発的な伸びは見られません。利益に応じた配当も維持され、企業価値を着実に高めていく段階になります。この場合、5年後の株価は1,050円から1,200円程度と予想され、安定した中期成長株として推移するでしょう。
悪い場合(弱気シナリオ)
景気後退や広告費削減、競合の増加によって、売上や利益が伸び悩むケースです。成長市場が一服し、コスト上昇が続くと、利益率が下がり、純利益も減少する可能性があります。配当も減る可能性があり、株価は下落基調になるかもしれません。この場合、5年後の株価は500円から550円程度まで下がることが想定されます。長期間にわたって株価が停滞するリスクもあります。
マテリアルグループは成長性を持つ企業ですが、株価の動きは業績の伸び次第です。事業が順調に拡大すれば2倍以上の上昇も期待できますが、成長が鈍化した場合は株価の上値が重くなる可能性があります。配当を出している点は安心材料ですが、短期的な値上がりを狙うよりも、5年単位の中長期目線で保有するのが適した銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年10月26日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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